みなさんこんにちわ。夜は自己肯定感Maxやまびこ 盛岡行き、月波ちゃんです。
今回は最近北陸の話をよくしていますので、北陸地区とは切っても切り離せないもの、「並行在来線」について話していこうと思います。
元凶は整備新幹線?
並行在来線について語るには、まず整備新幹線について語らなければいけません。
整備新幹線というのは「全国新幹線鉄道整備法」に基づく、昭和48年に設定された北海道、東北、北陸、九州、西九州新幹線の5つの路線です。
新幹線の定義を国は『その主たる区間を列車が時速200km 以上の高速で走行できる幹線鉄道』(国土交通省より)としています。ですので在来線区間を流用したため、最高時速が130kmに抑えられる秋田新幹線や山形新幹線は厳密には新幹線とは言えないのです。
この整備新幹線の基本条件には5つの項目が記されています。
整備新幹線を整備するに当たっては、以下の5つの条件を満たしていることを確認した上で、着工することとしております。
1.安定的な財源見通しの確保
2.収支採算性
3.投資効果
4.営業主体であるJRの同意
5.並行在来線の経営分離についての沿線自治体の同意
この内今回の話題、並行在来線については最後のものが当てはまります。
そしてこの並行在来線について国は
『並行在来線とは、整備新幹線区間を並行する形で運行する在来線鉄道のことです。
整備新幹線に加えて並行在来線を経営することは営業主体であるJRにとって過重な負担となる場合があるため、沿線全ての道府県及び市町村から同意を得た上で、整備新幹線の開業時に経営分離されることとなっています。』
というふうに定めています。要するに「並行在来線を経営することは競合路線を自社で持つことになるから不便よな!だったら会社の路線から切り離していいで!」ということです。ですのでJRは新幹線が開業したら路線を廃止にすることだって可能なわけです。
しかしそんなことをしてしまっては普段からその路線を利用している人たちは激怒です。
関東だと「東海道線できたから京浜東北線廃線にするで!」みたいな感じです。
関西だと「東西線できたから大阪環状線廃線!」みたいな感じでしょうか?
まぁ普段から利用する路線が唐突に廃止されたときの感情を思い浮かべてもらえば大丈夫です。
そこで、沿線のすべての自治体との同意が得られた場合は整備新幹線が開通した際に独立し、別会社として新たなスタートを切ることができるようになります。
この、同意が得られた場合というのがまぁまぁ重要なので覚えておいてください。
また、並行在来線が存続する理由としてはもう一つあります。そのことについて次は話していきましょう。
なくせない理由は貨物列車にもあり!
皆様、貨物列車って知ってますか?そうですあの長いやつ。あれもなくせない要因のひとつなんです。
理由としては2つ挙げられます。
まず1つ目が線路幅の違い
2つ目が架線電圧の違い
というものです。
並行在来線はもともとはどこも幹線級の重要路線ですので、貨物列車だって通ります。だから路線を廃止してしまうわけにはいかないのです。
コンテナの規格を整えて積み替えればよいだろ!とか言われそうですけど、そんなめんどくさいことをやるんだったら通しで運べたほうが楽ですからね。
昔は新幹線に貨物を搭載して貨物新幹線を作ろう!なんて計画もありましたが、技術的に難しいということで断念されました。(最近の計画もありますが、あれは荷物車、という解釈です。)
それこそ北陸なんかは一度敦賀で積み替えをした後、今度は上越妙高で積み替えをしなきゃいけないですよね。
敦賀は全列車停車とはいえ、上越妙高ははくたかも止まらない便があります。さらに貨物積み替え用のホームも必要です。
こんなあほなことをするよりは明らかに全区間EF510で牽引してもらったほうが楽です。東北本線も廃線にして奥羽線や羽越線に流せることもできるでしょうが、そんなことしたら羽越線が貨物専用の路線と化してもおかしくないですので、だったら東北線を残しておいたほうがいいです。
そのような面からも、新幹線ができたからって在来線を廃止にできないということが言えるのです。
第三セクター鉄道とは?
では、第三セクター鉄道とは、ということを話していきましょう。
第三セクターとは国や公共団体と民間が出資し経営する会社のことを指します。要するに「半官半民」方式で運営を行う会社ということです。
これを鉄道運営に活用したのが第三セクター鉄道というものです。もともとは国鉄再建法によって特定地方交通線にしてされた路線や建設が中断させられた路線などを沿線自治体や住人などが引き継ぐためにとられた方式です。これを利用して並行在来線は沿線自治体が出資する別会社へ引き継ぎをされるようにしたわけです。
ちなみに、最初の第三セクター鉄道は三陸鉄道ですが、並行在来線としての第三セクター鉄道の最初はしなの鉄道です。
第三セクター鉄道路線のほとんどは、県境を越えることはほとんどなく、県境をまたぐ路線は阿武隈急行くらいです。阿武隈急行は並行在来線ではなく、ただの第三セクター鉄道です。並行在来線で県境をまたぐ会社は肥薩おれんじ鉄道のみです。
これは県が出資をしていることからこのようなことになっているのです。
並行在来線の例外
物事には例外だって存在します。
新幹線によって三セク化されるのはいつものことなのですが、しかし、三セク化されなかった路線もあるのです。
それが長崎本線という路線です。
この路線は長崎新幹線もとい西九州新幹線の並行在来線となっているのですが2022年に新幹線が開業した後もJR九州が保有する路線として存続しています。
これはいったいなぜなのでしょうか?ちなみに、答えは今までの文章の中にあります…
さかのぼってきた皆さんはお疲れ様です。ということで答え合わせです。
沿線のすべての自治体との同意が得られた場合は経営分離ができる
ということです。長崎新幹線の場合、佐賀県の鹿島市と江北町が反対したことによるものです。
しかし上下分離自体は行われており、線路等の設備を「佐賀・長崎鉄道管理センター」が保有し、運行をJR九州に委託する、というものとなっています。第三セクター化が行われるのは、西九州新幹線が全線開通した後、でしょうか…?
まとめ
最後にまとめていきましょう。
並行在来線、というのは整備新幹線の計画に並行する路線で、新幹線が開業したのちに、経営に支障が出てしまう恐れのある路線のことを指します。
その路線を存続させるために、第三セクター方式により鉄道会社が設立され、今日に至る、ということになります。
並行在来線、ということで特急などもなくなってしまい、経営的には厳しいところも多いですが、ユニークな経営を行っているところも多いです。今後そのことについても話せていけたらいいと思っています。
それでは今回はこのあたりで失礼します。最後までお読みいただきありがとうございました!
この記事を書いた人
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月波ともうします。
鉄道と炭酸水が好きな人。
SNS系統初心者です。
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