この記事は、YouTubeに投稿した動画の補足解説になります。ご覧になってからこの記事を見られると、より面白く見られると思います。

前編では、富山発着・金沢発着のタイプをご紹介しています。そのほかの行き先のパターンは後編でご紹介しております。合わせてご覧ください。

1961年10月1日。別名サンロクトォ改正とも呼ばれるダイヤ改正から、念願だった北陸への特急列車が運行を開始。停車駅であるはずの駅でなぜかドアが開かないなどのトラブルはあったものの(のちに能生騒動と呼ばれる事件)、その日を境に北陸のビジネス・観光は目覚ましい発展を遂げることにもなりました。
それから64年が経過した2025年。北陸本線は4つの三セクに移管され、数多の伝説を残した北陸特急も、ついにその役目を新幹線に譲り、その長い役目は徐々に下火傾向にあります。
今回は、そんな栄枯盛衰の北陸特急。その最盛期の停車パターンを調査しましたので、ご紹介しようと思います。
かつて数多の日本一を誇った特急 北陸特急系統

関西対北陸を結ぶルートの候補として常に上位に存在するのが、特急サンダーバードをはじめとした北陸特急。
北陸新幹線延伸前は、大阪~金沢間を最速2時間29分で結び、自家用車や高速バス、航空便に対して常に優位に立っており、現在でも北陸新幹線は「サンダーバード接続最優先ダイヤ」を組んでおり、最速2時間5分で同区間を結んでいます。そんなサンダーバード伝説の中でも突出して有名だったのが「日本最速の表定速度を誇る」という点と「停車パターンの多さ」。
このうち停車パターンについては、金沢延伸前の時点で合計28を数え、日本一停車パターンの多い列車へと成りあがり、その点で多くのファンの心を鷲掴みにしてきました。

が、ただでは済まないのが北陸特急
北陸新幹線の金沢延伸が影も形もなかった1997年。
当時駆け抜けた北陸特急には、白鳥・雷鳥・スーパー雷鳥、そしてサンダーバードという4つの種別が存在し、それぞれの需要に合わせた列車が運行されていました。
この3つの列車、名目上は停車パターンの違いによって分けられているとも考えることはできますが、その実態を時刻表で見ると
- 準速達型のスーパー雷鳥と最速達型のサンダーバードが同じ停車駅で走っている
- 定期サンダーバードよりも臨時雷鳥の方が停車駅が少ない(所要時間はサンダーバードのが短いけど…)
- 白鳥号って雷鳥よりもスーパー雷鳥的ポジションにいる
などなど…
実質的な扱いは、使用車両や行先の違う同一列車。その証拠に、この4つの列車すべてに自由席が必ず大阪~金沢間では3両連結され、特急料金もすべてB特急料金が適用。挙句の果てには愛称に関わらず号数を連続で採用するという始末。
そこで、気になってすべての停車パターンを調べ上げたところ、驚くべき事実が浮かび上がったのです。
というわけで、今回は北陸特急最盛期の1997年。その「迷」な停車パターンの沼へ、皆さまをご招待いたしましょう。
富山発着のパターン

天気も車両も恵まれませんでしたが、雨晴海岸の有名撮影地から1枚。というわけでまずは富山発着便いわゆるTタイプの列車をご紹介していこうと思います。
T1タイプ

名称(勝手につけたもの)
T1タイプ
停車駅
大阪・新大阪・京都・福井・金沢・高岡・富山
該当号数
- 下り:サンダーバード(以下T)1,T31,T45号
- 上り:T8,T12,T46号
概要
大阪~金沢間2時間29分、大阪~富山間3時間5分を誇る、みんな大好きな最速達便です。
なんでこれを一番最初に持ってきたのかということですが、上下6往復あるこのT1タイプが、1995年当時の雷鳥系列の運用において最も該当本数の多い便なのです。
…嫌な予感がした方、その通りです。当時の雷鳥は、スーパーもサンダバも1号から通しの号数を使用しており、最終46号までの計23往復、白鳥号も含めると24往復が定期列車で存在していたのですが、このうちで最大勢力はたったの6往復。この先が思いやられますね…
余談ですが、必ず富山行きとして走る列車になると、その総数はさらに減ります。
1号は前より付属3両が、夏季はそのまま富山地方鉄道に乗り入れて立山へ。46号については、冬季に直江津発のサンダーバードとして運行されていました。
これらのお話は、臨時便の項目で詳しくお話しようと思います。
というわけで、純粋な富山行きのタイプは2往復4本に減少。これでも多い方らしいです。えぇ…
T2タイプ

名称
T2タイプ
停車駅
大阪・新大阪・京都・敦賀・武生・福井・小松・金沢・高岡・富山
該当号数
- 下り:T41号
- 上り:T2,スーパー雷鳥(以下S)38号
概要
下り1本、上り2本が該当するのがこのT2タイプ。
スーパー雷鳥とサンダーバードの両方が該当するパターン。準速達と最速達の区分けもへったくれもない停車パターンです。
この便の大きな特徴が、土曜休日はサンダーバードの方が9分ほど早く大阪にたどり着けるのに対して、平日ではサンダーバード号の方が3分ほど所要時間が長いという逆転現象が起きていました。
その原因として上げられるのが「外側線快速」の存在。
現在でもラッシュ時間帯を中心に運行される高槻以北にも通過駅を持つ快速。その途中停車駅である長岡京駅が当時は外側線のホームに停車をしていたため、それに追いつきながらサンダバ2号は走っていました。一方でスーパー雷鳥38号は、外側線快速の存在しない夕方に運行されていましたから、先行列車につっかえることなく大阪まで走っていました。
最も疑問なのが、抜かそうと思えば高槻で抜かせたところを、なぜ抜かなかったのかという点ですが…(当時は新快速用ホームは通過線だったため)。
T3タイプ

名称
T3タイプ
停車駅
大阪・新大阪・京都・敦賀・福井・芦原温泉・加賀温泉・金沢・高岡・富山
該当号数
- 下り:T23号
- 上り:T16号
概要
芦原、加賀の両温泉に停車して金沢・富山に向うタイプ。
動画内でもお話しした通り、関西圏から温泉旅館へのアクセスにぴったりな時刻に運行が行われていました。
ビジネス特急にして行楽特急である雷鳥一族は、こうした面においても柔軟な停車パターンを組むことができていると思います。
ちなみに、上りのサンダーバード16号は、試作車である9両貫通の1000番台U編成が使用されており、座席や車内設備等に差が存在していました。時刻表の設備案内図にも、それを示す注記がありました。
ちなみにU1編成の折り返し下りの運用は、サンダーバード31号。T1タイプの列車です。
T4タイプ

名称
T4タイプ
停車駅
大阪・新大阪・京都・敦賀・武生・福井・芦原温泉・加賀温泉・小松・金沢・高岡・富山
該当号数
- 下り:17号
- 上り:44号
概要
全体を通して標準的な停車駅に止まるのがこのT4タイプ。
北陸新幹線の金沢延伸前のサンダーバードでも、標準的な停車パターンとして知られていた停車駅でしたが、当時は上下46往復あるうちの僅か1往復のみ該当。
これでも複数の列車が該当しているだけマシレベルのお話なのが本当に恐ろしい…
余談として、雷鳥17号はスーパー雷鳥編成を使用した間合い運用とされており、グリーン車2両付、普通席にもグレードアップ座席が使用されていました。
運用の都合上か、割とスーパー雷鳥編成がノーマルの雷鳥号として充てられる運用はちょこちょこ発生していました。(パノラマグリーン連結)の注記がある列車がそれです。
ただ、これが後々になって私を悩ませたのはここだけの秘密としてとどめておきましょう。詳しくは後日投稿予定の臨時便のパターンへ。
T5タイプ

名称
T5タイプ
停車駅
大阪・新大阪・京都・武生・福井・加賀温泉・小松・金沢・高岡・富山
該当号数
- 下り:該当なし
- 上り:S26号
概要
敦賀を通過して武生に止まるスーパー雷鳥号。ここからのTタイプは、1本しか該当しない停車パターンの列車をご紹介しましょう。
スーパー雷鳥26号ですが、武生駅に止まり敦賀駅を通過するという迷列車でした。まぁとは言いつつ当時のスーパー雷鳥はそこそこの本数が敦賀通過の武生停車というパターンで運行されていました。
動画で触れた後に、改めて調査をしてみたのですが、やっぱり敦賀通過の理由は掴むことができませんでした。何か理由をご存じの方がいましたらコメント欄へよろしくお願いします。
敦賀駅をご利用のお客様は富山を12分後に発車しますしらさぎ10号にご乗車下さい。この列車武生には止まりますが敦賀には止まりませんのでご注意ください。
T6タイプ

名称
T6タイプ
停車駅
大阪・新大阪・京都・敦賀・福井・加賀温泉・小松・金沢・高岡・富山
該当号数
- 下り:S39号
- 上り:該当なし
概要
先述したT5タイプから、敦賀を停車にして、武生を通過にするタイプです。
武生駅ヘは後続のサンダーバード41号で…とご案内しましたが、時刻表を見てみたところ敦賀で4分後に発車する普通列車が存在し、そちらの方が30分ほど早く武生に到着できることが判明しました。
まぁ昔の話をしてもあれですが…w
なお当列車は途中加賀温泉で、大阪を55分前に発車した寝台特急「日本海1号」を追い抜きます。
客レと電車、機関車交換などの都合などもあるとはいえ、国鉄形特急電車が、同世代の客レ特急を追い回すダイヤが組まれているのが面白いですね。これこそ日本海縦貫線の最盛期という感じもして面白いものですが(n回目)。
で、これがまた面白い要素を追加しておりまして、この列車の前後に金沢駅に到着する列車の時刻を調べてみると
金沢着時刻 | 種別 | 行先 |
21:03 | 普通 | 津幡 |
21:06 | 特急雷鳥37号 | 金沢 |
21:12 | 特急しらさぎ13号 | 富山 |
21:22 | 快速 | 金沢 |
21:25 | 特急スーパー雷鳥39号 | 富山 |
21:33 | 特急日本海1号 | 函館 |
21:59 | 普通 | 金沢 |
はい、優等列車が5本連続立て続けにやってきます。しかもやってくる車両はどれも愛称が違うときた。
これこそ、日本海縦貫線の全盛期っていう感じもしてまぁオタクスマイルがはじけるっていうもんですよ(笑)。
これだけで動画1本作れそうですね。てことで誰か作って(停車駅以外はあんまり作る気にならん)。
T7タイプ

名称
T7タイプ
停車駅
大阪・新大阪・京都・敦賀・武生・福井・芦原温泉・加賀温泉・小松・松任・金沢・高岡・富山
該当号数
- 下り:該当なし
- 上り:14号
概要
朝方および夕方に運行されていた松任停車のタイプ。そのうち当列車は朝時間帯最後の停車タイプとして松任駅を9時21分に発車します。
松任に止まる以外は特筆するべきことも無いように思えますが、実はこの列車、寝台特急「トワイライトエクスプレス」を敦賀での機関車交換中にぶち抜く列車として運用されていたのです。
大阪には当列車は12時5分の到着、一方でトワイライトエクスプレスは12時42分の到着。速度を求める列車ではないとはいえ、仮にも同等の特急という地位を持ちながらここまで露骨に引き離されると「特別急行」という言葉の意味さえ考えさせられます。
最も、トワイライトエクスプレスは「特別(な設備を持つ)急行」が売りの特急でしたからね。
T8タイプ

名称
T8タイプ
停車駅
大阪・新大阪・京都・近江今津・敦賀・武生・鯖江・福井・芦原温泉・加賀温泉・小松・金沢・高岡・富山
該当号数
- 下り:9号
- 上り:該当なし
概要
湖西線内の近江今津にも止まるのが、このタイプ。
当時の湖西線内のデッドセクションが、永原~近江塩津間に存在したうえに、同区間を通過する旅客需要は基本的に特急による通過需要なので、普通列車は日に僅か8往復のみ。現在では新快速などを含めて日に17往復あるので、当時の需要の無さがわかりますね。
そのため、湖西線から北陸方面、あるいは敦賀を経て米原方面へ向かう乗客への救済も兼ねてか、当時は湖西線内に停車する雷鳥号も存在しており、これで普通列車を救済していました。
のちに敦賀まで直流化した結果、本数が倍増したうえに「琵琶湖環状線」なるものも完成し、特急列車のお株を奪われたので、最終的に湖西線内を全通過にして、関西三駅と北陸を結ぶ便をメインのパターンにしていました。
湖西線の整備が昔から望まれていたことを、この停車パターンを見てつくづく。
T9タイプ

名称
T9タイプ
停車駅
大阪・新大阪・京都・堅田・敦賀・武生・鯖江・福井・芦原温泉・加賀温泉・小松・金沢・高岡・富山
該当号数
- 下り:該当なし
- 上り:24号
概要
湖西線内堅田にも止まるのがこのタイプ。
wikipediaの「利用状況」の項目を見てみると、どうやら1998年を境に、利用者数は緩やかな減少傾向を見せています。まぁ2013年頃に持ち直してるんですがね…
14時前後という、ビジネスにしろ観光にしろ使い勝手の悪い時間に堅田に停車する当列車ですが、なぜか下りも同じくらいの時刻に雷鳥号が止まっているんですよね
琵琶湖大橋の影響かとも思いましたが、それならもうちょい日中に止まる便があってもおかしくないと思っています。謎です謎。誰か教えて。
T10タイプ

名称
T10タイプ
停車駅
大阪・新大阪・京都・堅田・敦賀・武生・鯖江・福井・芦原温泉・加賀温泉・小松・松任・金沢・高岡・富山
該当号数
- 下り:3号
- 上り:該当なし
概要
T9タイプに松任を加えたパターン。
朝方大阪発の2本目が該当します。まぁ割とこまめに止まってるかなという印象ですが、それ以上の感想が出てこないです(笑)。
で、これ特筆すべきダイヤの面白さがあるのか!と聞かれますと…あるんです。後で紹介するものには及ばないものの、とびっきりの迷要素が。
この列車、7時42分に大阪を発ち、終点富山には11時7分着。
一方で先行するサンダーバード1号(T1タイプに該当する便)は、大阪を7時12分に発ち、終点富山に10時17分の到着…え?
そう、こいつ1本前の便に20分近く間隔をあけられるんです。これなら停車駅も多いし最高時速も120km/hと130km/hで…と思うかもしれませんが、お話はそれに留まりません。
サンダバ1号と当列車の間に、敦賀から加越1号が割り込んでくるんですが、この列車は武生と松任に止まり、鯖江を通過する便なんですが、時刻を見ると不思議なことが起きてるんです。
さぁ肝心の時刻を見てみましょう
敦賀 | 福井 | 金沢 | 所要時間 | |
サンダーバード1号 | (8:28) | 8:59 | 9:41 | 1時間13分 |
加越1号 | 8:56 | 9:33 | 10:26 | 1時間30分 |
雷鳥3号 | 9:03 | 9:39 | 10:30 | 1時間27分 |
ハイ、停車駅が多いはずの雷鳥の方が所要時間が短いんです。モーター車が少ないからという反論を喰らってもなお「停車駅が多い方が所要時間が短い」という逆転現象には心底驚かされます。
…となるとこいつを20分も引き離した怪鳥サンダーバードは本当に何者なんだ。
T11タイプ

名称
T11タイプ
停車駅
大阪・新大阪・京都・西大津・近江今津・敦賀・武生・鯖江・福井・芦原温泉・加賀温泉・小松・金沢・高岡・富山
該当号数
- 下り:25号
- 上り:該当なし
概要
湖西線内の西大津と近江今津、両方に止まるタイプです。
湖西線内で2駅に止まるタイプは、現在でこそ割と存在していますが、当時はこの列車とNタイプ1本のみ。西大津と近江今津のセットはこいつだけです。
この列車の迷要素、これでおしまいだったらまだ優しいんですが、そうは卸さないのが北陸特急。
当列車の大阪発車の12分後に同駅を発車する臨時サンダーバード91号が存在するのですが、T91号の停車駅は、先述のT3タイプと同じで停車駅は少なめ。臨時便とはいえ、北陸の怪鳥から485系が逃げられるはずもなく、金沢では3分差まで追い詰められます。
T12タイプ

名称
T12タイプ
停車駅
大阪・新大阪・京都・敦賀・武生・鯖江・福井・芦原温泉・加賀温泉・小松・松任・金沢・石動・高岡・小杉・富山
該当号数
- 下り:43号
- 上り:該当なし
概要
松任、石動、小杉と、北陸エリアの小さな需要も拾うのがこのタイプ。
最終一本前の列車ですが、まぁこまめに止まっていくこと。最速達のT1タイプの停車駅に止まる後続のサンダーバード45号とは、大阪時点で42分差だったものが、富山時点で19分差まで迫られています。つまり23分も追い詰められるわけです。
ある意味、ジェネレーションギャップのようなものさえ感じますが、停車型と速達型が続行する定めとでも言うべきでしょうか…?
金沢発着のパターン

推しアニの聖地である卯辰山。夜景も綺麗でした。巡礼に際して送り届けてくれた北陸圏の先輩には本当にお世話になりました!
というわけで、続いては金沢発着のタイプのご紹介。
K1タイプ

名称
K1タイプ
停車駅
大阪・新大阪・京都・堅田・敦賀・武生・鯖江・福井・芦原温泉・加賀温泉・小松・金沢
該当号数
- 下り:33号
- 上り:32号
概要
金沢行初手で御紹介したタイプ。特筆すべき点でいえば堅田に止まるくらいでしょうか。
堅田では、両方向とも普通列車と接続します。
雷鳥33号は、大阪を17:12に発車するため、ちょっと早めの帰宅ライナー的な立ち位置に合ったものと考えることもできますね。
堅田に止まる以外は特に書くこともない至って平凡な停車駅なので、何書けばいいのかわからないです。
関わるだけめんどくさいので次行きましょう次。
K2タイプ

名称
K2タイプ
停車駅
大阪・新大阪・京都・近江今津・敦賀・武生・鯖江・福井・芦原温泉・加賀温泉・小松・松任・金沢
該当号数
- 下り:該当なし
- 上り:4,36号
概要
近江今津と松任にも止まるタイプ。上り列車のみが該当するタイプですが、2本該当します。
両列車とも、近江今津では京都行の普通列車と接続します。交直セクションを超える列車がそんなに多くもありませんでしたので、それを補完する目的…っていうのはTタイプでお話ししましたね。
松任に止まっている理由ですが、4号は北陸圏の方が大阪への出張に利用しやすくするため。
実は北陸線下り始発は金沢6:31着。雷鳥4号は松任6:21発。つまり金沢まで出て特急に乗るよりも早く大阪に着けました。
まぁ一番早く行きたい人は、松任→加越2号→小松→サンダバ2号の特急リレーで行きましょう。これで朝9時の会議に間に合います。
ただ、36号の方は完全に不明。松任は16:52の発車なのですが、次に松任に特急が止まるのは2時間後の18:53発しらさぎ16号。
前の特急列車も9時台の雷鳥14号なので、余計に謎です。考えられるものとしては、松任工場の職員さんの福利厚生とかですかね?わからん。
K3タイプ

名称
K3タイプ
停車駅
大阪・新大阪・京都・敦賀・福井・加賀温泉・小松・金沢
該当号数
- 下り:該当なし
- 上り:S22号
概要
日に3本存在する金沢発着のスーパー雷鳥。
スーパー雷鳥自体は1日8本のみながら、そのすべての列車において停車パターンが異なるのですよ。スーパー雷鳥=準速達という印象を植え付けるのにもってこい。
この便、謎なのが芦原温泉に止まっても通過しても所要時間が一切変わらないのに通過してること。
後続の雷鳥24号は芦原温泉にも止まるタイプなのですが、加賀温泉~福井間の所要時間は、スーパー雷鳥22号と変わらないんですよ。つまり芦原温泉に止めてもいいんです。
じゃなんで通過にしてるんだって話ですが、貨物が関係しているのかなと考えています。でもそんなのわからないでは済ませられない…
というわけで、貨物時刻表を基にした調査を今後やりますのでお楽しみに(間に合わなかった…)
K4タイプ

名称
K4タイプ
停車駅
大阪・新大阪・京都・敦賀・武生・福井・加賀温泉・小松・金沢
該当号数
- 下り:S27号
- 上り:該当なし
概要
K3タイプに武生を加えたもの。
確証はないものの、この停車パターンになった理由は、最繁忙期のみ運行される1本前の臨時列車サンダーバード91号がこの列車の停車駅に影響を与えていると考えます。
91号は、先述したT3タイプと同じ駅に停車します。敦賀より先の停車駅は福井、芦原温泉、加賀温泉。
そうです、この便と千鳥停車になっているんですよね。だからこういう停車駅なんだと思います。最も、サンダーバード91号は運行日が少ないのが少しむず痒いところですが…
K5タイプ

名称
K5タイプ
停車駅
大阪・新大阪・京都・敦賀・福井・芦原温泉・加賀温泉・小松・金沢
該当号数
- 下り:S11号
- 上り:該当なし
概要
K3タイプに芦原温泉を追加したパターン。
日帰り温泉を見越した需要ではないかと予想を立てていましたが、観光で使えそうな芦原温泉~あわら湯町~東尋坊間のバスが、電車が着くと同時に発車していくので、この予想はおそらく間違いです。すみません。
もうひとつ考えられるのが、駅の東にある工場群への需要。芦原温泉には11時46分の到着と、ちょうど交番が変わるタイミングに近いようにも感じるので、それらへのアクセス目的と考えることもできるでしょう。
K6タイプ

名称
K6タイプ
停車駅
大阪・新大阪・京都・堅田・敦賀・武生・福井・芦原温泉・加賀温泉・小松・金沢
該当号数
- 下り:21号
- 上り:該当なし
概要
堅田には止まるのに、鯖江は通過というまぁまぁな迷列車。
金沢発着の雷鳥号は、基本的に湖西線内の三駅の何れかに停車します。
こ~れ~が~厄介なんですよ、滅茶苦茶にするんですよ。
ただでさえ北陸圏の停車パターンでぐっちゃぐちゃなところに、湖西線の駅にも止まってバラバラに。もうあんまりだよぉ~。
んで、鯖江をなんで通過するのかって話ですが、おそらく利用者がいないから。
推測ですけどね。ただ1本前のサンダバがW1タイプのサンダバ19号なことを考えると止めてもいいはず。なのに止まってないんです。
もっと話すと、13時28分に鯖江を雷鳥17号が発車すると、次に定期の特急が止まるのは16時32分の雷鳥25号。つまり3時間も特急が止まりません。特急街道なのに…
このことから、14時~15時の鯖江にそこまで大きな需要がなかったため通過にしていると予想しています。
K7タイプ

名称
K7タイプ
停車駅
大阪・新大阪・京都・近江今津・敦賀・武生・福井・芦原温泉・加賀温泉・小松・金沢
該当号数
- 下り:該当なし
- 上り:28号
概要
近江今津に止まって鯖江を通過するタイプですね。
この時間にも、前後2時間鯖江に止まる特急が存在しないので、こっちも需要がないため通過にしているものと思います。間違ってたら知りません。
近江今津では、新快速湖西レジャー号(平日は普通の新快速)と接続しています。
ちなみに、使用車両はスーパー雷鳥編成の10両。パノクロもついています。
K8タイプ

名称
K8タイプ
停車駅
大阪・新大阪・京都・近江今津・敦賀・武生・鯖江・福井・芦原温泉・加賀温泉・小松・金沢
該当号数
- 下り:15号
- 上り:該当なし
概要
近江今津に止まり、武生を通過するタイプ。
この列車の何が迷なのかって、普通なら近江今津で普通列車か新快速に接続するはずなんですが、この列車はなぜか近江舞子で普通列車を追い抜き、近江今津では一切接続を取らないという、なんでお前そこ止まってるねん案件な便です。
近江今津着は12:10。この時刻周辺で近江今津に止める必要が何かしらあったのかと調べてみると、マキノ高原がヒットしました。確かに大阪を少し遅めの11時過ぎに出てマキノに向かうなら、この列車がベストですね。近江舞子で抜いた普通列車も永原行きなので、それに乗ってマキノ観光にも行けます。
…思ったんですけどなんで近江舞子に止めなかったんだ?
K9タイプ

名称
K9タイプ
停車駅
大阪・新大阪・京都・西大津・敦賀・武生・鯖江・福井・芦原温泉・加賀温泉・小松・松任・金沢
該当号数
- 下り:該当なし
- 上り:10号
概要
西大津停車のタイプのうち、最初にご紹介したパターンですね。
特徴としては西大津と松任の両方に止まる唯一のタイプであるということ。そして上沼垂区の485系が使用された雷鳥号であったこと。
そうです、上沼垂区と言えばJR東日本所属車両です。つまりアルバイト運用なんですよね。コレ。
もう1本はK2タイプで御紹介した雷鳥33号です。はくたか用の編成との運用トレードの都合だと思われます。
上沼垂区では1996年より一部編成に3000番台化改造が施工され、ATS-Pを必要とする北越急行線のはくたかに優先的に投入されていましたが、時折雷鳥号にも顔を出していたそうです。
3000番台に当たれば、ほかの雷鳥号よりも良い座席(E653系と同じものらしい)が使われていたので、大当たり。同じ値段でサンダバより良い座席(要出典)に座れます。ただし2本しかいません。
K10タイプ

名称
K10タイプ
停車駅
大阪・新大阪・京都・近江今津・敦賀・武生・鯖江・福井・芦原温泉・大聖寺・小松・松任・金沢
該当号数
- 下り:37号
- 上り:該当なし
概要
加賀温泉の代わりに大聖寺駅に停車する特急雷鳥は、当時1日1往復のみ存在しており、そのうち金沢方面行きで該当するのがこのパターン。
かつての山中温泉へのアクセス駅として、そして現在も加賀市役所最寄り駅として機能する大聖寺。そんな往年の名残を残す唯一の特急のようにも感じられますね。動橋?知らない子ですねぇ。
18時12分大阪発。仕事帰りに温泉に向かうにはよい時刻のはずですが、な~ぜ~か~加賀温泉は通過です。
考えられるものとしては、普通列車との接続に関する話ですが、調査したところ接続したり追い越したりする普通列車はなかったので、余計に謎です。
こんな宿泊を伴う温泉に向かうのに便利な時間の列車をなぜ大聖寺に止めて加賀温泉を通過させていたのか。私にはわかりませんでした。
後編へのご案内
恐ろしいことに、富山行きと金沢行きだけで合計22もパターンが存在することになります。
しかしながら、当時の雷鳥一族はこの2つ以外にも多くの始終着駅を抱えており、あくまで「氷山の一角」に過ぎないことを忘れてはいけません。
そんな後編へは、こちらよりどうぞ。
この記事を書いた人

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転属劇考察したり絵を描いたり動画作ったりして生きている自由人583号です
RNの「五八三系」が正式呼称ですが、長ったらしいので「ゴハチさん」って呼んでね
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