
どうも皆さんこんにちはナオテツでございます。
2025年5月31日、西武鉄道8000系が西武国分寺線にて営業運転を開始しました。
こちらの8000系という車両ですが、実は単なる「新型車両」ではないんです。みなさんご存知の通り、8000系は通称「サステナ車両」という取り組みの記念すべき第一弾となっているんです。
今回は、そんな8000系のデビューを祝いつつ、この「サステナ車両」という取り組みについてを軽く紹介して行きます。
サステナ車両誕生の経緯
ではまずは、「サステナ車両」という概念はどのようにして生まれたのものなのかを詳しく見て行きましょう。同時に、サステナ車両の概要についても振り返って行きます。
他社の中古車で対応します!?
その存在が明らかにされたのは2022年5月。西武鉄道の親会社である西武ホールディングスから発表されたこちらの資料に驚きの情報が掲載されました。
鉄道車両については、引き続き車両運用の見直しや買い替え計画を組み合わせ、保有車両数を適正化するとともに、新造車両に限らず、環境負荷の少ない「サステナ車両の導入」を進め、省エネ化、固定費削減を前倒しで実現。
2022年3月期 決算実績概況および「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」の進捗より引用
西武鉄道が他社の中古車両を譲り受けることを検討しているということと同時に「サステナ車両」の名が初めて世に出ました。「サステナ車両」という謎の単語についての説明も同資料内にあり、「他社から譲受したVVVFインバータ制御車両を西武鉄道独自の呼称」とのこと。
鉄道に詳しくない方にとって、「VVVFインバータ制御」という言葉自体あまり馴染みのない単語だと思います。
正直なことを言うと、筆者は床下機器関係の知識には浅いため、詳細に解説できる自信はあまりないのですが、一言で言うなら「省エネかつ、走行もしやすいモーターの仕組み」でしょうか。
従来の「抵抗制御」や「チョッパ式制御」に比べてエネルギー使用効率が大幅に改善され、JR東日本209系では、「この電車は、従来の半分以下の電力で走っています」とのシールが車内に貼られ、省エネ性がメインにアピールされていたりもしましたね。
また、加減速時の揺れも軽減されており、環境だけでなく乗客にも優しい仕様になっています。
このようなメリットがあることから、平成以降に新造された鉄道車両では、殆どがこのVVVFインバータ式制御を採用しています。
現在、京王電鉄や東京メトロなどの関東大手私鉄では、営業用車両のVVVF率100%を達成しています。しかし、西武鉄道の営業用車両VVVF率は70%ほど。他社と比べて遅れをとっています。
VVVF率100%を早期実現させるためには、新造車両を投入することと並行して、他社で不要となったVVVF搭載車両を譲り受け、非VVVFの車両をひとまず置き換える。これがサステナ車両の誕生経緯かつ基本理念です。
まさかの小田急電鉄から
それにしても、大手私鉄が他社の中古車を譲り受ける、というのは極めて珍しい事案です。
役目を終えた古い車両はほとんどの場合「廃車」という名の「死」を迎えることになります。人間によって作り出され、人間によって利用され、人間によって破壊される。それが鉄道車両の一生というものです。
このような現状から脱却する、という意味合いでも、サステナ車両は大きく貢献することでしょう。

そして、サステナ車両用として今回譲り受けることになった車両のひとつが、「小田急電鉄8000形」です。8000形は1983年に登場した車両で、現在進行形で新型車両による置き換え、廃車が進んでいます。
8000形は2002年より行われたリニューアル工事により、現存する全編成がVVVF搭載となっています。まさに、サステナ車両として生まれかわるための条件が揃っていました。
2024年5月には、新松田駅からJR線・新秋津駅経由で小手指車両基地までの甲種輸送が行われ、無事に西武鉄道のもとに到着。その後、武蔵丘車両検修場で改造工事を受け「西武鉄道8000系」として生まれ変わりました。
武蔵丘出場後は、各路線での試運転(詳細は後述)を経て、今年5月31日、満を持して営業運転を開始。到着から1年、長いようで短かったなぁと個人的に感じます。
ついに営業運転開始
ここからは、華々しくデビューした8000系の様子を軽く紹介していきます。

デビュー当日の5月31日、8000系は始発列車から運用を開始し、朝早いなか多くのファンに見守なれながら東村山駅を出発したとのことです。
上記の写真は小川駅で撮影したものです。この駅では国分寺行きの列車と、東村山行きの列車が、同時に入線、発車するダイヤが組まれており、このような「2編成の並び写真」が撮影できるスポットとして有名です。というか8000系デビューを機に有名になった感じですかね。
デビュー当日も、2000系との並び写真目当てにホームにはカメラを構えた人がたくさんいました。

上記の写真は国分寺駅での一コマ。国分寺駅では駅の構造上、国分寺線とJR中央線の並び写真を綺麗に撮影することができのできます。国分寺より側の先頭車両は、中央線12両編成の4号車目に来るため、グリーン車とのコラボ写真が撮影できます。

ちなみに余談ですが、国分寺駅構内のTOMONY(ファミリーマート)では、8000系関連のグッズは全て売り切れていました。やっぱり人気者ですね。
黄色い電車とサステナ車両
話が少し逸れてしまいましたが、サステナ車両を語る上でどうしても外せない話題があります。それが「西武線といえば黄色い電車の時代の終焉」についてです。

国分寺線は全ての列車が6両編成で運転されています。西武鉄道で6両編成(増結編成含む)の車両は2000系しかありませんでした。そのため、同路線の全ての列車の運用が2000系となっていました。
2000系といえば、黄色い車体に銀色のドアの「西武線といえばの黄色い電車」の代表的存在。1977年に登場して依頼、実に45年以上に渡り、西武鉄道各線の主力車両として活躍してきました。
しかし、2000系の制御方式は「界磁チョッパ制御」。悪く言えば「時代遅れの仕様」となっています。VVVF化100%を達成するためには、まず2000系を運用から退かせる必要があることは皆さんもお察しかと思います。
新宿線、池袋線の本線上では、主に新型車両の投入や、既存編成の転属などにより現在進行形で運用撤退、廃車が進んでいます。しかし、6両編成の新型車両が製造されることはなく、2000系を置き換えることができない状態が続いていたのです。国分寺線に新造車両を投入できる可能性は低いため、サステナ車両が一番最初に投入されたのでしょう。
さいごに
今回の記事では、西武鉄道の新たな取り組みである「サステナ車両」についてを軽く紹介しました。急いで作ったので、記事と呼ぶにはかなり不十分な内容になってしまいました。すみません。
今後機会があれば、「サステナ車両考察」と題した記事も別途作成しようと考えています。この記事はあくまで仮のものだと思っていただければ幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事を書いた人

- 武蔵国の西側「西武」に生息している自称乗り鉄。インドアな時はアニメとラノベ。記事執筆のモットーとしては「量より質」をいちおう。
最近の投稿
西武鉄道2025年6月6日【新時代到来】西武8000系ついに登場!「サステナ車両」って何者なの?
再現鉄2025年3月2日【ハイスペック相鉄車】大手私鉄各社の「LED方向幕」を見比べてみよう #2
再現鉄2025年2月2日【一番見やすいのは!?】大手私鉄各社の「LED方向幕」を見比べてみよう #1
乗り鉄2024年12月1日【西武拝島線】通勤・お出かけにも便利な「“上り”拝島ライナー」をご紹介!
コメント ご意見やご感想等お気軽にどうぞ。
長編成の新型車両をこれまで導入をしてきましたが、費用がこれまでにかかっていたので費用をおさえるには、4両及び6両編成の車両の導入には、中古車両の導入が必要不可欠です。2000系を置き換えるには、
中古車両の導入が必要です。9000系は、置き換えず予備車両として確保をしてほしい。