【どこ】BEC819系「DENCHA」の次の投入路線は?

ご無沙汰してます。ふぺです。

JR九州が所有するBEC819系こと「DENCHA。「DENCHA」は電化区間で充電した電気で非電化区間に入ることができるほか、最近では自動運転に対応するなど非常に高性能な車両として活躍していますが、次に投入される路線はどこになるのでしょうか?

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BEC819系「DENCHA」とは

BEC819系とは2016年に登場した形式で、キハ40系の置き換え用かつ都市部かつ比較的短距離な路線向けの車両として製造されました。

BEC819系はJR九州ではお馴染み水戸岡鋭治さんがデザインされたほか、817系をベースに製造されたため外観・内装どちらも酷似しています。またBEC819系の愛称である「DENCHA」は「DualEnergyChargeTrain」から来ています。

この形式の特徴というのは充電して非電化区間でも走れるということ。主に電化されている区間(香椎駅構内や直方〜折尾)で床下に設置されている電池に架線からの電気を使って充電し、非電化区間(香椎線・若松線)では充電した電池を使用して走ることができるのです。

また充電のスピードも速く、約10分間の充電で約90kmの走行が可能になっています。

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「DENCHA」どこなら走れる? 【日田彦山線】

ではこの走行可能距離と路線の特徴をもとに、本題のBEC819系が次に投入される路線を考察していきましょう。

まずは日田彦山線。日田彦山線は城野駅から添田駅を結ぶ路線で、かつては添田から先の夜明駅や日田駅まで線路が伸びていましたが、2017年に発生した九州北部豪雨の影響で運休。長らく運休扱いとなっていた添田〜夜明はBRTひこぼしラインに代替されたため、現在は全ての列車が添田(田川後藤寺)までの運行となっています。

そんな日田彦山線の路線長は電化されている城野駅を起点をすると、城野〜田川後藤寺が片道30km、往復60kmで、城野〜添田が片道39.5km、往復79kmとなっています。

この日田彦山線はBEC819系の元となった817系蓄電池車の走行実験が行なわれた場所で、城野〜石原町で試験走行が行なわれた際も問題なく走行できていたことから、おそらく日田彦山線へのBEC819系導入はできると思われます。

採銅所駅にBEC819系がいる世界線、見てみたいですね。

「DENCHA」どこなら走れる? 【後藤寺線・原田線】

次に後藤寺線原田線。後藤寺線は新飯塚駅から田川後藤寺駅までを結ぶ路線で、原田線は筑豊本線の桂川駅から原田駅までの区間の愛称となっています。

そんな後藤寺線・原田線の路線長ですが、後藤寺線の新飯塚〜田川後藤寺が片道13.3km、往復26.6kmで、原田線の桂川〜原田が片道20.8km、往復41.6kmとなっています。

後藤寺線は2両編成のキハ147が走っているので輸送力の面では大丈夫だと思いますが、原田線は本数が少ないうえ全ての列車かキハ40の1両編成のため、BEC819系を入れるほどの需要があるかと言われれば厳しいと思われます。また原田線の筑前山家〜筑前内野に存在する筑豊本線トップクラスの難所と言われる冷水峠を重たいBEC819系は登りきることはできるのか?…という問題もあるため、後藤寺線はともかく原田線へのBEC819系導入の可能性は薄いと思われます。

「DENCHA」どこなら走れる? 【関門トンネル】

次に関門トンネル運用(下関〜小倉)。これは福岡県の小倉から門司のデッドセクションと関門トンネルを通過し山口県の下関へ至る運用です。なお途中の門司にデッドセクションが設置されているため、この運用は交直流車の415系が全て賄っています。

そんな関門トンネル運用の路線長ですが、小倉〜門司は交流電化されているためカウントしないとした場合で計算すると門司〜下関で片道6.3km、往復12.6kmとなります。路線長も比較的短く、ここだけ見ると余裕で入れそうに見えますが、とある大きな問題が存在します。

まず関門トンネルは海水の漏れが酷くトンネル内部も非常に湿っています。そしてBEC819系に搭載されているリチウムイオン電池は湿った場所等に非常に弱く、万が一走らせてしまうと内部の電池がショートを起こし、最悪火災が発生してしまいます。そのためBEC819系は関門トンネル運用に導入することは不可能に近いと思われます。

「DENCHA」どこなら走れる? 【唐津線】

次に唐津線。唐津線は佐賀県の久保田駅から西唐津駅までを結ぶ路線で、全ての列車が久保田から先の佐賀駅まで直通するほか、唐津〜西唐津は筑肥線の電車が直通してくる関係で直流で電化されています。

そんな唐津線の路線長は久保田〜西唐津で片道42.5km、往復85kmとなっています。

唐津線は往復で85kmとBEC819系の走行可能距離である90kmにかなり近いうえに、途中の多久〜厳木には唐津線1番の難所である笹原峠が存在するため、唐津線への導入は厳しいように思えます。

「DENCHA」どこなら走れる? 【長崎本線】

次に長崎本線。長崎本線は佐賀県の鳥栖から長崎県の長崎を結ぶ路線ですが、2022年の西九州新幹線開業によって特急が通らなくなった影響によって途中の肥前浜〜諫早の電化設備が撤去されており、気動車しか入れないようになっています。

そんな長崎本線の肥前浜〜諫早の路線長は片道42.8km、往復85.6kmとなっています。

唐津線と路線長はほぼ同じですが諫早〜長崎には電化設備が残っているため、それを利用して充電ができると考えればそこまで導入に対するハードルは高くないような感じがします。

ただ長崎地区にはYC1系が投入されているほか、諫早〜長崎の電化設備も残っているとはいえ使用できるかと言われれば怪しく、本数がかなり少ない当区間のためにBEC819系を導入するのは厳しいでしょう。

「DENCHA」どこなら走れる? 【三角線】

次に三角線。三角線は熊本県の宇土から三角までを結ぶ路線で、沿線の景色の良さを活かして特急A列車で行こうが土休日に2往復設定されています。

そんな三角線の路線長ですが、電化されている宇土を起点とすると、片道25.6km、往復51.2kmとなっており、ほかの路線に比べやや短くなっています。

またこの区間の列車はキハ200の2両編成が使用されていることや、このキハ200が所属する熊本車両センターにはBEC819系の元となる817系が配置されていることも考えると、三角線へのBEC819系導入は容易といえるでしょう。

もし今後、熊本にBEC819系が導入されて鳥栖発三角行きなどが設定されるようになったら面白いですね。

「DENCHA」どこなら走れる? 【久大本線】

由布院駅

次に久大本線。久大本線は福岡県の久留米と大分県の大分を結ぶ路線で、沿線には豊後森天ヶ瀬由布院といった観光地が多く並び、ゆふいんの森を筆頭とした観光特急も多く運行されています。

そんな久大本線の路線長ですが、久留米〜日田が片道47.6km、往復95.2km、日田〜由布院が片道51.5km、往復103km、由布院〜大分が片道42.4km、往復84.8kmとなっています。

この3つの区間のうち久留米〜日田は需要こそ見込まれるものの、往復での路線長がBEC819系の走行可能距離である90kmをオーバーしているほか、日田〜由布院も同様にオーバーしているうえBEC819系を入れるほどの需要がないため、実質BEC819系を導入できるのは由布院〜大分のみとなります。しかしこの区間は「こっちでも行けるよ!ゆふいんきっぷ」等の発売による湯布院温泉への行楽客による混雑が目立っており、オールロングシートのBEC819系が導入できれば混雑解消に繋がるかもしれません。

「DENCHA」どこなら走れる? 【豊肥本線】

次に豊肥本線。豊肥本線は熊本県の熊本と大分県の大分を結ぶ路線で、熊本から肥後大津は電化されているほか、沿線には阿蘇といった観光地が並びます。

そんな久大本線の路線長ですが、電化されている肥後大津を起点をすると、肥後大津〜宮地が片道30.8km、往復61.6km、宮地〜豊後竹田が片道34.6km、往復69.2km、豊後竹田〜大分が片道60km、往復120kmとなっています。

この3つの区間のうち肥後大津〜宮地は阿蘇へ向かう行楽客での混雑が目立っているためBEC819系を導入すれば混雑解消に繋がるでしょうが、BEC819系では途中の立野に存在する急坂を登り切ることができない可能性があり、宮地〜豊後竹田ではBEC819系を入れるほどの需要がなく、豊後竹田〜大分ではBEC819系の走行可能距離である90kmをオーバーしている点から、豊肥本線へのBEC819系導入の可能性は低いと思われます。

どこなら走れる? 【日南線】

Wikipediaより

次に日南線。日南線は宮崎県の南宮崎から鹿児島県の志布志を結ぶ路線で、途中の田吉から宮崎空港線が分岐しているほか、沿線には子供の国や青島といった観光地が並びます。

そんな日南線の路線長ですが、電化されている田吉を起点とすると、田吉〜油津が片道44km、往復88km、田吉〜志布志が片道86.9km、往復173.8kmとなっています。

路線長を見ると分かる通り、田吉〜志布志は往復88kmとBEC819系の走行可能距離をオーバーしていることや需要が薄いことから、BEC819系が導入される可能性は薄いと思います。しかし田吉〜油津はギリギリですが走行可能距離である90kmに達しておらず、また沿線に観光地も多く需要があることから混雑解消のためにBEC819系が導入される可能性はありそうですが、正直実現する確率は低いでしょうね…。

「DENCHA」どこなら走れる? 【吉都・肥薩線】

※画像が直方車なのは目を瞑ってください

次に吉都線・肥薩線。吉都線は宮崎県の都城駅から吉松駅を結ぶ路線で、肥薩線は吉松駅から隼人駅までを結ぶ路線です。なお肥薩線は鹿児島本線の旧ルートで、かつては吉松から人吉を通り八代までを結んでいましたが、2020年の豪雨災害の影響により不通が続いています。

そんな吉都線・肥薩線の路線長ですが、吉都線の都城〜吉松が片道61.6km、往復123.2km、肥薩線の吉松〜隼人が片道37.4km、往復74.8kmとなっています。

まず吉都線ですが、難所こそないものの往復約123kmとBEC819系の走行可能距離をオーバーしているほか、肥薩線も利用者が少なくBEC819系を入れるほどの需要が見込まれないことから、両路線へのBEC819系の導入は厳しいと思われます。

「DENCHA」どこなら走れる? 【指宿枕崎線】

Wikipediaより

最後に指宿枕崎線。指宿枕崎線は鹿児島県の鹿児島中央から枕崎駅までを結ぶ路線で、土休日には特急指宿のたまて箱が毎日3往復設定されています。

そんな指宿枕崎線の路線長は鹿児島中央〜指宿が片道45.7km、往復91.4km、鹿児島中央〜枕崎が片道87.8km、往復175.6kmとなっています。

この路線は2両編成のキハ200が走っており難所こそないものの、オールロングシートのBEC819系を入れるほどの需要は低く、またどちらの区間もBEC819系の走行可能距離をオーバーしているため、導入は厳しいでしょう。

まとめ

以上の考察から、次にBEC819系が導入される可能性が高いのは難所も少なく路線長も短い日田彦山線・三角線の2つになると思われます。

ここまでBEC819系の次に導入される路線について話してきましたが、まずBEC819系は冒頭でも紹介した通り都市部かつ比較的短距離な路線向けの車両となっているため、吉都線や唐津線といったローカル路線に入れるというのは改めて考えるとおかしな話でしたね。しかし今回紹介した路線のほとんどで走っている国鉄型のキハは老朽化がかなり進行しており、近いうちにYC1系列の新型に置き換わると思われるので国鉄型のキハに乗りたい!という方は早めに乗っておくことをおすすめします。

少し雑な終わり方となってしまいましたがここで終わりとさせて頂きます。読んでいただきありがとうございました。

この記事を書いた人
ふぺ
ふぺ
よく奇行に走ります
icon @Bashamichi_mm04

コメント  ご意見やご感想等お気軽にどうぞ。

  1. 辻本 より:

    もうないです。

  2. 韋編三絶 より:

    仮定の話ですが、福岡市地下鉄空港線(直流)の篠栗線(交流)延伸乗入が実現したらDENCHAも活躍できるのではないでしょうか。福岡県は調査費を予算計上しています。

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