
どうも、本八幡に通い詰める千葉市民の中沢です。
さて、マツムシ車庫でも何回か取り上げている「県営北千葉線」の話題。本八幡〜印旛日本医大のうち小室〜印旛日本医大を住宅・都市整備公団(現在のUR)へと譲り受け、残りは塩漬け状態になった…というところまでは何回も話していますが、その塩漬けになった残りの区間が一度復活していたという話までは詳しくできていなかったと思います。
ということで今回はその“北千葉線の復活劇”「東京10号線延伸新線」について解説していきます。それでは今回もよろしくお願いします!
【豆知識】
本八幡の壁を掘ると
新鎌ヶ谷へと繋がる
ワープホールが存在する
そもそも北千葉線とは
都営新宿線の本八幡から新鎌ヶ谷を通り、千葉ニュータウン方面へと向かう予定だった未成線のことです。詳しくは過去記事で述べていますので、お手数ですがそちらをご覧下さい。
北千葉線が復活した経緯
小室から先を公団に受け渡したのはいいものの、残りの区間はずっと塩漬け状態になっていました。ですが周辺自治体はまだ諦めていなかったのです!!
1990年、千葉県・市川市・鎌ヶ谷市の三者により「北千葉線検討委員会」が設立されたのです。その後1992年には「北千葉線の取扱いに関する基本方針」が決定され、本八幡〜新鎌ヶ谷間を第三セクター方式で建設する方針が示されました。その後同年に「北千葉線促進検討委員会」が設立され、ずっと塩漬けだった北千葉線は再び建設に向けて動き出すこととなったのです。
また、2000年には運輸政策審議会答申第18号に位置付けられ、「鉄道事業免許を得ていながら諸情勢の変化により着工を見合わせている北千葉線(仮称)(東京10号線を本八幡から新鎌ヶ谷まで延伸)については、沿線の開発状況等を見極めつつ、その整備を検討する。」とされました。
そしてついに2001年、北千葉線の本八幡〜新鎌ヶ谷間三セク開業計画は「東京10号線延伸新線」という名前のもと調査が進められることとなったのです!
延伸新線の駅紹介
※駅ナンバリングは勝手に付けています。また筆者が印旛日本医大までの13駅想定でナンバリングをつけていたため、延伸新線になってから生えてきた「南大野」についてはナンバリングをぼかして対応しています。
S-21「本八幡」

大都会です。総武線と京成線に乗り換えることができます。近くには入ってはいけない薮があるので、絶対に入らないようにしてください。フリじゃないですよ。
S-22「東菅野」

生協が近いよ。アクセス抜群、近くにスーパーもあるのでバス待ちの間の食事にも困りません。住むのもよさそう。
S-XX「南大野」

北千葉線時代は計画されていませんでしたが、延伸新線として計画が再開した段階で新たに登場した駅です。ちなみにまだ武蔵野線の駅として計画が残っているはずですが、動きが全くありません。
S-23「柏井」

正直、特に何もない。アクセスが不便なため行くのも微妙。コンビニはありますが、まあ…未成駅マニアでない限り行かない方がいいです。もし北千葉線(延伸新線)が開業してたら栄えてたんでしょうか…
S-24「中沢」

鎌スタがありますが、肝心のファイターズ二軍が鎌ヶ谷から撤退するらしいのでどうなることやら…ここも駅ができていたらきっと試合時は繁盛していたことでしょう。
S-25「新鎌ヶ谷」

鎌ヶ谷市のターミナル駅、大都会です。北千葉線の駅用地として残されていた土地は現在複合施設の建設中で、これが完成すれば北千葉線に住めます。北千葉線オタクの皆さん、いかがでしょうか?(そんな人間は俺以外にいない)
延伸新線、結局頓挫。
そんなこんなで沿線自治体が建設に向けて検討していた延伸新線ですが、結局2013年に頓挫しました。その際の「東京10号線延伸新線促進検討委員会」から出た声明の一部がこちらです。
千葉県・市川市・鎌ケ谷市で構成する「東京10号線延伸新線促進検討委員会」 は、8月27日に開催した第24回委員会において、
・平成22年度に同委員会が実施した「東京10号線延伸新線可能性基礎調査」において、延伸の実現について厳しい結果(※)が示されており、実現の可能性がないこと。
※「基礎調査」で示された主な課題
・現時点では、沿線の人口増加が期待できない(少子高齢化、具体的な沿線の開発計画もない)
・多額の事業費(約 1,400 億円)
・事業採算性の見通しが立たない
・北総鉄道への影響(利用者の減少に伴う事業収入の減少)
・当該事業に係る過去の用地取得時に交付された国庫補助金の早期返還を、国から求められていること。
等から、平成25年度限りでの同委員会の解散について議題とし、本日、市川市・鎌ケ谷市の同意を得ましたので、 「東京10号線延伸新線計画」の検討を終了し、同委員会を解散することを決定いたしました。
簡単に言えば「建設費を回収できそうにもないし、そもそも使う人がいなさそうだし、北総鉄道を潰しかねないから延伸新線は開業できません」ということです。ついでに、最後の項を見る感じ北千葉線時代に借りてたお金を返せと言われていたようです。沿線開発は自治体がやればよかったのでは?と思わなくもないですが、何よりも北総鉄道を潰しかねないというのが一番きつかったのでしょう。北総鉄道が潰れると北千葉線の一部をルーツとする千葉ニュータウン鉄道も潰れるので…
ということで、北千葉線の復活劇はわずか12年で終わりを迎えたのでした。
結論
結論:名前だけでも覚えて帰ってください
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そういえば市町村営の鉄道(or軌道)はよく聞くけれど、都道府県営の鉄道って東京都交通局と北千葉線以外あまり聞きませんね…