「ホームドア」のサインシステム①【JR東日本・小田急電鉄編】

こんにちは。好きな四字熟語は「燈籠光柱」と「廃材芸術スクラップアート」。どうもまもうなです。
今回の記事では、「ホームドア」のサインシステムということで、近年急速に普及したホームドア、もとい「可動式ホーム柵」のサインシステムについて扱っていきます。

弊サイトのライターである「ホームドア」とは全く関係がありません。多分。

当記事では、ホームドア筐体のデザインも含め「サインシステム」として解釈し、扱います。

情報に誤りがある場合は、お手数をおかけしますが、コメント欄にお願い致します。

※記事内の画像への直リンクや二次利用ははご遠慮ください。

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JR東日本

上野駅に入線する山手線。(2025年4月20日撮影。)

山手線、京浜東北線、南武線、横浜線、常磐線(各駅停車)、中央・総武線各駅停車などに設置がされており、近年ではワンマン化を控えた路線に対し重点的に設置が行われています。

全体的なデザイン

JR東日本のホームドアには、大きく分けて4種類のデザイン・形状が存在します。(※成田空港駅に設置されている昇降式ホームドアはここでは扱いません。)

①・② 腰高式 従来型

赤羽駅に設置されている従来型のホームドア。(2025年4月20日撮影。)

多くの方が思い浮かべるであろう、いわゆる「ホームドア」。
2010年度に山手線【恵比寿駅】と【目黒駅】に設置されたのを皮切りに、2024年度まで数多くの駅に採用されてきました。
山手線やその他各線に設置されているものは「扉」部分への装飾がないものの、京浜東北線のものに関しては「扉」部分もスカイブルーに塗色されています。(山手線との誤乗防止?)

なお、2025年度以降は基本的にこちらのタイプの新規設置は行わず、後述する「スリットフレームホームドア」が設置される予定となっています。(※1)

③スマートホームドア®

※「スマートホームドア」はJR東日本メカトロニクス株式会社の登録商標です。(登録番号:第5863523号)(※2)
以降、®は省き、「スマートホームドア」と表記します。

矢野口駅に設置されているスマートホームドア。(2023年11月30日撮影。)

2016年12月17日に横浜線【町田駅】で試験が開始(※3)され、今では数多くの駅に設置されているタイプ。
従来のホームドアよりも開口が広くとれ、軽量、工期短縮が可能で、主要駅以外はこれが中心となって整備されています。

町田駅に試験導入された最初期の「スマートホームドア」。(2016年12月23日撮影。)

④スリットフレームホームドア

登戸駅に設置されている「スリットフレームホームドア」。(2025年4月26日撮影。)

2021年11月16日に南武線【登戸駅】に試作機が設置され(※4)、2024年度下期より南武線【分倍河原駅】と【登戸駅(2番線)】に本格設置が行われた(※5)、従来型のホームドアに代わる最新型ホームドアです。

JR東日本、JR東日本メカトロニクス、三菱電機が共同開発したホームドアで、従来型と同じ据え付け構造を維持しつつ、扉部分などをスリット化することによって風圧の軽減を図っています。

なお、スリットフレームホームドアはスマートホームドアの代替とはなっておらず、本来であれば従来型が設置される駅に設置される予定1となっています。(※2)

各種ステッカーのデザイン

各ドアの案内

各ドア横に貼付されているステッカーです。

ドアの右側に貼ってあるやつ(実際には左側。)。
①初期タイプ(高輪ゲートウェイ駅を除く山手線)

現在見ることのできるなかで最も古いタイプ。
数字部分に「Frutiger」というフォント2が用いられているほか、ピクトグラムが独自デザイン(詳細は後述)です。

②初期タイプ(フォント更新)(町田駅:消滅済)

①のタイプから、数字部分のフォントをHelveticaに変更したもの。
先述した町田駅の試験筐体で採用されていましたが、量産型への更新に伴い消滅しています。

③標準タイプ

現在最も多く見れるもの。①から、以下の変更が加えられています。

  • 数字のフォント変更
    →数字部分のフォントがFrutigerからHelveticaへ変更されています。
  • 一部文面変更
    ◇Keep hands away. → Caution, doors closing.
    ◇Do not lean over the gate. → Do not lean over the platform gate.
    ◇Do not lean or place things against gate. → Do not lean or place objects against the platform gate.
  • 「弱冷房車」表記場所の変更
    「弱冷房車」の表記位置が、ホームドア筐体からステッカー内へと変更されています。
①タイプの表記。弱冷房車が筐体に貼付されているのが分かる。(大崎駅。画像提供:ホームドア)
  • ピクトグラムのJIS化
    →東京オリンピック開催に伴い、ホームドア関連のピクトグラムがJIS Z 8210 (案内用図記号)へ収録された(※6)ため、それに準拠したピクトグラムへと更新されています。
2017年のJIS Z 8210の変更。 2021年には、換気を示すアイコンが追加されている。(出典:第2回 JIS Z 8210 案内用図記号の変遷 | 日本規格協会 JSA Group Webdesk)
④スリットフレームホームドアのタイプ

先ほどのものとは打って変わってコンパクトなサイズのステッカーが2枚。
スリットフレームホームドアでは、フレーム構造によって、ステッカーを貼付できる領域がどうしても狭くなってしまうため、小さいステッカーを2枚貼付することで対処しています。

スリットフレームホームドアのステッカー部。E233系8500番代は既に運用を離脱しているが、「一部列車を除く」の表記は健在。(青編成だったN36編成には6号車のフリースペースが存在しないため。)(登戸駅、2025年4月26日撮影。)

表記されている内容に関しては、通常サイズのものをそのまま小さくした格好です。

成瀬駅に設置されているスマートホームドア。(2023年9月26日撮影。)

ホームドア内側の駅名標

ホームドア内側には、1両に1枚ずつ簡易的な駅名標が貼付されています。
こちらは、山手線に導入された初期のものから特に大きな変更もなく今に至ります。

(登戸駅。2025年4月26日撮影。)

ホームドア上部

ホームドア筐体の上部には、上記のようなステッカーが各ドアに1枚貼り付けられており、それぞれ点字が印字されています。

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小田急電鉄

町田駅に停車している3000形。(2025年4月26日撮影。)

愛すべき我らが小田急。だんだんとホームドア整備が進んでおり、2032年度末までには、【新宿駅~本厚木駅】【中央林間駅】【大和駅】【藤沢駅】の整備を完了させる目標になっています。(※7)(※8)(※9)

全体的なデザイン

「急行 代々木上原」

小田急電鉄のホームドアには、大きく分けて4つのデザイン・形状が存在します。(愛甲石田駅で実証実験が行われていた昇降式ホームドアについては扱いません。)

①新宿駅 地上ホーム

新宿駅地上ホームに入線する5000形。(2024年3月19日撮影。)

2012年に、小田急で初めてとなるホームドアの設置(※10)が行われた新宿駅地上ホーム。先駆けて設置が行われたこともあり、その後登場するホームドアとは開閉方法やデザインに大きな差異が見られます。

新宿駅地上ホームに設置されているホームドア。(2025年3月25日撮影。)

②代々木八幡駅・登戸駅など(標準型)

登戸駅。(2024年6月11日撮影。)

現在最も多く設置されているタイプです。(開閉方式等細かな違いを除けば)
新宿駅のものから扉部分の装飾をなくし、ステッカー類のフォントをUD新ゴに改めたタイプです。

③東北沢駅・下北沢駅・世田谷代田駅

下北沢駅地下2階ホーム(急行線ホーム)のホームドア。この日はダイヤ乱れの影響で一部の準急が急行線を走行した。(2024年4月27日撮影。)

②のタイプに、扉部分の窓をなくしたタイプ。地下線では窓部分が汚れてしまうと判断されたのか、窓部分が埋められています。
なお、下北沢駅では誤乗防止のため、急行線(地下2階)ホームのホームドアにはオレンジ色、緩行線(地下1階)ホームのホームドアには青色の帯が巻かれています。

④大開口(特急停車駅)

町田駅に設置されている大開口ホームドア。(2024年2月18日撮影。)

特急停車駅に設置されている一部扉の開口部が大きいもの。すべてが大開口というわけではなく、ところどころ扉の持ち方向や開き方、開口サイズが異なります。 詳細は以下の記事をご覧ください。(外部サイト)

小田急電鉄のホームドア:本厚木駅・町田駅のロマンスカー対応大開口タイプ | YCS-info

3000形ワイドドア車とホームドア。(町田駅、2025年4月26日撮影。)

各種ステッカーのデザイン

諸事情により、特急ロマンスカー乗車位置ステッカーについては扱いません。

各ドアの案内

各ドア横に貼付されているステッカーです。

①新宿駅地上ホームのタイプ

現在見ることのできるなかで最も古いタイプ。
JRの場合と同じく、新宿駅に設置された当時、JISにピクトグラムが定義されていなかったため、独自デザインが用いられています。

全体的に新ゴとHelveticaでまとめられています。

②標準タイプ

現在最も多く見れるもの。①から、以下の変更が加えられています。

  • フォント変更
    →フォントが新ゴからUD新ゴへ変更されています。
  • 多言語表記への対応
    →中国語と韓国語表記が追加されました。
  • ピクトグラムのJIS化
    →東京オリンピック開催に伴い、ホームドア関連のピクトグラムがJIS Z 8210 (案内用図記号)へ収録された(※6)ため、それに準拠したピクトグラムへと更新されています。
(登戸駅。2025年4月26日撮影。)

ユニバーサルデザインの流れに乗って、ユニバーサルデザインに対応。
駅名標は相変わらず新ゴ&Vialogなのに…

③大開口タイプ

基本的には②のパターンとおなじ。大開口ホームドアには開口の都合上、横幅が極端に短い筐体が存在するため、ステッカーも横幅が短くなっています。

「扉」部分のステッカー

①標準タイプ

足元に気を付ける旨の掲示。
扉の「窓」部分に貼付される場合は白い背景、「枠」部分に貼付される場合は黒い背景が用いられます。

「窓」部分に貼付されているもの。(2025年4月26日撮影。)
②大開口タイプ

大開口となっている扉では、通勤電車が停車するときには開ける必要がない扉が存在します。その扉に貼付されているものです。
「緊急時に開」く扉は、MSE(60000形)やEXE(30000形)が停車する場合にも開く必要がない扉で、構造上設けたほうがコストがかからないのか、はたまた本厚木駅に設置された際にはもう定期運行を退いていたVSE(50000形)のための開口なのか、謎が深まる扉です。

「この扉は、特急列車停車時および緊急時に開きます」(2025年4月26日撮影。)

公費補助を示すステッカー

国や自治体バリアフリー補助金制度を活用して整備されたホームドアには、それを示すステッカーが貼付されています。
登戸駅(上)と町田駅(下)で文言が違う明確な理由は不明です。

ホームドア内側の駅名標

ホームドアの内側に貼付されている駅名標。(2番ドアと3番ドアの間)
JRのように次駅を示すわけではなく、現在駅を示すだけのシンプルなものです。
普通の駅名標に用いられているフォント(新ゴとVialog)ではなく、ホームドアの他のものと同じようにUD新ゴが用いられています。

あとがき

いかがだったでしょうか。「ホームドア」と一言にまとめても、会社ごとにさまざまなサインが存在することがおわかりいただけたでしょうか?

トレインビジョン再現に飽きてしまったので作ったこちらの記事、思ったより楽しかったので続編を作ろうと思います。(お前は早く東十条ゆきの再現をやれ)

てなわけで次回は【東急線】と【京王線】編を予定!乞うご期待!

それでは〜

参考文献・出典

脚注

  1. 東神奈川駅にはスリットフレームと従来型が同一ホームに混在するものと思われる。 ↩︎
  2. Frutigerは、JR東日本の番線標などにも用いられているフォント。 ↩︎

この記事を書いた人

まもうな
まもうな
みなさんこんにちは!まもうなと申します。
小田急線沿線に住んでいる限界オタク男子高校生。
最近は水瀬いのりさんとセサミクロを摂取しながら生き長らえています。

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