
どうも、ニコイチだいすき中沢です。
京成グループのトップに位置し、都営線や京急線、北総公団線と直通運転を行う「京成電鉄」そして”日本一短い鉄道”とも呼ばれる、京成東成田線にくっついた「芝山鉄道」…それらの車両たちを形式別にわかりやすく紹介していく「京成芝鉄車両図鑑」。
前回は「京成3200形」についてお送りしました。
今回は”2種類の顔”を持つ「京成3700形」についてお送りします…
3700形の特徴

3700形は、成田空港ターミナル直下への乗り入れ開始と北総・公団線への直通開始を機にデビューした車両です。「赤電」と呼ばれる昔の電車や子会社に貸し出された京急1000形(初代)の置き換えを目的として、計17編成が活躍していました。(何故過去形なのかは後述)
前面(共通事項)

貫通扉の部分に種別幕を配置する京成特有の前面デザインが採用されています。腰部には京成カラーの赤と青の帯を配し、赤帯の右側には金属製の車両番号が取り付けられています。また、上部には行先表示機と運行番号表示機を装備しており、運行番号末尾のアルファベットは京成のKが割り振られています。
灯具周りは編成により大幅に異なるため、後述します。
側面

側面にはステンレス車両特有のスジがあり、前面と同じく京成カラーの帯が引かれています。


また、車番プレートと(一部編成を除き)Keiseiプレートがついています。

側面にも行先表示機を装備。3000形と同じものかと思われます。
機器類

制御装置は東洋電機製GTO-VVVFで、補助電源装置としてGTO素子を使用したDC-DCコンバーターが採用されています。これは北総7300形、7800形や千葉ニュータウン鉄道9800形にも同じものが搭載されています。
車内

車内はこんなかんじ、全車ロングシートです。

なお、全てのドアの上には車内案内表示装置(LCD)が設置されています。

北総7300形、7800形、千葉ニュータウン鉄道9100形、9800形と同じもの(いわゆる”パッとビジョン”)がついています。

なお、たまにこのような表示を出すことがあります。

車両番号プレートは光沢があり、リブレ京成の禁煙プレートも取り付けられています。

運転台はこのようになっています。
同形式なのに違う顔立ち!?通称「3800形」
さて、灯具周りの解説を後に回したのはこの見出しの通りでございまして…なんと3700形には2種類の顔が存在しています。

まず、こちらが3700形。上のライトが急行灯、下のライトが前照灯と尾灯です。

そしてこちらが通称「3800形」と呼ばれる顔立ちの車両。前照灯は上に配置され、急行灯と尾灯がイコールの形になって下に配置されています。
この「3800形」は17編成(要審議)のうち5編成のみ存在しており、大変レアであるといえるでしょう。
どちらかというと3000形みたい

さて、こちらは後輩の3000形。先程の「3800形」と見比べると、ライトの形がそっくりなことがわかるかと思われます。
恐らく「3800形」のライトがこの3000形に活かされたか、もしくは3000形を作ることを見越して3700形の後期車両に同形状のライトをお試しで取り付けたのかのどちらかだと推測でき、この「3800形」はただの3700形とはいえないものとなっています。
車番38XXの「3700形」も存在
さて、「3800形」ではない”車番38XX”の3700形も存在しています。それが3808編成と3818編成です。

なお、3808編成は現在北総鉄道に貸し出されているため京成として見られるのは3818編成のみ。見かけたら要チェックです!
ニコイチ編成「3788編成」
さて、先程から3700形は17編成「だった」とほのめかしていましたが…その理由がこちら。

こちらなんと「3788」を冠した先頭車は本来の3788号車ではございません。この編成は3788編成の1〜6号車と3748編成の7〜8号車をくっつけた、いわゆる「ニコイチ」編成なのです!
3788編成と3748編成はそれぞれ別時期に脱線事故で故障しており、無事な部分をドッキングして無理やり1編成にしたのがこの「ニコイチ」…”2代目3788編成”なのです。
ちなみに2次車の3748編成と3次車の3788編成をくっつけているため、7号車と6号車を境に窓の色が違ったりします。ニコイチ編成を見つけたら是非チェックしてみてくださいね!
どこで見ることができるの?

3700形は主に京成線の優等種別や直通運用などで活躍しており、京急線、都営線、北総線、芝山鉄道など様々な社局で見ることができます。また、2本のみ存在する六両編成の車両は主に普通列車として本線や千葉線、千原線などで見ることができます。
そして、北総鉄道や千葉ニュータウン鉄道に貸し出されている編成も存在し、そちらは北総線の運用として活躍しています。
結論
2種類の顔を持つ面白い車両、3700形。見かけたらぜひ乗ってみてください!
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京成3700形リニューアルして、ドアは福岡市営地下鉄4000系と同じ複層ガラスのPAIRGLASS VUTEQ-T SR16 T4T4 AGC 1248に交換する。後アクセス特急にも運用する。