【全部で〇〇色!?】E653系の多すぎる色の種類をまとめてみた

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はじめに

みなさんこんにちは。常磐線大好き冬水です。

突然ですが、全体的に丸いイメージで交直流対応の特急電車といえば何を思い浮かべるでしょうか。そうですE653系ですね。突然E653系と言われても、関東か新潟に住んでいないとイメージが湧かないですかね。では一度、どんな車両か確認してみましょう。

ここで多くの人は思ったのではないでしょうか。「俺の知ってるE653系じゃねぇ…!」と。

そうです。この車両は人によって思い浮かべる色が大きく変わる不思議な車両なのです。なぜこのような事が起こるのか。それにはE653系の歴史に理由があるのです。

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そもそもE653系とは

E653系は、当時まだ「ひたち」として国鉄時代から運用されていた485系を置き換える目的で、1997年から製造された交直流電車です。基本編成である7両編成は8編成、付属編成である4両編成は4編成製造されました(付属編成の1編成は2005年製造)。

こうして1997年から上野~勝田・いわきを結ぶ「フレッシュひたち」として運用を開始しました。

2012年の春頃から常磐線の特急を新型のE657系を投入して統一することになると、E653系はいわきから仙台を結ぶ特急として転用されることが検討され始めました。しかし、2011年の3月に発生した東日本大震災の影響で、常磐線は東北の一部区間で壊滅的な被害を受け、長期運休を余儀なくされました。これにより常磐線特急は上野~いわき間のみの運転となり、E653系の転用は計画変更されることになりました。

その後基本編成は2013年頃から新潟~酒田・秋田を結ぶ「いなほ」に転用され、付属編成は2015年の北陸新幹線開業で新たに誕生した新潟~上越妙高・新井を結ぶ「しらゆき」に転用されました。これにより常磐線からE653系は撤退することになりました。

が、2018年に「いなほ」として転属したE653系のうち1編成が波動用の車両として勝田車両センターへ再転属され、2023年にもう1編成が同じく波動用の車両として勝田車両センターへ再転属されました。

行楽シーズンや帰省ラッシュなどの際、それらによって発生する旅客需要増加に対応するために運行される臨時列車に利用する目的の車両のこと

臨時列車以外でも、団体の貸切列車や修学旅行などで利用される場合もある

ここまでがE653系の簡単な説明でした。10年ちょいで始めの職場から転用することになったり、当初転用する予定だった場所へは行けなくなったり、新潟で余生を過ごすかと思えば一部は里帰り。なかなかに激動の人生?を送っていますね。

ここからは時代と共に変わっていった「色」について見ていきましょう。

常磐線特急時代

まずは1997年に「フレッシュひたち」として常磐線でデビューしたE653系。デビュー当初には既に脅威の5色展開です。既に多い。

早速1色ずつ見ていきましょう。

※画像はE653系では無く、E657系で行われているリバイバル塗装です。

スカーレットブロッサム

スカーレットブロッサムは水戸偕楽園の梅と好文亭をイメージしたカラーです。基本編成であるK301編成とK305編成がこのカラーリングでした。

水戸偕楽園は、岡山県の後楽園と石川県の兼六園に並び「日本三名園」と言われています。シーズンごとに関東各地から偕楽園までの臨時特急が運行されているので、気になった方はぜひ臨時特急で訪ねてみてください。大体はE653系で運転されているので、車両に興味が出てきた方にもおすすめです(塗装は違います)。

ちなみに私は…まだ行ったことが無いです… 普通に行くには遠いけど特急だと近い、というなんとも中途半端な場所に住んでいるもので。いつかは行きたい偕楽園。

ブルーオーシャン

提供:りょー

ブルーオーシャンは塩屋崎灯台と太平洋をイメージしたカラーです。基本編成であるK302編成とK308編成がこのカラーリングでした。

常磐線は水戸から先、太平洋に沿って仙台まで向かっています。また塩屋崎灯台は、立地や美しい外観から「日本の灯台50選」に選ばれています。

太平洋と灯台があればブルーオーシャンを名乗れるのであれば、日本のさまざまな地域でブルーオーシャンの塗装が施された車両ができそうですね(?)。目指せ!日本全国ブルーオーシャン化計画!

イエロージョンキル

イエロージョンキルはひたち海浜公園と水仙をイメージしたカラーです。基本編成であるK303編成とK306編成がこのカラーリングでした。

ひたち海浜公園は、みはらしの丘のネモフィラなどが有名な国営公園です。こちらもシーズンごとに臨時特急がJRの最寄り駅である勝田駅まで運行されています。車で向かうと渋滞に巻き込まれてしまうので、臨時特急などで勝田駅へ向かい、そこからバスを利用することをおすすめします。

渋滞に巻き込まれるというのは私の実体験です。結局ほとんど動かなかったので、諦めて帰ることになりました。いつかはリベンジしてみたいです。もちろん電車を使って。

グリーンレイク

グリーンレイクは霞ヶ浦と帆曳船をイメージしたカラーです。基本編成であるK304編成とK307編成がこのカラーリングでした。

霞ヶ浦は、琵琶湖に続いて日本で2番目に大きい湖として有名な湖です。また帆曳船は、明治時代に考案された風の力を利用して漁を行う船です。現代では観光用として利用されており、乗船することはできませんが他の船からの見学や写真撮影を行えます。

明治時代に考案された船が今でも見られるなんてとても気になりますね。ただし帆曳船が動く期間は、運営を行う市によって変わるらしいので、事前に調べた上で訪ねてみてください。

オレンジパーシモン

オレンジパーシモンは袋田の滝と紅葉をイメージしたカラーです。付属編成の車両はすべてこのカラーリングでした。

袋田の滝は、和歌山県の那智の滝と栃木県の華厳の滝に並び「日本三名瀑」と言われています。一説には、西行法師が「四季に一度ずつ来てみなければ真の風趣味わえない」と絶賛されたと伝えられており、年間を通しさまざまな絶景が見られます。

袋田の滝の最寄り駅は名前の通り袋田駅なのですが、この駅は水郡線の駅なんですよね… つまり常磐線とは無関係。なんなら水郡線は非電化なので常磐線の車両は入ることも許されない。どうして常磐線なのに袋田の滝にしたのでしょうか…

常磐線特急時代 まとめ

ということで常磐線特急時代は全5色でした。常磐線にまつわる?さまざまな観光名所と花や海などの自然のものや伝統をイメージしたカラーリングでした。「でも今では新型のE657系に置き換えられてこれらの塗装はもう見られない…」と思いますよね?ですが、なんと…! 今でもこれらの塗装が見られるんです!しかも常磐線で!(最初に書いてあったなんて言わないでください…)

なぜ今でも見られるかというと、2023年10月から開催された「茨城ディスティネーションキャンペーン」を記念して「フレッシュひたち」のリバイバル塗装が行われました。これによりE657系全19編成の内、5編成がそれぞれの色を纏い、「ひたち・ときわ」として運転されています。

ただしこれらの車両と狙って出会うには少々難易度が高いのです。なぜなら運用の範囲がとても広く、北は仙台から南は品川まで運行されています。また公式から運用などの発表も無く、検査などでそもそも走らない日もあります。

ですが運用期間は2026年の春までと公式から発表されているので、まだまだチャンスはたくさんあります。これを機に、常磐線でお出かけするのもいいかもしれませんね。

新潟転属後

さて続いては新潟転属後のお話です。

「いなほ」と「しらゆき」に分かれたE653系。一体どうなってしまうのか…

いなほ

まずは2013年頃から基本編成が転用された「いなほ」です。転属してきた当初はまだ1色だけでした。

いなほ色

「いなほ」に転用されて数年間は、E653系の基本編成はすべてこの塗装でした。フレッシュひたちの塗装から大きく変わり、クリーム色とオレンジ色を基調としたボディに「海」や「夕日」・名前にもなっている「稲穂」をイメージしたデサインが施されました。「いなほ色」という名前は正式名称ではありません。

フレッシュひたちだった時の面影が全然無いんですよねこの塗装。でも新しさはとても感じるので、リニューアルとしては大成功だと思います。また撮りに新潟行こうかな。

瑠璃色

「いなほ」に転用されてから約4年後の2017年、突如としてこの塗装が発表されました。この塗装は日本の伝統色である「瑠璃色」を車体全体に纏い、「いなほ」が走る羽越本線や白新線沿線の魅力的な海を表現しています。U106編成(転属前はK306編成)にのみ塗装されました。

もうフレッシュひたちだった時の面影が全くない。どうした新潟支社。なかなかに派手な塗装ですよねこれ。もう7年も経っているのでこの塗装で定着しちゃってますけどね。うーん…

ハマナス色

提供:Azusa

こちらも2017年、先ほどの瑠璃色が発表されたと同時にこの塗装が発表されました。羽越本線沿線に自生するハマナスをイメージしたカラーを車体全体に纏った塗装になりました。瑠璃色と同じようにU107編成(転属前K307編成)にのみ塗装されました。

これもまた面影は全く無く… もうちょっとなかったのかなぁとは個人的には思います。それこそフレッシュひたちみたいに下だけとか。今更言っても遅すぎですが。

しらゆき

続いては2015年から付属編成が転用された「しらゆき」です。こっちも最近までは1色だけでしたね。

しらゆき色

「しらゆき」に転用された付属編成もフレッシュひたち時代からデザインを一新。アイボリー系のホワイトを車体色とし、沿線の日本海と青空をイメージした青と日本海に沈む夕日が海面に映り込みをイメージした朱色を車体の上下に配色したデザインです。「しらゆき」転属当初は全ての編成がこの塗装になりました。「しらゆき色」という名前は正式名称ではありません。

シンプルで好き。あと前面の塗装に曲線があるのも今までにはなかった斬新さを感じるデザインになってますよね。忍者みたいな(?) 伝わりますかねこの感じ。

上沼垂色

2024年3月、新潟駅開業120周年と羽越本線開業100周年を記念して「上沼垂色」へ塗装変更を行うことが発表されました。今まで前面窓の下は黒く塗られていましたが、この塗装変更では前面窓の下も塗装されることになりました。

また2024年7月31日の羽越本線開業100周年当日には、特急シンボルマークを取り付け羽越本線を走行しました。

2014年まで「北陸・雷鳥・いなほ」で運用されていた485系に用いられていたデザイン

まさかこの令和の時代に「上沼垂色」を纏う車両が新たに誕生するとは。というか前面!黒はどこいったさ。前面の黒がなくなるだけでなかなかに違和感満載。原作再現としては正しいですけど。そしてシンボルマークを取り付けて走行できるなんて… 今後も取り付けて走行するイベントがあることを願ってます。

新潟転属後 まとめ

ここまでが新潟に転属してから2024年までの塗装です。全部で5色増えました。まあ転属したなら塗装もリニューアルされるのは必然ですよね。仕方ない。だとしても瑠璃色とハマナス色はもうちょいデザインをこだわって欲しかったとは思います。

これらの塗装は現役で新潟を走っているので気になった方は新潟駅へレッツゴー!新潟駅なら「いなほ」も「しらゆき」もやって来るのでとても出会いやすいです。ただしどの運用で来るのかは運次第。

その他波動用

最後に波動用の車両です。

関東に帰ってきた2編成。果たしてフレッシュ塗装復活なるか…?!

国鉄色

2018年10月、新潟に転属したE653系1編成(U108編成)を水戸支社へ再び転属させると発表されました。その際にかつて常磐線を走っていた485系の塗装である「国鉄色」をイメージした塗装に変更されました。

みんなだいすき国鉄色。2024年現在、西日本で走行していて381系のリバイバル編成が引退したため、国鉄色の車両はこの編成だけになりました。あくまでイメージした塗装ですが。

水色

2023年8月、先程の国鉄色と同様に新潟に転属したE653系1編成(U102編成)を水戸支社へ再び転属させると発表されました。塗装のデザインはこれまでの「フレッシュひたち」のカラーリングをベースとし、新たに海や川、そして澄み渡った空などの広大な自然をモチーフとした水色になりました。

「フレッシュひたち」消滅から約10年、ここに来て突然の復活!しかも新色!超びっくり!プレスリリースが出た時は本当に嬉しかったです。よくやってくれたJR。あとは上野から常磐線をたくさん走らせれば完璧。

その他波動用 まとめ

これが現在波動用の車両として運行されているE653系の全2色でした。それぞれ編成ごとに分かれているので個人的には愛着が湧きやすくてよきです。しかし編成が撮りたい塗装と違った時はとても悲しくなります…

基本的には関東地方を走っているので、ぜひ探してみてくださいね。E653系で運転される臨時特急は、JR東日本が発表するプレスリリースや駅などに掲載される臨時特急のお知らせを確認すると分かります。やったね!

まとめ

これらがE653系の多すぎる色の種類の全てでした。合計すると「フレッシュひたち」が5色、「いなほ」が3色、「しらゆき」が2色、その他(波動用)2色で合計12色!ほんとどんだけあるのさ。

E653系の編成数も基本編成と付属編成合わせてちょうど12編成なので、このまま新たな塗装が出なければ全色を同時に見ることも理論的には可能です。引退直前でもいいからやって欲しい…

ちなみに皆さんは始めの質問でどの塗装のE653系を思い浮かべたのでしょうか。住んでいる場所やその人の年齢などで思い浮かべる塗装が変わると思うので、色々な人に聞いてみると面白いかもしれませんね。

ここまで読んでくださりありがとうございました。皆さんも是非E653系に乗ってお出かけしてみてください。

この記事を書いた人

冬水
冬水
「冬水」と書いて「とうすい」と読みます。
マイブームはE653系

コメント  ご意見やご感想等お気軽にどうぞ。

  1. クロネコ より:

    常磐沿線に住んでる者です。
    「グリーン、イエロー、水色」は
    数回見た事はありますね。
    ブルーは1回も見た事なぃかも
    。。。シンプルなE657系はよく
    見かける。常磐特急いいですよね。

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