【第三種】成田高速鉄道アクセスと成田空港高速鉄道って一体何者？

どうも、成田高速鉄道アクセスという響きが好きな中沢です。

突然ですが、皆さんは「成田スカイアクセス線」をご存知でしょうか？京成電鉄の路線名で、北総線を経由して成田空港に行くアレです。そんな成田スカイアクセス線ですが、実は京成電鉄は線路を所有していません。じゃあ誰が所有しているのか、今回の「マツムシ車庫」はその”所有者”に目を向けた話です。それでは、今回もよろしくお願いします…

前座：印旛日本医大までは北総線
成田空港高速鉄道の生い立ち
成田高速鉄道アクセスの生い立ち
で、結局何者なん？
結論

前座：印旛日本医大までは北総線

まず前提として、京成高砂〜印旛日本医大までは北総線の線路を走っています。

厳密に言うと、京成高砂〜小室は北総鉄道、小室〜印旛日本医大は千葉ニュータウン鉄道(旧・住宅都市整備公団)の所有となっており、京成電鉄は金を払って北総線の線路を通らせて頂いている立場となります。北総鉄道と千葉ニュータウン鉄道の関係性に関してはこちらを見て頂けるとわかりやすいかと思われます↓

成田空港高速鉄道の生い立ち

成田空港高速鉄道の生い立ちを説明するには、成田新幹線の存在が必要不可欠となってきます。

成田新幹線の計画、そして頓挫

都心から成田空港までを結ぶ新幹線、成田新幹線の計画が固まったのは1971年のことでした。一部は建設が進んでいましたが、地元住民が反対したことや経済的な理由があり1983年に計画が凍結してしまい、成田新幹線計画はそのまま頓挫してしまったのです。

……ですが、建設中だった構造物はまだそこに残っていました。

成田新幹線の遺構を活用しよう！

1988年、この成田新幹線用に作っていた構造物…”成田新幹線の遺構”を活用して成田線と京成線を空港直下に乗り入れできるようにしよう！という構想を当時の運輸大臣が掲げました。

そう、それを実現させるためにできた会社こそが成田空港高速鉄道なのです！

1991年3月19日、そして時は動き出す…

その後免許を取得し、改修工事などを経て1991年3月19日に成田空港駅が開業。

JR成田線と京成本線が成田空港のターミナル直下への乗り入れを果たし、成田新幹線用に作られた施設は遂に日の目を浴びたのです！

成田高速鉄道アクセスの生い立ち

線路保有だけなら成田空港高速鉄道だけで賄えそうな感じがしますが、どうして成田高速鉄道アクセスが生まれたのでしょうか？それには理由があり…

成田新高速鉄道の「Bルート」

1977年、運輸省は成田空港へのアクセスを強化するために「成田新高速鉄道」の計画を発表しました。この計画にはA.B.Cの3ルートがあり、簡単に言えばその中のBルートが現在の成田スカイアクセス線ということになります。

で、このBルートを進めることとなったのですが……

大前提：成田空港高速鉄道にはJRもお金を出している

まず大前提として、成田空港高速鉄道は京成グループですがJRもお金を出しています。これは空港駅を京成とJRが共に使うためで、京成とJRは成田空港高速鉄道の所有する区間を通るためにお金を払っています。この「線路を通るために成田空港高速鉄道にお金を払っている」というところがポイントで、成田スカイアクセス線は京成しか使わないのにどうしてJRも金を出している成田空港高速鉄道が所有せないかんのだ、ということで別会社として成田高速鉄道アクセスが別に生まれたということらしいです。

なんだかんだで誕生、そして開業

2002年4月25日、成田高速鉄道アクセス爆誕！成田空港、千葉県、京成などがお金を出しました。そして7月には免許を取得し、2006年に建設スタート！こちらも成田新幹線の遺構を活用して建設が勧められました！

そして2010年7月17日、成田スカイアクセス線開業！都心から成田空港を36分で結ぶ、“速いのはこっち、安いのもこっち”な新ルートが開通しました！~~京成本線より高いのは言ってはいけません。~~

で、結局何者なん？

簡単に言えば線路所有者ですね。

もうちょっと詳しく言うと「第三種鉄道事業者」といって、線路や駅を持つだけの鉄道会社を意味します。つまり電車を走らせたりはしないってことですね。電車を走らせるのは「第二種鉄道事業者」で、例えば成田スカイアクセス線における京成電鉄みたいな感じで他の会社が所有する線路を通らせてもらいます。もちろん、その時に線路の持ち主にお金を払います。ちなみに所有も運行もできるのが「第一種鉄道事業者」で、一般的な鉄道会社はこれです。