関東勢乗り鉄必見!!!房総半島大回り!

どうもおはようございます。スギ花粉です。今回の記事では房総半島を大回り乗車で一周していこうと思います。大回り乗車の基本的なルールも解説いたしますのでぜひ最後まで見ていってくださいね。

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大前提:大回りって何?

さて、まずは大前提として大回りとは何かについて解説していきましょう。
ここはご存知の方も多いと思うので飛ばしていただいても構いません。

大回り乗車とは、初乗り乗車券や2〜3駅先までの低額な乗車券で500km以上の長距離旅行をできる、限界金欠乗り鉄の皆様には最適な旅行です。ただし幾つかルールがあり当然そのルールの中で実行することになるます。そのルールとは…

1.大都市近郊区間内限定!
2.同じ駅を2度通ることはできない!
3.改札から出ることはできない!

この3つです。(関東の場合。関西はICOCA使うと範囲広がる?)

大都市近郊区間とは東京・大阪・福岡・新潟・仙台の近郊に設定されており、乗車経路が多数存在する地区における、旅客の利便性向上と発券・改札業務の簡素化を目的とするものであり、通常は実際の乗車経路に則って発券される乗車券を、乗車経路を問わず最短経路の運賃で計算する特例が設けられた区間のことです。例えば横浜駅から大宮駅まで移動する際、湘南新宿ライン経由と上野東京ライン経由の2通りがあるわけですが、いちいち乗車経路に合わせて乗車券を発行していたら面倒だし手間がかかります。Suicaでは乗車経路を判別することもできないため、東京近郊区間はSuica首都圏エリアの拡大と合わせて膨張しています。宇宙かな? 2番目のルールについては乗車券全般に言えることですが同一の駅を2回以上通ると、重複乗車という不正乗車の扱いとなります。そのため、同じ駅を2回以上通ることはできません。3番目のルールについてはこれも大都市近郊区間内で完結するきっぷは途中下車ができないことになっています。そのため、通常は途中下車が可能な営業キロ101km以上のきっぷを利用しても途中下車はできません。101km以上のきっぷ使ったらそれはもう大回りでは無い気もしますがね()

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いざ出発

花粉は千葉〜成東のどこかに住んでいるため、12時ごろに最寄駅から下り方面の電車に乗車し東金線との乗り換え駅である成東駅に向かって進みます。途中の佐倉までは複線区間であり、成田エクスプレスや総武線直通の快速とすれ違うなど活気を見せますが、佐倉を出ると様子が一変。下総台地の切り通しや、やちぼこりと落花生で有名な八街の畑の中を抜けて、列車は成東駅を目指します。八街〜日向が体感でめっちゃ長い。

珍しい0番線:成東駅

さて、列車は成東駅に到着しました。魅力度ランキング最下位として話題になったこともある街ですが、いちご狩りや大型プールなど意外と魅力はあるらしいです。ここからは東金線に乗り換えです。この駅は随分と数を減らしたみどりの窓口が現役で生き残っているほか、他駅ではあまり見られないあるホームがあります。
そのホームとは「0番線」です。

東金線のほとんどの列車が発着するこのホームは駅開業後に後付けで整備されたため、すでにあった1番線ホームよりも駅長室に近い位置に存在することになり、他のホームの番号を変更することなくわかりやすい番号をつけた結果0番線となりました。

東金線も基本的にはローカル線であり、求名駅で付近に所在する大学の学生を乗せた他は大きな乗降もなく進んでいきます。景色は総武本線の物井〜佐倉間と似ており、広々とした圃場の中を定尺レールのリズムを刻みながら快走します。国道126号線をくぐるとまもなく東金駅。路線名にもなった東金市の中心駅です。この付近は住宅街や市街地の中を走行し、俄かに活気が出ますがしばらくすると再び田園風景の中に戻ります。ちなみにこの東金駅からは過去に九十九里浜付近の片貝駅までを結ぶ九十九里鉄道線が伸びていましたが、それはまた別のお話…

ずっとこんな景色。水戸線かな?

千葉駅に似ているとも言える?:大網駅

17分のショートトリップを終え、列車は大網駅に到着します。この駅は、3面4線の駅であり「ハ」の字型の少し特殊な構造をしています。と言うのもこの駅、昔はもう少し東金寄りに位置していたんです。現在の大網保線技術センターから切り通し区間にかけてのあたりですね。気になる人は検索してみてください。外房線列車はスイッチバックをする運行形態だったため1972年に現在の位置に移転し、千葉駅にも似た「ハ」の字型の構造になりました。千葉駅も昔は蘇我方面に向かう列車がスイッチバックを強いられていたため、経緯や構造が似ていると言えるでしょう。

旧駅跡地付近。特に何もない。

東金線ホームの千葉寄りには外房線下りホームとの連絡通路があるため、大回りの際には東金線の先頭車両に乗ると良いでしょう。ここから乗るのは、京葉線から直通してきた快速の上総一ノ宮行き。快速を名乗りますが外房線内は各駅に止まります。

今回乗った電車ではない。許せ()

東金線の車掌には「各駅停車の上総一ノ宮行き」と呼ばれていました。快速とは(哲学)。上総一ノ宮駅での乗り換えには7号車、8号車付近がいいでしょう。大網からはトイレ騒動で少し話題になった永田、外房の中心都市である茂原を経由して、上総一ノ宮に向かいます。ちなみに茂原付近は高架線となっており、比較的遠くの景色も望めます。

サーフィンの街の玄関口:上総一ノ宮駅

オリンピックではサーフィンの競技会場にもなった一宮町

さて、列車はサーフィンの街、上総一ノ宮駅に到着です。この駅は2面3線の駅と、5本程度の留置線を持つ運行上の拠点駅となります。日中の外房線の電車は大半がここで折り返しとなるため普通電車で大原、勝浦、安房鴨川方面へ進む人は当駅で乗り換えです。この日は不運にも海側ボックスを逃したため、あまり風景はお届けできないかもしれません。

その代わりに本日の旅のお供をご紹介しましょう。それはこちら!!

男梅グミと緑茶です!!!
所要時間が長くなりがち、かつ改札から出られない大回り乗車。特に今回のように改札内店舗の少ないローカル線に乗車する際は飲み物とおやつの常備は重要です。お好みのドリンクとお菓子を持ち込むと良いでしょう。

この駅から乗車するのはこれからのローカル線のスタンダードであるE131系の2両編成。ワンマン運転の列車です。
この列車の行き先はなんと木更津!所要時間約3時間の長距離普通列車です。

13時40分 列車は定刻通りに上総一ノ宮を出発。左手に留置線群を望みながら上総一ノ宮を後にします。また、この駅から先の外房線は基本的に単線であり、保線もよく行われていないのか、乗り心地も変わります。ちなみにこの区間のE131系で運転される列車のドアは中央東線や高崎線の籠原以北と同じようなボタン式。乗車の際はドア横の開けるのボタンを押す必要があります。東浪見を出ると線路は一旦複線に。これは過去に自治体が金を出して高速化事業を行なったためで、この区間は比較的良好な乗り心地を保っています。広い圃場、複線、国鉄型配線の一部駅… 駅間距離が短いことを除けばこの区間の景色はちょっと東北本線に似ているのかもしれません…

特急列車も走行するこの区間。快調に走行する。(撮影:まもうな)

そして太東を出るとすぐに川を渡りますがこの時は車窓右側に注目!高速化事業が行われる前の外房線の橋梁が残されているんです。さらに進むと列車は音鉄の間では有名らしい大原駅に到着。夕方になると千葉駅からこの駅までの電車が少し増えます。この駅からはいすみ鉄道が分岐しています。が、現在は脱線事故のため運休中。来春の運転再開を目指すと言うことです。駅には動けなくなった車両が停泊しており、列車の走らなくなった線路は錆びついていました。

上総一ノ宮から約30分、列車は「月の砂漠」や御宿海岸、そして限界集落としても有名な御宿に到着です。当駅では上総一ノ宮方面の普通電車との行き違いが行われました。

ちなみにここから再び複線になりますが次の勝浦で終わります()意味あるのか? そしてこの区間になるとトンネルが増えてきます。山は少ない房総でなぜトンネルが増えるのかと言うと、台地が海のすぐそばまで出っ張っているところが多いため、トンネルを掘削しないと相当な遠回りを強いられたりそもそも敷設できなかったりするためですね。列車はいくつもの短いトンネルを経由して進みます。

14時13分、列車はひな祭りや朝市、B級グルメのタンタンメンで有名な勝浦に到着。ここから先はいよいよ本格的にローカル線の様相を呈します。
すっかり乗客が減ってしまった車内の様子とは対照的に車窓には太平洋が広がり、これまでとはまるで異なる景色を見せ始めます。外房線の車窓のハイライトはこの付近だと言えるでしょう。そしてここからは東金線以来の定尺レール区間で、揺れも爆発し始めます。2つ先の上総興津駅には自動精算機がなく、改札窓口とは別の有人窓口で精算する形となっていました。

今時珍しいよね?ね?(圧)

特急列車との交換を済ませて列車は鴨川方面へ出発。廃墟で有名な行川アイランドを経由して14時46分、1分遅れで安房鴨川駅に到着しました。

シーワールドと棚田の街:安房鴨川駅

さて、列車は県内有数の観光地である鴨川シーワールドや東京から1番近い棚田である大山千枚田が位置する安房鴨川駅に到着します。現在は多くの普通列車が当駅で折り返すことなく外房線と内房線を直通していますが、ワンマン化以前は内房線、外房線ともに全ての列車が当駅で折り返していました。この駅は外房線、内房線ともに終点の駅となるため、当駅を出発する列車は館山方面と勝浦方面の2方面全てが上り列車となります。

内房線完結の一部列車は4両編成。黄色と水色がフレッシュ(撮影:方向幕量産者)

14時54分 留置線に止まる列車を横目に木更津行きのワンマンカーは安房鴨川を出発。ここからは内房線を名乗りますが、千倉までは外房側(≒太平洋側)を走行します。実はこの付近、外房線の区間よりも太平洋を間近に見ることができるんです。特に太海駅と江見駅の間では海に大接近。砂浜の上を高架橋で渡るような区間も存在します。そしてそんな区間の過ぎた江見駅は駅メモラーには有名な駅。全国で初めて郵便局が駅業務を請け負った駅でもあります。その後は北海道に同名の駅がある千歳、急カーブにある寂れた元拠点駅の千倉などを経由し、ついには南国情緒あふれる館山駅に到着しました。

南国情緒あふれる街:館山駅

さて、列車は館山駅に到着。オレンジ色の屋根の橋上駅舎を持つ2面3線プラス留置線の駅です。駅周辺の道路には椰子の木が植えられるなど南国情緒を演出しています。
おや?スギ花粉、木更津行きの電車をここで降りてしまいました。

そのまま待合室で待機する花粉。すると接近放送が流れます。

「♩まもなく、2番線に、特急、新宿さざなみ4号、新宿行きが参ります。」

そう、こいつ特急に乗ろうとしているのである!!
ここで一つ注意点です。この館山駅ですが、改札内にみどりの窓口はもちろん指定席券売機も設置されておりません。大回りのルールで申し上げましたように改札を出ることはできませんので事前に購入するかえきねっとの利用をお勧めします。

15時49分、列車のドアが開き乗車します。

一瞬あずさ幕を表示していたが撮り逃した。悔しすぎる。

青い座席が整然と並ぶ車内。先ほどまでの普通列車とは比べ物にならない快適性でテンションぶち上がってます()

さてさてここからは車内紹介といきましょう。車内は2+2列の回転式リクライニングシートです。
近年全ての窓際座席にコンセントが設置され、現代人にも使いやすい車両となりました。

この先、富浦、岩井、保田、浜金谷、君津、木更津、五井、蘇我、千葉、船橋、錦糸町、新宿の順に停車します。

千葉まで1時間20分、特急列車の快適な旅を満喫することにしましょう。
なおNB編成に乗るのが久しぶりすぎて落ち着かない模様

16時02分。列車は定刻通りに館山駅を出発。房総半島をぐんぐん北上して行きます。

この付近の最高速度は95km/h。意外とダイヤに余裕がないため、限界ギリギリに近いスピードで飛ばしてゆきます。あまり保線状態が良くないのか、非常に激しい揺れの中を進みます。内房線の館山〜木更津間の一部では、太海付近と同様に海が望めます。しかし見える海は異なり東京湾を望むことができます。太平洋の荒波打ち付ける外房沿岸と湾内の落ち着いた波の見える内房沿岸を比べるのもいいでしょう。浜金谷駅付近や岩井駅付近、上総湊駅付近はビューポイントです。

乗客はまばらなまま富浦、岩井、浜金谷と停車。浜金谷は石切場が有名な鋸山の最寄駅かつ東京湾フェリーの金谷港最寄駅でもあり、付近の道路は渋滞が発生するほど混雑していました。しかし特急の利用客は増えません。

ところでこの周辺、どこの駅も似たり寄ったりな構造なんですよ。勝手に「内房型配線」なんて呼んだりしてるんですけども、島式ホーム1面2線に跨線橋で駅舎と連絡する構造で内房線の青堀、大貫、佐貫町、上総湊、浜金谷、保田、岩井、富浦の8駅、外房線の浪花(なみはな)、御宿、鵜原の3駅、総武本線の南酒々井、成田線の大戸駅、水郷駅で見られる構造となっており、過去には安房勝山、那古船形の2駅もこの構造でした。ホームが1面で済む点で工費削減には一役買ったのかもしれませんが、ほとんどの駅でエレベーターが設置されておらず現代においては
バリアフリーに真っ向から喧嘩を売るやばい駅と化しています。

鉄の街:君津

さて、悪い路盤をかっ飛ばし、列車は君津駅に到着。この街は、粗鋼生産量国内2位の日本製鉄君津製鉄所を擁する工業都市。京葉工業地帯の一角を形成します。ここから先は総武快速先直通電車も多数運行される比較的都会な区間。車内に異変が起きたのは次の木更津駅でした。一気に席を埋め尽くすほどの乗車が発生。車掌からは満席放送がかかりました。何事かと思えば今日はアクアラインマラソンの開催日であり、それを終えた人たちが乗車してきたようです。満席放送とホーム上の乗客の数には本気でビビった。ちなみにこの駅の発車メロディはみなさん一度は聞いたことがあるであろう童謡の、証城寺の狸囃子のアレンジ版。付近にタヌキ囃子伝説のある證誠寺が存在することにちなんでいるそうです。

多数の乗客のため乗車に手間取り、少し遅れて木更津を発車。遅れを取り戻すため、君津から120km/hに上がった最高速度をフルに活用しながら巌根、長浦、袖ヶ浦、姉ヶ崎を高速で通過し、五井には定刻通りに到着しました。五井ではすでに発売済みのため満席と案内されたものの残っていた空席がついになくなり、いよいよ人気特急の様相を呈します。

その後は外房線と合流し、左手に北関東方面に発送されると思われるタンク貨車を望みながら蘇我に停車。京葉線に乗り換える客を降ろすことと引き換えに向かい側に先着していた外房線からの乗り換え客を乗せて満席のまま出発します。12時ごろに指定を取った時は半分程度しか埋まっておらず、えきねっと上でも全車両○だったので驚きです。

旅の終わり:千葉駅

さてついに千葉県有数の主要駅である千葉駅まで帰ってまいりました。実は3ヶ月ほど前に同じように館山駅から千葉駅まで高速バスを使ったことがあるのですが、個人的には特急の方が快適に感じました。後はWi-Fiがつけば完璧です()

ここからはもう帰るだけです。休日なのに8両も繋いでガラガラな総武本線の普通列車で家路につき、そこで旅は終わりました。

旅のラストに注意点!実は近距離きっぷには自動改札機で改札を出ることのできる時間に制限があります。今回のように6時間近くも旅をしていると、多くの場合で制限時間を超えてしまい自動改札機から出場することができません。その場合は有人改札を利用しましょう。また、駅員さんからルートの確認を求められることもあるのですんなり説明できるとよりGood!! ルートを記入した路線図があれば完璧です。

さいごに

ここまで読んでくれた読者の方、マジでありがとうございます!!

乗り換えが比較的少なく、座ることさえできればかなり楽しい房総半島大回り。午前中の外房線下りと、その逆である夕方の上りは、鴨川シーワールドや勝浦に向かう/帰るお客さんで混雑するため、午後に上総一ノ宮を出て下るような行程が良いかもしれません。今回のルートを東京→八丁堀の乗車券で実行した場合のモデルルートを以下に載せておきますのでもし興味があるという方はご参考にどうぞ。

東京1054発925F 総武快速線君津行き
千葉1136着/1142発1347M 総武本線各駅停車成東行き
成東1227着/1248発 1644M 東金・外房線各駅停車千葉行
大網1305着/1309発4207A 外房線快速上総一ノ宮行き
上総一ノ宮1330着/1340発3241M 外房・内房線普通木更津行
館山1534着/1602発9046M 特急新宿さざなみ4号新宿行
蘇我1717着/1720発
乗換時間僅少
1782Y 京葉線各駅停車東京行
八丁堀1808着
総所要時間7時間14分

皆さんが房総に興味を持ち、いつか下車観光に来ていただけることを祈って、この記事を締めたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!

写真協力:摩耗型フリーナ、方向幕量産者(敬称略)

この記事を書いた人

スギ花粉
スギ花粉
千葉の田舎のただの高校生
毎朝209に揺られて通学中

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