横浜市営地下鉄に乗っていると、よくきれいな丸の形をしたマスコットキャラクターを見かけます。
このキャラクターの名前は「はまりん」。横浜市交通局のマスコットキャラクターです。かなり昔からいるご長寿マスコットキャラクターで、横浜市交通局の様々なところに登場しています。
しかし、2017年に3000Vがデビューすると状況は一変。車両のドアにあるステッカーや前面からはまりんが消えてしまったのです。そんな忘れられつつある「はまりん」について今回はお伝えしていこうと思います。

はまりんって、誰?
まずははまりんがどんなキャラクターなのか、見ていきます。

横浜の「Y」を元にした眉毛に、制帽をかぶっています。
生まれたのは1998年で、誕生日は10月10日。なんと今年で28歳にもなる長寿マスコットキャラクターです。
東急の「のるるん」は2012年、相鉄の「そうにゃん」は2014年、小田急の「もころん」は2023年と、現在人気のあるマスコットキャラクターと比べるととても昔からいることがわかります。
着ぐるみもあり、イベントに出演したりもしています。個人的な感覚ではありますが、流石に先述したキャラクターほどの知名度はないながらも沿線民には認知されている印象です。
デザインは広告代理店、名前は公募によって決められ、はまりんの「はま」には横浜、「りん」には車輪や人々の輪という意味がこめられています。
次の章からは、いくつかに分けてはまりんの活躍の場についてご紹介します。
車両にいる「はまりん」
まずは、おそらくはまりんを見る場所として一番多いであろう車両にいるはまりんをご紹介します。
まずは前面にいるはまりん。これには複数種類あるので、それぞれ紹介していきます。
・そのまま

まずは1番オーソドックスなそのままのタイプ。3000Rと3000Sがこのタイプとなっています。
シンプルにキャラクターとしても、また前面のデザインのアクセントとしてもきれいな見た目になっていて、むしろ溶け込んでいる感があります。
また、この形態はグリーンラインでも見られます。

・名前つき

こちらは現在レアな形態で、3000Aの2編成のみとなっています。
キャラクターに加えて水色の縁取りと、名前がついています。
・銀色(消滅)

ここからは消滅済の形態です。まずは3000Nのほとんどの編成に使われていた銀色はまりん。
個人的には、ブラックフェイスや直線的な顔に似合う良いデザインだったな、と思っています。
・ちょっと大きい(消滅)

こちらも、消滅済かつレアな形態です。3000Nの3321編成のみこれに該当します。
なぜこの編成だけ大きくカラフルなのか、結論を述べてしまうと、以前ラッピング車両に使われていたときのまま前面は残っているということなのですが、これは後の章で詳しくご紹介します。
・四角いステッカー

1000形・2000形に掲出されていましたが、引退直前のヘッドマークが取り付けられた姿には剥がされた形跡しか残っておらず、今保存されている車両にも残っていません。
さらに、これらの車両にはドアステッカーにもはまりんが掲出されていたりします。
地味に、私たち鉄道ファンではない方々が見るはまりんとして一番多いのはここかもしれません。

口に手を当てるポーズで、注意を呼びかけています。
また、横浜市営地下鉄グリーンラインではLCDの画面にもはまりんが登場しています。

ところで…
ここまで紹介した形式は、3000形のA・N・R・Sと、1000形、2000形。
ここまで読んでくださった方々ならもうお気づきかとは思いますが…
3000Vと4000にははまりんがどこにもいないのです。
駅にいる「はまりん」
さて、気を取り直して。
横浜市営地下鉄の駅ナカでよく見るものといえば…ファミリーマート。
そんなファミリーマートでもはまりんを見ることができます。
「はまりん」の名を冠するコンビニや売店はかなり昔からあり、最初はデイリーヤマザキなどでしたが、2014年のタイミングでファミリーマートへの転換が発表。「ファミリーマートはまりん〇〇駅店」として展開され、看板にははまりんもいたり。

しかし、こちらも減少傾向で…
去年の3月には上永谷駅の「はまりん上永谷駅店」が閉店したほか、続々と店名から「はまりん」が消えており、現在その名前を残すのは新横浜駅と上大岡駅のみ。看板に残っているのはなんと新横浜店のみです。
ホームにもはまりんはいます。ホームドア設置の際設けられた柵には、ちゃっかりはまりんが。
複数種類の顔を持ち、日々通勤通学に利用する人や、子どもたちを元気づけています。

また、その他ポスターにちょくちょく出演したりしていましたが、こちらも減少傾向にあります。最近はめったに見ないような気がします…
ただ、例年小学生から募集している「乗車マナーポスターコンクール」でははまりんが描かれたイラストが多く入賞しており、子供人気の高さが伺えます。
グッズ展開
はまりんも、他の鉄道会社のマスコットと同じようにグッズが販売されて…ない!
以前は数多くあったのですが、現在は一切在庫がありません…
ラインナップには、キーホルダーの他に小さなぬいぐるみやタオルなどがあり、豪華でした。
着ぐるみ
もちろん他の鉄道マスコットキャラクターと同じように着ぐるみもあります。
特にもころんやのるるんは人気があり、のるるんは定期的に改札に引っかかる画像が話題に上がりますね。
さて、はまりんはというと…

足長くね?
それはそうと。丸い体はそのままに可愛らしいデザインです。イベントなどでは結構人気があるらしい?
交通局のイベントだけでなく、地域のイベントにも出演しています。この画像だと、後ろにいるのは港南中央駅近くに区役所を構える港南区のマスコットキャラクターですね。
はまりんフェスタ
「はまりん」の名を冠するイベントで、毎年新羽・川和町・上永谷の車両基地のどれかで開催されていました。
私は何度か参加したことあり、記憶が正しければ全ての車両基地で開催されたフェスタに参加したはずです。
特に新羽車両基地は横浜市営地下鉄最大の車両基地なこともあり、規模も大きいものでした。
ビルのような大きな、そして多層建ての車両基地をフル活用して撮影会や部品販売、子供向けイベントなど様々な催しが行われていました。
特筆すべき回は、2012年の上永谷車両基地の回。上永谷車両基地には古い車両の保存はなかったのですが、この回はわざわざイベントのために新羽車両基地から1000形を編成丸ごと運んでくる荒業。当然引退からかなり経過しているため本線を自走できるわけもなく、3000Aに牽引され6+3両の9両編成で深夜に回送されたそうです。
会場の写真は残っていないのですが、記念きっぷが手元にあったのでご紹介します。

が、しかし。
2019年に下飯田駅・踊場駅の2駅で発生した脱線事故をきっかけに、事故の再発防止に専念するため2019年のはまりんフェスタは中止。
その後、新型コロナウィルスの感染拡大などもあり、イベントの開催自体憚られる状況に。
最後の開催から7年経過していますが、未だに再開される様子はありません。
個人的にはとても楽しいイベントでしたし、レアな方向幕や保存車両の展示が楽しかったのですが、最近は他の鉄道事業者と同じように有料撮影会に移行しつつあり、復活はかなり絶望的です…
はまりん号

小田急の「もころん号」などのように、横浜市営地下鉄にも昔、キャラクターをテーマにしたラッピング車両が存在していました。
車両の各所にはまりんがラッピングされる楽しげな車両で、なんと1999年から運転されていました。
2016年に運転が終了してしまいましたが、デビュー時からずっとラッピングされていたため跡が強く残っていて、最近運行開始された花博ラッピングが始まるまでは面影を感じられました。
また、前面のラッピングははまりんのみ残されていて、1編成だけ大きなはまりんで目立つ存在でした。
しかし、3000Nもデビューから20年が経過し、大規模な車両更新をすることに。
更新された3000Nを見てみると…

はまりんが、いない!
当然この3321編成も更新され、残念ながら特徴的なはまりんとはおさらばに…
しかも3000Rも更新、3000Sと3000Aは引退まで発表されており、車両からはまりんが消えてしまう日は近いのかもしれません。
また、グリーンラインにも沿線にあるズーラシアとコラボした「どうぶつはまりん号」が運転されていたこともありました。こちらは動物の写真をメインにはまりんが動物の上に乗ったりするなど、また違った工夫がされていました。2009年から2014年まで運行。
どうしてはまりんは忘れられて…?
さて、ここまで紹介したはまりんの活躍の場に共通することは、全てにおいて減少傾向にあること。
もちろんドアステッカーに残っていることで乗客からはしっかり認知されていますし、つい最近でもイベント出演予定がありました(事情があり変更)。しかし全体的に忘れられているのは否めません。
では、なぜはまりんは忘れ去られつつあるのでしょう。
まず大前提として、公式が段々とはまりんの活躍の場を減らしつつあることが大きな理由です。
最初にその兆しが見えてきたのは、2017年の3000Vのデビューです。この形式は12年ぶりの新形式として、様々なリニューアルを施し、デザインもシンプルなラインのみではなく横浜をイメージした新しいデザインに生まれ変わりました。

しかし、それと同時に今まで必ず前面に掲出されていたはまりんのステッカーがなくなり、ドアステッカーで注意を呼びかけるはまりんも消えてしまったのです。
これだけでは終わらず、先述したはまりんコンビニの相次ぐ閉店・リニューアルや、車両からの消滅など、どんどんはまりんは活躍の場を減らしてしまったのです。
さて次は、なぜ公式がはまりんの活躍の場を減らしてしまったのか、考えていきたいと思います。
最近引退が発表されたキャラクターとして、皆さんお馴染みの「Suicaのペンギン」がいます。これに関しては公式から引退理由の発表こそありませんでしたが、SNS上では「権利の関係」と言われていました。
しかし、はまりんはこの原因には該当しません。活躍の場を減らしつつあるとはいえ、まだまだ活躍している場面もあり、着ぐるみでのイベント出演も定期的にあります。権利関係なら一律で消えてしまうので、この線は薄いでしょう。
では、理由とはなんなのでしょうか。ここは私の憶測でしかないのですが、ただシンプルに「時代の流れ」かと考えています。
はまりんのデビュー当初は、鉄道会社の公式マスコットキャラクター自体が少なく、はまりんは真新しいものでした。しかし、時代は進み、公式マスコットキャラクターのブームが始まります。「京成パンダ」、「のるるん」、「そうにゃん」など様々なキャラクターが生まれ、一定の人気を得ています。
そんな流れで、徐々にはまりんは押されていきます。正直、沿線民から認知されているとはいえ、それ以外の人々にはあまり存在は知られていません。
そんな流れの中での判断だったのでしょうか、徐々に活躍の場は減り、前よりも目立たなくなってきました。
はまりんを見に行きたい!どうする?
では、そんな活躍の場を減らしてきたはまりんを見たいならどうすれば良いのでしょうか?
まず、いちばん簡単なのは車両。消えた形式があるとはいえ、3000A・R・Sには現存、R形はブルーラインの最大勢力なので、消えつつあるとはいえまだまだ見るのは簡単です。
また、イベント出演も割とあります。すでに2026年でも登壇しているイベントはありますし、定期的に調べていれば見られるチャンスはあります。沿線のイベントに注目してみると、会えるかもしれません。
他にも、乗車マナーポスターコンクールや、各駅にしれっといる、例えば季節の飾りに登場している場合もあるので、みなさんもぜひ探してみてください。
まとめ
最近活躍の場が減り影が薄くなってきましたが、鉄道会社の公式キャラクターとしてトップクラスのご長寿なこと、沿線民からは親しまれていることなど、しっかり「マスコットキャラクター」としての役目を果たしてくれていると思っています。
最近では、小田急電鉄のもころんの登場によってマスコットキャラクターのブームが再来しつつあります。この波に乗って、はまりんもまた表舞台で活躍して欲しいなあ…と思う沿線民なのでした。

- ゆったりまったり、様々なジャンルの記事を書いていこうと思います。



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