ニューヨーク市地下鉄徹底解説 第六部 N/Q/R/W系統

こんばんは、あさまです。

早くも今月が半分終わって追いついていけていませんが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
題して、

ニューヨーク市地下鉄徹底解説シリーズ

です。

今回の記事では、第六部として、N系統、Q系統、R系統、W系統の路線について解説をしていきます。
これらはラインカラーが黄色の路線たちになっています。

W系統なんかは最近復活を果たしたものになっているので、その辺の経緯も解説しようと思います。

ということで今回もよろしくお願いします。

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N系統

今回のトップバッター、N系統。
まずはお決まりの基本データからです。

路線名N
起点駅Astoria-Ditmars Boulevard
96th Street(ラッシュ時一部列車)
終点駅Coney Island-Stillwell Avenue
駅数28駅(平日)
32駅(週末)
45駅(深夜)
経由路線一覧IND Second Avenue Line
BMT 63rd Street Line
BMT Astoria Line
BMT Broadway Line
BMT Fourth Avenue Line
BMT Sea Beach Line
使用車両一覧Coney Island Yard所属 R42/R68/R68A

んで珍しくここでは地図を使用します。

By No machine-readable author provided. NE2 assumed (based on copyright claims). – No machine-readable source provided. Own work assumed (based on copyright claims)., Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2037865

N系統は基本的に赤い実線のところを走行しますが、点線の部分を走る列車は一部列車のみになっています。
上側の点線、「96th Street」って書いてあるところは、この後も解説しますがIND Second Avenue Lineという路線です。基本的にはその横に書いてある「Astoria-Ditmars Boulevard」が始発駅で、「96th Street」を始発駅とする列車はラッシュ時の一部のみとなっています。
そして96th Streetを始発として運転した路線は、57th Street-Seventh AvenueでBMT Broadway Lineに合流します。

一方で下側の点線、「96th Street」ではないところは、マンハッタン橋(英:Manhattan Bridge)です。マンハッタンとブルックリン・クイーンズの間(区の名前とかは本シリーズの第〇部をご覧ください!)に「イースト川」という川があるのですが、これらにはいくつもの橋・地下トンネルがあります。基本的には実線のところを走行しますが、深夜のごくごく一部の列車は点線の部分、マンハッタン橋を走行する経路で運転されるそうです。

(なぜ運行されているのだろう。)

ていうことで、いつもの運行形態の表になります。先ほど解説した地図の点線区間の運行形態は、表の見易さ向上のために記述していません。ご理解ください。

路線名起点駅終点駅使用線路ラッシュ時平日週末深夜
BMT Astoria LineAstoria-Ditmars BoulevardQueensboro Plaza緩行線大半の列車
BMT Broadway LineLexington Avenue/59th StreetTimes Square-42nd Street緩行線
57th Street-Seventh Avenue急行線運行なし
34th Street-Herald SquareCanal Street運行なし
緩行線運行なし
City HallWhitehall Street-South Ferry複線運行なし大半の列車
BMT Fourth Avenue LineCourt StreetJay Street-MetroTech複線運行なし
DeKalb Avenueトンネル一部列車運行なし
バイパス大半の列車運行なし
Atlantic Avenue-Barclays Center59th Street/ Fourth Avenue急行線
緩行線一部列車運行なし
BMT Sea Beach LineEighth AvenueConey Island-Stillwell Avenue緩行線

こんな感じになっています。ニューヨーク市内の割と広い範囲を走行しているので使ったことあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ちなみに今回解説しているN/Q/R/W系統は案内状「Broadway(日:ブロードウェイ)」という言葉を使います。
皆さんはブロードウェイをご存じでしょうか。

ブロードウェイには二つの意味があり、一つは道の名前、もう一つは世界的な劇場街の名前です。
タイムズスクエアの付近を中心に多くの劇場(ミュージカル)があることはかなり有名で、歌や踊りなど、様々なエンターテイメントを楽しむことができます。訪れる際のプランの参考にぜひどうぞ。

車両はR46、R68、R68Aが使用されており、Coney Island Yardという車両基地の所属です。

By GeneralPunger – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=91540845
これがR46です。A系統でも解説したように、現在新型車両「R211」に置き換えが進んでいます。N系統でR211が見れる日も近いでしょう。

By R38R40 – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=54316640
これがR68です。

By Mtattrain – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=70151462
これがR68Aです。果たしてR68と何が違うんでしょうね。

以上がN系統の解説でした。

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Q系統

お次はQ系統です。
この路線の詳細な説明は運行形態とかの後に書いているので、先に基本データと運行形態をまとめます。

路線名Q
起点駅96th Street
終点駅Coney Island-Stillwell Avenue
駅数29駅
34駅(深夜)
経由路線一覧IND Second Avenue Line
BMT 63rd Street Line
BMT Broadway Line
BMT Brighton Line
使用車両一覧Coney Island Yard所属 R46/R68/R68A

↑基本データ
↓運行形態

路線名起点駅終点駅使用線路時間帯
IND Second Avenue Line96th Street72nd Street複線
BMT 63rd Street LineLexington Avenue-63rd Street複線
BMT Broadway Line57th Street-Seventh AvenueCanal Street急行線深夜以外
緩行線深夜のみ
BMT Brighton LineDeKalb AvenueProspect Park複線
Parkside AvenueOcean Parkway緩行線
West Eighth Street-New York AquariumConey Island-Stillwell Avenue複線

Q系統は2017年のIND Second Avenue Lineの一部区間の開業に伴い、ルートの変更が行われています。
本来はBMT Astoria LineでN系統とともに走行していましたが、IND Second Avenue Lineの開業で同路線を走行する系統をQ系統として設定し、もともとのQ系統は「W系統」が復活(後述)するという変更でした。

IND Second Avenue Lineはその名の通り、Second Avenue(二番街)に地下鉄を敷設する計画で、調べたところによると2000年ごろにこの計画を実施することが決定していたそうです。
というのも、セントラルパークから東側には4/5/6系統しか地下鉄がなく、また同じ二番街を走行している「M15」というバス系統ではかなりの多くの利用があり、その混雑緩和等の観点からも、早急に地下鉄を整備するべきである、という声が(当時は)大きかったそうです。

そんなわけでMTAはこの地下鉄建設計画を大きく四つのフェーズに分け、建設を始めました。第一フェーズは2017年に開業しており、先ほども解説した96th Streetから72nd Streetの区間が開業しています。現在は第二フェーズ、96th Streetより北にある125th Streetまでの開業を目指して建設が進行中です。コロナ禍もあって少し進捗は遅れているようですが、開業が楽しみです。

車両はR46、R68、R68Aが使用されています。Coney Island Yardの所属なので、車両面は完全にN系統と共通した運用がされています。

ここまでQ系統の解説でした。

R系統

三番目はR系統の解説をします。

路線名R
起点駅Forest Hills–71st Avenue
Whitehall Street–South Ferry(深夜のみ)
96th Street(ラッシュ時の1往復のみ)
終点駅Bay Ridge–95th Street
駅数45駅
34駅(一部)
17駅(深夜のみ)
経由路線一覧IND Second Avenue Line
BMT 63rd Street Line
IND Queens Boulevard Line
BMT Broadway Line
BMT Fourth Avenue Line
使用車両一覧Jamaica Yard所属 R160

以上が基本データとなります。
そしてR系統ですが、これまたN系統と似ていて、午前中(ラッシュ時)の1往復だけIND Second Avenue Lineを走行する列車があります。その列車は57th Street–Seventh Avenue という駅でBMT Broadway Lineに合流し、ほかの列車とは例外的に同駅から49th Street まで急行線を走行するという運行形態をとっています。このような性質から、運行形態の表からは省略させていただきます。

路線名起点駅終点駅使用線路時間帯
深夜以外深夜
IND Queens Boulevard LineForest Hills–71st AvenueQueens Plaza緩行線
BMT Broadway LineLexington Avenue/59th Street49th Street緩行線
49th StreetCanal Street緩行線
City HallRector Street複線
Whitehall Street–South Ferry複線運行なし
BMT Fourth Avenue LineCourt StreetBay Ridge–95th Street緩行線

運行形態としてはこのような感じになっています。
N系統などとは異なり、マンハッタンを出るとその勢いでそのままクイーンズを東西に走っていく路線です。
深夜帯以外にあまり目立つ運行形態の変更は見られません。

車両はJamaica Yardという車両基地に所属するR160が使用されています。

By MTAEnthusiast10 – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=107400037

以上がR系統の解説でした。

W系統

今回の記事の最後はW系統の解説です!

路線名W
起点駅Astoria–Ditmars Boulevard
終点駅Whitehall Street–South Ferry
86th Street(一部)
駅数23駅
44駅(一部)
経由路線一覧BMT Astoria Line
BMT Broadway Line
BMT Fourth Avenue Line
BMT Sea Beach Line
使用車両一覧Coney Island Yard所属 R46/R68/R68A

以上が基本データとなります。
終点駅の86th Streetはブルックリンの駅で、マンハッタンのではないのでご注意ください。

路線名起点駅終点駅使用線路時間帯
BMT Astoria LineAstoria–Ditmars BlvdQueensboro Plaza緩行線
BMT Broadway LineLexington Avenue/59th StreetCanal Street緩行線
City HallWhitehall Street–South Ferry複線
BMT Fourth Avenue LineCourt StreetJay Street–MetroTech複線ラッシュ時の一部列車
DeKalb Avenue59th Street/Fourth Avenue緩行線
BMT Sea Beach LineEighth Avenue86th Street

運行形態としてはこのような感じです。

このW系統、財政難のため2010年に一度廃止された路線でしたが、数年の時が経った2016年、IND Second Avenue Lineの開通に伴い復活することとなったという面白い路線になっています。
このあたりはQ系統の部分でも解説しましたが、BMT Astoria LineにもともとN系統とQ系統が乗り入れていたのを変更し、Q系統をSecond Avenue Lineへ乗り入れるものへ、空いたもともとのQ系統の枠にW系統を復活させたという成り立ちです。

車両はN系統、Q系統と全く同じR46、R68、R68Aが使用されています。Coney Island Yardの所属で、同系統と共通した運用だそうです。

以上がW系統の解説でした!

以上。

今回の記事は以上となります!

個人的に二番街は思い入れが深い場所の一つですが、あの場所で地下鉄がさらに延伸されていくのかが楽しみな一方、W系統の成り立ちなどは初めて知ったことも多かったので面白かったです。

次回は第七部、シャトルというちょっと変わった路線たちの解説となります。こうご期待ください!

【注意】
現地で何か事件などに巻き込まれてしまったとしても、
筆者の僕や本サイトは一切責任を取りません。
行かれる場合は自己責任で、
お気をつけて行ってらっしゃいませ。

なお、この記事の内容はあくまで一鉄道ファンとしての予測や考察にすぎません。
(将来的に)誤った内容である可能性などもあります。
正確性の保証や、閲覧による不利益等については責任を負いかねます。

ということで、今回の記事はここまでとなります。お読みいただきありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう!!

本記事の記述にあたって参考にさせていただいたサイト様

Wikipedia様
ニューヨーク州やニューヨーク市地下鉄について調査をしている中で参考にさせていただきました。

この記事は、<a href=”https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/“>クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 4.0 国際 パブリック・ライセンス</a>のもとで公表されたウィキペディアの項目<a href=”https://en.m.wikipedia.org/wiki/N_(New_York_City_Subway_service)“>「G (New York City Subway service)」</a>を素材として二次利用しています。

この記事は、<a href=”https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/“>クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 4.0 国際 パブリック・ライセンス</a>のもとで公表されたウィキペディアの項目<a href=”https://en.m.wikipedia.org/wiki/Q_(New_York_City_Subway_service)“>「J/Z (New York City Subway service)」</a>を素材として二次利用しています。

この記事は、<a href=”https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/“>クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 4.0 国際 パブリック・ライセンス</a>のもとで公表されたウィキペディアの項目<a href=”https://en.m.wikipedia.org/wiki/R_(New_York_City_Subway_service)“>「L (New York City Subway service)」</a>を素材として二次利用しています。

この記事は、<a href=”https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/“>クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 4.0 国際 パブリック・ライセンス</a>のもとで公表されたウィキペディアの項目<a href=”https://en.m.wikipedia.org/wiki/W_(New_York_City_Subway_service)“>「G (New York City Subway service)」</a>を素材として二次利用しています。

MTA様 ホームページ
ニューヨーク市地下鉄の地図等の参考にさせていただきました。

この記事を書いた人

asama_tk85
asama_tk85
鉄オタ歴約10年のあさまです!
「短く簡単に」をコンセプトに、 Youtubeでは鉄道に関する動画を投稿しています。
あさま、とは言っていますが基本的に取り扱う話題とかは日本全国やっていけたらと思っています。よろしくお願いします!

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