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本領発揮できていない中央快速線
皆さんは、中央快速線(以下中央線)と言えばどのようなイメージがつくでしょうか?
私の取り上げていたT71編成をはじめとした、個性豊かなE233系が活躍していることでも有名ですが、一般の方たちにとっては、「ノロい」「混む」「#ところで杉並三駅は滅ぼさなくてはならない」など、ネガティブな印象を持っている方も多いと思います。
単純に本数が多い、というのも理由の一つにあげられると思いますが、せっかく日本第3位の直線区間を保有しており、設計最高時速120km/hの通勤電車や、130km/hで甲斐路や信濃路を駆け抜ける特急列車がいるし、踏切回路が必要ない立派な高架区間まであるのに、そのスペックを生かし切れていないのがなんとも勿体ないです。
そこで!今回は中央線の最高時速を100km/hから130km/hに引き上げたらどうなるのか、ダイヤや車両特性などを踏まえながら、考察していきます!
中央線の真の力を見せてやりましょう。
※今回は単なる計算式による加減速性能について計算をするだけです。本運用のダイヤ考察については別記事にまとめますのでもう少しお待ちを。
車両の加速性能について考えよう
まずは、大元となる車両性能について確認していきましょう
ダイヤを組む際に重要となってくるのが、「運転曲線」および「カーブ・分岐等の制限速度」。
これらを踏まえてやっていくのですが、まずは車両性能、もとい運転曲線について考えていきましょう。なお中の人は理系じゃないので、それっぽい感じで進めていきます。
E233系の運転曲線
中央線の主力にして顔、E233系0番台。
このダイヤを考察していきましょう
加速時間計算
E233系の起動加速度は3.0km/h/s。しかしこれは、初速的な意味合いが強く、そこから徐々に、速度が落ちていきます。
というわけで、ここでは40km/hまでが3.0km/h/sでの加速をし、そこから少しづつ減速していくものと仮定しましょう。当然ながら、それ用の計算式が必要なのですが、昔見ていた動画が何かのはずみで削除されてしまい、参考となる資料が一切手元にないので、今回は、以下のように設定します
その時の速度 | 0~40 | 40~50 | 50~60 | 60~70 | 70~80 | 80~90 | 90~100 | 100~110 | 110~120 |
加速度 | 3.0km/h/s | 2.95km/h/s | 2.9km/h/s | 2.8km/h/s | 2.65km/h/s | 2.45km/h/s | 2.2km/h/s | 2.05km/h/s | 1.9km/h/s |
大雑把だけど大体こんなもんでしょう!そもそも今回まじめな考察記事じゃないし
ちなみに今回、高架区間ではあるものの、念のため600メートル条項を考慮し、E233系については120km/hを最高速度とします。
メモコーナー(加速にかかる時間)
小数点第5位を四捨五入するとします
0-40 3.0…40/3.0=13.3333
40-50 2.95 10/2.95=3.3898
50-60 2.9 10/2.9=3.4483
60-70 2.8 10/2.8=3.5714
70-80 2.65 10/2.65=3.7736
80-90 2.45 10/2.45=4.0816
90-100 2.2 10/2.2=4.5455
100-110 2.05 10/2.05=4.8780
110-120 1.9 10/1.9=5.2632
合計:46.2847秒
加速距離計算
ここからは距離計算式
V0t+1/2at^2を使用します
高校物理の計算式、覚えていますか?
それぞれにあてはまるものはこんな感じ
記号 | V0 | t | a |
当てはまる日本語 | 初速(m/s) | 時間 | 加速度(m/s/s) |
というわけで、これを踏まえたうえで計算していくのですが、これをいちいち手計算は面倒なのでExcelにぶち込んでコンピューターにやってもらいましょう
計算結果はこちら
V0(m/s) | t | a(m/s/s) | 距離 |
0 | 13.3333 | 0.8333 | 74.07074 |
11.1111(40km/h) | 3.3898 | 0.8194 | 42.37216 |
13.8889(50km/h) | 3.4483 | 0.8056 | 52.6827 |
16.6667(60km/h) | 3.5714 | 0.7778 | 64.48383 |
19.4444(70km/h) | 3.7736 | 0.7361 | 78.61644 |
22.2222(80km/h) | 4.0816 | 0.6806 | 96.37135 |
25(90km/h) | 4.5455 | 0.6111 | 119.9506 |
27.7778(100km/h) | 4.8780 | 0.5694 | 142.2745 |
30.5556(110km/h) | 5.2632 | 0.5278 | 168.1306 |
合計 | 838.953 |
というわけで時速120km/hまで加速するのにかかる所要時間は小数点を切り上げて約47秒。距離にして約840m必要ということがわかりました。
減速時間計算
E233系0番台の常用最大限速度は5.0km/h/s。但し、そのまま止まると急ブレーキになるので、今回はそこから少しだけ減速度を落とした4.7km/h/sで計算します
まず時間ですが、これは単純に「120÷4.7」で計算できます。
結果は、25.5319秒。約26秒ですね
減速距離計算
先ほどの式に代入しましょう
但し、この場合は以下の式になります
V0t-1/2at^2
この辺は高校物理の話になるので、知らない方は参考サイトで勉強してください()
というわけで。Excelに計算式をぶち込んで計算しましょう。
計算結果は、421.517mとなりました
但し、これは晴天時であることを考慮する必要性があります。雨天時などは滑走距離が空転で伸びる可能性もあることから、今回は470m制動と考えます。
計算結果
- 加速時間…47秒
- 加速距離…840m
- 減速時間…26秒
- 減速距離…470m
というわけで、E233系の運転曲線はこれを使用していきます
快速・特別快速のダイヤ考察はこの基準を使用しましょう
E353系の運転曲線
さて、ここからは本領発揮。最高時速130km/hで甲斐路、信濃路を駆ける特急電車であるE353系の運転曲線について考えていきましょう。
加速時間計算
E353系の起動加速度は2.0km/h/s。こちらも瞬間的な最大加速度であるため、ここから徐々に速度が落ちていくものとなりますが、E233系は後続列車に速やかに進路を譲るために加速力を高めに設定している一方で、E353系は特急型ということでゆったり加速して最高速に達するまでの時間、最高速を維持する時間を確保する目的が大きいです
というわけで、起動加速度は0km/h-70km/hまで適用するものとし、そこから徐々に速度が落ちていくものと考えていきましょう。
その時の速度 | 0-70 | 70-80 | 80-90 | 90-100 | 100-110 | 110-120 | 120-130 |
加速度 | 2.0km/h/s | 1.97km/h/s | 1.95km/h/s | 1.9km/h/s | 1.8km/h/s | 1.65km/h/s | 1.45km/h/s |
メモコーナー
小数点第5位を四捨五入するとします
0-70 2.0…70/2.0=35s
70-80 1.97…10/1.97=5.0761s
80-90 1.95…10/1.95=5.1282s
90-100 1.9…10/1.9=5.2632s
100-110 1.8…10/1.8=5.5556s
110-120 1.65…10/1.65=6.0606s
120-130 1.45…10/1.45=6.8966s
合計:68.9802秒
いちいちこの時間で計算するのは面倒なので70秒として考えましょう。
加速距離計算
これもExcelにぶち込んで計算
V0(m/s) | t | a(m/s/s) | 距離 |
0 | 35 | 0.5556 | 340.305 |
19.4444(70km/h) | 5.0761 | 0.5472 | 105.7324 |
22.2222(80km/h) | 5.1282 | 0.5417 | 121.0829 |
25(90km/h) | 5.2632 | 0.5278 | 138.8892 |
27.7778(100km/h) | 5.5556 | 0.5 | 162.0372 |
30.5556(110km/h) | 6.0606 | 0.4583 | 193.6024 |
33.3333(120km/h) | 6.8966 | 0.4028 | 239.4639 |
合計 | 1301.1330 |
というわけで、130km/hに達するまでは約70秒、距離にして1300mが必要なことがわかりました。
減速時間計算
E353系の減速度は、600メートル条項の関係なのか5.2km/h/sに設定されています。
しかし、あくまでこれも常用最大なことや、遅延回復などを視野に入れると、E233系と同等の4.7km/h/sでの減速度の設定にしましょう。
130÷4.7=27.6596秒
これも大体30秒として考えていきます。
これをもとに、減速距離計算いきます
減速距離計算
これも先ほど同様の公式にぶち込んで計算します
計算結果は、499.3917mになりました。
雨天時の滑走を考慮して550mとしましょう
計算結果
- 加速時間…70秒
- 加速距離…1300m
- 減速時間…30秒
- 減速距離…550m
というわけで計算結果が出ました。
中央線特急は、E257系なども走りますが、とりあえず一概にこの運転曲線でダイヤを組んでいこうと思います。
速度制限
車両側の確認が終わったからと言って、気を抜いてはいけません(これおふざけ企画だけど…)
路線最高速度こそ速くなれど、カーブ等の制限速度について考慮しなくてはなりません
というわけで、中央快速線のカーブ制限について考えていく必要がありそうですが、とりあえずこれだけは決めておきます
- 東京~新宿間の速度アップは行わない
はい、東京~新宿間については速度向上は行わないものとします
理由は単純で、カーブ制限が多すぎるから。
神田~御茶ノ水間の制限55をはじめ、水道橋~飯田橋間の制限60、千駄ヶ谷~代々木間の制限60などなど、江戸城の堀を縫うように線路を敷いた結果、かなり無理な線形になっていることから、これ以上の速度アップは望めないと判断しました
現状、都内の環状線をショートカットするという同区間の目的を踏まえると、わざわざ速度向上をしても費用対効果は低いと判断しました。
本題である新宿以西の区間は、京王線および高速バスへの対抗という名目があることや、直線的な線形をフルで生かせるという判断のもと、速度向上を実施します
というわけで、新宿以西の区間において、速度制限のかかる区間を、YouTubeの前面展望と合わせて調査してみました。
参考動画↓
公式さんからの動画の場合、速度制限の指差歓呼の声がクリアに入ってくるので、どこに制限があるのかがわかりやすいです(あと運転士さんの声めっちゃ綺麗なのでみんな見て(小声))
さて、その前にひとつ小噺。
E233系の速度制限については、速度制限に対して本則+15km/hで通過が可能。E353系の場合は車体傾斜を使用することで本則+25km/hでの通過が可能※ということなので、それを踏まえて速度制限を考えてみましょう
※現在、E353系では新宿~八王子間では車体傾斜は使用していません
場所:速度制限(E353系車体傾斜使用時。Mはメイビー、つまりたぶんこうなるだろうってこと)
新宿~高尾間の看板付きのカーブ制限区間
- 山手線との立体交差:60km/h(分岐なので60km/h)
- 大久保駅すぐ:80km/h(90km/h)
- 中野駅構内:90km/h(M 130km/h)
- 三鷹駅西側:90km/h(平面分岐器に対する制限なので90km/h)
- 立川青梅短絡線との交差点:90km/h(100km/h)
- 多摩川橋梁西側 下り:95km/h(105km/h)
- 日野駅構内 下り:75km/h(M 115km/h)
- 日野駅西端:90km/h(100km/h)
- 日野駅脇鉄道総研付近:95km/h(M130km/h)
- 豊田駅東側留置線付近:95km/h(105km/h)
- 豊田車両センター中央付近:90km/h(100km/h)
- 元西豊田駅予定地付近:85km/h(95km/h)
- 浅川橋梁西側:75km/h(85km/h)
- 京王線交差点付近:90km/h(100km/h)
- 八王子駅東側:65km/h(停車前提のため65km/h)
- 都道160号踏切西:85km/h(130km/h)
- 西八王子駅東:85km/h(130km/h)
- 高尾駅構内:80km/h(分岐のため80km/h)
- E233系車両限定:分岐制限100km/h
こうしてリストアップしてみると、中野以西から立川駅にかけては速度制限を受けるような区間が少なく、線形がかなり綺麗な一方で、立川以西では多摩丘陵を縫うように走行する関係で、かなりカーブの多い線形になっており、この区間での速度制限がかなり痛手になるのではないかなと考えました
あと八王子以西で快速が85km/h制限なのに130km/hで通過できるカーブがあるんですがなんで?単なるS字カーブ程度なら問題ないってことかい?ってわけでM速度を入れました。
各区間最高速度
区間 | 最高速度 |
東京~新宿間 | 95km/h |
新宿~東中野間 | 90km/h |
東中野~立川間 | 120km/h(特急型は130km/h) |
立川~八王子間 | 110km/h(特急型は130km/h) |
八王子~高尾間 | 120km/h(特急型は130km/h) |
そして、これだけではなく、各車両の長さについても考えなくてはなりません
速度制限については最後尾車両が抜けきるまで解除されないので、この長さについても考慮して速度向上を実施しようと思います
E233系12両の全長
連結面を含めると20,000mm、グリーン車に関しては20,500mmを採用しています
よって、12両編成の全長は241,000mm。241メートルキッカリです。
E353系12両の全長
E353系については、9両編成単独で運転する列車と、3両の付属編成を連結した12両編成で運行される列車の2パターンがありますが、今回はすべて一通りに12両で考察していきます。
E353系の先頭車両については21,430mm。中間車両は20,500mmを採用しています。
12両編成の場合、先頭車両が4両。残り8両が中間車両となります。
計算結果は、252,720mm
これらをもとに、速度制限解除までの最高速度について考察します
その他もろもろ
とりあえず速度向上に関して邪魔足かせとなっている杉並三駅については、撤去します。2駅しか変わらんのであればほぼ利便性も変わらないも同義だと思うので、南無阿弥陀仏。
雑コラ失礼(30秒で作った)。
というわけで予定通り爆破解体しました。これで上下線で足枷となる存在のうち最大の要因は消え去りました。やったね☆
次回予告
はい!
というわけで今回はここまで。
次回から本格的なダイヤを考察し、中央快速線のみならず中央東線全体のダイヤについて考察していきます。
とりあえず路線の使用順位としては
- 特急あずさ・かいじ・富士回遊
- 特急はちおうじ・おうめ
- 中央特快・青梅特快
- 通勤特快・通勤快速
- 無印快速
- 東線普通
- むさしの号
- 貨物
このようなダイヤを前提に、中央快速線のダイヤを考察していきます
果たして中央快速線はどこまで速くなるのか、そして新宿~茅野間2時間切りを達成することはできるのか。
中央線ユーザー必見(?)の記事。ぜひお楽しみに!
この記事を書いた人
-
転属劇考察したり絵を描いたり動画作ったりして生きている自由人583号です
RNの「五八三系」が正式呼称ですが、長ったらしいので「ゴハチさん」って呼んでね
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コメント ご意見やご感想等お気軽にどうぞ。
よし、新宿駅を東西に貫く地下新線を作って立川までの複々線化と京葉線乗り入れを決行せよ(爆)
バッファ込みの机上計算なら等加速度運動の式を用いても十分かと思いますが、実際には電車の乗り心地を測定するのに加加速度や加加加速度が用いられるみたいですね……。
とりあえず青梅線には各駅停車線だけ流そう(爆)
まぁ今回はあくまでおふざけ企画なので、高校数学や物理までの知識で考えられるように企画を進めていきます。実際のダイヤ作成時とは多少異なる点がありますが、ご理解いただけますと幸いです
複々線化にしろ3複線化にしろ、総武緩行線が千葉までのロングランと東西線乗り入れを行っていることを踏まえれば青梅線直通はリスキーな気がします。
……はい、「青梅方面も八王子方面も中央快速が賄えばいい」という消極論です。夢がなさすぎる。
杉並3駅快速通過なら特快の中野もいらない
新宿発着便は通過する的な話は聞いたことあるので、東京発着の特快も通過にしようか迷いましたが、東西線との連絡を考慮して今回は停車にさせていただきます
杉並3駅が不要なのは言うまでもありません。こいつらのせいで特急も特快もスピードが落ちるのです。黙ってどこかの駅で乗り換えなさい!
その3駅も12両化されてるし、本当にアホとしか言いようがありません。
「おふざけ企画」と仰っていますが、この内容は概ね支持しますよ!130km/hは実現できるか否かはグレーゾーンではありますが・・・
前に遅れてる特快に乗ったのですが、駅が近付くたびに速度を落としていたので、うーん…って思いましたね
今回の企画では、「速度向上」の他にも「遅延回復のやりやすさ」も上げたいと考えたので、杉並三駅は通過にしました
130km/h化に関しては完全にお遊びですので鼻で笑うなりリビングで爆笑するなりご自由に見てもらえると嬉しいです
鼻で笑う等しませんよ!理論に基づき、計算された上でこのような企画を立ててると思うと、こんな真似私には到底できない!
よく考えてみれば、杉並3駅通過させ、線形も変えれば、130km/hが実現する可能性は十分あると思います!
次のダイヤ改正にでも、杉並3駅通過表明してくれないかな・・・と思うこと何年の月日が経過したことか・・・
平日の快速は敬遠し、特快や通勤快速以上の電車を使うようにしています。
電車とか鉄道とかど素人なんですが、総武線があるので、中央線は全部、中野の次は三鷹で良いと思います。
荻窪は丸ノ内線と乗り換えられるし利用者も多いしで…と思いましたが総武快速線は本八幡も西船橋も通過なんですよね…
吉祥寺は渋谷とか下北沢に向かう人のために停車にした方がいいと思いそのままにしてます
とりあえず、今回の計画では当初予定されていた配線の下でお話ししようと思います