
こんにちは。こづるしんでんです。
2025年11月11日、横浜・J-TREC(横浜事業所)から出場した、相鉄の新型車両13000系の第一編成、13101F。
以前プレスリリースが出た時も記事で考察をしましたが、実車が配給された今新たに判明した細かい仕様を確認していこうと思います。
相鉄13000系とは?

まずはライトに、導入背景から。
相鉄グループが2025年2月6日に公式発表したところによれば、13000系は「2025年度から順次導入」「2026年春営業運転開始予定」「既存8000系・9000系の置き換えが目的」とされています。
車体デザインのコンセプトも「安全×安心×エレガント×未来」。
13000系は、同社がこれまで導入してきた10両or8両の直通対応車(12000系/20000系/21000系)とは異なり、自社線区専用仕様を前提に設計されています。
詳しくはこちらの記事でまとめてあります。ぜひご覧ください。
J-TREC横浜で製造が進められていて、Youtubeでも製造状況も公開されていましたが、2025年11月11日〜12日に配給が行われました。

11日未明に横浜事業所を出場し、逗子〜新鶴見間がDD200-11、新鶴見〜相模貨物間はEF65-2096が牽引し、その後厚木操車場までDD200-901牽引で配給されたそうです。
また、厚木操車場からは分割され、モヤ700に牽引されて搬入されたそうです。

どうも運転台に「そうにゃんのぬいぐるみ」が添乗してたそうで……71-000形もそうだけどなんか載せるの流行ってますね()
仕様の要点
重要な話をまとめます。
第1編成・13101Fは8両固定編成。
車体はステンレス製の20m級・片側4ドア構成で、デザインは12000系・21000系の流れを汲みつつもよりスタイリッシュなものになっている気がします。
特筆すべきは、クラッシャブルゾーン(衝突吸収構造)を廃止し、その分座席を増やしたこと。これにより先頭車は6席増、編成全体で12席増加しています。また、甲種輸送時の養生のされ方から推測すると、ドアボタンも設置されているのかな?
機器はE233系と類似と思われるIGBT-VVVFを搭載しています。
謎のアンテナ?

仕様をよく見ていくと、実は少し謎めいた台座が、先頭車の屋根上に存在します。
先頭車には列車無線アンテナが2基ずつあります。
しかし、それとは別に、未使用の台座が確認されており、ちょっとそれについて考察しました。
その正体は、
・ATACS(次世代列車制御システム)準備工事台座
・GNSS(衛星測位システム)準備工事台座
ATACSといえば、相鉄の直通先である埼京線で使用されている保安装置。つまり、たとえ線内専用車とされていても、将来的に直通できるような設計になっています。
まさに、隠し仕様を備えているというわけです。
まるで、「いまは線内専用。でも未来はわからない」とでも言いたげ。
このあたりの含みが、相鉄らしいといえば相鉄らしいですね。
10両化の布石?
| <海老名 | > | < | 欠番 | 欠番 | 横浜-> | ||||
| 13001 | 13901 | 13801 | 13701 | 13601 | 13501 | 13401 | 13301 | 13201 | 13101 |
さて、今回の目玉とも言えるのがこの話題。
「13000系は、最初から10両化を見据えて設計されているのではないか?」という点です。
今回出場した13101Fの車番構成を見ると、8両編成にもかかわらず「13201」「13301」が欠番となっています。
この時点でピンと来た方も多いでしょう。つまり、車番体系自体が10両を想定して設計されているのです。
将来的に2両を中間に挿入して10両化することを、最初から視野に入れている可能性が高いといえます。
つまり「いまは8両、しかし構造的には10両に対応できる」。
これは、将来柔軟に編成両数を組み替える前提の設計と言えるでしょう。
将来的に10両・ATACS搭載?

さらにちょっと真偽の程は不明ですが、既存の直通用12000系では、
「埼京線側で今後予定されているワンマン運転への機器追加(運転台モニター設置など)が構造的に困難」との噂があります。
ここまで10両・JR直通を前提に設計されていると、もしかしたら10両固定かつATACSを搭載し、JR直通として運用される編成も登場する可能性もあります。
クラッシャブルゾーンがないため、E233系7000番台や71-000形とドア位置が異なってしまいますが、ホームドアで考えると「大開口ホームドア」を導入すればいいので、JR直通はそこまで難易度は高くはありません。しかし、相鉄車の定期運用がない板橋以北の全ての駅で大開口を設置する手間が生じるのでちょっと大変ですかね。
相鉄の車両計画を見ると、8000系・9000系の更新を2030年ごろまで継続する見通しが立てられています。
13000系はまず8両で投入し、線内で使う編成は8両のまま、12000系を代替する編成は10両、ATACSを装備した形態というふうに、さまざまな形態ができるのかもしれませんね。
まとめ

ここまで伏線がはられている新形式もなかなか少ないですね。
今後の編成がどのような動きになっていくのか、相鉄13000系の動きを今後も注視していきたいですね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
資料提供
今回の記事を執筆するにあたり、す か っ し ゅ様(@Chiyoda_EXP)から画像を提供いただきました。
ありがとうございました。

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コメント ご意見やご感想等お気軽にどうぞ。
こんにちは。
直通の件ですが、私は直通はさせないと考えます。なぜなら、記事の通り池袋以北でも大開口ドアが必要になるからです。
流石に年に数回あるかないかの川越行きのために全駅で大開口ドアを整備するのは現実的ではありませんし、13000を池袋以北出禁としても、12000と仕様が違うのでJR側からしたらめっぽう扱いにくい車両になるでしょう。
相鉄としてもそれなら12000を増備するはずです。
ATACSについては、後に相鉄線内でも使用することを見越した準備工事、あるいは12000と屋根回りなどの仕様を共通化させてあるだけで使うつもりはないなどが考えられます。ただどちらも可能性は低そうなので、本当にJR直通か?とも思ってしまいます。
記事内の10両化の件は、置き換え先に10両がいることからも確実に実施(あるいは10連を別で作る)されるでしょう。
また記事内の編成表ですが、横浜と海老名が逆になっています。正しくは海老名方がクハ13001のようです。
運行開始は来春だそう。楽しみですね。