
こんにちは!矢切ディスカッションの「作画担当」みど〜7番です!夏コミに向けて現在進行形で絶賛作業修羅中です、印刷所に依頼する時って余裕を持って作画しなきゃいけなくて大変だ…!(これまで出した矢切の本は基本的に自家製本です)
さて、4月1日の深夜から朝にかけて投稿されたこの漫画。読者の方の中には知らない方もいらっしゃると思うので載せておきますが、新京成が松戸線になる直前となった直後を描いた鉄道路線の擬人化漫画です。
これです。今回はこの「京成津田沼で逢いましょう」リマスター盤の制作秘話をお送りします!矢切の裏話第8回にしてようやくキャラ制作記以外の裏話を出せる…()それでは今回もよろしくお願いします!
前半「New Everyday,」
このパートは2月に行われた「COMITIA151」(以下「コミティア」と記載)にて頒布した”エイションシリーズ”Vol.9「京成津田沼で逢いましょう」の内容をベースに描き直したリメイク版となっています。

こちらはリメイク前にヒーヒー言いながら前日脱稿をキメた記憶があり、案の定リメイク版もヒーヒー言いながら終電の到着時間に間に合うように制作。終電がくぬぎ山に到着する0時59分に投稿できるようスタンバイ…していましたが、なんと遅延により1時3分到着へ変更。ちなみに上げ終わっても油断は禁物、その直後から後半を練り、描き始め…嗚呼、作業修羅也。
ここからは本文のセリフパートのみ抜き出して一部引用の上お届けします。是非、別画面に漫画本編を据えてお楽しみください!(リメイク前を所持している方はそれを片手に読むとより楽しめるかも?)
P1:回想パート
リメイク前は八柱(新京成線)が一言触れる程度に留められていたものを、リメイクするにあたって丸ごと1ページを使い描写。
八柱「ねえ 覚えてる?みどり君がここで僕の事見つけてくれたの」
Vol.9「京成津田沼で逢いましょう」P1:1コマ目
八柱「…」
千葉「…あれ ちょ、君大丈夫!?びちゃびちゃじゃん!!」
八柱「…?」
千葉「あ、ごめん…驚かせちゃった?えーと…とりあえずついてきて!このままだと風邪引くよ!」
Vol.9-1「Re:京成津田沼で逢いましょう」P1
何十年も前に傘があったのかはさておき(多分ある)、過去の八柱と千葉(京成千葉線)の描写は結構上手くできたかと思っています。次ページから出てくる現在の2名とのギャップもポイント。
P2~5:二重人格故の弊害
こちらはリメイク前の1ページ2コマ目〜3ページ1コマ目に相当。約2ページ分を4ページ分へと膨らませ、単純計算で約2倍の長さに!
千葉「あァ 当然だろォ?我々はずっと覚えているからなァ?」
八柱「…本当に?」
千葉「その通りだァ!」
八柱「みどり君ってうそつく時ネクタイ触るよね、必ず。」
千葉「…ッ!!そんな事…ッ」
八柱「…うそつき。」
Vol.9「京成津田沼で逢いましょう」P1:2~4コマ目
千葉「そうだなァ …にしてもどうして そんな昔のことを…」
八柱「だってみどり君との出会いだよ!!忘れるわけないじゃん!!」
千葉「おォ……まあ それも…そうだなァ…」
八柱「ねえ」
千葉「んァ?」
八柱「本当に覚えてるの?」
千葉「…あァ!そりゃ当然覚えてるぞォ?」
八柱「…うそつき」
千葉「え…は?」
八柱「みどり君って嘘つく時に絶対ネクタイ触るじゃん どうして嘘ついたの?」
千葉「あ あァ…」
Vol.9-1「Re:京成津田沼で逢いましょう」P2:2コマ目~P4:2コマ目
この八柱の「うそつき」と千葉がネクタイを触るくだりの前後関係を変えてみたり、ボリューム増の他にも色々やっています。ちなみに嘘をつく時に体などを触るのは心理学的な傾向で証明されているそうです。作画担当は一応キャラクター一人ひとりの仕草も色々考えて描いているんですよ。
そしてその後は嘘がバレた千葉が千原(京成千原線)への人格交代を試みるシーン。このシーンは千葉視点と八柱視点の噛み合わない感情をなんとか表そうとしたのですが、結構難しかったです。具体的には、千葉は「その話題に関する記憶は千原が持っているから、交代しよう」と思っていますが八柱は「二重人格なのをいいことに交代して嘘をついた事実から逃げようとしている」という認識です。
なお、これは千葉と千原の設定を知らないと理解できないので補足すると「過去の千葉=現在の千原」です。何故そうなったのかは抜きにして、これだけは分からないとこの漫画を理解できないと思います。これは作画担当の描写力不足です、すみませんでした…
P6~7:精神世界にて
ここは逆に削りました。長ったらしいと理解できないと思ったからです。でも唯一ここは削らず言い回しを変えたくらいに留めました。
千葉「あいつは 後付けの『みどり』じゃなくて……過去のお前を『千葉 緑』を求めてたんだよ」
千原「え…?それは君じゃないか?僕なんかじゃ…」
Vol.9「京成津田沼で逢いましょう」P3:3~4コマ目
千葉「あいつは俺じゃなくて 緑くんを求めてたんだよ…!」
千原「え?みどりって君でしょ?僕はおゆみだよ 八つ当たりしてる…?」
Vol.9-1「Re:京成津田沼で逢いましょう」P6:3~4コマ目
ここで「千原は過去の自分の記憶を閉じ込めている」ということを表現。ここを削るとその後の説明が意味不明になるため、言い回しの変更に留めました。
P8~10:また明日、京成津田沼で
ここも5ページ半使っていたのを3ページへと、結構削りました。2月発行の漫画を3月31日仕様にリメイクしているため、そこの辻褄合わせも行っています。ここでは最終ページについて解説。
八柱「あっ 終電出ちゃう」
千原?「本当に明日も会えるよね…?」
八柱「大丈夫!」
千原?「じゃあ信じるよ…八柱くんまた明日!」
八柱「うん、『緑くん』また明日も…京成津田沼で!」
Vol.9-1「Re:京成津田沼で逢いましょう」P10
千原の口調でありながら、吹き出しの色が千葉の色になっています。これにより八柱が千原にかつての「緑くん」を見出していることを表現しています。
そして、最後の「また明日も…京成津田沼で!」このセリフでタイトル回収です。「京成津田沼で逢いましょう」のタイトル、そしてこのセリフには共に「もし松戸線になっても今までと変わらずここで会おうね」という八柱の想い、そして経営移管が行われても路線網(=彼らの繋がり)は変わらない…という意味を込めています。
作画担当、千葉市に住んでいるため千葉線をよく利用します。そのため新京成にも馴染みがあり、ピンク色の電車で出かけたり帰ったり…なんてこともよくあるため、千葉線と新京成の繋がりは松戸線になっても変わらないぞ!という気持ちを込めました。
後半「Various Smile.」
さて、ここからは一から書き下ろした完全新作でございます。前半(及びリメイク前)の続きになっており、4月1日の京成津田沼を舞台に物語は進みます。
P12~13:変わってしまった君
さて、路線網は確かに変わりませんでした。でもサインシステムなどは変わりましたよね?そういうことです。
千原「いやちょっと雰囲気とか違いすぎない?昨日まであんなに明るかったのに…」
八柱「昨日までの僕はもういません」
千原「え それってどういうこと?」
八柱「言葉の通りです 僕は松戸線の管轄担当としてふさわしい状態にアップデートされたのです」
Vol.9-1「Re:京成津田沼で逢いましょう」P13
まあ経営移管されて全く何も変わらない路線の方がおかしいですよね。一応エイションシリーズの擬人化では”管轄担当”として実路線(管轄対象)と本人は区別されていますが、まあ…少しの影響は出ます。少しどころじゃねえだろ!と思うかもしれませんが、その理由はその後のページを読めば判明します。
P14~15:鉄道連隊
ここは特にひとつひとつのセリフを解説するようなところはありませんが、「八柱が鉄道連隊の生まれである」ということが明らかになったのはこのシーンでの初出し情報です。なんならロボットだし。
ちなみに鉄道連隊時代に関しては今後どこかでもう少し深堀されるかも…?
P16~17:仲間を想って
いや、ロボットだからって不用意に性格を弄っていい訳がありませんよね?でもどうやら京成の誰かが無理やり改造したとかではないようで…実籾(京成本線)がそれに関して説明してくれます。
実籾「あれは本人の意思だ。」
千原「え…?」
実籾「自分は千原達よりも頑丈だ 不用意に壊れることはなく自分の身も自分で守れる でも最後まで千原に心配をかけ 千葉の事も傷つけてしまった だから2人に迷惑をかけないような性格にしてくれ…と言われた。」
Vol.9-1「Re:京成津田沼で逢いましょう」P16:4コマ目~P17:3コマ目
そう、八柱は最後の最後で千葉と千原を傷付けてしまったのが心残りでした。そこで実籾に頼み込み、性格を書き換えてもらった…という事らしいです。絶対そこまでする必要はないと思いますが、まあそこはやはり機械の倫理観ですね。
P18~20:何も変わってなかった
千原が悲しんでいたところに八柱が現れ、動揺から千葉の人格を出してしまった”我々”。でもどうやら八柱の根底は変わっていなかったみたいです。
八柱「これからもよろしくお願いします、我々さん」
千葉「(我々さん…?)…ッハwww」
八柱「!?…??」
ああ、こいつはイメチェンしただけだったのかもしれねェ!
Vol.9-1「Re:京成津田沼で逢いましょう」P18:4コマ目~P19:2コマ目
てっきり無機質になってしまったかと思いきや、”イメチェン”した後もちょっぴりお茶目な八柱。「緑くん」が千原になったのと似たようなもんだと考えれば、千葉にとってすんなりと受け入れられたようです。
千葉「千葉のどこ行きてェんだ?」
八柱「リブレ京成」
千葉「リブレ京成ェ!?」
ああ また逢えた
千葉「ウワやべェ乗り遅れる!!」
八柱「千葉さんそれ反対方向です」
京成津田沼で!
Vol.9-1「Re:京成津田沼で逢いましょう」P20
結局のところあまり変わっていなかった八柱と、それを受け入れた千葉。2回目のタイトル回収を行い、リマスター盤は締めくくりとなります。ちなみにリブレ京成はスーパーです。千葉で行きたい所を問われてスーパーを挙げるの、何。
夏コミで冊子版が出ます!
そしてなんと!今年の夏コミC106にて冊子版を発行します!!

表紙・裏表紙にも少々手を加えました。より京成・新京成らしさを意識し、裏表紙には松戸線の茶色を追加することでリメイク前、無印「京津逢い」の正当進化版みたくしています。
そして今回は「完全書き下ろしパート」を収録!!
新京成や千葉急行とはまた少し違いますが、後から京成の傘下に入った鉄道がもう一つありましたよね?まあ、そういうことです。
なお、この「Re:京津逢い」含めた新刊の詳細は後日公開!お楽しみに!!
結論
結論:新たな毎日、いろんな笑顔。
次回は恐らく夏コミ新刊に関するお話になるかと思われます!お楽しみに!

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責任者:みど〜7番/中沢
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