【○○が原因?】空港線と箱崎線でホームドアが違うのはなぜ?

ご無沙汰してます。ふぺです。

我らが福岡県の福岡市に路線網を展開する福岡市地下鉄は、日本全国の地下鉄の中でもトップレベルで早くホームドアを全駅に整備した地下鉄でもあります。しかしこの福岡市地下鉄のホームドア、あることが原因で一部路線で仕様が違うことになっているのです。

今回はこの福岡市地下鉄の2路線のホームドアの違いとその原因について、解説していこうと思います。

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ホームドアの仕様が違う2路線とは

ホームドアの仕様が異なる福岡市地下鉄の2路線というのは、空港線箱崎線のことです。

この空港線と箱崎線の路線環境や使用される車両はほぼ同じであり、空港線のみJR車が直通してくる関係で車種が多い…程度の違いしかありません。そのため空港線と箱崎線に設置されているホームドアも大まかな部分はほぼ同じであるものの、各所に違いが見られます。

その違いとして代表的なものが、空港線のホームドアは開口幅が2,600mmとなっているものの、対する箱崎線のホームドアは空港線より500mm短い2,100mmとなっているという点です。

この説明だけではイメージが掴みにくいと思いますので、画像を見て比べて見ましょう。

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ホームドアを観察しよう ~空港線編~

姪浜#2にて

まずは空港線のホームドアです。

こちらのホームドアは福岡市地下鉄の中でも最初期に設置されたグループで、開口幅が2,600mmもあるため、ドア付近は非常に余裕があります。またホームドアの収納部を見てみますと、若干ですが扉の引き残しがあるのも特徴となっています。

ホームドアを観察しよう ~箱崎線編~

中洲川端#1にて

次に箱崎線のホームドアです。

こちらのホームドアは空港線の次に設置されたグループで、開口幅は空港線より短い2,100mmとなっているため、空港線のホームドアに比べるとドア付近はあまり余裕がないように感じます。また空港線と同様に扉の引き残しがあるのも面白いポイントです。

それではなぜ、このような仕様の違いが発生してしまったのでしょうか?

なぜ異なる仕様になってしまったのか?

空港線と箱崎線のホームドアの開口幅が違う理由…それはJRから直通してくる103系です。

福岡市地下鉄の空港線は1983年の姪浜〜室見・天神〜博多(仮)の開業を機に、姪浜から国鉄筑肥線と直通運転するようになります。そして翌年の1984年では福岡市交通局の所有する1000系のスペックを生かして、地下鉄初のワンマン運転が行われるようになりますが、対する国鉄の103系1500番台は基本的な設計が古いためにワンマン運転用の機器を設置することができず、結果的に約30年後に305系に置き換えられるまで、福岡市地下鉄で唯一の車掌乗務が必要になる形式という、いわゆる「問題児」の面が強く出るようになりました。

そしてホームドア設置の際も、1000N系や303系といった形式はATO(自動列車運転装置)を搭載していたため、停止位置にほぼほぼ合わせることができましたが、103系1500番台は電磁直通式ブレーキという一昔前のブレーキ装置を搭載していたが為に、正確にATOに対応することが難しい状況となっていました。

そこで空港線は開口幅が2,600mmという特殊なホームドアが設置し、ATOに対応していない103系1500番台の停止位置許容範囲を拡大して乗務員の負担を減らす…という方法が取られました。


こうして空港線の全駅で開口幅2,600mmのホームドアが設置されてきましたが、途中の中洲川端から分岐する箱崎線には103系1500番台といったJR車は基本的に乗り入れてこず、ATO運転に対応した1000N系や2000系のみ乗り入れてくるため、箱崎線のホームドアは空港線より開口幅の短いものが設置されることになり、こうして空港線と箱崎線でホームドアの違いが生まれるようになってしまった…というわけです。

余談

このように空港線と箱崎線のホームドアの仕様が違う原因となった103系1500番台でしたが、2015年より305系によって地下鉄直通運用が置き換えられるようになり、空港線は全ての車両がATO対応となりました。

しかし2025年現在でもかつての103系1500番台みたく、手動運転でホームドアに定位置を合わせている駅が存在します。その駅というのがJR筑肥線/地下鉄空港線の境界駅である姪浜駅

姪浜#1に停車する2000N系

姪浜から先の地下鉄空港線内ではATOでの自動運転が行われているものの、JR筑肥線では従来と変わらず手動運転となっています。このためJR筑肥線のホームドアも空港線と同じく開口幅に余裕が持たされているほか、会社境界駅である姪浜駅も筑肥線方面からの入線は手動での運転となるため、JR筑肥線からの直通列車が到着する際は、心なしか少し慎重に停めているような感覚がしました。

このように原因が消えたことで一見、意味をなくしたように思えた空港線の幅広いホームドアですが、一部の駅ではしっかりと有効活用されているのです。

この記事を書いた人
ふぺ
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