西山手ルートを考えてみよう
続いて新宿から大井町付近で分岐し、東京貨物ターミナル付近で東山手ルートに合流するルート。西山手ルートについて考えていきましょう。こちらは大井町から東京貨物ターミナル付近までという大規模な新線建設が必要なのため、所要時間が予想しにくいのですが、新宿~羽田空港間25分程度という予想がありますのでそちらを参考にしようと思います。
新宿~大崎間が最大のネック
この区間の話は利用者の方ならよく耳にする話ではないでしょうか。それもそのはず。西山手ルートの直通路線である埼京線や湘南新宿ラインというのは関東屈指の大混雑路線なのです。
渋谷をはじめ新宿・池袋といった副都心と横浜や臨海部を結ぶこの区間は利用者も多いのですがその分列車も大量に走っています。(朝の八時台は南方面行きが24本も走っています)新宿以南になると少しは減ってくるのですが、二本程度しか変わりません。さすがは世界一の大ターミナル駅を結ぶ路線、といったところです。
そんな路線に新たに増発します!なんていってもさすがに馬鹿らしくなります。
まぁ取り合えず、朝ラッシュダイヤをみて、現状持っていけそうな列車を探していきましょう。
朝ラッシュ時間帯

ちなみにうちわけはこんな感じです。新宿行きがありますので、そこより先は三本減るものの…といった具合です。
現状では増発が難しいのでは、と考える理由に二つ目…というほどではないですが、かなり大きなものがあります。それが大崎~大井町付近まではりんかい線を走行するという点です。運賃面の話というのはいまは抜きにします。ですが現状でも10本以上の列車が走っている中で15両の長大列車を入れることは可能なのでしょうか。現状でもかなり詰まっていることでしょうし、かなり大変ではないのでしょうか。
この感じだと埼京線新宿止まりをそのまま羽田方面へ延長するのが一番よさそうじゃないでしょうか。うまい具合にかみ合ってくれそうですよね。ただその分新宿以南の本数が増えることになりますが…何とかなるかな。

こんな感じでしょうか?新宿行きを羽田空港行きに変えてみました。まぁ新宿→羽田空港方面ってかなり需要がありそうなのにこんなに本数少なくていいのか…とも思いますけどね。
埼京線が往復時間的にいい感じに成田エクスプレスと接続できそうな点もミソです。成田エクスプレスを直つさせないのか?と思う方もいるかもしれませんが、分割運用などを行っている列車でそれをやってしまうとダイヤの大幅な区見直しが行わなければいけないため、今回は直通させないことにしました。それに成田⇔羽田間のアクセスは京成線・京急線のアクセス特急/エアポート快特もありますので、供給過多になってしまいますもんね。
こんな感じでしょうか?新宿行きを羽田空港行きに変えてみました。まぁ新宿→羽田空港方面ってかなり需要がありそうなのにこんなに本数少なくていいのか…とも思いますけどね。増発の余地はあると思います。
日中時間帯
続いて日中時間帯を見ていきましょう。

本数の内訳はこんな感じ。朝と比べてかなり本数が少なく、ほとんどの列車が新宿行きとなっています。(新宿以南はこれに加えて海老名行きが二本追加)
これも同じ感じで新宿行きを羽田空港行きにすればいいんじゃないんでしょうか。ホントはグリーン車をどこかのタイミングで入れたいと思ってはいるのですが、かなり難しいところですねぇ…

二本と言ったらこの辺をとればいいのではないでしょうか。いい感じに、東山手ルートと時間がずれてると思います。ただ難点としては埼京線の時間にばらつきができてしまうことですね。きれいなパターンダイヤだったのが崩れちゃいます。湘南新宿ラインとの兼ね合いも難しそうです。
そういえば、新宿駅って、特急あずさ・かいじの終着駅でもありますよね。だからあずさ・かいじをアクセス線方面へ…とも考えたのですが、一面二線の貧弱終着駅に特急列車を入れることは難しい、と判断しました。
それでは続いて臨海部ルートを考えていきましょう。
臨海部ルートを考えてみよう
一番不透明なルート。臨海部ルートを見ていきましょう。こちらのルートは東京貨物ターミナル付近からりんかい線の回送線に合流し、国際展示場付近で合流するルートとなっています。

りんかい線に合流した後は新木場方面・さらに京葉線へと直通する計画となっています。
こちらのルートでは、新木場~羽田空港間は20分になる、という情報がありますので、そちらを参考にしていきます。
既存ダイヤを活かしきれないルート構造
タイトルの通りです。既存の列車のように延長や簡単に行先変更ができないルートとなっています。ですので、京葉線とりんかい線の間を縫ったように走る列車の必要があるわけです。
京葉線・りんかい線ともに朝・昼ともに列車本数の多い路線です。この間をというかなり手強いルートとなっているわけですね。
朝ラッシュ時間帯

現状の内訳がこんな感じ。京葉線は2~5分間隔、りんかい線は5~7分間隔で列車が発車しています。あれ…?これじゃぁ新規に作る余裕はないのでは?既存の電車を活かさないといけない…
とはいえどちらも通勤路線。京葉線はそれこそ殺人的混雑の起きている路線です。そんな路線で急に羽田空港に行きます、なんて言われたら…2023年の再来ですね。そんなことがまた起きては欲しくないので、なんとかしたいですね。
…思い切って朝ラッシュ時間帯の直通は無しにしちゃうのもアリなのかもしれません。臨海部からの羽田空港方面への需要がまぁまぁありそうなのが難点ですが…(朝4時から22時まで30分に一本高速バスが海浜幕張から出ています)
ではちゃんと直通するとしてどうするか…?

京葉線から持ってきたかったけど、正直、難しかった。東京行きを犠牲にすることは…できないです。
そうすると比較的損失の少ないりんかい線大崎行きを変えるのがベストなんですよね。往復時間もそうそう変わりませんし。そして会社的に大きいのは運賃面でしょうか。こうやって分離すればきれいにりんかい線分の運賃を回収できますからね。(羽田空港で折り返して東京方面や新宿方面に行くとしたら損をすることになってしまいますがそんな人いませんよね。)
しかしこれじゃぁ本来の目的、湾岸部と羽田空港の直結はちゃんと成し遂げられたといえません。てことで続いては比較的時間に余裕のありそうな日中時間帯を見ていきましょう。
日中時間帯

日中時間帯はこんな感じです。意外ときれいなパターンダイヤですよね。この中でどれを羽田空港方面へと転換するか…やはり朝と同じく大崎行きをそのまま羽田行きにしちゃうのが一番いいのですが先ほども言った通りそれでは目的の達成率は50%あるかくらいです。ですので京葉線方面からの列車を持ってきたいですね。

そうするとこんな感じでしょうか。京葉線方面からの直通列車(快速が望ましい)とりんかい線からの直通列車。どちらも運行することでキレイになります。難点としては…誤乗が発生してしまったら取り返しがつかないことでしょうか。これは乗客に慣れてもらわなきゃいけない面もありますので、仕方ないといってしまえばそうですけどね。
おわりに
ということで今回は羽田空港アクセス線のダイヤ予想なんかをガバガバですがしてみました。いかがだったでしょうか。個人的にはもう少し詰められたな、なんて思ったりする面もあるのですが、本格的に考えようとすると勉強との両立が難しかったり(言い訳)
新年度にもなりまして今年からも考察記事メインでいろいろとやっていこうと思っています。ぜひともよろしくお願いします。
それでは今回はこの辺で失礼します。最後までご精読ありがとうございました!
この記事を書いた人
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月波さんです。
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コメント ご意見やご感想等お気軽にどうぞ。
ダイヤを考えるのって楽しいですよね。
東山手ルート、JRの発表だと毎時8本のようなので上り下り4本ずつになるかと思います。
直通が常磐線メインになるのは同感ですが、流石に乗換最大30分待ちだと高崎線・東北線のユーザーにとって使いにくすぎるかなと…
コメントありがとうございます。
確かに30分間隔は使いにくいところですよね…
毎時8本というのは全てのルート合計でそうなるのでは、と考えて余裕を持って毎時6本としました。ですので東山手ルートの間はあくまで暫定ダイヤとして品川止まりだけでなく上野止まりの列車も直通するのではないでしょうか。
羽田空港新駅に設置される島式ホーム1面2線です。1時間に6本〜7本の運行が限界と思われます。東山手ルート2本〜3本、西山手ルート2本、臨海ルート2本と思われる。西山手ルートはトンネル工事などで3路線で最後の開通予定と思われる。
臨海ルートの京葉線は運賃の関係で乗り入れは無いと思う!りんかい線がJR東日本と同じ運賃になれば京葉線の乗り入れは有るかも?恐らく埼京線とりんかい線の乗り入れも運賃の改善がなければ困難では?又は羽田空港からりんかい線管轄駅までノンストップでJR東日本管轄駅は羽田空港以外の停車が無ければ埼京線とりんかい線が各1本の乗り入れになると思われるが、こちらも実現は難しいです。東京都臨海鉄道次第です。
コメントありがとうございます。
りんかい線問題、この記事では解決したとして書いてみましたが、自分も具体的にどうすればいいかは思いついていません()
京葉線方面から羽田空港で折り返して渋谷…みたいなことをされてしまうとりんかい線にとってはたまったものじゃないですからね。
池袋・新宿は1,2番線で埼京線と湘南新宿ラインの交互発着が可能ですが、渋谷以南では副本線等が無く、それが不可能ですので、朝ラッシュ帯の新宿止まりを延長することは難しいと思います。現時点でも本数は限界で、増発に関してもこれ以上は厳しいかと思われます。新木場行のうち一部を羽田に流すほうが現実的かもしれません。
コメントありがとうございます。
山手線西側の方はあまり土地勘などもなかったのでそのようなご指摘は助かります!
…そう考えると、新木場行きの一部変更が丁度良さそうですね。幸い、時間もほぼ同じくらいのものがあったはずですしね。
仮に新木場から先に乗り入れるならば京葉線系統より武蔵野線系統が考えられそうです。蘇我、海浜幕張→東京は削りにくいですが、西船橋から京葉線方面の直通需要は対東京では少なく舞浜、新木場(有楽町線、りんかい線接続)が主ですので。ただ、武蔵野線に入ると折返し駅が少なく、西船橋もやや中途半端で、ならば運賃収受問題や線路容量踏まえると無理して直通するより新木場止まりでいいのでは…となってしまいますね。
コメントありがとうございます。
りんかい線の運賃問題を考えると同じく新木場止まりで…となるのですが、本文中でも述べたように臨海部の接続が達成できないんですよね。ちなみにですが、最初は羽田行きNEXを…とも考えたのですが、スイッチバックが必要になってしまうので断念しました。
西山手ルート=埼京線方面は現時点で開業未定です。
東山手ルート以外はJR東日本単体で実現できないので、りんかい線対策が必須です。りんかい線を買収してしまえば話は簡単ですが、第三セクターであるりんかい線を買収する調整は容易とは言えず、結果的に西山手ルートは未定になってしまっているのです。
現時点で開業の目処が立たない西山手ルートについて、運行計画等も作られていません。東山手ルートだけで開業するのが既に確定しており、その開業時に毎時8本を運転するのですから、明確に全数が東京駅発着です。
コメントありがとうございます。
今回は全線が開業した時にどのようなダイヤになるのか。ということを考えてみました。
常磐線民は茨城空港と品川終点特急(京急乗り換え)があるから羽田直通の必要は無いと思う。どちらかというと東北高崎方面から羽田には直通してほしい。新幹線は品川行かないし。
コメントありがとうございます。
たしかに常磐方面から乗り通す人は少ないかもしれません…実際どの方面からどれほどの需要があるのかがわかりにくいのが難しいところです…
特急あずさは東京駅みたいに何本かは羽田に行くと思うな。かいじはあずさに任せて行かないかも。羽田以外に渋谷や大崎などにとまれば信州方面の需要を拾えるだろう
首都圏全域レベルの大規模なダイヤ改正を施して需要分はなんとか走らせると思う。
コメントありがとうございます。
特急の折り返しを1面2線でやるのは難しいかも…?と思ったのですが中央線は東京駅でそれをやっていますね。
成田エクスプレスに接続する形であずさを羽田へ…みたいな感じでもいいかもしれません。
羽田アクセク線は、1時間あたり8本と言う記事をみたことがあります。
高崎線から、宇都宮線から、常磐線からが、それぞれ2〜3本ということになるのではないでしょうか?
現在の品川駅発着のものだけを、羽田空港まで行くようにするだけだと、常磐線からきた列車だけが、羽田空港に行くことになってしまいます。
コメントありがとうございます。
8本というのはあくまで東ルートのみ開業時のダイヤだ、という解釈をしました。本記事では全ルート開業を前提に作っています。
田町の連絡線が単線になるのはもう決定事項なんでしたっけ
もしそうじゃないなら上下線で接続部分をずらせば複線にできそうな気がするんです
220m(20m×11両)もあればできそうですよね
コメントありがとうございます。
複線にはビルの間に挟まれた谷のようなところを走る場所に作るには狭すぎるような気も…しますね。
『クソ』って言葉、とても下品なので不快です。
りんかい線内通過時に客扱いはしないと思われるので運賃問題は心配ないかと。
そもそも空港客へ各方面からの直通乗り入れが目的なので各方向ほぼ一本ずつと想定します。
すなわち東北高崎、常磐の普通と特急、中央と埼京、京葉と武蔵野(或いはりんかい線内発設定)で8本。
田町ポイント通過は毎時4本なので単線でも十分です。
空港って航空機の定員が小さいから羽田とて需要って思うほどにはない。
コメントありがとうございます。
先日羽田空港を利用しましたが、かなり利用者が多くいましたが、かなり人がいて驚きました。ですが実際どのくらいの利用者がいるのかは分からないので最初は毎時一本程度と少なめかもしれませんね。
「空港って航空機の定員が小さいから羽田とて需要って思うほどにはない」ってマジで言ってんのか?
…え、本気でそんなこと言ってるの?
主もそうだけど「(羽田に)かなり人がいて驚きました」って至極当たり前のことで何に驚いてるのよ…
空港は狭い空間に人が長めに滞留しているから多く見えますが、200人の航空機が1時間に30回の離発着が限度なので旅客分は毎時6000人あれば輸送力は足ります。列車換算で100人×60両なので10両6本分ですね。
京急モノレールと合わせれば羽田アクセス線への需要は限定的でしょう。
ただここには地上職15万人の通勤は含
まれませんが職務の性質上から近隣からの通勤が主で羽田アクセス線が担う部分は少ないと推測されます。
真っ先に「羽田エクスプレス(NEXならぬHEX)」が頭に浮かんだのですが、実現は難しいのでしょうか。
空港のない北関東地域から乗り換えなしで羽田空港にアクセスできる直通特急の需要って結構あると思うのですが…。
自分も思いましたが、どんな車両を入れるのかとかがぼんやりとした状態(E257やE259は本業でカツカツ)ということもあって、今回は断念しました。
ですが個人的には見てみたいなぁ…とは思います。
そういえば東武鉄道が直通したいみたいな話を出していたこともありましたので、今後記事になるかも…
東山手ルートだけで毎時4往復なことは公表資料で分かっているのに毎時2往復で予想する意味がわかりません。
コメントありがとうございます。
そんな資料が出てたんですか?
私が調べたものだと毎時8本の物しか出てきませんでした。またそれは他のコメントでも言っているように私は東山手ルートのみ開業したときのダイヤだと考えています。
いつ完成するの
コメントありがとうございます。
2030年前半くらいだったはずです。
朝ラッシュ時の常磐線品川行きは、上野駅での平面交差を避けるため、品川に到着後は夕方まで留置
もしくは朝ラッシュが終わるまで1時間ほど待ってから折り返しています。
羽田空港に乗り入れた場合、留置や折り返しなどは品川ほどのゆとりもなく、すぐに常磐線方面に折り返さざるを得ません。
(一応、アクセス線内にも留置線が新設されますが、3方面開業後のダイヤ乱れ時の対応にも使うでしょうし、夕方までお昼寝させるような使い方は想定していないと思われます)
そのため、ラッシュ時(7時台後半〜8時台)は常磐線からの直通はせず、宇都宮線・高崎線の
品川・上野止まりを活用するのではないかと予想しています。
常磐線からの直通は早朝と9時以降になると思いますが、品川発着と比べて大幅に距離が伸びるわけでもなく、
グリーン車等のサービスを提供できる点からも、E531をそこまで避けはしない気もします。
日中は各方面バランスよく直通させたいでしょうし、最終的な1時間あたりの内訳は
・常磐線1本(品川行き3本のうち1本を羽田空港行きに変更)
・宇都宮線/高崎線各1本(理想を言えば減便された上野発着を羽田空港行きとして復活する形で増発)
・特急1本(需要的には恐らくときわ号中心)
といった感じになるのではないでしょうか。
コメントありがとうございます。
素晴らしい考察…常磐線の折り返し方が自分はちゃんと把握できていなかったので補足助かります。
グリーン車…なるべく使わないんじゃないのかな?なんて考えていましたがふつーに導入されそうですよね。
羽田空港アクセス線、羽田空港駅で終わらずに
東海道貨物線に接続して、横浜駅方面に延伸すれば、より便利になりませんか
コメントありがとうございます。
実際計画として、大汐線を活用した横浜方面へのバイパス線の計画はあるようですが、羽田空港⇔横浜は京急で事足りる…という所もあり難しいのではないでしょうか。