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E233系 トタT71編成の今後について考える①

この記事は、2024年1月に沿線チャット様で投稿した記事を一部見直し・修正したものでございます
当時の中の人が調べた限りの情報だけで作り上げたので、古い情報が多めだったり、粗があったりするのはご容赦ください(なんせ最初に作った記事なもんで…)

あと、モト画像がHDD損傷でデータが消えたので、ガビガビ画質の写真になります。マジでインフル許すまじ

令和の最大勢力 E233系兄弟の末っ子、T71編成とは

突然ですが、皆様は「JR東日本の通勤電車」と言われるとどのような車両が思い浮かぶでしょうか?

プレハブだの⑨だの言われているものの、なんだかんだこれまでの通勤電車とは一線を画し、現在の通勤電車の礎を築き上げた209系電車。JR東日本の最新形式で、現在絶賛横須賀・総武快速線系統向けの編成が製造中のE235系などなど、世代によってそのイメージは大きくかわるかもしれません。

ただ、今回のお話の主人公は、2006年にデビューした首都圏の顔とも呼ぶべき電車、E233系について取り上げていきます。

第一編成は2006年製の御年18歳を数えますが、この先も中央線への普通列車グリーン車の投入が行われるため、その勢いは衰えることを知りません

ちなみに、京急線の金沢文庫~金沢八景間の車窓西側を望むと、製造中の中央線や横須賀線の普通列車グリーン車を見ることができます。が、撮影自体は禁止されているので眺めるだけにしましょう

と、そんなE233系車両は、2024年現在3297両が製造されています。そんな3297両のE233系電車のうち、営業運転に入る車両として最新鋭なのが、クハE233-71率いる10両こと今回の主役T71編成(上写真の車両)。

2020年6月に総合車両製作所横浜事業所を出場し、同年7月6日(偶然にも私の誕生日)より営業運転を開始しました

中央線グリーン車投入に伴う、4号車へのトイレ設置&組み換え工事期間中の予備車として投入された車両になります。

しかしながら、車内の仕様は2006年生まれの最初期編成と全く同じとなっており、トイレ設置と合わせて6号車のサハを4号車に移設する工事は行われていない(というより新造時から4号車にない)ため、相当なマニアでないと最新車両だとは気付かないでしょう。

一方で、投入直後から予備車的な立ち位置にある彼は、この先中央線に普通列車グリーン車が投入されるとお役御免となって中央線とおさらばする可能性が高いため、その後の転用先はどうなるのかという考えが鉄道ファンの間で考察されていました。

そこで、E233系を走行している路線環境やダイヤなどから、このE233系0番台T71編成の転用先を考察していきます。

※なお、一部中の人の憶測も混ざっておりますため、適当なこと言っていたら優しく指摘してください。適宜修正します

参考資料は一番下に貼っておきますので、良ければそちらも併せてみてみてください

京浜東北線転用説

同じE233系の10両編成が活躍する路線その1 京浜東北線

ありえそうではありますが、断言します

絶対にありません

はい、理由を説明しましょう

4号車の5号車寄り様からの情報であれば、京浜東北線向けE233系は現状82本いるのですが、運用は平日でも75本

予備車、余裕の7本()

2024年度末より、京浜東北線ではATACSの導入およびATOワンマン運転を開始する旨が報じられており、それに係る改造工事を実施していますが、一切運用を削ることなく運行することができています

2024年度末に増発を行う可能性もありますが、予備が7本も現状あれば、これ以上増えたところで…という気もしなくはないですので、まぁT71編成の転用先ではないでしょうね…

ちなみに、こんだけ予備があるのは、2015年に開業した上野東京ラインが原因で、これまでの宇都宮・高崎・常磐線など、上野駅が終点だった路線から東京駅方面などに流れ込んでくるお客さんが京浜東北線と山手線に一極集中していたものを分散した結果、朝方の運用に余裕ができたためです

実際、山手線でもE231系500番台が52本いたのに対して、E235系は2本減の50本に減らされていたりします。まぁそれでも減便して予備車出てるみたいですが

常磐緩行線転用&予備車確保説

これこそ絶対ないだろ

確かに10両固定ですが、そもそも車体寸法も前面形状も防火対策も、何をとってもT71編成は対応不可です

はい、次

上野東京ライン・湘南新宿ライン系統(高崎線・宇都宮線・東海道線)

却 下

11本も予備あるんだぞ

それでもってこれ以上グリーン車作ってどうなるんだよ

ってか余ったサハはどうなるんや

それ以前に設備投資に何一つ書かれてなかったじゃねぇか

これはさすがに考えにくいので次

京葉線転用後ケヨ34置き換えの可能性

鉄道ファンの間でここに譲渡される可能性が高いと話が出ていました

ほとんどの車両がE233系の京葉線ですが、1本だけ2世代前の車両209系が活躍しています

それがこいつ

209系ケヨ34編成です

このケヨ34をT71編成で置き換えて、京葉線の置き換えに回す計画なのではないでしょうか

…と、言われていたのですが、最近になってどうも風向きが変わってきたように感じます

そうです、テレビやネット上で物議をかもした通勤快速の廃止です

通勤快速を廃止して普通列車化、ほぼ同じ時間を走っていた普通を減便してご利用状況に合わせて整理した結果、過去に類を見ないブーイングが巻き起こった例の騒動です

で、話を戻して、この一連の騒動を受けて各停を減便することで運用数を減少させて、中央線グリーン車投入の遅れを補填するための策だったのではないかと考えてしまいました

となると、T71編成は京葉線にはいかないのか…と思いました。

ここで思わぬ落とし穴を発見してしまいました

それが、ケヨ34が2022年に東京総合車両センターに入場しているというもの

ご存じの通り、鉄道車両にも車と同じように定期検査を通す必要がありますが、大掛かりな検査として有名なものは、おおむね4年に1度(あるいは走行距離60万キロ)の仕業検査と、8年に1度の全般検査の2つがあります

となると、2022年にこのどちらかの検査を実施しているとなれば、長くて2026年まで持つことになります

一方で、2025年はじめに投入が予定されている普通列車グリーン車の中央線投入で追い出されると、大体1年ほどで転用化改造を行えば、ちょうどケヨ34の定期検査のタイミングにハマります

内房線や外房線に直通する運用もある京葉線ですので、走行距離自体はかなり伸びやすい路線だと思います。

となると、T71編成の転用先は京葉線になる…のか?

疑問は深まりそうですが、ひとまずT71編成の転用先の可能性として、2024年1月(記事編集当時)時点で最も高いのはこの京葉線とみて間違いないでしょう

埼京線・川越線

運用自体がかなり煩雑で基本的に「?」になりがちな番台

埼京線・川越線を中心に、りんかい線や相鉄線へも乗り入れるこいつ

選択肢としては、京葉線の次に可能性の高い路線といえるでしょう

そのカギを握っているのがこいつです

ラ イ バ ル 参 上

相鉄東急直通線の運行開始に合わせて、広大なネットワークが形成されたのですが、そのうち東急東横線から乗り入れてくるこの5050系4000番台。

こいつの持ち運用数が14本に対し編成数15本と、かなりやりくりが危なっかしいうえに、3運用は座席指定サービス「QSEAT」の仕事に入らなくてはなりません(まぁ減便されたけど…)。

一応平日58K運用だけは、和光市以北に乗り入れない運用で、和光市で他社車両と交換しても折り返しが元住吉に引き上げるだけなので、理論上は20000系が代走に入れます。

が、今度は20000系の予備車が足りなくなります。

1本代走に入れると、予備は1本のみ

さらに現状、相鉄YNB化計画の範疇にある11000系の更新工事を行うとなると、相鉄線内用車両運用で予備1本はかなり綱渡りで、確実に12000系や20000系を代走に入れなくてはなりません

一方で、相鉄東急直通線の利用率は右肩上がりで、朝夕ラッシュ時などを中心に相鉄東急直通線の増発が求められていますが、西谷折り返しの設定などでかなりダイヤ上はギリギリ、といった印象です

東横線直通系統を増便しつつ、なおかつ予備車を確保する良い手段…

と、話が一周したところで出てくるのがT71埼京線転属案です(長いわ)

もし仮にT71編成が埼京線に転属すれば、相鉄線12000系が所定では入る運用を1本代走することが可能になります。

そうすれば、20000系は相鉄東急直通線の運用に従事することができ、その埋め合わせで12000系を線内運用として走らせることも可能です。

仮に1運用まるっと置き換える場合は、朝夕のみの12000系の池袋以北への直通ダイヤの設定や、E233系の定期横浜駅乗り入れなどが実施される可能性もあります(走行距離調整のため)。

あとは中央線時代に使用していた半自動機能も生きた状態で使うこともできます(※参照)が、使うかどうかは不明

※12000系や20000系は海老名駅などの始発駅や退避などでの長時間停車中に半自動ボタンを扱っているため

しかしながら、東横線内のダイヤを考えると現状で既にパンク寸前ですし、これ以上増やしたらダイヤが乱れたときにどうなるのか…という感じがしなくないですので、2025年のダイヤ改正時に何かしらの動きがない限りは転属の可能性はあまりないでしょう。

また、最初から埼京線に転用させるとしたら、こうなることを想定していたのか…という点も気にかかりますね。

相鉄にとっても、これ以上煩雑な運用を増やしたいかと言われるとあまり乗り気ではないと思いますし、もし仮にそうなったとすれば20000系や12000系などを増備した方が手っ取り早いと思いますので、話半分に流しておいてもらえると幸いです。

一方で、T71編成には埼京線で採用されている信号システムATACSに関係すると思われる台座が搭載されているなど、妙に気になる点はあります。もしかしたら、このことを見越して製造されていたのかもしれませんね。

ひとまずはそんなところでしょう

中央線残存案

ほかのE233系と組成や工事内容を共通化して中央線に残る可能性

朝夕ラッシュの予備確保的な観点や、H編成1本を玉突きで転用させるという案です。

実際、H編成の持ち運用のうち、その威力を発揮する分割運用は河口湖に乗り入れるたった4本しかありません

そのため、H編成1本をこのT71編成で置き換えて、収容力の高い固定編成で走らせて混雑率を少しでも低減させる事ができるかもしれない!

と、一時これを考えていましたが、実は公式の資料から提示された情報で、可能性としては完全に消滅しました

その理由については、2018年に出された中央線普通列車グリーン車投入に関するプレスリリースを見ればわかります

以外 原文ママ

4 工事概要

  • グリーン車運行区間の全 44 駅及び車両基地等において、運行に必要な駅改良工事や線路改良・ 信号改良工事等を実施します。
  • グリーン車 116 両(2両×58 編成)を新造します。
  • 車内トイレ設置に必要な車両基地等の改修工事および車両改造工事を実施します。

と、このようにグリーン車投入計画では、最初のプレスが出された時点で58本分の予定になっていました。そう、過去形なんです。

一方で、2024年1月当時、豊田車両センター所属車両のうち、T編成は43本中41本、H編成は17本中15本、合計で60本中56本分はグリーン車組み込み工事に伴う車内トイレ設置改造工事を完了させています

現在、H編成が1本が長野総合車両センターで改造を行っており、そちらが出場次第最後の1本が入るものと思われます

となると、残る3本のうちの1本のみが、中央線に居残ることができるという風に解釈することができます。

その残り3本というのが

  • T40編成
  • T71編成
  • H49編成

の3本です。

但しあくまでこれは2018年発表の情報。

個人的にこの計画が一部変更になった可能性があるのではないかと感じ始めました。

というのも、本来グリーン車組み込みの予備目的で青編成から転用されていたH59編成がしれっとトイレ設置工事を実施しているんです。
本来は予備目的だったこのH59編成にトイレが設置された=グリーン車を組み込むと考えると、計画が一部変更になった可能性もあり、少し気になるところ。

地域からの要請などに合わせて増便し、もしかしてT71も中央線に残るのでは!?

…と、思っていたのですが、半導体不足の影響を受けて実はグリーン車の製造量数がこれまでの58編成から57編成へと、1編成2両分キャンセルされているという記事を見つけ、この仮説は正しくなかったことになりました。

つまるところ、長野総合車両センターで改造工事を実施したH51編成をもって組み込みの伴うトイレ設置工事は終了ということになり、先ほど記した、トイレを設置していない残り3本は、いずれも中央線から別路線へと異動を命じられることが決定しました。

結果として、T71編成はもちろん、T40編成とH49編成の合計30両がどのようになるのか、という点に焦点が集まりました

というか、毎時1本大月延伸とかやるのに車両足りるの?ねぇ?

というわけで、中央線残存案は、結果的に棄却されました。

終わりに

というわけで、長々と考察してまいりましたが、とりあえず結論としては

  • 京葉線に転属してケヨ34を置き換える
  • 埼京線に転属して相鉄・JR直通線の増発に充てる

このどちらかが可能性として高そうですね

どのような結果に転ぶのかは、グリーン車が投入される来年の春までのお楽しみということになりそうですね

何線に転用されるのか、転用先での生活はどうなるのか気になりますが、皆様は何線に転用されると思いますか?

ぜひコメント欄などに書いていただけると励みになります。

ここまで見てくださりありがとうございました~

というわけで

次回に続きます!!(え?)

次回↓

今書きなおしてるんで少々お待ちを…

参考文献

Wikipedia 「E233系」

JR東日本E233系電車 - Wikipedia

4号車の5号車寄り様

4号車の5号車寄り
「4号車の5号車寄り」はリニューアル中です。編成表更新情報は東日本INDEXをご確認ください。

2nd train様

【JR東】209系ケヨ34編成 東京総合車両センター入場 |2nd-train鉄道ニュース
ななせなさん撮影 2022年10月31日、京葉車両センター所属の209系ケヨ34編成が検査のため、東京総合車両センターへ入場しました。京葉車両センター所属の209系10連はケヨ34編成のみで、同編成が東京総合車両センターへ入場するのは201...

中央快速線等へのグリーン車サービス開始時期および車内トイレの設置について

https://www.jreast.co.jp/press/2018/20180402.pdfダウンロード

変革のスピードアップのための投資計画~2023年度連結設備投資計画~

https://www.jreast.co.jp/press/2023/20230427_ho01.pdfダウンロード

この記事を書いた人

ゴハチさん
どうも五八三系です。名前が長いので「ゴハチさん」と呼んでもらえると幸いです
考察を中心にしょうもない記事をあげていきますのでどうかよろしくお願いします。
あと、動画の補足解説も基本的にここでやります。

コメント

  1. あず より:

    埼京線転属案ですが、JRには何らメリットなく相鉄側の事情だけが根拠となっていますが、そんな理由での転属はあり得るんでしょうか。

    ……会社間での力関係次第でありそうな気もする。

    • ゴハチさん より:

      コメントありがとうございます
      実は結論は出ているのですが、それまでの「つなぎ」として上げた記事なんです
      この記事を書いたのが1月なので、当時と現在ではかなり状況が異なっていることをご理解ただけましと幸いです
      結論から先に書き出しますが、相鉄側はあまり関係がない、ということをお伝えします

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