皆さんこんにちわ。月波奏です。今回は考察記事の第二弾。今週配給列車に充当されるかと思われていたE493系についての考察です。
JR東日本の機関車を駆逐するべく登場したもの予想外に使い勝手が悪かった?JRの次世代機関車について一緒に考えていきましょう…
E493系の登場経緯
まずはE493系についての説明です。E493系は2022年、JR東日本より発表された新型砕石輸送気動車および事業用電車の投入について(リンク先PDF注意)という資料にて発表された事業用電車で、老朽化した機関車を置き換えるためのものという位置づけでGV-E197系とともに新潟トランシスで製造されました。
その後、2021年にデビューしていた量産先行者による試験データを生かした量産車、02編成が導入され、2024年のキハE130系郡山入場回送にて本格的に運用が始まりました。
そのことについてはこちらを参考にしてもらうとして…
このE493系、たびたびTwitter等で話題になるのがE493系、力不足じゃね?ということです。
実際置き換えの対象であったEF64の定格出力が2,550KWに対してE493系の定格出力は1,520KWと半分ほどまでに減っています。これで上越国境を越えられるのか?という話題がたびたび出てるくるわけですね。そこで今回の秋田配給(以下AT配給と表記)で答えが明かされる、と思っていたのですがまさかの事態です。
EF81に牽引機変更
が発生してしまったんです。噂はありましたがほんとに牽引機変更になるなんて思ってもいませんでした。
ですがこれは新たな考察内容が増えた、ということ!ということで今後のE493系がどのようになるのか、考察していきたいと思います。
どのような路線で運用されている?
まずはE493系がどのような路線で運行されるのか、考えてみましょう。
まず現在安定して運行されているのは主に郡山方面への回送(以下KY配給と表記)です。
というかこの記事を執筆している時点で運用についたのがキハ130系KY配給とキハ110系KY配給の二つと12系客車AT配給のみですので優先的にKYに入っていると考えていました。
ではなぜKY配給メインで運用されていたのでしょうか。
その答えはおそらく勾配の緩さでしょう。急こう配の続く上越線に比べて高崎線や東北線は関東平野を走り、郡山までだったら白河付近で峠を上るだけです。
ほかにも牽引が1~2両しかないということから軽量であるということも挙げられます。郡山での検査は主に気動車や東北地区の車両と1両から6両程度の短編成だということも挙げられるでしょう。
このように現在では短編成しかけん引していないE493系ですが、どのように今後、配給輸送を行っていくのか、ということを考えていきましょう。
KY配給メインで充当される!
現在ATにいるE493系02編成はしばらくおねんね留置となるので当面の間は、残された01編成を活用してKY配給へと充当されるでしょう。現在KYにはキハ110系列、205系、そして255系などが検査/廃車のために入場する計画があるものと考えられます。これらの車両を郡山に輸送することが今後のE493系の仕事ではないか、と考えられます。(ATの子がどうなるかは次項で考察します)
キハ110系統は多くの編成がありますのでどの程度が検査を受けるかなどが読めませんが
205系や255系は廃車を待つものばかりです。
205系は仙石線への新車導入によって廃車が始まるでしょうし、鶴見線や南武線にもまだ所属ているものがいます(こちらの場合は譲渡する可能性もありますが)
仙石線のものを仙台方面から運んでくるのなら大きな峠は少なく、超えるのもたやすいでしょうし、何より短編成ですからそこまで重くないでしょう。これは楽に配給ができると思われます。また鶴見線用のものもEF81の際は2編成一気に行っていましたがこれを一編成ずつ行えば問題は発生しないでしょうし、仮に二編成分行うとしたらかなりの重量となりますがさすがにこれくらい引けないとまずいでしょうしEF81の半分の出力とはいえ何とか運べそうな気もしますね。
そして255系、これを配給できたのなら上越に入れてもいいくらいでしょう。平坦路線なら運べるくらいのパワーはあるはずですからね。これが運べたらいよいよ上越方面へと配給で乗り入れることとなるのでしょう‥
ATにいるE493系はどうなる?
さて、現在配給輸送のためにATへ回送されたであろうE493系02編成これはどうなるでしょうか。
こちらの車両、ATで改造、なんてことはないですかね?
ATではE231系との連結訓練は行ったようなのですがなぜかそのまま配給輸送は行いませんでした。Twitter上では「配管が脱落したのでは!?」や「牽引力が足りなかったのでは?」、「ATの有効長にE493は収まらない」といったような憶測が飛び交っており、私自身もかなり考えを巡らせていました。
配管が脱落したのではないか?という話は情報ソースが見つけられず、信憑性はないですがこれがあった場合、すぐに回収されるはずでその情報が出回っていないことからおそらく事実ではないと思います。
次に、E493系は秋田方面での使用は現在かなり少ないです。これは先述の牽引力不足によって上越国境付近、つまり越後湯沢~水上の間である連続急勾配区間を超えることができないのではないか?という憶測が主に飛び交っていることからそれが理由ではないか、と思われています。たしかにE493系はEF64やEF81の牽引力よりも圧倒的に劣っている性能ですので間違っていないかもしれませんが、実際どれほど牽引力が足りないのかはわかりません。もしかしたら軽い新性能電車なら引ける可能性だってありますしね。
最期にATの有効長が足りない。という話ですがこちらも配管脱落と同様に、ソースが不明で信憑性が低いです。有効長が足りない場合は土崎駅までスイッチャー等を使用して回送すればよさそうですのでこちらも事実ではないのかなぁと思っています。
となるとなぜAT配給から外されたのか?という疑問が生まれますが、おそらくE231系との連結訓練を行った際に何らかの問題が発生したのではないか?と思います。ただ尾久でE233系と連結訓練をした際やキハE130の配給輸送を行った際に問題は発生しているようには見えなかったのでどのような問題が発生したのか、という点についてはわかりません。
とりあえずしばらくはATに留置か、尾久へと回送し、先述したようなKY配給の運用へと組み込まれていくでしょう。
JR東日本が公開している資料にはまだE493系の不具合等のことは記述されていませんし、性能が足りていないということも公開されていません。ですので考察するのみで全くわからない、というのが現状ですね。
では、次項では私自身の考察をさせてもらおうと思います。
E493系はどこまでいけるのか?
ここからは私自身が、E493系の今後の去就についてどうなると考察しているのか、ということについて話していこうと思います。
まず、E493系は先述したようにKY配給をメインとした運用が組まれるものと考えています。ではKY配給以外ではどのような運用を行うのか、ということについて考えていこうと思います。
現在、JR東日本では主に三つの工場+系列会社のJ-TRECの二つの工場に向かうかそこから所属車庫まで行くかの二通りがメインで機関車が使用されています。(ここでの三つの工場とは、秋田、郡山、長野、J-TRECの工場は逗子、新津のことを指します。)
このうち逗子からの新車配給は現在JR貨物によるDD200やEF210、EF65などが使われており、E493系のはいる隙間はありません。
新津からの新車配給はそれこそ先述の上越国境越えが難しいのではないか?等の懸念がありEF64の独壇場となっています。また現在新津で大量生産されているE235系1000番台はグリーン車も連結している11両編成とかなりの重量+長編成となっています、これがE493系の牽引力では難しいのではないか、という懸念があるのではないのでしょうか。さらに置き換え対象であるE217系は老朽化が激しく、一刻も早く置き換えたいのがJR東日本の本音でしょう。ですのでE493系の不具合によって配給が遅れるなどのことはなるべくしたくないでしょう。(付属編成くらいならできるでしょうが万が一、ということなのでしょう。)
秋田へは今回のことがありましたがE231系1000番台の付属編成など、今後AT配給が行われる両数一桁台の形式の配給輸送は行われるのではないのかな、と思っています。
郡山は現在安定して配給が行われていますので、現行のままでしょう。
そして長野への輸送ですがこちらは現在E217系の廃車回送が主な輸送物のとなっています。そしてこちらもEF64の独壇場となっているのが現状です。これにはE235系と同じ問題があるのではないか?と考えます。東京から長野まで行くには中央本線しかなく、この中央本線の勾配区間は長距離+急こう配となっているかなりの難所です。E493系にこの山登りができるのか?といわれるとうーん…?となってしまいますね。
ちなみに、E493系は導入初期に耐荷重試験としてEF64を長野まで無動力回送することには成功しており、EF64一両分なら楽に中央線を上れることがわかっております。このことから、約100㌧程度なら上越も大丈夫ではないか?という風に考えています。
参考
おまけ
そういえばJR東日本にはもう一つ機関車を使ったものが存在していましたね。
カシオペアですね。
これをE493系で牽引しようの会です。きっしょいのでやめてくれ。
多分カシオペアは今年度で全般検査の期限が来ますので引退するのではないでしょうか?
月波考察シリーズ一覧
京王線の一部座席指定車について
E493系について
この記事を書いた人
-
月波ともうします。
鉄道と炭酸水が好きな人。
SNS系統初心者です。
最近の投稿
- 2024年12月5日駄文【入門編にいかが?】はじまるA列車で車両を作ろう!
- 2024年11月23日もっと【考察】本当に使える?次世代型機関車E493系について
- 2024年11月17日もっと【ついに始動】月波急行電鉄計画
- 2024年11月11日まとめ・考察【考察】京王線の一部座席指定車についての考察
コメント ご意見やご感想等お気軽にどうぞ。
E493は失敗作ですね、山岳地帯を走行するにはそれなりのパワーが必要で配給では最低10両牽引64は山岳用で製造、81は貨客で使えるように製造、だとすればクモハ+クモハの組み合わせで2MにすればEHになるからどこでも運行できる、平地では今の形でも問題ないでしょうがパワーが無くては宝の持ち腐れに、それならEF510を新造するべきだと思いますね。
コメントありがとうございます。
山岳地帯を越えるには確かに493のパワーだと大丈夫かな…?とはなりますね。
EF510を売ってしまったのが最初のミスだった…?
球数が揃ったら重連で使うのでしょうかね。まあそうなるとコスト削減の意味がわからなくなりますが(阿部氏の仰る通りEF510とか買い付けたほうが安上がりになりそう)
コメントありがとうございます。
E493は計画変更によって現在の2編成で製造は終わりのようです…
わざわざ重連運行…みたいという鉄オタ心が騒ぎますが…明らかに無駄な行為ですよねぇ。
単に温存しているだけで機関車があるうちはそれを優先的に使う方針という可能性は無いですかね?
コメントありがとうございます。確かにその可能性もありますね。
まさかEF71のような「主電動機を直列接続したら勾配で期待してた牽引定数でなくなっちゃった…」みたいな お粗末なオチじゃあないといいのですが…機関車用の1C1Mじゃなくて1C2Mとはいえ、VVVFだし違うと思うけどね…
コメントありがとうございます。勾配で牽引定数足りなくなるのは用途を考えたら最悪ですよねぇ…ただの杞憂であることを祈ります。
狭小トンネル対応のJR第2世代車〜だけになるので、廃車牽引が激減すると見て製作されたのでしょう。直流車の秋田・郡山入場を何とか出来ればその牽引も必要なくなります。ただし2028年頃に向けて東京への入場が増えるらしいので、拠点を集約するとはいかなかったのではないでしょうか。
個人的にE493はパワーというよりも軸重補償対策が不十分ではないかと思います。E233系列と同じと思しき台車に重量牽引が務まるとは思えません…
コメントありがとうございます。
東京車両センターは現在の規模から拡張はできそうにないですから入場編成を増やすことができないのかもしれません…
確かに台車の強度等の問題もありましたね。新性能電車と同型の牽引車両、どうなるのやら…
1000kWに満たないED16でも貨車を牽いて上越国境を越えていたのだから
11両400t程度で平軸受けではなくコロ軸受けの荷重なら出力的にはいけそうな…
出力というよりは軸重の軽さの割に出力があることでの粘着不足とか?
機関車的に”牽引”するのでなく
ブレーキや制御器などのシステムが電車なのだから
被牽引側との協調運転を行っていたクモヤ90や143のようにすれば
なおさら良だろうけど…
DE並みの車体ならともかく機関車並みにあれだけデカイガタイして初めから重連も組んでいて登場から数年も経っている今までに牽引出来たのが気動車1両と無人の客車程度とはお笑いですな
俺達の技術力なら電車並みに軽くて機関車並みの牽引力がある車両が作れるだ!と東は思ってるのかな
それならクモヤみたいに側面にドア設ける様な無駄なスペースあるなら機関車並みに機器を詰め込めるだけ詰め込んで明らかに機関車なのに電車ですと言い張るぐらいすればいいのに
冷静に考えてみれば、GV-E197が880kWで最大214t(GV-E196形先行車の自重23.5t+積載30t=53.5t×4両)を問題なく牽引できているわけですから、実際はそう単純な話ではないとはいえ、出力比で1.72倍程度あるE493系は370t程度までは問題なく牽引できると考えるのが自然ではないでしょうか…
実際のけん引力については業界誌等での公開情報から計算の上推定できるようですので、そういった事実に基づく根拠から考察してみてはいかがでしょうか。
しかしなぜ出自のわからない一愛好家がロクな根拠もなく断言していた出力不足などという風説が流布されているのかがいまいち理解できませんが、面白ければ根拠のあるデータなどどうでもよくて、そんな面白い話を否定するやつは気に入らないからレッテル張りして攻撃ということなんでしょうか。
コメントありがとうございます。
確かによく聞く話題なのですがどこから広まったのかわからない情報なのは確かですね。
少し盛りすぎな感じはありますよね…
逆を言えば 失敗ではなく 新型を作る試作で済んだとか。
または協調運転で回送を考えたのでは
廃車回送でパーツ抜きされていなければの話ですが。
あと長距離はJR貨物に甲種回送をお願いした方が無駄を省けるという考えもありますよね。
コメントありがとうございます。
そうすれば試験車として結果は残せたことになりますもんねぇ…
確かになんで貨物に委託しないで配給輸送を行うんでしょうか…少し気になるところですね。