(サムネ: By EmperorOfNYC – Own work, CC BY 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=169437326 )
こんばんは、あさまです。
だんだん蒸し暑くなってきました。梅雨も相まって湿度が高く、夏バテ気味ですが皆さんいかがお過ごしでしょうか。
本当は速報的に出したかったところですが、2025年3月、はるか昔のことのように感じますが、僕が解説記事を書いているニューヨーク市地下鉄のとある路線に新型車両が導入されていました。
早速ですが皆さん、ニューヨーク市地下鉄徹底解説シリーズの中で「一番異彩を放つ路線」と紹介した路線を覚えているでしょうか。
そう、答えは
G系統
です。
その時の記事では、「多分唯一マンハッタンに乗り入れません」と紹介しました。
見ていない方はニューヨーク市地下鉄徹底解説シリーズ第五部をぜひご覧ください!(しれっと宣伝)
そして導入された新型車両ですが、同シリーズにも複数回登場している、川崎車両製のR211になっています。
記事を投稿した2025年07月18日時点で、A系統、C系統、G系統、Rockaway ParkのS系統(シャトル)、Staten Island Railwayの五路線で運用されています。
ちなみにStaten Island Railway(以下、SIR)はマンハッタン島から船ですぐの場所にあるスタテン島、スタテンアイランドに存在する、MTAの子会社的な組織が運営する鉄道会社です。
前置きが長くなってしまいましたが、今回は(実際に乗りに行けないのが少し残念ですが、)G系統のR211に関する具体的な情報、何がどう変わったのかなどを解説していきたいと思います。
ということで今回もよろしくお願いします。
三つある「R211」
どこかで解説したような気がしますが、この機会に書いてみます。
R211はR211でも、細かな仕様の差異を見るとR211A、R211S、R211Tの三種類に分けることができるのです。
R211Aはデフォルト的な、他の二種類のベースとなっているものです。
R211SはSIR向けにカスタマイズされた専用の車両で、どうも内部的な装置とかが少し違うらしいです。
R211TはMTAとしては初となる車両間の貫通幌が設けられた車両です。
なお余談ですが、R211Tの貫通幌のタイプは二種類存在します。

By MTAPhotos – https://www.flickr.com/photos/61135621@N03/52667505745/, CC BY 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=128387323
この画像にあるタイプの幌は「hard shell」と呼ばれており、比較的頑丈そうに感じます。

By Ac530 – Own work, CC BY 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=164986165
一方でこの画像の幌は「soft shell」と呼ばれ、いわゆる「じゃばら」のようになっています。
日本の鉄道では後者を比較的よくみる印象ですが、MTAは試作車にこれら二つのタイプの幌を二つずつ組み込みました(五両編成なので幌が四つある)が、最終的にこの後のオプション契約による新車の追加納入では、前者の「hard shell」タイプの幌が採用となったようです。
というわけで余談と言いつつ長くなりましたが、R211Aにはない貫通幌が、R211Tには存在します。
自分が今いるのはSIRかそれ以外か、貫通幌があるかないかでおそらく判断できます。
ぜひご参考までに。
G系統にやってきた新時代
さてさて、今回そんなR211が導入されたのはG系統です。2月に出したG系統の解説記事ではJamaica YardのR160を使用していると記述しました。G系統にはR211AもR211Tも両方数編成ずつ導入され、現在では大半の列車が同車両による運用となっているそうです。

By Metropolitan Transportation Authority – https://www.flickr.com/photos/mtaphotos/54365151706/, CC BY 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=161220698
こちらがR211TのG系統運用開始時の写真です。写真を見るに3月4日から運用開始のようです。
YouTubeなどでも検索をかけてみましたが、やはり海外にも一定数マニアの方がいるようで、かなりいろいろな動画が出てきました。
そんなR211Tですが、2024年2月1日からC系統で運用していました。というのも、当時のMTA的には、営業運転試験で何か問題が発生したときに迅速な対応ができるよう、各駅停車の路線で一駅当たりの所要時間が四分以下の路線でR211Tを走らせたかったそうで、これらの条件に合致したのはC系統とR系統しかなかったので、C系統で運用を開始したという経緯があるそうです。
R211は川崎車両の製造によるものですが、かなり膨大な規模の基本契約に加えていくつかの追加契約があるそうで、おそらくまだまだ車両数は増えていくと思われます。
G系統の車両はConey Island Yardの所属になっていますが、同車両基地ではB系統などの車両も所属しているようなので、準備が整い次第少しずつ勢力を拡大していくんじゃないかなと思っています。
余談。
散々解説しましたがいいんです、
とりあえずR211に乗りたいんだ!!!!!
と思われた方いらっしゃるのではないでしょうか。
日本では鉄道車両の運用が有志によって数多く調査されていますが、MTAは日本とは事情が異なります。
色々考えましたが、定時性の高い日本の鉄道だからこそ運用という概念がうまくシステムにできるんじゃね?と。
海外の鉄道のほうが日本よりは全然遅れやすいですし、そもそも時刻表というものはあまりありません。
内部的に決まっていても、それを調査するのはかなり難しい、だからネットで調べてもなかなか出てこないんじゃないか。そう思いました。
NYを二年前訪れた際に再会した現地の友人とのR211に関するやり取りをここで共有してみたいと思います。

せっかくNY来たからR211に乗ってみたいんだよね。
どの路線で乗れるんだっけ?

運用されている路線は基本的に決まっているよ。
今ならA系統で見れるよ。

具体的にいつどこの駅に行けば見れるのかな。

うーんと、結論から言うと、
具体的にR211がいつ来るかを知る術はほぼないんだよね。
日本みたいに全部決まってフォーメーション的に動いているわけではないだろうから。

あーそうなんだ。
ちなみにSNSとかで目撃は上がるのかな?

それなりにファンはいるから、Xとか見ればもしかしたら上がってるかもね。
あとは増備を待てばだんだん見れる機会が増えるんじゃないかな。
このようなやり取りをしました。要約すると、
とのことでした。
これを聞いた当時、R211はA系統でしか運用がされておらず、車両数も今ほど多くはありませんでした。
二年経って、現在ではかなり車両の数も、運用される路線の数も少なからず増えています。
そこで僕は、R211に乗りたかったらG系統に行ってみることをお勧めします。
なぜなら、記事投稿の2025年07月18日時点で、G系統は主にR211A/R211Tで運行される、との記述がWikipediaにありました(クレジットは最後)。
A系統は運行範囲も広く、使用される車両の編成数も多いため、確率が下がりますが、どことも直通しない、ただ行ったり来たりのG系統であれば、比較的出会える確率が上がると考えました。
なお、来る来ないの保証は一切しませんのでご了承ください。
以上。
今回の記事は以上となります!
番外編的に、G系統に導入された新型車両R211に関して軽く解説しました。
R211を見たい、R211に乗りたいという方、ぜひ現地で参考にしていただけますと幸いです。
またNY地下鉄徹底解説の最後、第九部は現在執筆中です。こうご期待ください!
【注意】
現地で何か事件などに巻き込まれてしまったとしても、
筆者の僕や本サイトでは一切責任を取りません。
行かれる場合は自己責任で、
お気をつけて行ってらっしゃいませ。
なお、この記事の内容はあくまで一鉄道ファンとしての予測や考察にすぎません。
(将来的に)誤った内容である可能性などもあります。
正確性の保証や、閲覧による不利益等については責任を負いかねます。
ということで、今回の記事はここまでとなります。お読みいただきありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう!!
本記事の記述にあたって参考にさせていただいたサイト様
Wikipedia様
ニューヨーク州やニューヨーク市地下鉄について調査をしている中で参考にさせていただきました。
この記事は、<a href=”https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/“>クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 4.0 国際 パブリック・ライセンス</a>のもとで公表されたウィキペディアの項目<a href=”https://en.m.wikipedia.org/wiki/G_(New_York_City_Subway_service)“>「G (New York City Subway service)」</a>を素材として二次利用しています。
この記事は、<a href=”https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/“>クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 4.0 国際 パブリック・ライセンス</a>のもとで公表されたウィキペディアの項目<a href=”https://en.wikipedia.org/wiki/R211_(New_York_City_Subway_car)“>「R211 (New York City Subway car)」</a>を素材として二次利用しています。
この記事は、<a href=”https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/“>クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 4.0 国際 パブリック・ライセンス</a>のもとで公表されたウィキペディアの項目<a href=”https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_New_York_City_Subway_yards“>「V (New York City Subway service)」</a>を素材として二次利用しています。
この記事は、<a href=”https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/“>クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 4.0 国際 パブリック・ライセンス</a>のもとで公表されたウィキペディアの項目<a href=”https://en.wikipedia.org/wiki/T_(New_York_City_Subway_service)“>「List of New York City Subway yards」</a>を素材として二次利用しています。

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鉄オタ歴約10年のあさまです!
「短く簡単に」をコンセプトに、 Youtubeでは鉄道に関する動画を投稿しています。
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