
こんばんは。今日も1日お疲れさまでした。
今度甲府駅近くで211系の撮影会があるらしいですね。そこで明記されていた「211系0番台または2000番台1編成、211系1000番台または3000番台2編成」という文字。運用の間を練ってちょうど留置されている3本を並べた撮影会のようですが、2/3がLEDの可能性がある今回の撮影会、ある意味スリルですね笑
編成は「立川行き544M」「松本行き443M」「韮崎行き353M」の3編成だったようで。544Mは6両固定編成なので幕なのですが、443Mは前回211系の記事でご紹介した「豊田運用」の最後に入る運用のため、LEDの可能性が否めないのが難点。
では、353Mはどうでしょうか…。実はこの353M、3000番台しか入ることができない「長野(後半L固定)運用」と呼ばれる行路に組まれている運用なのです。つまり、幕の可能性がぐっと上がります。
もちろん高崎のLED車が入ってしまえば意味がないのですが…。
と、書いていたこのころはまだよかったんです。実際は「N306」「N312」の2編成。どちらもLEDでしたね。
まあ高崎時代からROM変わってないらしいので高崎時代の方向幕が出た!と話題になってましたが…。
今回は、長野運用に入る3000番台のうち、幕張から転属してきた5編成を紹介。同時に、今後生産予定のKATO211系(3000番台)をちょっと加工すればできる編成についてもご紹介できればと思います。
ロング固定行路って?

前回少しご紹介した「豊田行路」。山梨・高尾に来る運用にはボックスシートが優先的に充当される、とご紹介したときに「長野県内ではロングシートに当たった」という経験をした人も多いと思う、という旨の文章を添えました。
この「長野県内ではロングシートが当たった」という背景には、「ロングシートしかできない運用」の存在が隠れています。
長野県内をメインに運用が組まれている「長野運用」。前半と後半に分けることができ、前半は中央西線や飯田線の各駅に止まる運用、信越本線だけの運用など、面白い運用が随所に組み込まれています。こちら側は、基本的に1日を通して運用する行路となっています。

一方の後半はどうでしょうか。3両編成単体行路が多く存在し、朝方のラッシュ時の増発を対応するだけの行路、平日の帰宅ラッシュを捌く定期列車が組まれている行路など、基本的に「ラッシュ時に客を大量に積み込む列車」が多数組まれています。
田舎路線だから…と思われがちですが、ラッシュ時は東京ほどではないものの車内はそこそこに混雑するのが山梨県と長野県。それに加えて、電車に乗り慣れていない人が多数いるのも山梨県と長野県の特徴。そのため、ボックス3連を投入されたら東京の「通勤電車」のような光景が広がるのは目に見えてわかります。そのため、ロングシートのみが入る行路が設けられたのです。
この記事を書いている2025年10月29日現在、諏訪湖花火大会・輸送障害での車交を除いて後半行路にボックス車が入った回数は2回。このような状況から、ロング固定行路と言えるのではないでしょうか。
みすず号

現在は211系のロングシートで運用される快速みすず号。現在では1往復のみとなってしまった悲しき快速列車ですが、昔は急行列車だったって、ご存じですか?
長野県の伊那地区と長野県の県庁所在地長野を結ぶローカル優等種別、天竜・かもしかがその起源とされています。現在でも県内を移動する高速バスが3時間と少しをかけて走行するほど距離的に遠い伊那と長野市。その2都市を結ぶ優等列車として設定されました。
この「天竜号」、塩嶺トンネル開通後も飯田線直通列車は辰野線を通るという、珍しい優等列車だったんです。
塩嶺トンネルが開通し松本駅以南を快速列車に格下げをした天竜号。後に天竜号は「塩嶺トンネル経由の『新急行かもしか号』」と「塩嶺トンネル経由の『快速みすず号』」の2種類に分かれることになります。なお、この「新急行」という種別は、アコモデーション改造を行った169系電車を使用していたことから。新特急と同じノリですね。
民営化後の1988年、急行かもしか号はすべてみすず号に格下げになり、現在と同じような形態で運行されることになりました。

313系も使用されていたこの「みすず号」。一時期は313系が長野駅まで乗り入れ、JR東日本管内では珍しい転換クロスを積んだ車両が長距離運用を行っていました。
この、長野駅直通313系なのですが、313系・211系が飯田線に入る前は全てJR東海車の115系電車で運行されていたため、その名残と言われています。実際、313系のみすず長野行きは115系時代の時刻と全く同じだったようです。ちなみに、座席はやはり好評なようで「115系が静岡車だったからと言って、313系も静岡車じゃなくてよかった」という意見もあるぐらい。ロングシート耐久は確かにきついなあ…。
ちなみに過去には車両不足の影響で静岡から飯田線に2両編成のロング車(W2編成)が貸し出されたことがあったようです。ひええ…。
全5編成を紹介!

お待たせしました。ついに個性豊かな5編成を紹介していきます!
幕張から転属してきた編成は全てJR製造。今回はそのうち片パンで転属してきた5編成が紹介対象です。
彼らは、E231系投入によりグリーン車100%にする、という北関東の方針から漏れた車たち。幕張の113系初期車を置き換えるのに使われましたが、実際はそんなに長く持たなかったようです。
①JR東日本1次車(N301編成)

1次車はN301編成が該当。現在では幕張片パングループの中で唯一延命工事が行われています。車番は「3035」。
前後の3034(タカA34)、3036(タカA36)が高崎に残る中、1編成だけ幕張に転出してきました。といいつつ、3038(A38)以降は長野に転属してきているんですよね。
この編成を含め、幕張の車は長野に転属してきた当初は幕張の幕を積んだまま試運転を行っていました。千葉特有のゴシック体が長野の車に積まれていたんですよ!
なお、当初は原型スカートを履いたまま運転を行っていました。今じゃ信じられない…。
JR東日本3次車(N302編成)

N302編成は3次車に該当。電動車の床に点検蓋がないことが特徴的です。車番は「3053」。
この編成、長野211系では「初めて運用に入った編成」として注目を浴びることがあります。
2013年3月15日の昼下がり。大糸線の列車に211系が入りました。これが記念すべき初運用。
その後も運用を着々とこなし、12年目の今年もちゃくちゃくと働いています。
ここからご紹介する211系4編成、実は「在籍年数が一番長いのは『長野車両センター』」という211系の中でも異端児な編成たちなんです。
車番3047編成以降は当初小山に配属。その後新前橋に集約されましたが、すぐに幕張に転出することになります。幕張で働いていましたが両数が使いにくかったため、結局長野に飛ばされることになりました。
JR東日本4次車(N303/N304/N305編成)

いよいよ最後の次車、JR東4次車です。
貫通扉の上にひさしが付いており、全てのつり革が三角形なことなどが特徴にあげられます。
この3編成、全部面白い過去があるので、せっかくなら紹介しましょうかね。
車番は以下の通り。
N303編成:3054
N304編成:3055
N305編成:3062
迂回回送(N303)
2021年8月に発生した豪雨災害。飯田線内も大きな被害を受け、飯田駅 – 辰野駅間が不通となってしまいました。
長野211系は先ほどご紹介したみすず号のほかに、飯田線直通列車が別で1往復設定されています。今回はみすず号のようです。
みすず号で飯田駅に留置されていたN303編成ですが、大雨の影響で飯田線の「宮木駅 – 辰野駅」間の橋脚が流されてしまいました。しばらくの間はJR東海管内で運転していたようですが、10月に名古屋経由で長野に帰ることが決まります。
長野211系が中津川より先に乗り入れたのは後にも先にも今回のみ。名古屋では「見慣れない211系」として注目を集めたようです。
まさかの塗装(N304/N305編成)

N304編成とN305編成、実は塗装を変えずに試運転を行ったことがあって…。
幕張から転属してきた彼ら。真ん中のサハ2両を脱車した状態のまま、試運転を行ったことがありました。当然、幕はそのまま。単なる幕張の車が3両になって長野を走っている、そんな不思議な状況を見ることができました。
ちなみに、N305編成は車番が3062なのですが、つぎのN306編成の車番は3001。トップナンバーとラストナンバーが並ぶ、異様な光景を見ることができます。
ついにKATOから発売!

211系シリーズ第4弾として、長野色の発売が2025年11月に決定しています。
今回のプロトタイプ編成はN313編成。JR1次車の編成ですが、そのほかの編成にも加工をすれば変更することができます。今回はそんなKATOの211系を、他の編成にする方法をご紹介!
なお、車番変更等の簡単な加工でできる編成を掲載するため、ベンチレーター撤去については省略します。また、どの編成も車番変更は必須です。
N312編成

まずは車番変更だけでできる車。3024番であるN313編成の一つ手前、N312編成です。
車番の変更だけでできるこの編成。ぜひ再現してみてはいかがでしょうか…。
N314編成

0番台の顔面と、青幕もしくは東海道線(JR東日本) 211系の白幕Assyパーツを購入して加工すればできる編成。
アンパンマン!新しい顔よ!ばりに顔を変えればいけます。
時代によってはクモハがLED、クハが白幕でもいいかも…。
ところで、試作品の時点では幌受けパーツがくっついていないんですよね…。ちょっと心配。
N315編成

幕を青幕に変えればいいだけの簡単なお仕事。時代によっては白幕でもいいかもしれません。
N316編成

こちらも時代によってですが、クハを白幕・青幕のどちらかにするだけで簡単に変えることができます。現行はLEDだけなので、車番変更だけでも十分。
N301編成・N302編成

幕を青幕に交換したうえで、ドアボタンを黄色いものに変えれば再現できるN301編成・N302編成。幕張編成を作ってみるのも、いかがでしょうか。
まとめ

今回は、そこそこ癖が強いN300編成の幕張片パン車を見ていきました。次回はWパンタ車なのですが、これといった特徴がなくって…。どうしよう。コラム挟んでから幕張の記事書こうかな…。
まあ、あまり期待しないで待っていてください。今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
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