
どうも、閑古模型です。
今回は、近鉄30000系のBトレを見ていきます。
実車

近鉄30000系は、1978年に登場した二階建て車両を含む特急車です。登場時から、大部分の標準軌路線の特急で運用されました。10100系とは異なり、全車ボギー台車を採用し、4両編成1編成となっています。また、10100系ではA、B編成が片側の先頭車が非貫通構造となっており、運用上の制約が大きくなっていました。30000系では、ここを貫通構造とすることで運用の柔軟性を向上させています。
ちなみに、12400系は30000系を念頭に置いて設計されており、そのあとにデビューした12410系は30000系と似た前面をしています。


現在の電算機号は“V”ですが、登場時は10100系との混同を防ぐために“NV”となっていました。
編成はこの様になっており、登場時は両先頭側にパンタがある状態でした。

近鉄では、原則パンタが隣り合わせになる組成はNGなため、運用に制約がかかる状況となっていました。(ただ、デビュー前のCM撮影時には、30000系重連で走行していたんですよね…)
そんな30000系は、登場から18年が経過した1996年からの4年間で大規模な更新工事を施工。
大きく変わったのは中間のサ30100とサ30150ですかね。この2両は、車両の上半分を取り替えるという大工事を施工しています。車体断面は更新前より角張った形になり、前面幕は細くなった紺帯に合わせ以前よりも細くなり、特急マークが省略されています。

更新後の30000系は、“ビスタEX”という愛称がつけられています。更新直後の前面幕は巻取り式の幕でしたが、後年にフルカラーLEDに変更されました。どちらも赤地に白文字となっており、LEDの方の文字には黒い縁取りがありました。これにより、更新前に方向幕上にあった特急の文字は消滅しました。が、後年に正面向かって左側の窓(助士側)に“特急”の文字が掲げられるようになりました。(ちなみに、模型でこの“特急”を再現するなら、京急1500型の種別幕がうってつけです。)
塗装は、アスカオレンジをベースに、ネイビーと白の帯を窓下・車体中央に配置。両先頭車のモ30200とモ30250にはVをイメージしたものが編成中央側に配置されています。中間のサ30100とサ30150は、車体中央の帯を境に、下半分が白、上半分がアスカオレンジとなっています。非常にシンプルですね。
また、運転室側のパンタグラフは撤去され、先程述べた運用上の制約は解消されました。今でもパンタ跡が残っています。
2010年からの2年間で、近鉄汎用特急の塗装変更がされ、白を基調とした塗装に変更されました。
また、2016年から2019年にかけてモ30250に喫煙室を設置。2020年の12200系の引退をもって、近鉄特急の喫煙車は廃止サれました。が、この喫煙室も2024年の改正で廃止に。というわけで、2025年現在は虚無のスペースと化した喫煙室。果たしてどうなってしまうのか……(喫煙車という響きが懐かしい…)

近鉄限定品
30000系ビスタEX

30000系ビスタEXは、近鉄関連のイベントや近鉄主要駅、近鉄百貨店(ネット通販)、Gatan-Goton(鶴橋駅構内のグッズショップ)などでのみ販売。限定販売かつ人気のEXということで、発売当時もそこそこ入手困難だったとかなんとか……
箱付きなんかになるともうこれがめったに見かけない……というわけでもなく、意外と箱付きや新品未開封品を多く見かける印象ですね。特に某Mカリ…(代わりに値段もそこそこ張りますが……)

方向幕は、巻取り式のもののみが収録されています。旧塗装末期の使用を再現するならなどのステッカーを使用するのが良いですね。助士側の特急表示は京急1500形の側面種別幕がおすすめです。(BトレでもNゲージ各社製品でも◯)

一般販売品と共通のパーツはあんまりない感じですね。
ちなみに、製品状態ではSHGフレームです。カプラーポケットが改良型に変更された、いわゆる新SHG(NSHG)ってやつです。このポケット、地味に胴受けがモールドされているので結構乱用利用してます。
一般販売品
30000系ビスタカーⅢ

一方、ビスタカーⅢ世は模型店などで一般販売されました。こっちは一般販売品ということで、中古市場にそこそこ出回っている印象ですね。箱付きもよく見かけます。
前面方向幕は、12400系などとは異なり、縁部分がモールドで再現されています。ここらへんは30000系の特徴的な部分といえますね。ただ、印刷状態は縁より少し大きいので一回り小さく切り出す必要があります。これにより、Nゲージステッカーの流用が可能になっています。あと印刷が実感的で◎(ステッカーの詳細はステッカーの章へ)

共通事項
ステッカー
ビスタⅢ世とEXのステッカーは共通になっています。(コスト的に分けたら厳しいし…)
ただ、いくら共通とはいえ、収録物はそれぞれ用意されています。
方向幕
Ⅲ世用には、逆台形のいつもの近鉄特急幕が収録されています。ただ、幕部の銀縁は車体側にモールドで表現されているため、表示の部分のみが印刷。これはEXも同様です。
EXはEX化更新後〜2013年ごろまで見られた巻取り式方向幕のものが収録。LEDとはフォントがちょっと違います。
行き先は、ビスタⅢ世のローマ字表記なしの名古屋・難波・奈良・京都・橿原神宮前・賢島、ローマ字表記ありの名古屋・難波・奈良・京都・大阪上本町・鳥羽が、ビスタEXには名古屋・難波・奈良・京都・橿原神宮前・鳥羽・湯の山温泉・大阪上本町・大阪上本町・大阪難波・京都/大阪難波・賢島・宇治山田・松阪が収録されています。

車番
車番の形態も、Ⅲ世とEXではサイズや添付位置が少し異なるんですよね。
ビスタⅢ世用は、他の汎用特急と同じようなサイズ感で、BトレにはLV3・LV4・LV5・LV6・LV8・LV11・LV13・LV14の物が収録されています。ただ、汎用特急や使用しないⅢ世の車番を切りついで未収録の編成もいけます。大体下1〜2桁が編成番号に相当します。
対して、ビスタEX用は22000系以降の車両と同じような小さく、車端部よりに寄った位置にあります。
EX用の車番は、V1・V2・V6・V7・V9・V10・V12・V15の物が収録されています。こっちのタイプはBトレ製品ではあまり製品化されていないので、少々切り継ぎ難易度は上がりますね………
その他いろいろ
その他、ビスタⅢ世用の側面のVISTA CARロゴ(サ30100/30150用・モ30250用)と、貼り付け位置の説明用ステッカー(モ30250用)が付属。これはなぜか予備が2個ついてきます。前者は共用シートに、後者は専用のものになっています。

EX用のVISTA CARロゴも付属しています。
ビスタEXのセットには志摩スペイン村のキャラクターのステッカーが付属。これは実際にモ30100とモ30150の編成中央寄りの車端部に貼られているものです。

エラー
この30000系ですが、Ⅲ世・EXともにサ30100とサ3150に同じエラーが発生してます。それは…
扉折り目モールドの消失

モ30200とモ30250はそんなことないんですけどね…

現行販売品なら交換対応とかやってくれるんでしょうけど、もう販売終了してるんでね…Bトレ……
気になるならスジ彫りなんかをするしかないですね……
中古だとおいくら万円?
Ⅲ世とEXはかなり流通量が異なるため、値段もそこそこ違ってきます。
Ⅲ世

こちらは、一般販売品だったということでそれなりに出回っており、中古でも500円前後/両ほどで出回っている印象ですね。比較的入手は容易です。
EX

さて、EXはというと、まぁ大体………
1,500〜2,000円/両
いやね、うん。そんなに高いわけないじゃないんかと。そういう声も出てくると思います。
出回らなさ過ぎて価格差が激しいんじゃ…
4両で3,000円くらいの時もあれば8,000円の時もありましたからね……。箱付きや未組立、未開封となると1箱で約5,000円前後、2箱(フル編成分)ともなれば10,000円近くになりますし……。
EXはそれこそ現行塗装に塗り替えたい製品なので、バチボコJUNK車があったら速攻で買いたいんですけどね…
美品しか出てこない…
おわり
というわけで、今回は近鉄30000系のBトレを見ていきました。ビスタEXは、助士側の特急標示を京急1500形の側面種別幕から持ってくるとジャストフィットします。これはBトレでもNゲージでも大丈夫です。

さて、次回(来月)は10月14日、鉄道の日ですね。
これまでBトレ探見では近鉄のBトレを紹介してきましたが、次回はそれは一旦おやすみして、番外編にでもしようかなとか考えています。
まぁ、そんなこんなで今回はここまで。
では、また次回!
前回のBトレ探見
次回のBトレ探見(11月14日公開予定)


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