
HB-E220系の盛岡地区営業開始おめでとうございます、びゅうです。高崎地区はサイレントで営業運転開始したどころか既に置き換え完遂したらしいとの情報もあり何が何だか。
そんな日にお送りするのはキハE200形についての記事です。営業用としては世界初のハイブリッド方式鉄道車両である本形式。いわばJR東日本におけるハイブリッド車のアーキタイプである本形式は、そもそも形式名がHBではなくキハであったり、様々な特徴があります。本記事ではそれらについて見ていきたいと思います。
そもそもハイブリッドとは
英単語としての「Hybrid」を日本語で表現すると混成の、合成物、など混ぜ合わせる意味合いが含まれています。そこから交通機関においては内燃機関と電動モーターを組み合わせた方式のことを指す語として定着しています。
鉄道車両においてハイブリッド方式は更に「シリーズ方式」と「パラレル方式」の2種類に分類されます。シリーズ方式は、エンジンで発電機を回して発電し、その電気でモーターを回して走行するもので、電気式気動車と基本的なシステムは同一です。違いとしては発電した電気を貯めておけるバッテリーの有無であり、そこがハイブリッドになっています。キハE200形やHBーE220系など、我が国の鉄道においてハイブリッドとはもっぱらこちらを指します。

一方パラレル方式とは、エンジンそのものを動かす補助装置として電動モーターを使用するものです。エンジンは回転数が低いと効率が低く、つまり始動時などには特に効率が悪いのですが、その始動部分にモーターを併用することで効率化を図った方式です。その仕組みからモーターアシスト方式とも呼ばれ、自動車においては主流の方式ですが、一方鉄道車両においては圧倒的に少数派で、営業運転を行なった車両は今なお存在しません。
理由として、シリーズ方式はどちらかといえば電車に近い駆動方式であり、メンテナンス性の向上や部品の電車との共通化などのメリットがある一方、パラレル方式は従前の気動車の延長線上の方式であることが挙げられます。つまり推進軸など気動車特有の複雑な機構がそのまま残り、その脱落という気動車にとって避けられないリスクも背負い続けるということです。加えて特にJR東日本のように保有車両において気動車の割合が低い事業者では当然部品の共通化などのメリットも少なくなります。
一方自動車の場合はその従来の方式の延長線上ということが逆にメリットとなるが故にパラレル方式が先に普及しました。とはいえ電気自動車の進化などもあり、そちらとノウハウを共有できる面のあるシリーズ方式の自動車も最近は増加傾向にあり、シリーズ方式のみが普及した鉄道車両とは異なる進化を遂げています。
世界初の営業用ハイブリッド車両

長野県小諸市の小諸駅と山梨県北杜市の小淵沢駅を結ぶJR小海線。普通鉄道標高最高地点を擁し、また普通鉄道の駅の標高ランキングにおいて1位から9位を独占するなど高いところを走る、「八ヶ岳高原線」の愛称を持つ路線です。そんな路線に2007年、世界初の営業用のハイブリッド鉄道車両として導入されたのがキハE200形です。

車体は導入がほぼ同時期にあたる従来型気動車のキハE120形やキハE130系と共通しており(2ドアなのを考えるとより近いのは前者)、形式名も「キハ」を冠するなど、この後導入される「HB」を冠する車両群に比べて従来型気動車の延長上にある感が強いです。
一方シリーズ方式のハイブリッド車両として、足回りの走行機器は全くの別物。主電動機にE231系のMT73形をベースにしたMT78形(地味にE531系やE233系のMT75形より番号が上でより新しいことがわかる)で、台車もE531系のDT71/TR255系をベースにしたDT75/TR260系を採用するなど、電車ベースの足回りになっていることがわかります。

2008年には鉄道友の会のローレル賞を受賞。「環境世紀にふさわしい最新技術を用いたハイブリッド気動車の実現」という特徴が評価されてのことで、車両として極めて優秀な実績を残した同車。小海線への追加導入こそなかったものの、以降JR東日本では同車を元にした「HB」を冠した車両を次々導入。観光列車用のHB-E300系、仙石東北ライン用のHB-E220系を経て、遂に本格的な量産車としてHB-E220系の導入に至るわけです。
これらの車両は、車体面でも従来型気動車とは一線を画すものになっており、HB-E210系はE129系やSR1系などと共通の車体プラットフォームのSustina S23を、HB-E220系は電気式気動車のGV-E400系に近い車体を採用しています。
関連記事として過去ふりとれで投稿されたハイブリッド車についての記事を
内装などを見てみよう
内外装について見ていきましょう。基本的には同時期に投入されていたJR東日本の一般形車両と共通のものとなっています(気動車も電車も内装面では既にかなり共通化されていた)。

座席は車両の半分を境目にロングシートと2+1列のボックスシートが並ぶ一般形気動車標準の座席配置。モケットはE231系など一般形電車とも似通ったものになっており、子供時代の私はこの車両当たる度にモケットとインバータ音で都会を感じられて喜んでいたものです(座り心地は従来車のキハ110系のが柔らかいのは内緒)。


従来の気動車と決定的に異なるのがこの機器類。ハイブリッド方式に必要な蓄電池類などを収納するためのスペースがこのように客室内に出っ張っているのが特徴となっています。ただ今話題のHB-E220系に比べると窓なんかはかなり大きくとられており、車内が暗い印象を与えません。

機器スペースのうち片方とくっつく形でバリアフリー対応の大型トイレも完備。キハ110系はトイレも狭くてこれが一番嬉しいポイントです。

その他現在のエネルギー供給がどうなっているのかわかりやすく見えるモニターもあります。キハE200形は「量産先行車」という位置付けであり、こうして一般向けに新技術たるハイブリッド方式の広告塔としての役割も担わされているのです。

消えた「わくわくエコランド」
このキハE200形が導入された2007年以降、小海線に「わくわくエコランド小海線」という愛称?が制定されました。環境性能で従来型気動車に対して優位なハイブリッド車両の導入ということもあり、環境に対して優しい路線であることのアピールをしたかったのでしょう。

こちらはキハE200系をイメージしたキャラクターのこうみくん。他に女の子のぶりっとちゃんというキャラクターもおり、キハ110系を含めた小海線の全車両のドア横にこのロゴステッカーが貼り付けられていましたが、2017年頃に駅名標上に付いていたものを含め全撤去。

代わりに駅名標に関してはこちらの、星空をイメージしたものに差し替えられました。これは同年運行開始の観光列車「HIGH RAIL 1375」に合わせての施策で、小海線の標高の高さを星空に結びつけたイメージアップ戦略でしたが、それと入れ替わるように二人のキャラクター共々「わくわくエコランド」は姿を消したのでした……。
まとめ
ハイブリッド鉄道車両のアーキタイプとも言える存在、小海線のキハE200形について見てきました。イメージキャラクターが何処かへ旅立ち、固定運用が時刻表に記載されることもなくなるなど、小海線のイメージリーダーとしての立場を完全に「HIGH RAIL 1375」に追われた感のある車両ですが、ハイブリッド車特有のインバーター音とエンジン音の同居する走行音など、独特な魅力はもちろん健在です。野辺山、小淵沢への乗り入れは1往復だけですが、皆様是非JR最高地点にハイブリッド車でお越しください。
おまけ

キハE200形にとって最初の「後輩」たるHB-E300系。この車両も実は小海線に乗り入れたことが何度かあるんですよね。その時の写真がこちら。ちなみにキハE200形との併結運転の実績もあるんだそうでびっくりです。

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仙台支社→東北本部→福島事業本部
動きが目まぐるしい…
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