台湾で583系”モハネユニット”が展示されてる理由

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2017年に引退した583系が、海を越えて台湾へ!

どうも台湾から帰国したゴハチさんです。

今回の主題は、私の名前の由来にもなった「583系」に関するお話しです。

台湾では、日本統治時代から1980年代にかけて寝台車両を連結した客車列車が走っていました。しかし、運行体系の変化などを受け廃止になり、使用されていた車両はその後すべて解体されてしまいました。

その後、台湾でかつて使われていた鉄道工場の敷地を活用し、台湾で活躍していた鉄道車両を展示することになったのですが、その際に寝台車両が無いことから展示できない!という問題が発生。

ちょうどそのころ、JR東日本がイベント用に運行していた最後の583系N1N2編成が引退するというお話しが出ていました。
そこで、当時台湾で走っていた寝台用客車の機構と似た構造をしている583系を譲渡してくれないかと相談し、JR東日本が了承したことから、2017年にモハネユニット1組を台湾へ譲渡。

2017年11月17日より一般公開が開始されました。

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“モハネ”が残された価値の大きさ

さて、博物館と言えば通常、電車の「顔」に当たる先頭車両が保存されるのがスタンダードですが、583系はなぜか中間車のモハネユニットが譲渡されました。

同行者も「先頭車じゃないのがなんかなぁ~」という風に話していました。

が
583系ファンとして語りたいのは「モハネユニットが保存されているという凄さ・すばらしさ」について。

先頭車両の保存が中心になりがちな博物館保存ですが、そもそも583系の残した功績というのは「世界初の寝台電車」ということ。

電車はもちろん、運転台付きの車両だけで動くことはできません。一番大事なのはモーターの付いている車両、「モ」の記号を持つ車両なのです。

つまり、先頭車両が残した価値こそあれど、その間に挟まっていたモーター付きの車両にも同等かそれ以上の価値がある!という考えが私にはあったのです。

そんな中で台湾に譲渡された583系はモハネユニット2両。世界初のモーター付き寝台車両が保存されることが決まったのでした。

通常、博物館ではどちらかと言えば「映え」を意識して、先頭車両ばかりを展示しますが、中間車両には先頭車両以上に保存の価値がある場合も多いです。しかし、そんな貴重な車両もほとんどが解体されてしまい、現存しない車両も多くあります。
また、「貴重な中間車も重要な展示物と考え~」という記載で展示されている中間車も、基本的には2両ユニットの片方。完璧な状態で残されている車両はなかなかいません。

では今回の583系はどうでしょうか?

モハネユニット2両1組を丸ごと博物館に展示し、その気になれば動かすこともできる状態で保存されています。

モーターを動かすことができるのかどうかまでは不明ですが、ブロワーは生きているそうなので、先頭車をもってこれば動かせるはずです。

なぜ先頭車ではなく中間車を?

さて、ここで「先頭車ではなく中間車を譲渡した理由」が気になる方もいると思います。

一説によれば、「JR東日本の方が先頭車の譲渡に難色を示した」ことが理由とされていますが、私はこの考えは違うのではないかと考えています。

個人的に2つの説があると考えますが、いずれも台湾側が先頭車より中間車を欲したのではないかという考えのもとでお話を進めます。

まず、国家鉄道博物館の展示内容は、基本的に「客車」や「機関車」、「貨車」が中心になっています。そんな中で電車が展示されていると、場違い感はあります。
そのため「客車と雰囲気が似ている中間車を展示したかった可能性」というものがひとつ。

そしてもうひとつが、「寝台機構をより多く搭載している車両を展示したいという思惑があった可能性」です。
そもそも、583系が台湾に展示されるに至った理由というのは、かつて走っていた寝台客車と機構が似ているためというものでした。
そのため、この583系の採用しているプルマン式寝台を多く見せるには、運転台のある先頭車両よりも、中間車の方が良いという判断を下した可能性があるのです。

以上の理由から、台湾側がモハネユニットの譲渡を望んだ可能性が高いという考えを持つきっかけになりました。

モハネ582・583の見どころ

さて、折角モハネユニットが残されていることですので、583系のクハネには無い、モハネユニットの魅力についてお話ししましょう。

パン下

まずは何といっても、モハネ582側に存在する、通称「パン下」。

車両限界ギリギリまで高さを広げ、3段寝台を設置した583系ですが、電車であるためもちろんパンタグラフの設置スペースは3段寝台にできるスペースがありませんでした。

そこで、パンタグラフの下の部分だけは2段寝台にする妥協策が取られましたが、利用者からは「パン下は広い!」と、現役当時は好評を博した空間でもあったのです。

これもまた、国鉄の大量輸送時代であり、昭和の名車である583系の象徴の一つですね。

梯子掛け

交直流電車や交流電車には、高圧の交流電気からの感電リスクを減らすために、梯子は外付け式のものを現在まで採用しています。

そんな583系の貴重な梯子掛けが残されていました。

これを見ただけでも、現代に向けてどのような進化を遂げていったのかをマジマジとみることができ、非常に価値の高い存在であるようにも感じます。

主制御器

モハと言えば何といってもこれは外せません!すべてのモーターへ情報を伝達する主制御器。

その姿を目の前で拝むことができるのです。

もちろん、展示品として現役で置かれているものはいくつかありますが、それが車両にぶら下がった状態で保存されているのはかなりレアと言えるでしょう!

ちなみに、その奥には抵抗器もズラリ並んでおります。

断流器

ノッチを切った時に、なんか風呂桶を投げたときみたいな音が聞こえてくることがありますが、それがこの断流器。

空気とばねの力で電気を強制的に切り離す装置ですが、これが目の前で見れるのです。

ちなみに両方とも写真が無いのは、皆様に現地での感動を味わってほしいためです。別に私がこのモハネ583兄弟に見惚れて写真を撮り忘れたわけではありません。はい。

終わりに

先頭車じゃないことにがっかりする人も多いかもしれないこの車両ですが、正直私は”よくぞ残してくれた!”という風に考えております。

これからも、他の台湾の車両と同様に愛される車両であることを願います。

あとは秋田の先頭車の今後が少々気がかりではありますが…
(追記:どうやら東日本では管理できないということが判明したそうです。鉄道博物館の容量的にも難しいでしょうし、何かしらの策が生まれれば良いのですが…)

この記事を書いた人
ゴハチさん
ゴハチさん
別名:停車駅馬鹿

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