鉄オタ流、特急湘南ガイド

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通勤特急湘南とは

どうも、ゴハチさんです。

さて突然ですが質問です。皆様の地元に「通勤特急」あるいは「通勤ライナー」は走っていますでしょうか。

無料でも有料でも構いませんが、個人的には有料特急を想像してもらえると話が早くて助かります。

JR線の場合だと、例えば常磐線の特急「ときわ」についても通勤に便利な時間は日中の列車より停車駅の多い列車を運行したり、例えば「らくらくはりま」のような通勤専用の特急列車を仕立てて、途中の駅まで快速よりも多い停車駅に止まって細かい需要を拾いつつ、そこからは都市部までノンストップで駆け抜けるような通勤特急も存在します。

さて、私の地元湘南エリアには、その名もずばり「特急湘南」という列車が走っています。

まずは簡単な概要から。


  • 運行区間:小田原~東京・新宿間

基本的に運行区間は小田原~東京、または新宿間を結びます。一部列車は平塚駅を始終着にしています。


  • 停車駅:下に示す

東京発着

小田原ー(国府津)ー(二宮)ー(平塚)ー茅ヶ崎ー(辻堂)ー藤沢ー品川ー(新橋)ー東京

新宿発着

小田原ー(国府津)ー(二宮)ー(平塚)ー茅ヶ崎ー藤沢ー大崎ー渋谷ー新宿

このように、通勤特急らしく郊外にあるベットタウン間を結びつつ、そこからは都心部の主要駅までノンストップで走行します。

特急湘南と言えば「横浜通過」というのが大きな印象を受ける方も多いかもしれませんね。


  • 運行本数:朝・東京行7本 新宿行3本|夜・東京発10本 新宿発2本

本数について、ここは一番推したい部分なのであとでお話ししましょう


  • 座席:全席指定

近年JR線で増えつつある「スワローサービス」による全席指定列車です


  • 両数:9両.14両

基本的に9両、2往復だけ付属の5両連結した堂々14両の編成を組成しています。


さて、ここから少し推しポイントを熱く語らせてください。

個人的推しポイント

この列車の大きな特徴として上げられるのが「神奈川一の中枢駅である横浜駅を通過する」という点。しかしそんな陰に隠れてしまいがちなのですが、実は特急湘南は「JR一の本数を誇る通勤特急」であり、また同時に「日本一の提供座席数を誇る通勤特急」なのです。

まず本数についてですが、その本数は朝ラッシュ時に東京行き7本、新宿行き3本の計10本。特急王国で有名なJR九州でも小倉~博多間の「ソニック」や「きらめき」などで朝ラッシュの6:30-9:40の間で8本。単一ターミナルに乗り入れる列車でいえば負けますが、東京都市圏の通勤特急としてはその能力の高さは計り知れないものでしょう。(ちなみに定期券では乗れないものの、サンライズも含めると東京駅に乗り入れる本数は同じ8本になります。)

さらに「提供席数は通勤特急としてはJR、私鉄含めて日本一」を誇ります。特急湘南は基本的に9両編成のE257系(定員596名)を使用し、それが10本走っているわけなので5960名もの輸送を実現しています。この時点で朝ラッシュ時の通勤特急の提供座席数は日本一を誇るわけですが、朝ラッシュに運行される列車のうち2号と14号に関しては修善寺踊り子の送り込みも兼ねて5両編成(定員298名)を増結した14両編成で東京まで向かいます。

つまり提供席数としては「(596×10)+(298×2)名」となり。計算した結果、6556名もの乗客を僅か2時間20分の間で一挙に輸送することを実現しています。

ちなみにこれだけの輸送力がありながら、全列車普通席はほぼ満席。グリーン車も窓側は埋まるくらいの混雑率らしいです。富豪が多すぎでは…?

…と、ここまで散々魅力を語ったところで、ここからは特急湘南を「鉄道ファン目線で楽しむ」楽しみ方を紹介しようと思います。

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鉄道ファン的にオススメしたい座席は?

PhotoACより

先述したように、特急湘南には9両編成の場合596席。14両編成ともなると894席もの座席が存在します。

E257系も、既存車からの改造ということで座席にもそれぞれ個性の強い場所があります。

ちなみにE257系に最後に乗ったのがHDD損傷前なので手元にありません。だって特急なんてあんまり使わないんだもん…

そんな中で「オススメとなる席はどこか」という話になると思いますが、個人的にオススメしたい席、いくつか存在するのですが、まずはこちら

通勤時間のリフレッシュにオススメな座席

上り:3号車のA列偶数席番
下り:3号車のA列奇数席番

というわけで、通勤時間中にリフレッシュしたい方には3号車を強くオススメします。

理由は簡単で、3号車にはフリースペースが存在するため、気分転換などにも使える場所として重宝できるためです。

首都圏の通勤、というと「ギチギチした車内で1時間身動きも取れない…」なんて状況になる印象が強いですし、実際その通りだったりするわけです。

しかしこの湘南号には、3号車に喫煙スペースだったコーナーを改造したフリースペースを備えており、通勤時間中にいつもの席に飽きたらこのスペースでゆっくり湘南の海の景色や、並走する大混雑の通勤電車や通過する主要ターミナル駅を眺めて「ハッハッハ、見ろ、人がゴミのようだ!」と思いながらコーヒーをすすることだってできます。

そして、A列であれば、湘南の(遠くから見る分には)綺麗な海や、並走する列車を眺めることができるので、ゆったりとした気分で通勤することもできます。

席番の偶数・奇数に関する話は、窓枠の話ですが、そこまで詳しく話すと面倒なことになるので、次に行きましょう

閉鎖されたような環境が好きな人向けの座席

上り:1号車・10号車の1番D席
下り:1号車・10号車の2番D席

こじんまりとした環境で資料を作りたい。秘密基地みたいな閉鎖環境が好き。そんな方たちにオススメなのがこれらの席。

この席の場合、お隣に荷物置きスペースが存在するため、少しだけ圧迫されたような感覚になります。

そして、D席を選んだのも、あまり視界の開けてない区間が多いこともあり、そうした意味でも「自分だけ」の空間で集中できると考えたためです。

狭い区間が好きな人にはたまらない席だと思います。

手元でお酒やおつまみを広げたい人向けの座席

上り:5号車の2番A・B席
下り:5号車の2番C・D席

基本的にどの座席も同じ仕様にしたほうが良いのですが、どうしてもそれができない座席があります。

それが車椅子対応座席と、その後ろの席。

まず車椅子対応座席は、1人掛けの座席を使って、車いすの方が使いやすいような座席レイアウトになっています。

そうなると問題になるのが後ろの座席。こちらは普通の2列席なわけですが、そうなると机や網ポケットなどの設備がなくなるのですが、接客に直接関わる点になります。いつぞやの北海道テレビのサイコロの旅で出てきたよ●こい号と同じ問題にもなりかねません(というかあれもよく怒られなかったよな…)

特急湘南に使用されるE257系では、この問題点を解決するべく、この2席にだけインアームテーブルが備えられています

この席ならば、少し遠い場所にある背面式ではなく、手元にあるインアームテーブルを使用できるので、居酒屋と同じ感覚でお酒やおつまみを置けます。

お酒を飲みながらゆっくり行きたい、という方には強くオススメできる座席です。

上りをAB席。下りをCD席にした理由としては以下の通り

  • 上り:海を見ながら通勤しよう!
  • 下り:東京の夜景を肴に帰宅しよう!

ちなみに、通路側(B/C席)であれば足を伸ばして寛ぐことも可能です。コンセントはないですが…(笑)

逆に避けるべき座席は…?

逆に避けておいた方がよい座席、というのもありますので、それも併せて紹介します

上り・下り:4号車11・13番席

グリーン車の座席なのですが、もともと中央線特急時代に普通席だったところをグリーン車に改造した経緯があるため、窓割りがことごとく合っていません

その中でも特に11・13番席はまさに目の前に窓枠が来るという「そうはならんやろ」案件が発生します。

視覚的なストレスがたまりやすいと思うので、なるべく避けた方がよいかもしれませんね

上り:進行方向一番前の座席
下り:各号車の1番席

各号車の一番前の座席、以前座ったことがあるのですがあまりにも過ごすには適さないような座席でした。

まず何と言っても足元が狭い。E257系のシートピッチは960mmとそこそこ広いのですが、それでも足元の余裕はほかの座席が前列の支えの下に入れられるのに対して、こちらは壁席。ほかの席と比較しても足元が少し窮屈に感じます

そしてもう一つの残念ポイントが「テーブルが小さい」こと。仮にも通勤特急を名乗るはずの同車ですが、前にあるのは固定式の小さいテーブル。

席からも少し遠いので、資料をまとめたりするのには使えません。

個人的にはあまりオススメできない座席になります。

鉄オタ的、見どころの多い特急湘南は?

朝ラッシュだけでも10本、夕方ラッシュともなれば12本も存在する特急湘南、そんな特急湘南一本一本がそれぞれ異なる経路を走行するなど、魅力の多い特急列車になっています。

では、そんな中で鉄道ファン的に強くお勧めしたい列車は何号なのでしょうか。

今回は、上下ともにオススメの通勤特急をご紹介しようと思います。

上り:湘南4号 ~特急列車と二度も並走⁉~

駅名時刻備考
小田原6:20全線、旅客線経由
平塚6:40
茅ケ崎6:45
辻堂6:50
藤沢6:55辻堂~藤沢~大船間で湘南22号と並走
大船7:00大船~戸塚間で成田エクスプレス7号と並走
横浜
品川7:26
東京7:359番線に到着

まずは上り朝ラッシュ、特急湘南4号からご紹介です。

この列車の魅力は、なんといっても「特急列車同士の並走」を楽しめること。特急同士の並走として有名なのが、札幌7:30発の宗谷とすずらんの並走。しかしこの特急湘南4号では、2回も特急同士の並走を短時間で楽しむことができます。

2021年デビュー当初は「特急が特急を追い抜く!」と話題になっていた列車のうち「追い抜かれる側」だったわけですが、デビュー翌年から「追い抜く側」の湘南22号が5分の繰り下げを実施。これまで平塚停車中にぶち抜くスタイルを取っていたこの追走劇も、「辻堂~大船間」とそこそこ長い距離で並走するように変わりました。

さらに2024年。これまで空港アクセス専用特急的な位置付けだった「成田エクスプレス」も、特急湘南の補完、そして戸塚・横浜・武蔵小杉からの着席需要を確保するという通勤特急的な位置付けに変わりました。

成田空港の発着数がピークを迎える9時前に到着する列車が多かったものを、2024年のダイヤ改正からは通勤に便利な時刻に変更するテコ入れが実施。それが「大船7:00」。そう、この湘南4号とおなじ時刻に発車します。

要するに、この特急湘南4号は日本を走る特急列車の中で唯一、2回も特急同士での並走が楽しめるのです。なお、これにて特急湘南の14両と、同時刻に出る成田エクスプレス6両を合わせて「特急湘南20両」とも言われたりするそうな。

首都圏の過剰とさえ思われる特急同士の並走。ぜひお楽しみください!

上り:特急湘南10号 ~輸送力の全力をとくと見よ!~

駅名時刻備考
小田原7:27
国府津7:33
二宮7:37
平塚7:45普通 上野行きを先行
茅ケ崎7:52抜かれた普通と1分差に、特急が煽られる逆転現象発生。
藤沢8:00藤沢~大船間で貨物線へ転線
横浜羽沢(貨)
品川8:38横須賀線ホーム13番線に到着
新橋8:44
東京8:48総武地下3番線に到着

特急湘南の大きな特徴として挙げられるのが「貨物線と旅客線の両方をうまいこと使って列車を走行させている」という点。

そんな輸送力の高さを誇示しているのが、特急湘南10号。

湘南ライナー時代は、平塚まで旅客線を経由して、そこから貨物線へ進入するというルートを取っていました。

しかし、湘南ライナーの特急格上げに合わせて、これまで10両編成だった当列車を14両に増結。ここまでは良かったのですが、問題はここから。

平塚より先走行する貨物線は、茅ヶ崎、藤沢の各駅が当列車のために設置されているのですが、有効長が10両までしか対応していないため、14両の特急湘南をすべて止めることができません。

だからと言ってしーめーきーりーをしようにも、E257系にはそいった装置は備えていません。

ならばどうするのか。簡単なことです。14両編成が入れるホームに入れればよいのです。

貨物線の横をご覧ください。15両編成対応の立派なホームがあるではないですか。しかもかなりギリギリではあるものの、列車がよいタイミングで走っていない。となればE257系14両編成を半ば強引にぶち込むことはできます。

しかし、それで問題解決したわけではなく、この湘南10号の前を走る普通列車は3分前、後続の列車は1分後。つまり前の普通列車と大船で接続を取ると、普通列車同士の間隔が詰まってしまいますし、横浜でも同様の事案になります。

品川まで並行ダイヤを取る案もありますが、品川からは常磐線直通列車も入ってくるのでそもそも列車を入れる隙間がなくなります。

じゃあどうするのかというと、大船からこの列車は貨物線に異線進入します。

これまで通りのダイヤを維持しつつ、輸送力を上げるためには、14両編成の入線可能なホームを経由したのちに、1年半ほど前に話題になった例の線路を使って貨物線へ転線し、戸塚手前で前を押さえていた東海道線の普通列車をぶち抜きます。

その先武蔵小杉駅手前から横須賀線線路を走行して品川駅へ到着し、最終的に東京駅地下5階、横須賀線ホームへと入線します。

東海道旅客線→藤沢→東海道貨物線→武蔵小杉→横須賀線→東京というように、かなり特殊なルートを走行します。

特急湘南単独での輸送力を確保しつつ、東海道線全体での輸送力の確保にも貢献する特急湘南10号。ぜひ、その輸送力の高さの片鱗をご覧ください!

ちなみに茅ヶ崎駅では、平塚で追い抜かしたはずの普通列車に追いつかれて「特急が普通列車に煽られる」という逆転現象が発生しているのもおもしろい点ですね(笑)

下り:特急湘南11号 〜急がず焦らずまいろうか〜

駅名時刻備考
東京20:00
品川20:09
横浜
大船20:36
藤沢20:41
辻堂20:45
茅ケ崎20:49
平塚20:53
二宮21:01下り東京発では唯一の二宮停車便
国府津21:05
小田原21:11

朝ラッシュど真ん中を走る上りと違って、下りは帰宅客の時間もまばらな夕方ラッシュに運転されます。

そのため、これと言った大きな魅力のある列車が少なく、かなり頭を悩ませましたw。

そんな中で私が選んだのがこの特急湘南11号。この列車の特徴はなんといっても「停車駅が多い」こと。

東京を出ると品川に止まり、そのまま大船までノンストップな点はほかの湘南号とかわらないのですが、その先藤沢、辻堂、茅ケ崎、平塚、二宮、国府津と停車していきます。

特急湘南の中でも最も停車駅が多い列車がこれで、特に二宮駅に停車する東京始発の列車はこの1本限り。所要時間は他列車と比較しても2分程度遅いです

たまには特に急がず帰るのも乙なものではないでしょうか

下り:特急湘南21・23号 ~夜の貨物線はいかが?~

駅名時刻(21号)時刻(23号)備考
新宿18:2519:30
渋谷18:3219:36
大崎18:3819:42
横浜羽沢(貨)
藤沢19:2120:21
茅ケ崎19:2820:28
平塚19:3320:34
二宮19:4220:41
国府津19:4720:46
小田原19:5220:51

ライナー時代は東京発下り列車のうち、1本だけ貨物線経由の列車があったのですが、現在夕方~夜間で貨物線を経由して走行する列車は新宿発着の2本だけになっています。

夜間はちょうど、全国に向けた貨物列車が出発する時刻と重なる部分もあるうえ、朝ラッシュ時ほど旅客線が混雑しているわけではないので、かなり珍しい運行形態となります。

夜の貨物線はかなり面白く、荷役線では荷物を運ぶ準備を進める貨物列車の様子を眺めることができ、非常に面白いです

おわりに

いかがでしたか?

あまり十分に紹介することができませんでしたが、乗車される際は参考になると中の人が泣いて喜びます(笑)

YouTuber的にはネタ要素もかなり強烈で、かつ魅力もたっぷりな特急湘南。

湘南地区への移住をご検討中の方は、ぜひこの便利で快適な特急湘南号をご利用ください

あと、撮り鉄的には朝ラッシュは順光でビシッと押さえられるので撮りに来ては?

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この記事を書いた人

ゴハチさん
ゴハチさん
転属劇考察したり絵を描いたり動画作ったりして生きている自由人583号です
RNの「五八三系」が正式呼称ですが、長ったらしいので「ゴハチさん」って呼んでね

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