【定着なるか】特急イブニングウェイ乗車記

遅筆には定評があります。びゅうと申します。

今回の記事こそは速報性が大事!と言いつつ既に1週間が経過しようとしております……。とはいえ運行2日目には何が何でも間に合わせるという強い意志を持って今回は執筆いたしました。どうか読んでいってください。

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突如設定!イブニングウェイ

2025年5月下旬、毎月恒例の時刻表発売日。5月発売分といえば中旬に発表のある夏の臨時列車の時刻掲載がある最初の号なのですが、プレスリリースになかったある列車が我々鉄道マニアの度肝を抜きました。

https://www.jreast.co.jp/press/2025/sendai/20250523_s01.pdf

数日後、JR東日本東北本部から正式にプレスリリースが発表。ガセネタなどではないことが確定すると共に、臨時扱いとはいえJR東日本管内では「秋田リレー号」以来実に28年に定期的に走る気動車特急が復活した瞬間でもありました。

こちら発表直後に書かれていたこづるしんでんさんの記事も併せてご覧ください

運行概要など

2025年7月4日から毎週金曜日(8月15日除く)に設定されます。運行区間は仙台発の小牛田行き、及びその先の石越行きと下り列車のみの計2本が夕方に運行されます。

車両は小牛田所属のキハ110系のいわゆるレトロレトロラッピング車両が用いられることがプレスリリースに使われていた写真で確実視されていました。

今年の春先に運行された「レトロ花めぐり号」充当時に仙台駅にて

ちなみに先述した「秋田リレー号」に用いられていた車両もキハ110系ですが、そちらの車両は仮にも特急用に製造された300番台というグループであり、デッキなどもきちんと設けられていました。一方このレトロラッピング車両が属する0番台は元を辿れば釜石線の急行「陸中」用に製造された、つまり急行型車両であり、座席こそリクライニングシートですがデッキがなかったり色々特急運用に供するには……なんて言われてたりもしていましたね。

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当日レポート

運行初日の7月4日、1番列車たるイブニングウェイ1号乗車のため、夕刻の仙台駅に赴きます。

特急券はえきねっとチケットレスで確保済み。この列車の特急料金、仙台から小牛田までで1280円と乗車時間考えるとかなり割高な印象がありますが、恐らくJR東日本的にはそんなことは百も承知なのでしょう。えきねっとチケットレスで半額になることを前面にプッシュしてる印象がありますし、乗車率がかなり高い状態でもその半額のチケットレスが売り切れになっている様子がなかったので、当のJR自身が売りたい適正価格はこちらの方なのでしょう。

入線〜幕はまさかの……

イブニングウェイ1号の入線は8番線。普段は仙山線専用ホームとして供されているホームへの入線です。ホームの小牛田寄り端部分では運行開始記念のセレモニーが開催されており、沿線自治体の首長が集まり挨拶などしておられました。人混みもあり、詳しく内容を聞き取れたわけではないので中身については各報道をご覧いただきたいのですが、皆一様に定期列車化への期待を語っており、期待度はなかなかの物なのだと実感できました。

車両のホームへの入線は発車15分前の18時ちょうど。小牛田方から回送で入線してきました。

ホームはご覧の通り鉄ヲタで超満員。学生層が比較的多い印象でしたが、ちょいちょいお勤め帰りと思しきサラリーマンの方もおられ、世代的には満遍なくいたよう見受けられました。そしてみなさん、やはり方向幕がどうなっているのか気になるんじゃないでしょうか?気になりますよね?そう、気になるんですよ。

ということでまずは側面から。こちらなんときちんと専用幕(LED)が用意されていました。行き先である小牛田との交互表示です。余談ですがこの画像含め本記事の写真は全てスマホで撮影してるのですがスマホでLED幕撮るのって大変ですね……。これもマニュアルモードでシャッタースピードを手動で設定して撮影しました。

そして前面の種別幕ですが、まさかの特急単独幕。正直臨時幕とかでお茶を濁すのかとばかり思っていただけに驚きました。ここからJR自身もこの列車の定着、定期列車化にかける期待の大きさが窺い知れるなぁと勝手に想像していました。

出発〜一献傾けて

18時15分、定刻通りに列車は発車。担当乗務員は小牛田統括センター所属とのことで、こちらも車両と同じ様子。

先述の通り、元を辿れば急行用として製造された車両ゆえのデッキレス構造に面食らいます。まして昨今は快速列車にばかり充当されていた車両。とはいええきねっとチケットレスで払った金額もその快速の指定席料金とさして差があるわけでもありません。色んな意味で名ばかり特急といった印象。

乗車率はざっと8割〜9割といったところ。ホーム上同様、明らかに同業者といった雰囲気の若者が目立ちますが、本来の想定ユーザーと思われる帰宅中のサラリーマンの風貌の方も何人か見受けられました。そういった方々は缶チューハイなど開けてリラックスした様子であり、首都圏などのホームライナーや特急と同じ雰囲気を感じます。

なおこちら新潟駅の駅弁である

私も気分だけでも味わってみようとお酒を予め仙台駅で購入し乗車。こちらはこの列車の通過する塩釜のお酒である浦霞という日本酒。その中でも生一本(きいっぽん)という宮城県産ササニシキ100%使用のものになっています。

味としては辛みより旨みが強いタイプの日本酒で、後味も濃厚でありながら程よい酸味のおかげかそこまでしつこく感じず非常に美味しかったです。

なんかお酒の話随分長く書いてしまっていますね。一体何の記事なのでしょうか……?とはいえ真面目な話、マイカー通勤に対する鉄道通勤の優位性の一つとしてこうして帰宅中にお酒を嗜むことができる、という点は決して小さくないはずで、その点にフィーチャーするのも今後利用を定着させる上では効果的かもしれません。

そんなこと考えていたらこのようなものをいただきました。仙台駅構内のNewDaysで使える200円クーポンと運行開始記念のティッシュです。こちら7月中の運行日に配布されるようで、翌日以降に使ってくれといったものでしょうか。200円ならビールやチューハイなど1缶買うのにはちょうどいい足しになりますしおそらくそういう意図なのでしょう。

ちなみにこちら配っていただいたJRの社員さん、こんな法被を着ておられました。こんなのあったんですね。

速度はいかほどか

ポスターなど見ても、設定意図が着席保証一義なのが明確なこのイブニングウェイ1号。とはいえ仮にも特急ですし、またプレスリリースにも「仙台〜小牛田間最速34分(普通列車は最速44分)」と速達性についてもアピールする文言がある以上は速度についても期待したくなるもの。ということで速度計で測定をしてみました。

こちら測ったのは少しの間でしたが、体感ではこの測定時の速度感を終始維持して走っていた印象で、中々俊足といった印象でした。先行列車を追い抜くことこそなかったものの、ノロノロ運転になる場面もほとんどなくキチンとスジが組まれているのかなと感じました。

到着〜皆さんどちらへ

18時51分、定刻通りに列車は小牛田駅に到着しました。向かいのホームには石巻線、女川行きの普通列車が待機しており、3分接続で発車していきました。その4分後には陸羽東線の古川行きも発車、見事な接続です。下車した乗客は目測ですが3割4割程度は女川行きに乗り換えていき、残りの多くは小牛田駅でそのまま下車していきました。

プレスリリースには石巻線の小牛田から二駅先にある涌谷駅までの所要時間もアピールされており、小牛田に加え石巻線の石巻以西の需要の喚起も目論んでいる様子。一方陸羽東線も乗り換えダイヤこそ案内されていますがそこまで前面には出ていません。まぁ陸羽東線の沿線だと既に古川駅乗り換えの新幹線通勤がある程度定着していそうで、そこと食い合いかねないことを考えるとあまり積極的にアピールしていく動機も見いだせなさそうです。

1番列車乗車の所感

2両編成とかなり少ない車両数なのも関係あるとは思いますが、1番列車の時点でどう見ても風貌が鉄道マニアではない、普通のサラリーマンなどの利用が見受けられ、定着しそうだなと予感を持ちました。

乗車記部分に書くべき事柄でしたが、途中停車駅である鹿島台、松山町の2駅でも降車がチラホラ見られました。マニアは乗車後の行程的にも全員が全員小牛田まで乗り通す方が合理的なダイヤになっているので、間違いなく地元の乗客でしょう。こうした様子からもなんだかんだで定着してくれるのではないかと思わされました。

小牛田駅には特急イブニングウェイ号に加えて快速湯けむり号の宣伝も。同じ車両で片や快速、片や特急でさらに料金も割引加味すれば同水準。もはや種別の差を意識すること自体段々なくなっていくのでしょうか……。

仙台都市圏に着席保証列車は定着する?

現在工事中……別記事になります

この記事を書いた人
びゅう
びゅう
仙台支社→東北本部→福島事業本部
動きが目まぐるしい…

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