
ご無沙汰しています。最近雨が多くて萎えてるふぺです。
皆さんは鹿児島本線の普通列車と聞かれたら何を思い浮かべますか?やはり主力の赤い813系や白い817系を思い浮かべる方がほとんどでしょう。しかし鹿児島本線にはもう一形式、主力がいることを忘れてはいけません。鹿児島本線の”もうひとつの主力形式”、811系について見ていこうと思います。
※読了時間が1時間を超えています。隙間時間などでのんびり読み進めて頂けると幸いです。また記載漏れ等があった場合コメントで教えて頂けると大変助かります。
- 811系とは
- 811系0番代
- 811系100番代
- 811系リニューアル 〜Commuter Train 811〜
- 811系1500番代
- 811系2000番代
- 811系2100番代
- 811系検測装置搭載改造車 -RED EYE-
- ラッピング車シリーズ -スペースワールド号‐
- ラッピング車シリーズ -三井グリーンランド号-
- ラッピング車両シリーズ -門司港レトロ号-
- ラッピング車シリーズ -日立物流ラッピングトレイン-
- ラッピング車シリーズ -ほかに何がある?-
- 811系幻の運用① 快速よかトピア
- 811系幻の運用② 急行ひのくに
- 811系幻の運用③ ふるさとライナー
- 811系幻の運用⑤ ホリデー長崎・ホリデー佐賀
- 811系幻の運用⑥ 旅博ふくおか・旅博くまもと
- 811系幻の運用⑦ 有田陶器市号 ー指定席ー
- 811系幻の運用⑧ 九州新幹線試乗会
- 811系幻の運用⑨ リニューアル準快速
- 811系幻(?)の運用⑩ 821系併結
- 811系未更新 あとどれだけ?
- あとがき
811系とは
811系とはJR九州の交流近郊型電車で、九州地区で走っていた421系の置き換え、快速列車の増発、そして1989年夏に開催されたアジア太平洋博覧会「よかトピア」開催に合わせデビューしました。またアジア太平洋博覧会では前々回の記事で紹介しました「福岡ボート前」駅も811系デビューと同時期に設置されています。(以下URL)
【半世紀の輝き】博多臨港線の歴史を眺める https://freedomtrain.jp/fuppe_fukuoka_/26326/
1989年に登場した形式は811系以外にもJR西日本の221系やJR東海の311系があり、以下形式の導入理由が快速列車の増発、とあるところから当時のJRの高速化に対する熱意が伺えます。

811系はステンレス車体の3扉車、そして421系(4連)の置き換え目的だったため4両編成で登場しましたが813系とそれ以降の形式は全て2両か3両で落成されています。

編成記号はPM、Mから分かる通り南福岡車両区(本ミフ)に配属。車体は無塗装ですが帯は赤色と青色を交互に配したデザインにして前面を普通鋼及びFRP製で白色に塗装、貫通扉も設置されましたが幌は設置されておらず編成間の通り抜けは出来ない仕様になっています。

また車内は快速列車以外にも臨時急行などで使えるよう転換クロスシートを採用。青と紫(現在は紫と黒)のモケットで頭当ては独立した形となっています。また各座席には座席番号表示器を設置、乗務員室にはオルゴールチャイムを搭載するなど急行列車や指定席として使うには十分な仕様となっています。また窓の配置は415系1500番代と統一、そのため窓と座席の配置は揃っていません。

811系はクモハ810、モハ811にモーターを設置、クモハ810に和式トイレを設置しています(※0番代のみ)。また制御装置はサイリスタ位相制御を採用、パンタグラフは菱形パンタグラフを設置、また台車にはヨーダンパを設置して乗り心地の良さを高めています。また消費電力は415系に比べ30%ほど減っているほか、常時の救援用として全段読替式のブレーキ読替装置及びジャンパ連結器を搭載し421系・423系・415系・783系などの車両と併結し相互に制動及び力行が可能になっています。
ちなみに811系は新製時に鉄道唱歌を搭載していましたが1989年の運用開始時には既に撤去されたほか1995年からクモハ810の喫煙マークが撤去され全車禁煙化、また813系と同様にJR九州お馴染みの五打点オルゴールも搭載していましたが2005年から2007年より順次撤去されたほか同時に車外スピーカーの設置、つり革をドア間の座席部分にも増設、さらに2008年より排障器が乗務員室昇降ステップ組込み大型に交換、一部の編成の窓を車端部から一箇所おきに固定式に改造されたほか、10年後の2018年より側面の号車札が撤去されています。

そんな811系はNEW RAPID TRAIN 811の愛称が付けられ近畿車輛、日立製作所、小倉工場の3つで製造、そうして1989年から1993年の5年にかけて南福岡車両区に28編成112両が配置されました。※リニューアルは後述
811系の走行区間は以下の通りです。
鹿児島本線 門司港〜小倉〜博多〜鳥栖〜久留米〜大牟田〜荒尾
長崎本線 鳥栖〜佐賀〜江北〜肥前浜
佐世保線 江北〜武雄温泉〜早岐
日豊本線 小倉〜行橋〜中津
定期の範囲は以下の通りで、臨時列車(有田陶器市号)等では八代、佐世保、佐伯にも入線実績があります。
811系0番代
では811系の番代区分について見ていきましょう。まずは0番代です。
1989年にPM1〜4編成、1990年にPM5〜PM15編成、1991年にPM16編成、1992年にPM17編成が落成。このうちPM1、2、3、5、6、7、11、15、16、17編成が近畿車輛、PM5、8、9編成が日立製作所、PM10、12、13、14編成が小倉工場で製造されました。

0番代の編成表はこんな感じ。基本的に前述の編成表と同じで荒尾方よりクモハ810、モハ811、サハ811、クハ810の順で構成されています。

このうちPM8編成とPM10編成(2013/2〜)がエラー帯となっており、PM10編成は本来赤+青になるべきの帯がサハ811-10の荒尾方車端部だけ赤となっているほか、PM8編成はクハ810-8の帯の色は合っているものの荒尾方車端部の帯が斜めになっています。
またPM11編成はスペースワールドラッピングで落成。座席がパイロットシートに似せた背もたれの高いダークブルーになっているほか、側窓窓ガラスは着色ガラスを使用し座席端の仕切りはステンレス仕上げており蛍光灯はカバー付き、荷棚の化粧カバーは青色、壁に小型の壁灯を設置、車内にスペースワールドのテーマソングなどを流すテープ再生器を備えているなど他の811系とは大きく違う仕様となっていました。
このほかにPM2編成が2002年の鹿児島本線列車衝突事故により電動車が大破し廃車されています。なおこれが811系唯一の廃車となっており、元PM2編成のクハ810-2は門司港駅近くの九州鉄道記念館にて運転シュミレーターに転用されています。
また後述のリニューアル工事ではPM15編成のみリニューアル工事を飛ばされており、現在未更新車で唯一転落防止幌を取り付けている編成になっているほか、PM5編成のクハ810-5の尾灯の片方がクリアテールになっています。
811系100番代
次に100番代です。こちらは1992年にPM101〜109編成、1993年にPM110〜111編成が落成。このうちPM101からPM106、PM110編成が近畿車輛、PM107からPM109、PM111編成が小倉工場にて製造されました。

100番代では0番代(PM17編成除く)と違い扉寄りの座席を固定式に変更(223系と同じ感じ)。また座席の厚みが薄くなったり吊り革も増えるなどしています。ただそれ以外は0番代とほぼ同一なため編成表上では定員が微妙に変化している以外に違いはありません。
またこの100番代にはサハ811-200番代がPM105、PM106編成に連結されています。この車両は臨時列車や急行列車での使用を想定して車端部にトイレを設置、これにより前述の2編成は1編成にトイレが2つあるという異色の編成となっているのです。
またPM111編成が2023年2月20日にリニューアル工事を施工されず小倉工場を出場した際に前述のPM15編成と同様に転落防止幌が取り付けられていることが確認されましたがPM15編成は2025年1月19日にリニューアル工事を受けて出場したため未更新×転落防止幌の形態はPM15編成が唯一となっています。
811系リニューアル 〜Commuter Train 811〜
こんな感じの811系ですがデビューして既に30年が経過したことを受け、小倉工場にてリニューアルを開始。

上記がリニューアル工事での施工内容です。
まず制御装置をサイリスタ位相制御から日立IGBT(SiC)-VVVFに更新。また主電動機も直流電動機から誘導電動機に変更。集電装置も菱形パンタグラフからシングルアーム式パンタグラフ(PS401K)に、電気ブレーキも発電ブレーキから回生ブレーキに、車内照明も蛍光灯からLEDに更新され、811系未更新車に比べ消費電力を3割削減、415系と比べると49%削減と省電力化が進みました。

また車内・車外デザインも変更。水戸岡鋭治氏がデザインを担当し、Old is New ~伝統と革新の電車~をコンセプトに赤+青だった帯を青色に統一、そして帯の中に白文字で「Commuter Train 811」と表記。

また前面貫通扉と車体側面にはCTロゴを取り付け前面に貼ってあったNEW RAPID TRAIN 811のロゴもCommuter Train 811に変更。排障器も濃いグレーに変更。

行先表示器も幕からフルカラーLEDに換装。快速列車は青色、区間快速はオレンジ色、普通列車は白色で表示されます。

また座席も転換クロスシートからロングシートに交換。モケットは博多織や小倉織などのような九州の伝統的な織物をイメージした柄の青色に変更(優先席のみ赤色)。他に車両間に転落防止幌の設置、運転台に単色モニター、「次は停車」ランプの設置、スモークガラスへの変更、LEDスクロール式案内表示器の設置、ドアチャイム・開閉ランプの設置、車椅子スペースの設置…などなどの改造を施しています。
リニューアル工事はまず2016年7月にPM4編成が小倉工場に入場、以下の改造を施し1500番代化、PM1504編成として翌年3月31日に仮出場。南福岡〜肥前浜で何回か試運転を行ったのち再度小倉工場に入場し4月15日に本出場、27日に営業運転を開始しました。
811系1500番代

では先述のリニューアル改造にて増えた形態を見ていきましょう。まずは1500番代です。1500番代に該当するのはPM1504編成(元PM4編成)、PM1511編成(元PM11編成)、PM1512編成(元PM12編成)が該当します。
PM1504編成は2017年4月15日に出場、PM1511編成は2017年11月2日に出場、 PM1512編成は2018年3月15日に出場しました。

この編成らは比較的初期にリニューアルしたグループで2017年度に3編成出場しています。1500番代には先述の改造を施されていますが PM1504、 PM1511編成は運転席の塗装変更が行われておらず、従来の茶色となっています。また車椅子スペースはクハ810の車端部トイレ横のみに設置されているほか、前照灯はLEDではなく従来のシールドビーム、吊り革も2000・2100番代より短いものになっています。またPM1504編成のみ非常用ドアコックの上にJR九州アプリの広告が貼られているほか、PM1504編成、PM1511編成はリニューアル時に側面号車札が残っていました。
811系2000番代

次に2000番代です。こちらは最もリニューアル改造を受けた編成の数が多い番代でPM2003編成(元PM3編成)、PM2007編成(元PM7編成)、PM2009編成(元PM9編成)、PM2010編成(元PM10編成)わPM2013編成(元PM13編成)、PM2014編成(元PM14編成)、PM2016編成(元PM16編成)、PM2017編成(元PM17編成)が該当します。
PM2003編成は2023年1月4日に出場、PM2007編成は2025年3月31日に出場、PM2009編成が2020年12月18日に出場、PM2010編成は2021年3月29日に出場、PM2013編成は2019年8月8日に出場、PM2014編成は2020年2月25日に出場、PM2016編成は2023年6月30日に出場、PM2017編成は2020年9月29日に出場しました。

こちらの2000番代は2019年より登場した元0番代をリニューアルしたグループになります。この2000番代は前述の1500番代と違い運転席が紺色に塗装変更されているほか、クハ810にしかなかった車椅子スペースを全車両の車端部に設置しています。またPM2007編成から車両連結部の扉のドアノブが福岡市地下鉄4000系と同じものに交換されています。

また外観上でも若干違いがあり、1500番代では従来と同じシールドビームの前照灯が2000・2100番代ではLEDに交換されています。
811系2100番代

次に2100番代です。こちらは100番代をリニューアル改造した編成で、PM2101編成(元PM101編成)、PM2102編成(元PM102編成)、PM2106編成(元PM106編成)、PM2107編成(元PM107編成)、PM2108編成(元PM108編成)、PM2110編成(元PM110編成)、PM2111編成(元PM111編成)が該当します。
PM2101編成は2023年3月22日に出場、PM2102編成は2023年9月30日に出場、PM2106編成は2024年10月9日に出場、PM2107編成は2023年12月28日に出場、PM2108編成は2022年5月9日に出場、PM2110編成は2024年7月16日に出場、PM2111編成は2025年1月29日に出場しました。

2100番代も2000番代と同様に全車両の車端部に車椅子スペースを設置、前照灯もLEDに交換されているほか100番代は0番代と違いドア付近の座席が固定化されている等の違いがありましたがリニューアルによって座席が全て交換されたため違いは殆どなくなっています。また元PM106編成であるPM2106編成にはサハ811-200番代が組み込まれていましたがリニューアルの際に業務用室に転用。現在入ることはできなくなっています。ほかにPM2110編成のクモハ810-2110の尾灯がPM5編成と同様に片方だけクリアテールとなっており、PM2111編成以降に出場した編成(25/1/29〜)は非常用ドアコック表記が新しくなっています。
811系検測装置搭載改造車 -RED EYE-

リニューアルされた811系のうち、2編成だけ検測装置を搭載した PM7609編成(元PM109編成)とPM8105編成(元PM105編成)が登場しました。なおPM7609編成は2018年10月14日に出場、PM8105編成は2019年3月に出場しました。この検測装置を搭載した811系は「RED EYE」と名付けられ検測で鹿児島本線、長崎本線、佐世保線、日豊本線以外にも福北ゆたか線、豊肥本線(※熊本〜肥後大津)、大村線(※早岐〜ハウステンボス)などに顔を出すことが多々あります。
なおリニューアル当時はREDEYEを名乗っておらず、他の811系リニューアル車と同じCommuter Trainのみのラッピングとなっており、リニューアルの約1,2年後の2020年3月26日にPM8105編成がREDEYE化、翌日3月27日にPM7609編成がREDEYE化しました。

まずPM7609編成について解説します。PM7609編成には先頭車前方に鉄道総合技術研究所が開発した線路周辺画像解析エンジンを採用してNECグループが開発した線路の状態を判定する列車巡視支援システムを搭載。
….以外は基本的に1500番代と変わらないためクモハ810-7609とクハ810-7609以外の2両はモハ811-1609とサハ811-1609と1500番代(+100)の車番となっています。また1500番代と同様前照灯はLEDではなくシールドビームのままですが運転席は紺色に塗装変更されています。またモハ811-1609とサハ711-1609は唯一車椅子スペースなしのリニューアル車でつり革の高さが揃ってる車両となっています。

次に PM8105編成について解説します。PM8105編成には両先頭車にPM7609編成と同じ列車巡視支援システムを搭載しているほか、前述のサハ811-200番代ことサハ811-8201のトイレスペースを活用し機器室に流用、日立製作所と日立ハイテクファインシステムズが開発協力し国内初の車上4Kカメラを設置した電車線路モニタリング装置を搭載しています。
またこのPM8105編成はPM7609編成と違い2100番代をベースにリニューアルされているため、モハの車番はモハ811-2105となっています。なおこちらも前照灯のLED化は受けておらずシールドビームのまま、運転席は紺色に塗装変更されています。
ラッピング車シリーズ -スペースワールド号‐

まず紹介するのはスペースワールド号。1990年のスペースワールドのPRを目的にPM11編成を特別仕様にして落成しました。初代の車体には水色の帯が全体にわたって配されていましたが1996年秋にリニューアル、側面はロゴの代わりにスペースワールドのマスコットキャラクターなどのステッカーが貼付され前頭部は白色から赤色に変更、座席モケットも張り替えられました。またNEW RAPID TRAIN811のロゴは白字で貫通扉に張られました。

この PM11編成ことスペースワールド号は快速スペースワールドに優先的に投入されましたが快速スペースワールドの廃止により他の811系と共通運用に、そして2009年に標準色になりましたが車内は特別仕様のままでした。しかしPM11編成が PM1511編成としてリニューアルされるとスペースワールド号の面影はほぼ消え、当時の面影を残すのは運転席の床のみとなっています。
ラッピング車シリーズ -三井グリーンランド号-

次に紹介するのは三井グリーンランド号。こちらはスペースワールド号登場から5年後である1995年に三井グリーンランド(熊本県荒尾市)のPRを目的にPM8編成、PM9編成の車体全体に緑色の帯が配され、三井グリーンランドのステッカーが貼られました。なおスペースワールド号と違い内装は変更されていないほか、排障器の色は両編成ともラッピング時に緑色に変更されているものの排障器を前述の強化型に交換した際にPM9編成のみ灰色になりました。のちにPM8編成も排障器が強化型に交換されましたがこちらは緑色のままでした。

この三井グリーンランド号は快速三井グリーンランド号に優先的に投入されましたが快速三井グリーンランド号が廃止されるとスペースワールド号と同様に他の811系と共通運用に、そして2007年に三井グリーンランドが「グリーンランド」に名称変更されると広告、ラッピングを解除。側面のNEW RAPID TRAIN 811のロゴとPM9編成のみ先頭車前面下部の緑色の帯がそのまま残っていましたが2009年に完全に元の原色に戻されました。
ラッピング車両シリーズ -門司港レトロ号-

次に紹介するのは門司港レトロ号。門司港駅近くにある九州鉄道記念館の開館5周年を記念し主に九州鉄道記念館をはじめとする門司港レトロ地区の建物のイラストが描かれていました。ラッピング車両はPM8編成で2008年3月29日より運行されていましたが運用はほかの811系と共通でした。そしてその5年後である2013年8月には九州鉄道記念館の開館10周年を記念し九州鉄道記念館に展示されている列車や門司港レトロ地区の観光名所が描かれている仕様にリニューアル、記念セレモニーでは記念館横の電留線にて展示されました。
なお2015年12月の全般検査の際にラッピングは解除されました。
ラッピング車シリーズ -日立物流ラッピングトレイン-

次に紹介するのは日立物流ラッピングトレイン。2022年11月よりPM106編成にラッピングを施し、上からピンク・白・水色の順でドアを除く側面の窓下に貼られたほか、車内も広告が全て日立物流のものとなりました。
なお約4ヶ月後の2023年3月上旬でラッピングは解除されています。
ラッピング車シリーズ -ほかに何がある?-
811系ラッピングは上記のほかにも
1990年7月から11月までPM1編成(20CATS色)、1998年6月から1999年4月までPM10編成に、2014年4月頃にPM106編成にCATSラッピング
2001年6月9日から23日までPM10編成にBSどーも君ラッピング
2005年1月頃のPM105編成に、2011年1月頃のPM106編成にKitKatラッピング
2005年11月から2006年2月までPM4編成にNTT西日本(イチロー)ラッピング
2006年3月から2006年4月までPM1編成にのぞみ大増発ラッピング
同年3月28日から4月頃までPM10編成にドラえもんラッピング
同年4月から2007年までPM101編成に日本テレコム(ソフトバンク)ラッピング
2008年春頃にPM16編成に九州電力ラッピング
2014年7月から9月までPM11編成にポケモンラッピング
2015年10月頃にPM106編成にPontaラッピング
2018年2月頃にPM106編成にYou My Dreamラッピング
2019年3月10日から2019年6月13日までPM110編成にわたせせいぞうラッピング
が施されました。
811系幻の運用① 快速よかトピア

811系には「急行とよのくに」や前述の「快速スペースワールド」のように登場当初の短い間だけ存在した幻の運用が存在します。まず最初に紹介するのは快速よかトピア。
この列車は811系の初運用で、当時開催されていたアジア太平洋博覧会「よかトピア」に向かう人のために運行されていた臨時快速です。朝に荒尾、小倉から博多に向かう便と夜に博多から小倉、荒尾に向かう便がそれぞれ1日1往復運行されていました。なおこの臨時快速で811系が充当されたのは小倉方面の列車のみ。大牟田方面は旧型の715系での運行でした。
811系幻の運用② 急行ひのくに

次に紹介するのは急行ひのくに。この列車は小倉と熊本を結ぶ急行列車で当時走っていた特急有明を補完する目的で臨時で走っていました。またこの急行ひのくには2025年現在全列車が停車する折尾駅を通過、代わりに戸畑駅に停車していました。
811系幻の運用③ ふるさとライナー
次に紹介するのは急行ふるさとライナー。この列車はひのくにと同様臨時列車でお盆などに博多、小倉と長崎、大分、佐世保など各地を結んでいました。この運用は元々715系のものでしたが811系がデビューすると何本か充当されたようです。

最初に紹介するのは急行ふるさとライナー大分です。こちらの列車は繁忙期に当時の特急にちりんを補完する目的で小倉を起点に行橋、宇島、中津、柳ヶ浦、宇佐、杵築、別府、大分と停まっていました。
811系はこのふるさとライナー大分のほかにホリデー大分、とよのくに、臨時快速などで大分に顔を出していました。

次に紹介するのは急行ふるさとライナー長崎です。こちらは博多から鳥栖、佐賀、肥前山口(江北)、肥前鹿島、諫早、長崎と停まっていました。なお上り急行のみ諫早止まりだったようです。
811系幻の運用⑤ ホリデー長崎・ホリデー佐賀

次に紹介するのは急行ホリデー長崎、急行ホリデー佐賀です。こちらは先ほどのふるさとライナー長崎と運行範囲は変わりませんが浦上、三田川(吉野ヶ里公園)、二日市に停車するようになったほか佐賀止まりの便(ホリデー佐賀)も設定されました。
また1989年の年末に特急の混雑を救済するために1日1本佐賀→博多でライナー佐賀が3日間だけ運行されていました。
811系幻の運用⑥ 旅博ふくおか・旅博くまもと

次に紹介するのは急行旅博ふくおかです。この列車は前述のホリデー長崎、ホリデー佐賀と同時期に運行されていた列車でホリデー長崎と違い浦上は通過、また両方の便が長崎止まりだったのも特徴です。

次に紹介するのは急行旅博くまもとです。こちらは旅博ふくおかとは違い熊本を起点としており、鳥栖で進行方向を変えて長崎本線に入線していました。また当時の特急がどちらか通過していた大牟田、荒尾、長洲の3駅に全て停まるのも特徴です。
811系幻の運用⑦ 有田陶器市号 ー指定席ー

次に紹介するのは快速有田陶器市号。こちらの列車は佐賀県有田町で開催される有田陶器市に合わせ運行される臨時列車で毎年GWの時期に走ります。停車駅は博多、鳥栖、佐賀、肥前山口、武雄温泉、上有田、有田と特急並みの停車駅で博多と有田を結んでいました。
なお快速有田陶器市号は2025年現在でも運行されているのでここだけ見ると全然珍しく見えないのですが、811系が投入された当初一部指定席があったようなのです。811系快速有田陶器市号の指定席は811系が投入された当初のみと思われるのでかなり珍しかったと思われます。

そして今の有田陶器市号です。以前と違い新たに南福岡、大野城、二日市、原田、基山、新鳥栖、吉野ヶ里公園、神埼に停まるようになったほか有田から先早岐、佐世保にも行くようになりました(一部早岐・武雄温泉止まり)。

ちなみにこの快速有田陶器市号のほかに臨時で特急有田陶器市みどりが走ります。この列車の停車駅は鳥栖、新鳥栖、佐賀、江北、武雄温泉、上有田、有田、早岐、佐世保と前述の快速有田陶器市号の停車駅をほぼ踏襲していますね。
811系幻の運用⑧ 九州新幹線試乗会

次に紹介するのは九州新幹線試乗会の連絡列車。2004年の九州新幹線新八代〜西鹿児島(鹿児島中央)開業の直前に新幹線の試乗会が行われた際、熊本から新幹線始発駅の新八代までを結ぶために811系と813系を連結した連絡列車が運行されました。またこの列車には415系1500番代や三井グリーンランド号も充当されていたようです。
811系幻の運用⑨ リニューアル準快速

次に紹介するのはリニューアル車の準快速。準快速は今の区間快速にあたる列車で、2018年のダイヤ改正で区間快速に名称が変更されたのですがその前の2017年4月に PM1504編成、同年11月にPM1511編成が出場しておりこの約半年の短い間でしたが811系のリニューアル車が準快速の運用に入っていました。またこの表以外にも門司港行きの準快速や赤色表示の快速(快速区間表示)もあったようが準快速と同じタイミングで廃止、区間快速に変更されています。
811系幻(?)の運用⑩ 821系併結
2019年に九州地区で残っていた415系白電を置き換えるために新型車両821系がデビュー。821系のデビュー当時は下り5本、上り6本での運用でしたがこのうち下り全列車、上り5本はなんと811系との併結運用だったのです。

2019年の821系の運行開始時点では
快速が1往復(博多発荒木行き、荒尾発博多行き)
区間快速が1.5往復(博多発荒尾行き、荒木発海老津行き、小倉発久留米行き)
普通列車が2往復(荒木発小倉行き、小倉発二日市行き、二日市発博多行き、二日市発博多行き、海老津発鳥栖行き、鳥栖発小倉行き)
が設定されました。こんな感じで2019年製の新型と1989年製の車両がペアと組み本線を爆走する…そんなカオスな光景が繰り広げられていましたが翌年2020年のダイヤ改正で821系の併結相手が813系に変更されたため821系+811系の併結運用は消滅しました。
なお翌年の2021年10月後半から813系の座席撤去工事が開始され813系が大量離脱。この影響により一時期811系+821系の併結運転が復活したほか2023年12月26日の福間行き最終列車に821系+811系の併結列車が充当されました。
811系未更新 あとどれだけ?

2025年5月現在で811系のリニューアルは20/27が完了しており、未更新車はPM1編成、PM5編成、PM6編成、PM8編成、PM15編成、PM103編成、PM104編成の残り7編成となっています。リニューアル工事は2028年度までに全ての編成で施工される予定なのであと3年以内に未更新車は消滅すると言っていいでしょう。よ
現在PM6編成が2025年4月15日から小倉工場に入場、その後先日開催された小倉工場鉄道ランドツアーにてリニューアル工事施工中のPM6編成が発見されています。また811系が全てリニューアルを終えると鹿児島本線の非VVVF車は415系1500番代と787系、783系のみになります。
どんどん数を減らしていっている811系未更新車、記録はお早めに。
あとがき
いかがだったでしょうか?
811系、九州の中では番代区分がシンプルなものの各編成の個体差が非常に面白い形式になっていて執筆に苦労しましたがいい勉強になったと感じています笑。次回は813系についてまとめようかと思っていますがいかんせん番代区分が非常に多く、執筆にそこそこの時間がかかりそうですので気長にお待ちいただけると…汗
この記事を書いた人

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ふぺです
月1で九州メインの記事を上げていければと思ってますので何卒...
icon @Bashamichi_mm04 様
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