三河知立、つれづれ

皆様こんにちは。杉山英澪です。

さて、名古屋から豊田まで電車で行け、と言われたとき、あなたはどう行きますか?多くの方が、地下鉄鶴舞線と名鉄豊田線を利用するルート、名鉄名古屋本線と名鉄三河線を利用するルート、地下鉄東山線・リニモ(愛知高速交通)・愛環(愛知環状鉄道)を利用するルートのいずれかで移動されることでしょう。今回フォーカスしたいのは、2番目に登場した「名鉄名古屋本線と名鉄三河線を利用するルート」・・・の途中で恐らく耳にするであろう駅名、三河知立です。

スポンサーリンク

三河知立駅 データ

三河知立
みかわちりゅう / MIKAWA CHIRYŪ
開業日1915年10月28日
改称日1959年4月1日(知立→三河知立)
移転日2024年3月16日
駅構造(〜2024年)1面2線
駅構造(2024年〜)2面2線
利用者数(2022年・日)806人
杉山英澪の下車経験あり(1回)
スポンサーリンク

三河知立駅の歴史

当駅の開業は1915年10月。今年で110周年を迎える、名鉄の中でも比較的古い部類に入る駅です。当時は、隣町・刈谷から伸びてきた三河鉄道線の終着駅でした。

この画像から分かる通り、この三河知立駅は、かつては知立駅と称しており、知立町の玄関口でした。しかし、1923年、愛知電気鉄道岡崎線、今の名鉄名古屋本線が知立に延伸してくる際、問題が発生しました。愛知電気鉄道は、当初この三河知立駅(知立駅)に乗り入れてくる計画でしたが、三河鉄道との利害関係からその計画は破綻しました。結局愛知電気鉄道はこの三河鉄道を跨ぎ、三河知立駅との交点付近に新知立駅を設置するという形になりました。

その後およそ15年ほどはこのままでしたが、1941年、転機が訪れます。愛知電気鉄道と名岐鉄道(現在の名鉄名古屋本線の名古屋以北、津島線などを建設・運営)が合併し出来た名古屋鉄道に、三河鉄道は吸収されたのです。そのため、新知立と知立は同じ鉄道に属する駅となったのです。それでいて別の駅扱いにするのは不便である・・・ということで、両駅の機能を統合し、1941年8月1日に知立駅が誕生します。

しかしながら、駅の老朽化や連絡通路での混雑など、かなり多くの問題が露呈しました。それらから、名鉄は地元に知立駅の移転を提案、地元もそれを受け入れました。この際、周辺の商店街への影響も考慮した結果、この旧知立駅も存続が決定しました。名古屋本線の旧知立駅は東知立駅、三河線の旧知立駅は三河知立駅として独立しました。

しかしながら、東知立駅も三河知立駅も(新)知立駅の駅勢圏にあることから、利用が少なくなってしまい、1968年には東知立駅が廃止となりました。なぜ三河知立駅が廃止されなかったのかは不明ですが、杉山英澪は以下のように推測します。

  • 知立の市街地の南端に(一応)接しており、けっして需要が無いわけではなかった
  • ダイヤの都合上、(単線で)毎時3〜4本程度の運行を行うために、三河知立駅の交換設備を残置しておく必要があった

そうして、そこから約50年程度、三河知立駅は大きな変化がなく時が流れていきますが、2010年代後半より、知立駅の高架化が具現化するにつれ、その計画上では三河知立駅も高架化せねばならない、という問題が出てきます。三河知立駅も高架化すれば、多額の金がかかってしまう。そのため、知立市の提案も受けて、三河知立駅は2024年3月16日に現在地へ移転しました。

グーグルマップのストリートビューより。2024年12月撮影らしい

旧駅の記録

現在は新駅に移転した三河知立駅。それからもうまもなく1年が経過します。ここからは、今はなき旧駅の画像を一挙に放出(?)します。

こちらは現在工事中の高架線と旧駅。近代的な高架線と、比較的レトロな線路。ギャップ萌えでしょうか・・・?()

こちらは駅舎。非常に簡素なものであり、駅舎らしさを感じさせないようなものになっています。これがまた良かった。

こちらはホームを道路側から撮影したもの。かなり古く、高架化によってますます近代化が進んでいた隣駅・知立とは異なり、昭和らしい風景が残っていました。この1カ月後にはとても近代的な駅舎になっているわけですから、どこか凄いですよね()

こちらは三河知立駅を出発する猿投行の電車。写真からも分かる通り、この駅で交換を行っています。ちなみに、この電車のヘッドマークには「三河知立」の文字が・・・。そう、これは「三河知立ありがとうトレイン」という、三河知立の新駅移設の告知とそれまでの感謝を最大限に表した列車なのです。

こちらは知立行の電車。その奥には新線が見えます。当時は切り替えまで1カ月を控えていました。

終わりに

三河知立駅。それは、改称・移転を繰り返してきた駅です。この歴史のなかに、利用者の思いがあり、利用者の魂があります。ぜひ、名古屋に訪れた際はこの三河知立駅に行ってみてください。

それではまたいつか

この記事を書いた人

杉山英澪
杉山英澪
明石生まれ・奈良育ち・名古屋住みの学生架空鉄。東海エリアの記事を中心に書いています。心の中はいつも東海市。知多半島の萌えキャラ「知多娘。」のしゅうちゃん・メディちゃん・酔子ちゃん推し。
・・・Freedom TrainもBRAVE!

コメント  ご意見やご感想等お気軽にどうぞ。

タイトルとURLをコピーしました