仙石線にそっくりなあの顔も!205系由来の「6000系」を見てませんか?

こんばんは。今日もお疲れ様でした。
仙石線向けのE131系がどんどん出場してきていますね。ついに今日営業運転を開始したようです。置き換えられる205系、マンガッタンライナー見たかったな。

おや…?こんなところにも205系が。今回は、そんな205系のような何か、を見ていきましょう。

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富士山に一番近い鉄道

中央線快速電車が乗り入れる大月駅。大月駅は中央東線(高尾 – 塩尻)で唯一「JR線に1番線と2番線がない駅」でもあります。
中央線快速電車はここから先、1日2往復だけ別の路線に乗り入れます。そう、富士急行線です。大月駅JR線に1番線と2番線が無いのも、この富士急行線が所有するホームに割り当てられているからという理由から。中央本線下りホームの南西に位置します。3番線から乗り換えることもできるんですよ!
大月駅はJR線と通しになっているんですが、国鉄からの慣例である、「下り線から若番を付ける」という付番方式にした名残なんでしょうか。それなら一番南側にある路線から「富士急行1番線・2番線」「中央本線下り3番線」が通用しますし…。

大月駅、本当に色んな形式が来るんですよね。峠の向こう側はまるで別の県のよう。

富士急行線は大月駅から河口湖駅を結ぶ全長26.6キロからなる路線。実は富士山駅を境に路線が分かれており、大月 – 富士山が大月線、富士山 – 河口湖が河口湖線となっています。なぜ2路線存在するのか、という歴史についてもいつか触れてみたいところ。
そういえば、富士山駅は「富士吉田駅」という名前でしたね。富士山駅に代わって、富士山駅を商標登録してからやたらと宣伝するようになった記憶があります笑

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8本の普通電車車両

そんな富士急行線には「8本の普通電車用車両」が在籍します。
この車、実は全て「関東一都三県を走っていた205系電車」を改造した車なんです。

富士山麓電気鉄道6000系電車。国鉄205系電車を改造した富士急行の普通列車用電車です。7本は親会社である富士急行時代に改造、1本は富士山麓電気鉄道になってから改造されました。
形式名の由来は「205系電車が登場したのが昭和60年だから」。JR東日本の211系が譲渡される予定だったなんて話もどこかで耳にしたことがありますが、その場合も6000系だったんでしょうか笑
6000系には大きく分けて3つの分類に分けることができます。

  • 試作車原型顔由来の「6000番代」
  • 量産車原型顔由来の「6500番代」
  • 量産車改造顔由来の「6700番代」

の3つです。せっかくなので順に見ていきましょうか。その前に、改造工事について触れないといけませんね。

類を見ない改造工事

205系電車、というと「最短4両」のイメージがあると思います。というか新製車は「Tc-MM-Tc」が基本なので最短4連が基本です。
しかし、富士急行は3両編成。6700番代の最終増備車、6703F(編成、以下「F」と記載)を除き、全編成が4両・10両からの改造編成です。そこで、「中間車に先頭車の顔部分だけをブッキングする」という方法が採られました。具体的に言うと、モハ205に同一編成のクハ205の顔をブッキングしたようです。

オレンジは運転台を表す。
運転台移設ついでにパンタグラフも増設されました。

こうして改造された6000系7編成。6700番代にとってみれば、2回目の改造、なんか変な感覚ですね。
半自動ボタン・スノープロウ・パンタグラフ増設などの耐寒設備に、ベンチレーターの撤去を行ったうえで、富士急行に譲渡されます。なお、6700番代の初期2編成、「6701F・6702F」は八高線の車から改造したため、半自動ボタンの交換は見送られました。
6703Fを除き、車内デザインは水戸岡鋭治氏が手掛けたようです。富士急行線の「地方鉄道」を越えた「観光鉄道」としての要素、こんなところにも出ているんですね。運賃高いです。助けて。

また、全編成がE233系0番代譲りの自動放送を搭載。そして、全編成が方向幕を「セロファン等で作られた物理的幕」から「LED幕」に変えたのも特徴的。6700番代に至ってはフルカラーLEDに変えるなど、サービス面においては、もはや205系電車の面影はほぼ残っていないかもしれません。
しかし、富士山麓電気鉄道の車庫に汚物処理設備がないことからトイレの設置は見送られました。富士急行線内でトイレがある列車は「富士回遊号」と「211系」だけだったりします。

6000番代

6001F 富士山麓電気鉄道オリジナル塗装
  • 6001F:富士山麓電気鉄道オリジナル塗装
  • 6002F:富士山麓電気鉄道オリジナル塗装
  • 6003F:リサとガスパールトレイン

試作車から改造された6000番代。3編成が在籍します。
6001F・6002Fは富士急行時代からの「オリジナル塗装」。水戸岡鋭治デザインの塗装のようですね。
6003Fは「リサとガスパールトレイン」と題し、リサとガスパールとのコラボラッピングが行われています。まじでかわいい。
富士急ハイランド内の「リサとガスパールタウン」のコラボラッピングのようです。

6003F リサとガスパールトレイン

全編成が京葉線からの転属車両。試作車由来の「田窓」と呼ばれる側面窓を引き継いでいます。
6002F・6003Fにはドア上にりんかい線のようなLCD(旅客案内液晶ディスプレイ)が設置されています。一方の6001FはLEDが設置。LEDを積んでいる車は6001Fと6501Fだけだったり。
パンタグラフはクモハに2基搭載されています。まるで高崎211系のよう。ちなみに通常使用は中間車側です。
改造元と照らし合わせてみましょう。

編成\車番
()内JR時代車番
>クモハ6000<
(モハ205)
モハ6100
(モハ204)
クハ6050
(クハ204)
6001F
(富士急塗装)
6001
(6)
6101
(6)
6051
(2)
6002F
(富士急塗装)
6002
(9)
6102
(9)
6052
(3)
6003F
(リサガス)
6003
(12)
6103
(12)
6053
(4)
←富士山│大月・河口湖→

6001F、6002Fは「富士山麓電気鉄道オリジナル色」ですが、よくコラボトレイン企画を行っている印象。ベースを崩さずにラッピングしててすごいなあ、と感心しています。

6500番代

6501F マッターホルン号(30周年バージョン)

量産車の「原型顔」から改造された6500番代。2編成が所属しています。しかし、2編成とも別の場所から来ているのが特徴。6501Fは京葉線、6502Fは埼京・川越線から来ています。

  • 6501F:マッターホルン号(30周年バージョン)
  • 6502F:トーマスランド25周年記念号

富士山麓電気鉄道は「富士山に一番近い鉄道」という異名があるほど、裾野を走ります。
そこで、同じく山岳鉄道である、スイスの「マッターホルン・ゴッタルド鉄道」と姉妹鉄道の関係を結んだことから、マッターホルン・ゴッタルド鉄道の「マッターホルン号」塗装を模したラッピングを行っています。しなの鉄道の「自強号」的な感じ。先代1000系時代からやっているようです。

6502Fは富士急ハイランド、「トーマスランド」のラッピングが行われています。トーマスランド号、一回消えた時期があったんですよね。あの時は衝撃的だったなあ…。

6502F トーマスランド25周年記念号

トーマスランド号は別扱いされているようで、時刻表もトーマスランド号だけは別に乗っています。なお、普通列車の扱いなので乗車の際に追加料金は不要です。
マッターホルン塗装、トーマスランド号ともに先代の形式から愛されてきた車両故に、大切にされているんでしょう。
こちらも、パンタグラフはクモハに2基搭載されています。

編成\車番
()内JR時代車番
>クモハ6500<
(モハ205)
モハ6600
(モハ204)
クハ6550
(クハ204)
6501F
(マッター)
6001
(33)
6101
(33)
6551
(11)
6502F
(トーマス)
6502
(287)
6602
(287)
6552
(107)
←富士山│大月・河口湖→

6501F、一時期クハ6551の前照灯がハロゲンランプからコイト形LEDに変わってたんですよね、ちょっと変な感じだったなあ。

初代トーマスランド号 5000系が築き上げた「価値」はしっかり6502Fが受け継ぎました。
初代トーマスランド号こと5000系は下吉田駅に展示されているので是非。

6700番代

6700番代には前期車と後期車の2編成に分けることができます。別々にご紹介しましょう。
と、言いつつ全編成に共通する相違点がありまして。

先の6000番代・6500番代が従来の205系で採用された「ツーハンドル方式」なのに対し、6700番代では「ワンハンドル方式」が採用されました。この車両自体、「JR時代に一度中間車から改造された車」。そのため、運転台を新設した関係なんだとか。
また、各車両にスーツケース置き場を設置。もはやここまで来ると観光用車両ですね笑

前期車

6701F よく見ると半自動ボタンの台座が細長い。

6701F・6702Fからなる前期車。八高線3000番代由来の車です。

  • 6701F:富士急行線開業90周年記念車両
  • 6702F:NARUTO×BORUTO富士 木ノ葉隠れの里号

6701Fは富士急行線開業90周年を記念して、「富士急行線開業90周年記念車両」として活躍中。金色のゴージャスな塗装は、富士急行線の開業90周年を記念した塗装なんです。
6702Fは有名アニメ「NARUTO」とコラボした「NARUTO×BORUTO富士 木ノ葉隠れの里号」として運行中。富士急ハイランドがNARUTOとコラボしているから、のようですね。
パンタグラフはやはりクモハに2基搭載。

編成\車番
()内JR時代車番
>クモハ6700<
(モハ205)
モハ6800
(モハ204)
クハ6750
(クハ204)
6701F
(90周年)
6701
(3005)
6801
(3005)
6751
(3005)
6702F
(NARUTO)
6702
(3001)
6802
(3001)
6752
(3001)
←富士山│大月・河口湖→
6702F。大月・河口湖側の顔は赤いんです。

後期車

まだ無塗装だったころの6703F

後期車こと6703F。鶴見線1100番代由来の車です。
6000系の中で唯一「譲渡時に先頭車化改造」を行わなかった編成、としても知られています。

出身路線が違い、機器も何もかも違う。そんな彼ですが、やはり「6700番代」に振り分けられました。てっきり6800番代とかになるものだと思っていましたが、そんなことはなかったようです。
出身路線が違うため、他の6700番代と違い、「半自動ボタンを新規設置」しているのが特徴的。6000番代・6500番代と同じようなドアボタンを取り付けています。また、この6703F、6000系では唯一の「パンタグラフを1基、モハに搭載」している編成だったり。冬場の霜取りなどはどうなるんでしょうか…。

現在では富士急ハイランドのやる気のない公式ヒーロー「絶叫戦隊ハイランダー」をラッピングした「絶叫戦隊ハイランダー号」として活躍しています。

編成\車番
()内JR時代車番
クモハ6700
(モハ204)
>モハ6800
(モハ204)
クハ6750
(クハ204)
6703F
(絶叫戦隊)
6703
(1105)
6803
(3005)
6753
(3005)
←富士山│大月・河口湖→

まとめ

全編成が個性豊かな富士山麓電気鉄道6000系。関東圏最後の国鉄型になるのも、もう秒読みなのかもしれません。
富士急行にはこのほかにも、京王5000系電車を改造した1200系「富士登山電車」や、JR東海371系電車を改造した「富士山ビュー特急」などの観光列車も走っています。
運賃は普通の鉄道の数倍する、ちょっと高額な路線ですが、「富士急行線に揺られながら見る富士山」は壮大なものです。大月から河口湖まで、ゆったりと旅をしてみませんか?

今回の記事は「仙石線205系」を執筆しているこづるくんにインスパイアされた記事です。こづるくんの仙石205系も、ぜひお読みください!
今日から12月。本格的に冬ですね。ついに仙石線E131系の運行も開始、時代も変わったなあ、と本当に感じました。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

仙石線、遠いんだよなあ…。

この記事を書いた人
へち
へち
今日も生きてて偉い。

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