
こんにちは。昨日外出したときに傘を忘れて風邪を引きかけたこづるしんでんです。
さてさて皆さん、この記事を覚えていますか?
2回にわたって、東北きっての老朽車である719系5000番台の置き換えについて考察しました。で、2回目の記事の最後で、山形線の新車は「HB-E220系ベースのE723系(仮)」であるとまとめました。
その後、あまりこの話を聞いてませんでしたが、なんと正式にE723系5000番台の山形線への投入が発表されました。
今回はその詳細な仕様、運用範囲について確認していきましょう。
E723系とは?

まずは大まかな概要から。
・E723系5000番台: 山形線の福島~新庄に投入
・投入数: 2連11本(22両)
・営業開始時期: 2026年秋頃
山形新幹線と線路を共有する奥羽本線(山形線)の福島~新庄間に投入されます。
各車両にフリースペースが設けられる他、乗降確認カメラも設置されるそうです。
ちなみに帯の色は719系・701系と同じですね。この帯の橙色、これを見ると山形に来た~って実感が湧くので継承されてて良かったなと。(ちなみにこのイメージイラストだと、前面奥側の帯が貼られてません。誤植だよね……?)
外装は?



GV-E400系(一枚目): 筆者撮影
H100系(二枚目): MaedaAkihiko – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=120040524による
HB-E220系(三枚目): 撮影 コードレス掃除機様
まずは外装ですが……これ、まさに「電車版DECMO」って感じですね。全く同じ。
既存のGV系列の車体から変わっているところは、
・ドアが3ドア(ドア窓は単層ガラス?)、両開きに
・窓配置が独自のものに
といった感じでしょうか。なお前者はさすがに片開きのドアを比較的混雑する路線に入れられなかった、後者はGVやHBなどではなく純粋な電車なため、デッドスペースが少なくなったからだと考えられます。そういえばドア、701系用のものと同じ気がするなあと。
また、電気連結器が2段のものになっているほか、シングルアームパンタグラフを搭載していますね。
内装は?

内装はオールロングシートになるそう。まあ山形線は混む時は混みますし、最近の新車にクロスシートをあまり積んでいないので、これも時の流れかなあと。ただし、ロングシートの幅が広くなっている(E235系よりも広いらしい)のはいいですね。
なお、GV-E400系やH100系と同様、ドア上でのLEDやLCDによる案内はありません。ただ、運転台後ろについている運賃表示板が、車掌乗務時でも稼働し案内表示を出しているそうなので、一応案内が何もない車両ではなさそうです。
また、吊り革は丸型のもの、座席の袖仕切りは板状のものになっています。
フリースペースやバリアフリートイレ設置の関係か、多少定員は減少しています。
おさらい
ここからは、以前の記事でも取り上げた「なぜ?」を、おさらいしましょう。
Q:なんでE721系じゃダメなの?

A:床が低いから
山形新幹線との共用区間は、ホーム高さがミニ新幹線仕様(電車ホーム)。
E721系だと客車ホーム前提で設計しているので電車ホームより床面が低く、運用時に難があります。
E723系はGV/HB系列と同様に、一般的な電車ホーム向けの床面高さになっており、この問題をクリアできます。
Q:なんでDECMO顔なの?
A:似たやつがいっぱいいるから
GV-E400・H100・HB-E220と設計思想を統一することで、部品の共通化などを図れるのかもしれませんね。
置き換え相手は?運用は?


投入数が2両x11編成と、現状の719系の本数2両x11編成(Y-11編成が解体済みのため、数に入れてません)とピッタリ同じです。
そのため、基本は719系を置き換え、701系はまだ本格的な置き換えは行わないのではないでしょうか。
またE723系5000番台は、先述した通り電気連結器が2段のものを搭載しているようです。実はE721系も同様に2段電連となっていて、電連が1段の701系との併結時には電連の接点で形式を判別する……といったことがあるようです。そのため、あえて別の電連を採用したということは、既存の701系5000番台との併結も視野に入れられているのではないでしょうか。
現在の山形線では、形式によって運用が完全に分けられており、701系と719系で予備が別々に確保されていました。もしかすると、E723系の投入で701系・E723系共通の予備としてE723系を使い、予備車削減を行う……というようなシナリオもありえます。701系が入線可能な米沢〜新庄間は2車種の運用を完全に共通にし、運用数を削減するのかもしれません。
E723系は今後増える?
さてさて、読者の皆さんも気になっているであろうこの話題。
E723系は今後増えるのか?です。
あえて5000番台という標準軌用の区分を踏襲したことから、狭軌用の0番台などが登場してもおかしくはないのでは、と思った方もいるのではないでしょうか。
私は、狭軌向けも含めさらに増備されるかもしれないが、701系の全数置換はしない、と予想します。
では路線ごとにちょっと考えてみましょう。
701系(狭軌)
ではまず狭軌の701系から。
秋田車

車齢30年近い車両も多い秋田の701系は、機器更新から15年近く経過している編成もおり、そろそろ流石に置き換えの話が持ち上がってくるはずです。
さらに、秋田地区にはGV-E400系が配置されていて、E723系と似た仕様のため部品の共通化を図れるのかもしれません。コストのかかる低床化・拡幅車体の車両を配置するよりも、E723系を配置した方が安上がりなのではないでしょうか。
あと比較的閑散区間だし。
盛岡車

盛岡も同様にE723系と似た仕様であるHB-E220系が配置されていますが、盛岡の701系は機器更新からまだ10年程度。
まだ置き換えには早いのではないかなあと思いますが、まとめてE723系にしてしまうのもありそうです。
仙台車

仙台の701系は秋田の701系と比べると機器更新から時間が浅いほか、近隣にGV-E400系・HB-E220系がまだいません。
また、低床されているE721系もすでに配置済みであり、先述した地域よりも需要があることを踏まえると低床・拡幅の新型車両を投入する可能性はまだ高そうです。
701系(標準軌)


右:Nee751 – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=155764311による
左:Lover of Romance – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2284810による
こちらはE723系で701系5500番台の置き換えが行われなさそうだ、ということを踏まえると双方ともまだ置き換えは行われないと思います。
タイミングとしては、701系盛岡車置換ぐらいの時期に置き換えですかね。(シンプルにE723系5000番台増備で済みそう)
まとめ
ということで、E723系について考察しました。
山形新幹線直通区間という特殊な環境ゆえに生まれた電車版DECMO。
719系の完全置き換えが目前になり、山形線の車両事情は大きく変わりそうです。
701系との共通運用も視野に入りつつ、将来的には秋田・盛岡への波及もあるかもしれません。
E723系の今後の増備と運用展開に、引き続き注目していきましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
公式プレスリリース: https://www.jreast.co.jp/press/2025/20251126_ho03.pdf

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