
どうも、距離的には小湊鉄道の方が近い中沢です。
去年10月の脱線事故をきっかけに全線運休となり、8ヶ月が経過した現在も運休が続いている「いすみ鉄道」。そんないすみ鉄道から、先日(6月2日)にようやく復旧の見込みが発表されました!
ということで、今回の「マツムシ車庫」ではいすみ鉄道の復旧見込みとその考察を速報としてお送りします。それでは、今回もよろしくお願いします!
そもそも何故長期運休?
いすみ鉄道が長期運休をすることになったキッカケは2024年10月4日、約8ヶ月前の出来事。
国吉駅を定刻に出発し、時速42Kmで走行中、中平戸踏切を過ぎたあたりで列車に異音、揺れを感じたため、列車を停車させ確認したところ、車輪8軸のうち6軸が脱線していることが判明した。
(中略)
この事故により、いすみ鉄道線は大原~上総中野間が不通となり、バスによる振替輸送、代行輸送を行うこととしました。
令和6年10月4日に発生した輸送障害事故について -いすみ鉄道
その後、調査により一本のレールが横倒しになっていたことや、脱線した区間に枕木が劣化している場所があったことが判明しました。いすみ鉄道の線路は、もうボロボロだったのです。
この脱線事故により、そして安全確認や線路整備のため、いすみ鉄道は長期運休を強いられているのです。
いすみ鉄道の復旧見込み

さて、今回発表されたいすみ鉄道の復旧計画。大多喜を境に見込みが異なるようです。それぞれ見てみましょう…
大原〜大多喜

JR外房線も通っている大原駅から大多喜駅間は、令和9年(2027年)秋頃までの運行再開を目指すとのこと。当初は去年10月中の復旧を予定していたことを考えると、結構伸びましたね…ですが、これは線路整備のための資材調達に時間がかかるためとのことで、安全に運行するためには致し方ないことかと思われます。再来年、いすみ鉄道がまた走り出すのが楽しみです!
大多喜〜上総中野

そして、大多喜駅から小湊鉄道との接続点である上総中野駅間は「今後、復旧等の費用や期間に係る調査を進めていく」とのこと。上総中野までの再開は小湊鉄道へ乗り継いで房総半島を横断するのには必要不可欠ですが、利用者数が前述の大原〜大多喜より少なく、まず大原方面を開通させるのが優先順位としては先になる…ということだと思われます。
このように一部区間の復旧が再来年となるいすみ鉄道ですが、運休期間もバスでの代行輸送は行われるとのこと。いすみ鉄道の沿線を訪れたい方は、ぜひ代行バスでの来訪も視野に入れてみてはいかがでしょうか?
考察:いすみ鉄道は今後どうなるのか
ここからはいすみ鉄道の今後について、小湊ユーザー(要審議)の中沢が考察していこうと思います。
利用者数の乏しい上総中野方面、本当に復旧できるのか
前述の通り、大多喜を境に分けた際上総中野方面は大原方面より利用者数が乏しい傾向にあります。
そもそもの運行系統自体が大多喜始発大原行の方が多い傾向にあり、上総中野駅では次の列車が来るまで2時間待ちを強いられる…なんてことも。
復旧には多額のお金がかかることも考慮すると、もしかしたらバス転換で廃止…なんてことがあるかもしれません。ただ現状は鉄路での復旧に向けて調査を進めるとのことなので、今後に期待です!
保存車両の今後
いすみ鉄道の保存車両として、キハ28形とキハ52形が存在します。今回は、それらの今後についても少し深掘りしてみることにします…
キハ28形の今後
キハ28形(キハ28-2346)は、JR西日本からの譲渡で2013年にいすみ鉄道へとやってきた国鉄型の車両です。
現役時代はレストラン列車などに使用され、2021年には観光急行としての運用にも充当されていましたが、老朽化のため2022年に定期運行を終了。その後2023年に不定期運行も終了し、その後はクラウドファンディングなどを活用して静態保存されています。
☆クラウドファンディング…インターネットを通じてプロジェクトを公開し、不特定多数の人々から資金を募る仕組み。「クラファン」と略されることも。
☆静態保存…車両などを、動かす必要がない状態(そこに留まった状態)で保存すること。逆に、動かせる状態で保存することは「動態保存」という。
将来的には動態保存も視野に入れられていて、「レールパーク構想」として観光施設への整備も計画されているとのこと。また、3Dデータとしてデジタルでの保存も進められているらしく、技術の進歩は凄いですね…
ただ、車両の保存にはもちろんお金がかかります。現状いすみ鉄道は鉄路復旧のために多額のお金がかかっている状況で、このレールパーク構想もどうなることか…どちらも共存できることを願うばかりです。
キハ52形
キハ52形(キハ52-125)も、JR西日本からの譲渡でいすみ鉄道にやってきた国鉄型の車両です。こちらは2011年にいすみ鉄道へとやってきました。
こちらは観光振興を目的として、主に観光急行としての運用に充当されていました。この車両で小湊鉄道への乗り入れを行う構想もあったようですが、こちらも老朽化や検査費用の問題により、今月15日の引退イベントをもって引退することに…。運休期間中の引退という異例の出来事に、鉄道ファンからも驚きの声があがっていました。
ちなみに、引退イベントでは大多喜駅構内を実際に走るとのこと!全線運休中ではありますが、できる範囲でキハ52を走らせる決断をしてくれたいすみ鉄道の方、本当にありがとうございます…
キハ52もどこかに保存するのでしょうか?でもやはりお金かかってきますもんね…悩ましい…
結論
一部区間ではありますが、再来年の復旧に向けて尽力し、また運休中にも関わらず引退イベントを開催してくれるいすみ鉄道。今後の動きに期待です!
がんばれ、いすみ鉄道!!
参考文献
キハ52 125号車 営業運転終了ならびに引退記念イベント開催のお知らせ
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