
どうも、きみまるです。本日は2026年に廃止が決定した留萌本線の歴史、概要などを見ていきます!
路線紹介
概要

そもそも道民以外のみなさんだと名前は聞いたことはあってもどこらへんの地域を走っているかわからないかもしれません。
現在では、北海道は深川市の函館本線乗換駅深川駅から、14km離れた雨竜郡沼田町石狩沼田駅を結ぶ盲腸線で、全線非電化、単線の地方交通線です。使用車両としては、長年活躍してきたキハ54形のいずれも1両編成です。
駅一覧
・深川(ふかがわ)…函館本線との乗換駅。留萌本線は函館本線特急も停車するこの駅が起点である。
・北一已(きたいちやん)…初見で読める人多分ゼロ人の駅。「已」を「己」と書かないように。
・秩父別(ちっぷべつ)…こちらも難読駅。埼玉県民だとどうしても頭に「ちちぶ」がちらつくらしい。(私の埼玉住みの友達参照)
・北秩父別(きたちっぷべつ)…ある意味一番到達が困難。下り列車は1日2本のみ停車。(上りは一応4本停車。)ちなみに深川から下り列車で行こうとすると最速でも16時半前到着となる。(帰りは上りが20分後。)

・石狩沼田(いしかりぬまた)…現在の終点。昔は札沼線との乗換駅。なお後でもう一度書くが、旭川始発留萌行きのバスは秩父別から先の北秩父別・石狩沼田は経由せず留萌まで行くため鉄道からバス乗り継ぎの際はご注意。

歴史
歩んできた道のり
現在では余命宣告を余儀なくされた地方交通線ですが、昔はもっと栄えていた路線でした。

当路線は、当時日本海側北部の良港、留萌港への木材、石炭、海産物等を輸送するために建設されました。 1910年には深川〜留萠(現・留萌)、1921年に留萠〜増毛間が部分的に開業しました。また、一部の資料では終点の増毛から日本海側を伝って札幌までの路線の計画もありました。
その後の1927年に留萠〜大椴、1931年に大椴〜鬼鹿間が同路線として開業しましたが、同年10月10日に羽幌線へと編入されました。(羽幌線は1987年廃止済み)ちなみにこの頃は駅名や地名で「留萠」と「留萌」がどちらも使われていましたが、駅名は1997年「留萌」に変更されました。
国鉄時代では貨物輸送が盛んでしたがJRに会社が変わると、貨物輸送がめっきりと減ったため、現在の深川〜石狩沼田間では交換設備が無く、1閉塞となりました。2007年頃には1両編成と言えども積み残しが発生、代行バスが運転されるなど栄えていましたが、ここから下り坂となっていきます。使用客が減っていき、2016年、2023年に細切れに廃止となり、現在の区間も2026年4月1日付けで廃止となってしまいます。
過去との比較
全盛期と現在の運行形態を比較して見ましょう。現在では石狩沼田〜深川間はワンマンかつ普通列車(通過駅はざらにある。しかも下りの始発列車は途中駅ノンストップ)が1日上下7往復で中の1往復が函館本線に直通して、旭川始発/終点となります。続いて以前まで存在した優等・観光列車です。
・快速「るもい」…1990年から1995年までの短い期間限定で存在した快速列車。これまた停車駅が少なく、深川〜留萠間の停車駅は、秩父別・石狩沼田・峠下の三駅で、普通列車は約1時間20分ほどで深川〜留萠間を結びましたが、この快速列車は約50分で走破しました。
・準急・急行「るもい」…こちらは1961年に誕生した準急列車です。名前も近い快速「るもい」との違いは、始発・終着駅と直通先です。
この準急「るもい」は小樽・札幌から深川を経由して、留萠からは羽幌線に分岐して築別、一時期は増毛が終点となりました。始発駅が旭川に変更されたり、1962年に中止となった羽幌線乗り入れも復活したり1日2往復中、急行格上げが実施されたりと順調でしたが1984年に上り列車、その2年後の1986年には下り列車も廃止となってしまいました。
・廃止時の停車駅 旭川、深川、石狩沼田、留萠(廃止時は羽幌線内乗り入れを中止・留萠止まり)
・準急・急行「ましけ」…こちらは先程の紹介の通り、小樽・札幌発着の増毛行き列車(羽幌線に乗り入れしない)につけられた名前です。
1965年に誕生、1966年に急行列車とスピード出世を果たしますが、1968年に留萠〜増毛間が各駅停車に変更(現代風に言うと区間〇〇みたいなかんじ)、上下列車の始発/終着が手稲に変更、1971年に下り列車は札幌始発、上り小樽行きは札幌から小樽まで普通運転となり、最終的に、1980年を最後に廃止となりました。
・廃止時の停車駅 小樽〜札幌、江別、岩見沢、美唄、砂川、滝川、深川、石狩沼田、留萠〜増毛 (札幌〜小樽間、留萠〜増毛間は普通運転)
・準急・急行「はぼろ」…これについては羽幌線内がメインになってしまうので深堀りはしませんが、準急「るもい」が1962年に幌延方面の乗り入れを中止したため、一種の羽幌線への救済措置のような感じです。
札幌から留萠経由の幌延行きとして1日1往復。幌延〜羽幌間は普通列車として走り、「るもい」と同時に廃止となりました。ここで余談ですが、この「はぼろ」や幌延行きの「るもい」は、距離こそ短いですが、運行時間はなんとあの急行「宗谷」と同等だったそうです。(距離で見ると宗谷よりも40km短い)
ここでは紹介しきれませんでしたが、観光味が強めの「SLすずらん号」、「増毛ノロッコ号」などの列車の走行実績があります。
魅力
路線の魅力

留萌本線の魅力と言えば景色。ぱっと見ただの景色ですが、北海道の大地の強いパワーを感じられるような雄大な田んぼ、畑などが見ていて飽きません。そしてもう一つは歴史のある駅舎・ホーム。
特に秩父別駅は木製の駅舎に昭和を感じるようなレトロなホーム。(実際昭和を生きた事はありませんが…)私が是非見てほしいポイントは駅ごとのホームにある駅名標です。この場所だけ国鉄北海道の時間のままで止まっているかのようなフォントで、駅のホームに国鉄時代の古き良き味わい深い雰囲気が残ります。
沿線の魅力
沿線にも魅力はたくさん存在します。旭川駅から深川、秩父別を経由して旧留萌駅までを結ぶバスが存在しています。(終点の石狩沼田は経由しません!お乗りの際はご注意を…)留萌駅付近からは海が近くなり、海水浴場や砂浜などがあります。夏休みにいかがでしょうか。
旧留萌駅舎は解体されていますが、歩いて10分の場所には「道の駅るもい」が営業しており、特産物のニシンと数の子などを使った料理が食べられます。このように今の現存区間では陸・山などの景色がメインですが、留萌や増毛まで運行していた時代では車窓から海も見えたんです。
まとめ
このように、昔から現在へ利用客や需要などが衰退してきてしまっている留萌本線ですが、見方を変えれば当時の面影や豊かな自然を感じることができるとてもおもしろい路線なんです!残念ながら廃止は決定してしまいましたが、夏、冬、春、の3回の長期休み期間(春は3月31日まで)に青春18きっぷのシーズンも挟むので是非一度は訪れて、現地で感じてもらいたいです。(自分は学生なので去年の夏の課題の題材に使いました。)
- 365日「安く・遠く・感動を」味わえる旅行『日程』を模索中。
- 2025年7月19日北海道地方【廃止決定】日本『暫定』最短の本線「留萌本線」を見てみる
- 2025年6月13日駄文きみまるの自己紹介
コメント ご意見やご感想等お気軽にどうぞ。