
こんにちは。こづるしんでんです。
皆さんも印象に残っているだろう、10月5日深夜に発生した田園都市線の衝突事故について、田園都市線に詳しくない私が、事故の状況や影響を整理してみました。
多少大雑把な部分もあるかもしれませんが、できるだけ正確かつわかりやすく説明するよう頑張ったので、ぜひ最後までお付き合いください。
前置き
この記事には、特定の事業者または個人を批判する意図は一切ありません。
当サイトは鉄道趣味サイトです。正確な情報を扱うよう心がけていますが、正確な事故原因は事故調査委員会の公式発表をお待ちください。
また、東急電鉄をはじめとする関係各社へのお問い合わせはお控えください。
事故発生時の様子は?

ではまず、事故が発生した時の状況を、時系列を追って整理してみます。
5日午後11時4分ごろ、川崎市高津区の東急田園都市線梶が谷駅近くの線路で、停車していた回送列車に走ってきた普通列車が衝突し、回送列車の一部が脱線した。乗客と乗員にけがはなかった。田園都市線は渋谷―鷺沼間で6日の始発から運転を見合わせ、午後1時30分現在、全線での運転再開の目途は立っていない
【朝日新聞 10月6日付】

- 5101号車の2軸が脱線
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5101号車のスカートが大きく変形
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2135Fの1~3号車の側面も凹んでいる
脱線した5101号車の2軸はレールから外れ、スカートが大きく変形しています。また2135Fも側面が凹んでおり、被害状況はかなり深刻です。
調査も長引き、当初は10月6日中の運転再開は難しい見通しでしたが、10月7日0時ごろに運転再開し、10月7日始発からは平常ダイヤで運転されました。
他路線への影響は?
田園都市線



田園都市線では、事故の発生した梶が谷駅を含む渋谷〜鷺沼間は、10/6始発から運転を見合せ。鷺沼〜中央林間間で折り返し運転を実施していました。その後10/7の0:00ごろから運転を再開し、10/7の始発からは通常ダイヤで運転しています。
田園都市線は折り返し設備のある駅が限られており、渋谷〜鷺沼という半分以上の区間が運転見合わせとなる大打撃を受けました。また、運転再開したとしても、5103Fと5110Fは恩田で検査中、5106FはJ-TREC横浜に入場中、 5101Fと2135Fは事故のため使用不可なので、予備車が-2です。結構ヤバいですね……
大井町線

大井町線は、二子玉川~溝の口間の田園都市線区間への乗り入れを中止し、大井町〜二子玉川間で折り返し運転を行なっていました。

鷺沼や長津田に夜間留置されている車両を送り込めないので、運用に入っていたのは各停用5両編成がわずか8編成でした。さらに急行用の車両はすべて大井町線外に留置してあるため、全列車が各停で運転されていました。
地下鉄半蔵門線・東武スカイツリーライン
半蔵門線と接続する区間が運転を見合わせているので、田園都市線と半蔵門線は直通運転を中止、さらに朝の時間帯は東武スカイツリーラインとの直通も中止していました。
田園都市線が止まったとしても、直通を切れば半蔵門線以北は大きな乱れなく運転できるね、と思うかもしれませんが、皆さん、半蔵門線の車両基地はどこにあるでしょうか?
そうです、鷺沼です。
つまり半蔵門線車両の出庫は不可能、さらに東急側の車両も送り込めないので、半蔵門線内・東武線内に残った車両のみでやりくりしていました。
そのほか、田園都市線の乗客が迂回してきた首都圏各線でも混雑が生じていて、一部の駅では入場規制も行われたとのこと。
運転再開は?
夕方になってもなかなか運転再開されず、かなり厳しい状況になっていましたが、こちらのポストによると、18:40ごろに5101Fの脱線復旧が完了し、20:30ごろに5101Fと2135Fの接触が離れたそうです。
その後10/7の0時ごろに運転を再開し、終電後にこの2編成は長津田まで回送されたそうです。
事故原因は?

では、公表されている事故原因について見てみましょう。原因として示されているのは、信号システム側の条件設定の不備です。
つまり、駅構内の信号装置が、特定の条件下で「本来閉じるべき進路を閉じきれなかった」ということらしいです。
「列車がいるときに、本来は停止信号が出てなければいけないが出ていなかった。そういった条件が抜けていたために、今回の事象(衝突事故)となってしまいました」
事故が起きた際、衝突された回送列車は本来の位置より手前で停止していたため、普通列車の車内では本来は赤信号が表示されるところ、進行を意味する青信号が出ていたということです。
その原因については、2015年にシステムを改修した際に、必要な設定が抜け落ちていたからだとしています。東急電鉄は信号システムの改修を行うなどして再発防止に努めたいとしています。
【TBS NEWS DIG】 10/7付
今回事故が起こった場所は、梶ヶ谷駅の3番線引込線と本線が交わるあたり。
この区間は、引込線への入換が夜間に行われます。ちょうどその時、回送列車が想定より手前で止まり、最後部がほんの少しだけ本線側にはみ出していました。
その状態で、上り列車が進入。
通常なら進路が重なれば信号が絶対に進行現示を出さないはずですが、どうやら信号が進行現示を出してしまい、そのまま衝突に至ったそうです。
さらに、新横浜駅や二子玉川駅でも同様の信号の設定ミスが発見されたそうです。
事故当該の今後は?
では、事故当該の車両は今後どうなるのかについて考えてみました。
5101Fは?

5101Fは渋谷方の先頭車が脱線し、スカートも大きく変形している様子がわかります。ただ、事故後に梶が谷〜長津田で自走で回送されていることから、まだ復帰はできそうですが、先頭車の代替新造は必要になりそうな気がします。
しかし、今5000系ではリニューアル工事が続々と施行されていることや、5101F自体車齢も23年と経っていることから、代替新造をしてまで復帰させるかと言われると疑問符がつきます。2020系を一本分追加増備するというのも十分あり得ます。
5101F自体5000系の量産先行試作車であり、多少の差異が生じていることを踏まえると、今後の動向は読めません……
2135Fは?

2135Fに関しては、衝突した1〜3号車にはっきりと傷(凹んでいる?)が入っています。ここまで損傷していると、1〜3号車の代替新造は避けられませんね。
ただ、シリーズ形式の6020系がまだ増備されていることを踏まえると、代替新造のハードルは低そうです。
まとめ
まずは、今回の事故対応を行った東急電鉄職員の皆さまをはじめ、振替輸送・代行輸送などで対応された多くの事業者の皆様のご尽力に感謝申し上げます。
今後はこのような事故が起こらないようにと祈るばかりです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
参考文献・引用元




- 2025年10月15日まとめ・考察【信号の設定ミス?】田園都市線梶が谷での衝突事故の様子をまとめた
- 2025年10月12日もっと【アルバイト運用も!】相鉄横浜駅で”30分”撮り鉄した話
- 2025年10月8日まとめ・考察【秋田新幹線向けE11系ベース?】East-i後継のE927系の開発が発表
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