
ひのとりとは?
近畿日本鉄道、通称近鉄として親しまれる鉄道会社。私鉄1位の広大な路線網が魅力的ですが、その中でも人気があるのが大阪難波~近鉄名古屋を結ぶ通称「名阪甲特急」。東海道新幹線と競合関係にあり、かつては鶴橋~名古屋を無停車で結ぶなんて大胆な施策も取られていました。2021年より「ひのとり」こと80000系車両が導入され、より一層快適な列車になりました。
速達性では新幹線にボロ負けですが車内環境とそれに見合わないコストパフォーマンスが強力な武器。そんな特急ひのとりの上級クラスであるプレミアムシート。実際に乗車して味わっていきましょう。
特急ひのとり|近畿日本鉄道特急「ひのとり」 移動時間を、くつろぎの時間へ。「くつろぎのアップグレード」をコンセプトとした、これまでにない快適な移動空www.kintetsu.co.jp
まさかの最前列に!
乗車するのはひのとり13列車 近鉄名古屋行き。プレミアムシートの中でも最高格である先頭車両最前列の座席を指定しました。ただでさえ満席になることが多い列車なので、発売開始(10:30)に操作してなんとか取れたという感じです。お昼時の便で競争率が低かったというのもあります。

最前列を狙う際には注意すべきことがあります。間違って「最後部車両の最前列席」を予約しないようにすることです。プレミアムシートは1両目と6(or8)両目にそれぞれ連結されているため、座席表で1列目を選択したからといって展望座席でない可能性があります。
「大阪難波→近鉄名古屋」では1号車7番が全面展望席です。シートマップに記されている進行方向をよく確認した上で指定してみてください。まあそもそも埋まってることが殆どではありますが。
乗車
難波は線路容量に余裕がないため、出発10分前程度にようやく入線。すでに清掃などを済ませた状態で入線してきました。「僕はプレミアム、しかも最前列だぞ」ということで偉くもないのに王様になった気分。鼻を高くしながら乗り込みます。

第一印象は「グランクラスやんけ」
それもそのはず。通路に敷かれた赤い絨毯、本革で造られたシート、ゆとりを持った3列配置。調べると座席間隔は1,300mmという数値になっており、グランクラスと同等のスペックです。
(一応)E5系グランクラスに乗った身としても、この座席はグランクラスと全く遜色ありません。普通席+900円の追加料金なんて余裕で払えます。

それでは名古屋までの約2時間、満喫しましょう!
出発
なんか鐘の音みたいな発車メロディで出発。どうやら「ひかりの鐘」というひのとり限定の発車メロディなんだそう。その辺の特急と差別化をしているわけか……と思ったら「しまかぜ」や「あをによし」でも同じ取り組みがあるみたいです。
発車メロディコレクション|観光・おでかけ|近畿日本鉄道www.kintetsu.co.jp
しばらくは地下区間なので自分の顔が映るばかり。大阪上本町を過ぎると地上から伸びる大阪線の線路と合流し、布施までは複々線が続きます。ただでさえすれ違いが多くて見応えのある区間ですが、最前列からだとより一層楽しむことができます。

鶴橋発車
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、鶴橋を出ると50駅先の津(三重県)まで一切停車しません。鶴橋~津は120.1km離れていますので距離感的には常磐線特急ひたちの上野~水戸に相当します。そのため乗り間違い注意のアナウンスが何度か流れました。「次は〇〇です」ではなく「津まで止まりません」と放送されていたのが印象的。
僕の乗った号車はここで満席に。プレミアムシートといっても間口は広いので客層も幅広い様子。老夫婦からビジネス客、ぼっちの学生(笑)。レギュラーシートにはない1人掛け席が用意されていることも使いたくなる理由なのかな、なんて思います。座席を見る限りはもう1両のプレミアムシートも全席完売になっているようでした。
人気すぎないか……?
ひのとり弁当

せっかく特急ひのとりに乗るからには最大限に楽しみたいところ。「名阪特急ひのとり弁当」なる駅弁を頂くことにいたしましょう。パッケージにデカデカと描かれた80000系電車。

さて中身はこちら。事前に調べたときはもっと和風なお弁当だった気がしますが、季節ごとに内容がチェンジするような商品なんですかね。それにしてもやんちゃな印象です。
難波と名古屋の両方で「ひのとり弁当」は販売されているそうですが、双方で製造元が異なるとのことです。今回は大阪難波駅改札内にある「箱夢」とおうお店で購入しました。
やはり後ろ側のカツに目が行きますよね。調べたところ、ひのとりが走る大阪線・名古屋線をモチーフに作られているのだそうです。手羽先やたこ焼きなんかが分かりやすいですね。

味は見た目の通り辛みがして、食べ応えがしっかりあります。何気にパスタも入ってるのがすごく好ポイント。ソース(?)も入っていて最後まで美味しくいただきました。

まあ所詮はお弁当なのでたこ焼き辺りはイマイチですけど……気分盛り上げてくれるのでいんじゃないかなと思います。想像以上に食べ応えがあり、お腹もしっかり満たされました。
コーヒー
乗る前にすごく楽しみにしていた要素。車内にいながらたった200円で挽きたてコーヒーが飲めるというのです。コーヒーだけかと思いきや、お湯(無料)も出せるようになっているため隣でティーカップを買えばお茶やココアも飲めます。
お湯だけタダで飲むこともできるんだな。

ひのとり柄のカップが映えます。マシンがある場所まで行くのは面倒な気はしますが、好きなタイミングで行けるので気楽ではあります。しかしなぜ現金限定なんだ……ICカード使わせてよ。
やはり淹れたてコーヒーなので香りから素晴らしいものです。いくらひのとりとはいえ車内は揺れるので、カップはしっかり付けておくといいでしょう。プレミアムシートの場合、階段があるので注意です。

さあ飲んでいこうじゃないか。撮影日の朝はあまり時間がなかったのでブラックコーヒーしか飲めていません。今はおやつタイムということで砂糖もフレッシュも入れまくり。

景色を見てくつろぎながら飲むコーヒーは格別ですね。マシーンの設置はプレミアムシートのある両端車両のみですが、レギュラーシート利用の方でも利用可能です。
中川短絡線

さて名阪特急名物がやってまいりました。「中川デルタ」とも呼ばれる中川短絡線です。ちょうど大阪線と名古屋線の切り替わり部分であり、伊勢中川駅をスルーして両線を接続する役割をになっています。

なんでわざわざ短絡線を作ったかというと、伊勢中川駅を経由する場合スイッチバックが必要になるから。スイッチバックをするとなれば手間を要しますし、停車駅を増やすことにも。
短絡線区間は単線となりますが、特急は30分に1本ずつなので特に問題はなさそう。前後は急カーブとなるため、「ATS、制限、〇〇キロ」といった案内が運転席から聞こえてきます。

プレミアムシートと運転席を隔てる扉は隙間がありますので、運転手さんの指差し確認(呼称?)がはっきり聞こえてきます。

ここからは名古屋線となり、いよいよ津駅が近づいてきます。
津
日本一短い地名、および駅名として有名ですね。冒頭で触れた通りかつてはここも通過する運用があったそうですが、現在の名阪特急は全列車停車駅という扱いになっています。

近鉄では特急同士を乗り継ぐ際に特急料金を通しで計算してくれるシステムがあるため、この後ひのとりが通過する「白子、四日市、桑名」には伊勢市・賢島方面からの特急に乗り継いで到達することができます。
※一部のひのとりは上記3駅にも停車します。

直通のアーバンライナーは1時間に1本しかありませんが、実質的に本数を増やしてくれているのでありがたいですね。津駅は規模間に対して1面2線というこぢんまりした構造。容量足りてる?

さっき並走してた列車と睨み合いながら仲良く津駅を発車。気動車だというのになかなかスピードが出るものですね、ひのとりの前では見劣りしてしまいますが。
節約して乗車
大阪難波〜近鉄名古屋は普通運賃で2,860円という価格設定になっています。

しかし、近鉄の株主優待乗車券を使うとにより2,000円(購入価格次第)で移動することができます!もちろん時期やお店で変動しますが、名古屋まで行く場合は余程のことがない限り安くなるんじゃないかなと思います(金券ショップも名阪間の移動を想定して値付けしているので)。

今回利用した難波駅では改札近くにいくつか店舗があり、出発直前(約15分前)でも難なく購入できました。ポスターも大々的に出ているので見つけやすいかと思います。関東の金券ショップでもたまに販売されているので、余裕をもって移動したい人はそちらを利用するのもありかも。
株主優待乗車券+特急料金(ひのとりプレミアム)で4,830円でした。レギュラーシートやアーバンライナーを利用すればさらにやすく名阪間を移動できるのでかなりお得だと思います。全て普通列車で行くという猛者もいるでしょうね〜
名古屋

名古屋到着の放送が流れ出すと天井に青い灯が。どうやら忘れ物防止を目的として荷物棚へと注目させる効果があるのだそうです。最前列に座ると振り返らない限りは見えませんが。

地下区間に入る直前には近鉄の車両基地や、JR東海道線を眺めることができます。特急車両が勢揃いしていて圧巻でした。
およそ2時間の乗車はあっという間です……
到着

地下×狭いで名古屋でも撮影しづらいですね……
反対側に回ろうかとも考えましたがこの後の予定がキツいので足早に改札へと進みます。秘境駅として人気がある定光寺駅に行きたいので、7分後の多治見行きに乗り換える必要があったのです。そちらの様子は私のnoteで公開しているため興味があれば覗きに来てくれると嬉しいです。


ちなみに株主優待乗車券を使っていてもJR線のりかえ改札は問題なく使用できました。この看板でいう「近鉄きっぷ」に置き換えて通過すればOKです。
最後に
グランクラスとほぼ同じ座席とはいえ雰囲気はかなり異なりました。サービス面ではJR東日本に劣りますが、リラックスした雰囲気が漂うひのとりも素晴らしいものです。
列車としての立ち位置は都市間輸送特急に過ぎません。しかし車内の雰囲気だったり、沿線でカメラを構える人が見えたりするとこれは観光列車なのかと錯覚してしまいました。
アーバンライナー(甲特急時代)も良かったですがひのとりはそれを継ぐに相応しい存在でしょう。また乗車する機会を作りたいものです。
YouTubeでも乗車記を公開しております。

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