
ご無沙汰してます。ふぺです。
この記事を読んでいる人の中には”週末の飲み会で盛り上がって気づいたら終電を逃してしまった”…俗に言う「終電オワタ」の状況に陥ってしまうことがある人が一定数いると思います。

終電が終わる頃にはバスなどの公共交通機関もほぼ全て終わってしまっているため、泣く泣くタクシーを使って家に帰るか駅前で野宿するしかなくなってしまいます。この対策として昨年より福岡市地下鉄はフライデー・ナイト・トレインの運行を開始。今回はそのフライデー・ナイト・トレインについて話していきたいと思います。
フライデー・ナイト・トレインとは

フライデー・ナイト・トレインとは福岡市地下鉄が2024年8月23日より再開した深夜帯における利便性向上を図るため毎週金曜日の地下鉄全線(空港線・箱崎線・七隈線)の終電を最大35分延長するというものです。
福岡市地下鉄の平日23時以降の利用者は約8000人ですが飲み会などの影響で金曜日のみ約1万3000人もの利用者がいます。そして福岡市地下鉄の通常の終電は
空港線…福岡空港0時00分発筑前前原行き、姪浜0時00分発博多行き
箱崎線…姪浜23時43分発貝塚行き、貝塚23時54分発中洲川端行き
七隈線…博多0時13分発橋本行き、橋本23時51分発博多行き
このようになっていますが利用者の多い金曜日には
空港線…福岡空港0時36分発姪浜行き、姪浜0時08分発福岡空港行き、姪浜0時25分発博多行き
箱崎線…中洲川端0時30分発貝塚行き、貝塚0時12分発中洲川端行き
七隈線…博多0時32分発橋本行き、橋本0時00分発博多行き
といった感じで天神や中洲で日を跨いで飲んでいたとしてもタクシー案件になることなく余裕を持って帰ることができます。またJRや西鉄の終電から地下鉄に乗り継ぐ場合もいつもより余裕を持って乗り継ぐことが可能です。
さらにこのフライデー・ナイト・トレインのうち空港線の福岡空港発と七隈線の博多発の便は終点の姪浜駅・橋本駅に到着するのは1時00分。横浜市営地下鉄ブルーラインや神戸市営地下鉄など一部では1時台まで走る地下鉄もありますがそれ以外のほとんどは0時台で全ての列車の運行を終了するため、この空港線と七隈線のフライデー・ナイト・トレインは非常に希少な1時台まで走る地下鉄となっています。
このフライデー・ナイト・トレインは好評を博しており、飲み会帰りのサラリーマンからはもちろん、インバウンドなどの観光客からも「深夜でも移動できるのが非常に助かる」との声があります。

またなぜこのフライデー・ナイト・トレインが設定されているのかについてですが、実は福岡県は全国トップレベルで飲酒運転の検挙数が多い県になっています。飲酒運転の件数を減らし、飲み会帰りでも安全に帰宅できるようフライデー・ナイト・トレインは設定されているといえるでしょう。
フライデー・ナイト・トレインは実は13年前からいた

最近運行されたように見えるフライデー・ナイト・トレインですが実は初めて設定されたのは12年前の2013年で、毎年12月の忘年会シーズンに運行されていました。しかし新型コロナウイルス感染拡大の影響によって2020年からは運行を休止。そして約4年後の2024年に利用者がコロナ禍前と変わらないほどにまで回復したことを受けてフライデー・ナイト・トレインは復活を果たしたのです。
ちなみに当時の本数は空港・箱崎線の姪浜〜福岡空港、筑前前原〜博多、姪浜〜博多、姪浜〜貝塚が上下各1本、七隈線の天神南〜橋本が上下各2本と空港線は筑前前原発のフライデー・ナイト・トレインがあったほか、七隈線も上下2本と現在より1本多く運行されていました。
フライデー・ナイト・トレインを利用する際の注意点
フライデー・ナイト・トレインは非常に便利ですが注意しなければならない点が2つあります。

まずは乗り過ごしです。これは普段の終電で言えることですが、フライデー・ナイト・トレインを乗り過ごしてしまうと深夜1時の姪浜駅と橋本駅に放り出されてしまいます。姪浜駅は西区の中心ということもあり周辺に何件かホテルがあり乗り過ごしてもまだ何とかなりますが橋本駅周辺にはホテルがなく、タクシーを使って帰るか野宿をするしかなくなってしまいます。また橋本駅周辺にある飲食店はほとんど閉まっており開いているのはコンビニくらいしかないため、七隈線を乗り過ごすことだけは本当に避けなければなりません。

次に乗り継ぎです。前述の通りJRや西鉄などの他社線からフライデー・ナイト・トレインに乗り継ぐことはできますが逆にフライデー・ナイト・トレインが姪浜や博多、貝塚に到着する頃の他社線では既にほぼ全ての列車が運行を終了しているためフライデー・ナイト・トレインから乗り継いで姪浜から筑前前原に、また貝塚から香椎・新宮に向かうことはできません。
ちなみに各方面の最終列車ですが筑肥線の筑前前原行き最終は天神0時12分発、西唐津行き最終は天神23時21分発、西鉄新宮行き最終は貝塚0時12分発、JR鹿児島本線の久留米行き最終は博多23時46分発、福間行き最終は博多0時01分発、南福岡行き最終は博多0時16分発、西鉄天神大牟田線の大牟田行き最終急行は福岡(天神)22時45分発、花畑行き最終急行は福岡(天神)23時30分発、筑紫行き最終は福岡(天神)23時35分発となっています。
筑肥線と貝塚線にもいた”フライデー・ナイト・トレイン”
先ほど少し話しましたがかつては福岡市地下鉄から先JR筑肥線に直通するフライデー・ナイト・トレインや西鉄貝塚線にもフライデー・ナイト・トレインが走っていました。

筑肥線でフライデー・ナイト・トレインが走ったのは福岡市地下鉄にフライデー・ナイト・トレインが運行開始された時と同時期の2013年。筑前前原23時41分発福岡空港行きと福岡空港23時45分発筑前前原行き、0時31分発筑前前原行きが設定されたほか、姪浜止まりの便を筑前前原まで延長運転するなどしていました。
その後本数や時刻の微妙な変化はありながらも筑肥線のフライデー・ナイト・トレインは福岡市地下鉄と同様に2020年から運行を休止。約4年後の2024年に地下鉄線内のフライデー・ナイト・トレインは復活を果たしましたが2025年現在も筑肥線のフライデー・ナイト・トレインは休止したままとなっています。

西鉄貝塚線でフライデー・ナイト・トレインが走ったのは前述の福岡市地下鉄、JR筑肥線と同時期で2013年より運行を開始。姪浜0時13分発貝塚行きから貝塚駅にて貝塚0時47分発西鉄新宮行きに接続するダイヤとし、終点の西鉄新宮には1時09分に到着していました。また貝塚方面の列車は西鉄新宮23時40分発貝塚行きから箱崎線のフライデー・ナイト・トレインに接続して終点の姪浜には0時43分に到着していました。
その後毎年運行されていましたが福岡市地下鉄より一足早い2019年より運行を休止。休止から約6年が経った現在も休止したままとなっています。
京都の終電延長便「コトキン・ライナー」

実は京都にもフライデー・ナイト・トレインと同じような終電延長便が走っていました。それが「コトキン・ライナー」です。
コトキン・ライナーが運行開始したのはフライデー・ナイト・トレインが走り始めた約2年後の2015年10月2日。名前の由来は”古都・京都の金曜日に走るうれしさ“を表現したもので、毎週金曜日に烏丸線の竹田0時10分発国際会館行き、国際会館0時9分発竹田行き、東西線の太秦天神川0時15分発六地蔵行き、六地蔵23時58分発太秦天神川行きが運行されました。
このコトキン・ライナーは大阪駅23時40分発の新快速から京都駅で、阪急梅田駅23時30分発の快速急行から阪急烏丸駅で、淀屋橋23時20分発の特急から京阪三条駅で乗り換えられる、という宣伝が行われたほか、鳥丸御池駅では全方向のコトキン・ライナーに乗り継ぎできる「シンデレラクロス」を実施するなど利便性向上のためのあらゆる対策が行われていました。

このコトキン・ライナーには京都市営地下鉄・京都市営バス応援キャラクター「地下鉄に乗るっ」シリーズの太秦萌の姉である「太秦麗」をPRとして起用。またこのほかにも櫻坂46やピコ太郎とのコラボポスターを使用したキャンペーンを行うなど、宣伝に非常に力を入れていました。
しかしこちらも新型コロナウイルス感染拡大の影響によりコトキン・ライナーの利用者は55%も減少、そのため2021年より運行を休止することになりました。なお休止より約4年経った現在でも運行は再開されていませんがいつか再開する日が来ると良いですね。
フライデー・ナイト・トレイン 運用は?

空港・箱崎線のフライデー・ナイト・トレインに使用される列車は4編成で42運用、43運用、45運用、47運用です。
42運用は16時に姪浜を出発。姪浜・西新・中洲川端と貝塚を何往復かしたのちに空港線を1往復し、姪浜に到着したのち入庫しますが、金曜日のみフライデー・ナイト・トレインとして折り返し博多行きで運行。0時44分に博多に到着し福岡空港側にある留置線へ引き上げて停泊します。
43運用は7時半に姪浜を出発。空港線と箱崎線を何往復かしたのちに箱崎線の貝塚行き最終電車として運行。通常はこのまま貝塚で停泊しますが、金曜日のみフライデー・ナイト・トレインとして折り返し中洲川端行きで運行。なお中洲川端折り返しの列車は一度天神側の電留線に引き上げて再度入線しますが、フライデー・ナイト・トレインが走る頃の電留線には既に停泊車がいるため駅手前の渡り線を使って1番線に入線、8分折り返しで貝塚行きのフライデー・ナイト・トレインとして運行し0時40分に貝塚に到着、そして停泊します。
45運用は17時に姪浜を出発。JR筑肥線、空港線、箱崎線を何往復かしたのちに0時過ぎに姪浜に到着。通常はこのまま姪浜に入庫しますが、金曜日のみフライデー・ナイト・トレインとして折り返し福岡空港行きで運行。3分折り返しで姪浜行きのフライデー・ナイト・トレインとして運行。1時00分に姪浜に到着し入庫します。
47運用は7時に姪浜を出発。空港線と箱崎線を何往復かしたのち姪浜0時00分発の博多行き最終列車として運行。通常であれば博多駅2番線に到着し福岡空港側にある留置線へ引き上げて停泊しますが、金曜日のみ2番線に入線しフライデー・ナイト・トレインとして折り返し姪浜行きで運行。0時42分に姪浜に到着し入庫します。
七隈線のフライデー・ナイト・トレインに使用されるのは1編成のみで橋本から出庫し0時00分発の博多行きとして運行、0時28分に博多に到着した後4分折り返しで橋本行きとして運行し1時00分に橋本到着。そして入庫します。
まとめ
いかがだったでしょうか?フライデー・ナイト・トレイン、なかなか奥が深く面白い列車であることがお分かりになったかと思います。金曜日の終電延長はかなり好評を博しているので、この福岡を筆頭に全国各地で金曜日の終電延長の流れが来ると良いですね。
この記事を書いた人

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よく奇行に走ります
icon @Bashamichi_mm04
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