赤い電車でお馴染みの京急ですが、中には青や黄色で塗装された電車もございます。
今回の記事ではこのうち青色の電車「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」について、どうやったら出会えるのかを見ていきましょう。
KEIKYU BLUE SKY TRAINとは?
KEIKYU BLUE SKY TRAINとは、その名の通り青い塗装を纏った京急の電車のことです。

三浦半島の海と羽田空港の空という、現在の京急線が抱える主要地点をイメージしたカラーリングの電車であり、基本的に車内を1社の広告で貸し切る広告貸切電車として運用されております。
このため、車体部分にラッピングを施した広告ラッピング電車として用いられるケースも多く、時期によって多種多様なデザインを楽しむことができる点も魅力です。

京急線の広告貸切電車は現在「トレインジャック」として運用されており、今回紹介するKEIKYU BLUE SKY TRAINのほか、黄色く塗装された電車を用いるKEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN(新1000形1057編成)や、通常の赤い塗装を纏う新1000形の1065編成および1201編成などで実施されるケースもございます。
そんなKEIKYU BLUE SKY TRAINの歴史ですが、2004年12月1日に羽田空港第2旅客ターミナルの開業と合わせ、羽田空港駅(羽田空港国内線ターミナル駅を経て現在の羽田空港第1・第2ターミナル駅)に第2旅客ターミナル口という新改札口が開設されたことがきっかけ。
このとき新ターミナルが完成したことをPRするため、当時の最新車両である新1000形8両編成の1025編成と1033編成に対して、京急初の全面広告ラッピング電車として水色ベースにJAL・ANA双方の飛行機の機体の写真などがプリントされた電車ラッピング電車を走らせたことがきっかけとなります。
ちなみにこのとき起用された飛行機はJAL、ANAとも、これまた当時最新鋭のボーイング777でした。
なお4両ずつデザインが異なっており、第1ターミナル側の改札口に近い品川方の4両(1029~1032、1037~1040)はJALの機体、第2ターミナル側(ANA、AIR DO、ソラシドエア、)の改札口に近い品川方の4両(1025~1028、1033~1036)はANAの機体がラッピングされておりました。
なおJALは長胴型の777-300がラッピングされ、ANAは通常型の777-200(JA703J)がラッピングされました。
羽田空港に3つあるターミナルですが、第1ターミナルはJALグループ、スカイマーク、スターフライヤーの国内線が使用し、第2ターミナルはANAグループ、AIR DO、ソラシドエアの国内線が使用します。
国際線は原則として第3ターミナルを使用しますが、ANAの一部便は第2ターミナルを使用します。
また一部コードシェア便は、大本の運行会社のターミナルからの出発です。
例えばANAとのコードシェア便でスターフライヤーが運行する便(ANA便での予約の場合はNH3800番台の便が主に該当)などでは、本来ANAグループが使用する第2ターミナルではなく、JALなどが使用する第1ターミナル出発となります。ご登場の際はご注意ください。

画像:Wikimedia Commonsより
Linearcity – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0,
https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2957799 による
しかし広告貸切電車ということもあってか、強烈なインパクトを与えた新1000形の水色ラッピングは2005年3月に解除。
ですが、以降も継続的に京急の羽田空港乗り入れをPRを実施するため、当時工場へ入場中だった600形1編成に対して青く塗装して、これらから引き継ぐ形で「シンボル電車」として誕生したことが、「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」の誕生経緯となります。(たぶん…)

なお、このときKEIKYU BLUE SKY TRAINになった600形606編成は、もともとオールクロスシートの車内を持っていた600形の扉間の座席をロングシートにする改造工事を施工しており、この改造工事竣工に合わせてKEIKYU BLUE SKY TRAINになった経緯がございます。
クロスシート:座席が枕木の方向を向いている座席。
居住快適性などが重要視される特急列車などでよく採用されている座席形態だが、立席スペースは狭くなりがち。
ロングシート:座席が壁を向いている座席。
通路を広くできるため、通勤電車でよく採用されている座席形態だが、空いていれば足を伸ばせる、窓に向けて座席を向けることができるなどの理由から、観光列車や優等列車でも用いられることがある。(伊豆急2100系リゾート21や、鉄道開業初期の一等車など)

このあと、2編成目として2100形2157編成もKEIKYU BLUE SKY TRAINに変更され、2100形のKEIKYU BLUE SKY TRAINは2100形車体更新工事に合わせて、2015年3月に2133編成へ変更され、現在に至ります。
(当初は2編成目も600形にする予定だったという話を聞いたことがあるのですが、何らかの理由で2100形になったようです。)
ちなみに2133編成は2100形最後のシーメンス製機器搭載車であり、この編成だけ車体更新工事の施工と国産品への機器更新工事が施工され、2133編成の車体更新工事完了と同時に2100形のドレミファインバータは消滅しました。
KEIKYU BLUE SKY TRAINの運行範囲は?
KEIKYU BLUE SKY TRAINの運転範囲ですが、他の同形式と同じ運行範囲となります。
まず600形のKEIKYU BLUE SKY TRAINは運用範囲はとてつもなく広く、まず主に走行する運用範囲を羅列すると…
- 京急本線 泉岳寺・品川~堀ノ内間(53.5km)
- 京急久里浜線 堀ノ内~三崎口間(全線 13.4km)
- 都営地下鉄浅草線 泉岳寺~押上間(11.4km)
- 京成押上線 押上~青砥間(全線 5.7km)
- 京成本線 青砥~京成高砂間(1.2km)
- 計 85.2km
これだけでもそこそこ運用範囲が広いのですが、これ以外にもこれらの区間よりは運用頻度こそ少ないものの、それ以外にも運転される区間があり、
- 京急空港線 京急蒲田~羽田空港第1・第2ターミナル間 (全線 6.5km)
- 京急逗子線 金沢八景~逗子・葉山間 (全線 5.9km)
- 京急本線 堀ノ内~浦賀間 (3.2km)
- 都営地下鉄浅草線 西馬込~泉岳寺間 (6.9km)
- 京成本線 京成高砂~成田空港間 (56.6km)
- 北総鉄道北総線・成田スカイアクセス線(京成成田空港線) (全線 51.4km うち北総線共用区間32.3km)
- 計 130.5km

そしてこれらを合計するとその総延長は215.7kmとなり、何も知らないで探そうとしたらかなり至難の業であることがわかるでしょう。
また、現在の運用はほかの3扉8両編成(新1000形、600形、1500形1700番台)と共通であり、単純計算で41分の1を引き当てる必要が分かります。(内訳は新1000形28本、600形8本、1500形5本)
都営、京成、北総など、他社車両が運用されている区間でも他社車両の走る列車は基本的に決められているため、京急所属の車両が使用される列車を知っていればある程度絞ることが可能とはいえ、それでも41分の1を引かなければKEIKYU BLUE SKY TRAINに出会えない、ということになります。
いっぽう、2100形のKEIKYU BLUE SKY TRAINは、ほかの2100形と共通運用で、運用範囲は基本的に京急本線の泉岳寺・品川~堀ノ内間と京急久里浜線のみ。
平日のみごくわずかに本線の堀ノ内~浦賀間と空港線へ乗り入れる列車がございますが、600形のKEIKYU BLUE SKY TRAINと比較したら大分会いやすいです。

また2100形は構造が特殊(扉数が1両片側2扉のみで、なおかつ車内が収容力の低い全席転換式クロスシート)の車両であり、使用列車も日中の泉岳寺 or 品川始発の快特や有料座席指定列車「ウィング号」メインとされています。
そのため、基本的にそこから2100形10編成の中から引けばいいだけなので、この点からも容易に会いやすいと言うことが分かると思います。
KEIKYU BLUE SKY TRAINに確実に会う方法がある?
…とは言うものの、実はこのKEIKYU BLUE SKY TRAIN、簡単に会う方法があります。
その方法は何かですが、京急公式サイトの特設ページを確認すればいいだけです。
この特設サイトには、KEIKYU BLUE SKY TRAINをはじめとした特別な装飾がされた電車たちについて、当日と翌日の運行予定ダイヤが事細かに記載されているのです!
翌日の運行ダイヤについては、原則前日の14時ごろまでに公開されることとなっています。

https://www.keikyu.co.jp/ride/train/keikyuspecialcolortrain/index
このように、京急線内の主な駅の発車時刻とともに、運用される予定の時刻表や種別・行先、列車番号などがわかりやすく記載されているのです。
そのため、どうしてもお子様などが見たい!!!となった場合などには、このサイトから運行ダイヤを調べれば簡単に狙いのKEIKYU BLUE SKY TRAINを見つけることができると言えるでしょう。
なお、特設サイトは下記リンクからアクセスすることが可能です。

ただし、ひとつだけ注意してもらいたい点がございます。
それは何らかの要因で輸送障害が発生し、運行ダイヤなどが乱れた場合は、その当日の運行予定ダイヤは掲載されなくなることです。
その場合は、諦めたほうが無難かもしれません…翌日などに改めて見に行きましょう。
余談
実はこの方法を使うことで、KEIKYU YELLOW HAPPY TRAINにも比較的簡単に会うことができます。
しかしこの記事を執筆している時点で、KEIKYU YELLOW HAPPY TRAINは長期運用離脱中。

劣化した車内設備などを新しいものにするなど、車内設備を新車同等の設備へ更新する車体更新工事を施工している途中のためです。
工事期間は通例から行くとだいたい4~5か月程度で、工場へ更新工事施工のために入場したのが2025年3月後半の頃なので、再び見れるようになるのは8月頃になるのでしょうか。
夏休みシーズンくらいに復帰できると良いですね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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この記事を書いた人

- 鉄道をはじめとした乗り物の動画を作りつつ、趣味に明け暮れる日々。最近は将来設計的な悩み事が色々と…
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羽田空港に3つあるターミナルですが、第1ターミナルはJALグループ、スカイマーク、スターフライヤーの国内線が使用し、第2ターミナルはANAグループ、AIR DO、ソラシドエアの国内線が使用します。
国際線は原則として第3ターミナルを使用しますが、ANAの一部便は第2ターミナルを使用します。
また一部コードシェア便は、大本の運行会社のターミナルからの出発です。
例えばANAとのコードシェア便でスターフライヤーが運行する便(ANA便での予約の場合はNH3800番台の便が主に該当)などでは、本来ANAグループが使用する第2ターミナルではなく、JALなどが使用する第1ターミナル出発となります。「ご登場」の際はご注意ください。
って言う文のご登場の際はご注意ください。って所、搭乗の字が間違ってます