
どうも、閑古模型です。前回のBトレ探見では、近鉄12200系を見ていきました。今回は、12200系の派生形式、近鉄15200系と15400系のBトレを見ていきます。
実車について
と、ここで毎度のごとく実車について軽く説明しておきます。今回、こっちのほうがメインじゃないか?ってくらい長いです。
【ここから先を読むために覚えておいた方がいい事】
電算記号…編成記号 500系新幹線だとVとかW、923型だとTにあたるもの
PN…15200系/15400系を指す電算記号 50番台が15400系
N…12200系の2連を指す電算記号
NS…12200系の4連を指す電算記号
S…12000系/12200系の中間車を指す電算記号 ここでは12200系の中間車を指す
モ…近鉄の電動車を表す。大体パンタが生えてる。制御車(Mc)でも中間(M)でも同じ
ㇰ…制御機器付き付随車。床下がスッカスカ。Tc
サ…付随車。モの隣ははたいていこれ。
15200系

近鉄15200系は、初代あおぞらⅡである18200系を置き換えるために、2005年から12200系を改造・改番の上あおぞらⅡとして投入。

18200系は、120km/h非対応元々京都線向けの18m級車体と、一般的な近鉄電車よりかなり小柄な車両となっていました。製造時期がエースカーと同時期だったことから、“ミニエースカー”とも呼ばれていました。
そんな前世代の車両を置き換えるべく誕生したのが、15200系というわけなのです。ただ、15200系の4連は12200系の編成組み換えで余った車両を改造に回しているため、内装の仕様に若干差があったりします。
15200系には、大きく分けると3形態ほどあります。
(※ここで説明するためにわかりやすく書いてあるだけです。実際は呼び方が違うかもしれないです…)
2005〜06年改造グループ(PN01〜03)

このグループでは、前面、側面の幕を撤去し、あおぞらⅡのマークを設置しています。
PN01は元N20+S41、PN02は元N30+S32、PN03が元N17となっています。PN02のモ15252は、種車の関係でパンタグラフが下枠交差型のPT48となっています。PN02の中間車は、NS41から引き抜かれたものなので、N20の搭載しているPT42とは異なるPT48を搭載していました。
N20以前とN21以降では、柴田式連結器アダプターを入れる箱のサイズが違うため、PN01、03とPN02ではスカートが異なる形になっています。
また、PN03のモ15203は、種車の関係で車内販売準備室が備え付けられています。元々スナックコーナーがあった箇所ですね。
2013〜14年グループ(PN04〜06)


さて、15200系登場から8年ほど経った2013年に、N31を改造したPN04がデビュー。この編成は、初代あおぞらに使用された20100系を模した塗装になっています。国鉄特急色みたいですね。
その翌年に、PN01と02の代替としてNS43からPN05、NS48からPN06が改造されました。PN06は、種車の関係でパンタグラフが下枠交差型のPT48になっています。こちらは、編成組み換えがなかったため、モ15206とモ15256のどちらもPT48です。
そう、この時点でお気づきの方もいるかと思われますが、15200系は“同形式で置き換えた形式”なのです。つまり、のちに紹介するPN10からPN01が同時期に存在することはないんですよね……。この並びができてしまうのが模型のいいところでもあると思ってます。
PN04からは、方向幕の類は撤去されず、その部分にあおぞらロゴを表示しています。その代わり、トイレ部や運転台側窓下にあったあおぞらⅡのロゴは削除されました。
その他の改造箇所は変更なしです。
2021年グループ(PN07〜10)(2025年現在 現役)

さて、世間はまだ某ウイルスによって混乱を引き起こしていた2021年、12200系が定期•団体臨時運用から引退•廃車となり、同時に伝統的な紺と橙の近鉄特急色も近鉄本線から姿を消しました。(大井川の16000に残るのみ……)
そして、末期まで残った編成のうち、NS40、NS50、N54、N55が15200系に改造されました。
NS40はPN07に、NS50はPN08、N55はPN09、N54がPN10へと組み替え・改造工事が施行されました。NS40とNS50は、中間のS40とS50を抜き取り、2連化の上改造。PN08は、種車の関係で下枠交差パンタグラフのPT48を搭載しています。
これにより、PN03〜06は廃車となり、同時に15200系の4連、もっと言えば、スナックカーの原型を留めた外観を持った4連貫通編成が消滅しました。
ちなみに、このグループからは貫通扉窓まわりの黒い部分が省略されています。
おそらく、このグループが最後の15200系になると思われます。後継車は一体何になるのでしょうか……。
15400系

https://twitter.com/maeda_kintetsu?s=21
提供者X(Twitter)↑
15400系は、近畿日本鉄道の所属する近鉄HDの旅行会社、クラブツーリズム専用の車両で、2011年に改造・デビューしました。
N41とN42を種車に、N41がPN51に、N42がPN52となりました。PN51は、モ15402の柴田式連結器アダプター箱が撤去されてたりします。

クラブツーリズム専用バス、“ロイヤルクルーザー四季の華”に合わせた緑地に金色の帯を巻いた外観になっており、座席定員もそれに合わせて調整されています。また、方向幕類は撤去されずに使用されていて、前面方向幕の縁は金色になっています。
モ15400(元モ12200)は48名、ク15300は46名となり、空いたスペースには荷物用の棚が追加されました。
Bトレを見ていく
スルッとKANSAI

まずはスルッとKANSAI限定で発売された、“近畿日本鉄道15400系”。4両セットで、HG台車を履いています。
このセットは、ステッカーが12200系/12400系と共通になっています。このセットのステッカーには困らないですね
………と、言いたいところですが、これ15400系の車番がエラーになってるんですよね。

中央が15200系の車番なのですが、これ
銀色な上に書体がヘルベチカじゃないんです
※後年に発売された物では、ここは修正されています。
このセットではPN01〜03を再現することができます。まぁ、発売当時はPN03までしかいなかったのでね……。
セット内容はこのような感じです。

まぁ、よくある内容って感じですね。PN02の中間車は、先ほども解説したように下枠交差のPT48を搭載しているため、完璧な再現を目指す方は12200系か12400系のセットから持ってくるしかないですね。
そういえば、これはモ15250とサ15150が販売された
最初で最後のセットとなっています。
一般販売品
近畿日本鉄道 15200系あおぞらⅡ

2014年、PN04〜06が登場した時に出た製品です。
ステッカーが改善されており、車番もオレンジ色のヘルベチカになっています。そして、あおぞらⅡのロゴはもちろん、方向幕も付属しているのでPN05〜06、気合いでPN10までいけます。やったー!!

(痛風丼
痛風抜き)
ん……?PN05と06、あと01と02は4両編成じゃなかった???
…………………君のような美味しそうなイクラは丼にするに限るよ……
と、このように思った方もいるかと思われます。
そうなんです。
中間車だけのセットがない!!
少し前の時期に発売された12200系/12400系には、増結用の中間車のセットがありました。
今回の15200系には、それがないんです。でも車番は一丁前に収録されているので、もしかしたら出す予定だったのかもしれません。何かしらのせいで頓挫したんですかね……。
と、そんなセットの内容はこんな感じ。

まぁ、特筆すべき点とかはないですね。
ご覧の通り、モ15200とク15100の2両だけになっています。
近畿日本鉄道 15200系復刻塗装色

これはPN04のみを再現できるセットで、それ以外には何もありません。やはり、あおぞらとは対照的な色がいいですね。国鉄特急みたいで好きです。
こんなセットの内容はこちら。

まぁ、先ほどの通常色と変わらないですね。
そう言えば、このセットのステッカーにはク15104についているトイレ窓のステッカーがついてるんですよね。
これがなかなか使えるもので、他の編成や12200系、12400系にも転用できるんですよね。

付属のものは小型ですが、2枚貼り付けて無理やり拡大してます()
近畿日本鉄道 15400系かぎろひ

緑地に金帯という、なかなか近鉄らしくない塗装のこの車両。これ、金帯が印刷済みなのがありがたいところです。SGフレームなのでレリーフをつけないとかなりすっ転びます。
東京メトロ13000系とか、末期手前のBトレは帯をステッカーで表現するため地獄を見たことがあるんですよね…。近鉄の26000系もその類です。あれ目が疲れます。
と、そんなセットの内容はこちら。

まぁね。
さっきの二つと色違いってだけだってはっきりわかんだね。
ただ、実物を手に取ってみないとわかりづらいのですが、15400系かぎろひは他の車両に比べても妙に艶感がいいんですよね。流石はクラツー専用列車ですね。
ちなみに、15400系の方向幕には緑地に金色で「かぎろひ」と書かれた幕と、白地にクラブツーリズムのロゴが描かれた幕が付属しています。

左の幕は、かぎろひがデビューした当初に出していた幕です。
側面は白幕(無表示)となっています。
番外編:スナぞら
番外編として、15200系•15400系のステッカーを転用したものをいくつか紹介します。
まずは、無難にあおぞら幕を12200系に貼り付けてみました。

これで、12200系末期に運行されたあおぞら、通称「スナぞら」ことNS49再現できます。
意外なことに、Bトレのステッカーには6連時代のNS49が収録されているんですよね。なので、比較的容易に再現できるのがミソ。
12200系のBトレについての記事はこちらから

同じように、TOMIX製12200系にも転用が可能です。
こっちは、屋根上に少し手をいれる必要があります。が、これ他の幕でも十分応用可能なんですね。
TOMIX製12200系の記事はこちらから
中古だとおいくら?

さて、そんな15200系/15400系のBトレですが、某YオクやMカリ、中古店などではたいてい
〜500円/両
かな…と思います。
未組立だともう少し値がはるかと思いますが、そんなに高い印象は無いですね。
ただ、出回る機会が非常に少ない
昔はそこそこ出てたんですがね。なんか急に某YオクやMカリで売られている数が減少しました。稀にドバッと出てくる時期があるんですよね……。特に新生活のために身の回りを整理する3〜4月あたりにそんな傾向があるように感じます。
おわり

というわけで、今回は近鉄15200系と15400系のBトレを見ていきました。
実は、Bトレと近鉄に沼り始めたきっかけだったりするんですよね。15200系と15400系の全編成と、15400系の登場時仕様、あとはPN03+PN04+N+PN5xを再現するための車両を買い漁っていた時期があったんですよね。状態が非常に悪くても、「まぁ、塗り替えて12200系試験塗装とか復刻塗装にすりゃいいか」ってな気持ちで買ってたんですわ。
そしたらリア友に布教する余裕ができるまで増えてたんですよね…(←15200の市場在庫枯らした犯人こいつじゃね?)
と、今回はこの辺で終わります。
今後も、このような製品紹介や改造記録を書いていきます。
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