
ご無沙汰してます。ふぺです。
福岡市を基盤に路線を展開する福岡市地下鉄で活躍する車両を紹介する「福岡市地下鉄車両図鑑」。前回は「1000系」について解説しました。

今回は空港・箱崎線のもう一つの顔「2000系」について紹介していこうと思います。
2000系の概要

2000系こと2000N系は1992年の福岡市地下鉄空港線の福岡空港延伸に合わせて登場した車両です。
2000系 | 1992〜2023 |
2000N系(2000系N化車) | 2021〜 |
所属基地・編成数 | 姪浜車両基地・6連×6本 |
運用線区 | 地下鉄空港線(姪浜〜福岡空港) 地下鉄箱崎線(中洲川端〜貝塚) JR筑肥線(姪浜〜筑前前原) |
編成番号は1000系に続いて19編成からのスタートとなっています。なお姪浜に配置された全6本のうち、19〜21編成が1992年に近畿車輛、22〜23編成が1994,1997年に川崎重工(今の川崎車両)、24編成が1998年に日本車輌で製造されました。
また1000系と同じくATO(自動列車運転装置)を搭載し、ワンマン運転に対応しています。

また2000系も製造から30年が経過したことで2020年よりリニューアル改造を開始。
まず制御装置を従来のGTO及びIGBT素子のものからSiCハイブリッドモジュール採用のIGBT素子のものに交換、またヘッドライトもハロゲンからLEDに交換されています。また車内も床や壁が更新されたほか、照明の交換、つり革の増設、ドアチャイムの設置など多くの改造が施され、外観も窓上に青のラインが追加されるなど大きくリフレッシュされています。
2000系の”沼”要素
全体の編成数は1000系の1/3と少数派の2000系ですが、実は編成ごとにかなりの差異があるのです。

まず大きく異なるのが帯の仕様。初期に製造された19〜21編成は青+白になっているのに対し、後期に製造された22〜24編成は青+白+青となっています。また車両間に設置されている転落防止幌にも差異があり、19〜23編成は比較的最近に設置されたため濃い灰色のものになっていますが、24編成は製造当初から設置されていたため、前述の編成とは違い車体と同じ帯が貼られています。
19〜21編成 | 福岡空港延伸に伴い製造・GTOサイリスタ素子 |
22〜23編成 | 増発・予備車確保のため製造・GTOサイリスタ素子 |
24編成 | 増発に伴い製造・IGBT素子 |
また19〜23編成は制御装置にGTOサイリスタ素子を採用していのに対し、24編成のみIGBT素子を採用していました。

ほか19〜21編成は方向幕、22〜24編成は1000N系と同様の3色LEDの仕様でしたが、後年の機器更新の際に全ての編成がフルカラーLEDへ交換されています。ほか車内も21〜23編成はドア上に液晶ディスプレイが設置されていましたが、後年の機器更新にて24編成と同様のLED式の表示器に交換されています。
2000系の前面

前面及び車体はオールステンレス製で、1000系と同じく玄界灘をイメージした青色と白色の帯が纏われています。また地下鉄線内を走る車両ということで前面に非常扉が設置されているほか、ライトは横型で配置され、内側が前照灯・外側が尾灯となっています。
また前面左の窓下に編成番号が表記され、その上には列車番号を表示するスペースが設置されているほか、運転台側の窓の上部に行先表示器を配置されています。ほかには非常時にJR車と連結できるよう密着連結器を採用しているほか、非常扉窓下には「地下鉄線内ワンマン運転」のステッカーが貼られているなどの特徴があります。
2000系の側面

前面及び車体は直通先の筑肥線で沿岸部を走ることを配慮して、1000系のセミステンレスより塩害に強いオールステンレスになっており、沿線の玄界灘をイメージした青色と白色の帯が纏われています。ほか1号車と6号車の運転台近くの側面には「F」をモチーフとした福岡市地下鉄の金色のロゴが、車椅子スペース近くのドアの側面には車椅子ステッカーが配置されています。
ほかに2000系唯一の特徴として窓が固定式の1枚大窓となっているほか、N車は窓上に青のラインが追加されていおり、ロゴの下部には「2000N」のステッカーが貼られています。それ以外にも側面に号車表記のステッカーなど、1000N系とは似ているようで意外と違いが多くあります。

また前面及び側面の行き先表示器はフルカラーLEDとなっており、空港線(福岡空港・姪浜など)はオレンジ背景に白色文字、箱崎線(中洲川端や貝塚など)は青背景に白色文字、JR筑肥線(筑前前原など)は黒背景に白色文字、ほか回送や試運転は黒背景に緑色文字で表示するようになっています。
2000系の車内

車内はオールロングシートとなっており、座席は緑色のものを採用しているほか、各車両端には車椅子スペースが設置されています。なお優先席は1000N系も同じく福岡市地下鉄ゆるキャラのちかまるがデザインされたシートが採用されています。

広告は1000N系と同じく吊りかけ式のものが使用されているほか、妻面と座席袖仕切りは明るい木目調の化粧板が配置されています。またドアにはドアチャイムが設置されており、上部には1画面式の大型LCDが千鳥配置で設置されています。
どこで・いつまで見れる?
2000N系は1000N系と同じく地下鉄空港線の福岡空港〜姪浜・箱崎線の中洲川端〜貝塚とJR筑肥線の姪浜〜筑前前原で見ることができます。地下鉄七隈線とJR筑肥線の筑前前原以西では見ることができないので注意が必要です。
あとがき
2000系、少数派ながら非常に面白い形式だと思いますので、福岡に来た方はぜひ乗ってみてください!

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よく奇行に走ります
icon @Bashamichi_mm04
- 2025年6月26日九州【6編成の”沼”】福岡市地下鉄車両図鑑#2 2000系
- 2025年6月23日九州【国鉄の理想の電車】福岡市地下鉄車両図鑑#01 1000系
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