【現在も残る】玉電代行バスって何?

皆さんお久しぶりです。方向幕量産者です。

まずサムネやタイトルから「おい、鉄道ブログなのにバスを取り上げるとはどういうことだ。」という意見があると思います。しっかり鉄道にも触れますので許してください。

さて、今回紹介する「玉電代行バス」ですが、まずは玉電について解説していこうと思います。

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玉電とは

玉電は、「玉川電気鉄道」の路線の一つである「玉川線」の愛称で、渋谷駅と二子玉川園駅間を結んでいました。また、玉川線以外にも「砧線」「溝ノ口線」「天現寺橋線」「中目黒線」「下高井戸線」の5つの支線がありました。

路線名区間路線距離駅数
玉川線渋谷~二子玉川園9.1km15駅
砧線二子玉川園~砧本村2.2km5駅
溝ノ口線二子読売園~溝ノ口2.1km4駅
天現寺橋線渋谷~天現寺橋2.6km10駅
中目黒線渋谷橋~中目黒1.4km5駅
下高井戸線三軒茶屋~下高井戸5.0km10駅

しかし、自動車の増加による道路の渋滞が激しくなったことから、1969年(昭和44年)に下高井戸線を除きすべて廃止され、下高井戸線は世田谷線に路線名を変え、現在でも運行されています。

しかし、玉電の需要はあり、渋谷から二子玉川園へのアクセスも悪くなってしまうことから今回紹介する「玉電代行バス」が運行を始めました。

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玉電代行バスについて

玉電の代行をするために始まった玉電代行バスですが、系統・区間は以下の表になります。

系統区間備考
渋01渋谷駅~三軒茶屋ノンストップ運転あり
渋02渋谷駅~用賀折返所急行あり
渋03渋谷駅~二子玉川園駅旧道経由
渋04渋谷駅~溝の口駅旧道経由
渋12渋谷駅~二子玉川園駅/高津営業所新道経由・急行あり
渋13渋谷駅~砧本村新道・二子玉川経由
渋14渋谷駅~向ヶ丘遊園駅新道・二子玉川経由・急行あり
渋21渋谷駅~上町駅
玉06二子玉川~砧本村
黒03目黒駅~砧本村

備考欄をみますと旧道経由と新道経由の2つがありますね。これは新町~瀬田間で現在の田園都市線をなぞるルート(都道427号線)を通るものを「旧道経由」、そして国道246号線を通るものを「新道経由」として区別していました。

運行は玉電大橋車庫の跡地に設けられた大橋営業所が受け持ちました。しかし、渋04系統と渋14系統だけは高津営業所が受け持ちました。

また、玉川通りには他にもバス路線があり、それらも玉電代行バスとして運行されました。系統・区間・代行区間は以下の表になります。

系統区間代行区間
東82東京駅八重洲口~等々力渋谷駅~駒沢
東83東京駅~【首都高速道路】~桜新町
東京駅~桜新町
三軒茶屋~桜新町
渋谷駅~桜新町
渋11渋谷駅~田園調布駅渋谷駅~真中
渋23・渋24・渋26渋谷駅~祖師ヶ谷大蔵駅・成城学園前駅南口・調布駅南口渋谷駅~三軒茶屋

それでは次からそれぞれの系統の解説をしていきます。

玉電代行バスの解説

大部分は架空で、実在するものについても旧表示となっています。また、一部区間のみ代行となるバスについては紹介しません。

渋01系統

玉電代行バスでは短距離で、現在では松蔭線に統合されています。渋21系統では同じ行き先があります。また、ノンストップ運転もありました。

渋02系統

現在の用賀駅の裏手にあたる用賀折返所までの運行でした。こちらは急行運転がありました。現在では都道427号線を通る新道線は存在しません。

渋03系統

現在の渋12系統と区間は同じですが、こちらは新町~瀬田間を都道427号線を通る旧道経由でした。こちらも急行運転がありました。

渋04系統

二子玉川園駅より先、溝の口駅まで運行していました。おそらく大山街道を経由していたと思われます。また、高津営業所管轄で、旧道経由でした。

渋12系統

現在も残る玉電代行バスです。こちらは前述までの系統と違い、新町~瀬田間を国道246号線通る新道経由です。過去には急行運転もありました。

渋13系統

こちらは現在の渋12系統と玉06系統をあわせたような系統でした。渋10番台系統はすべて新道経由になっています。

渋14系統

こちらは現在の渋12系統と向02系統をあわせたような系統でした。かなりの長距離路線でした。また、急行運転もありました。

渋21系統

現在も残る玉電代行バスで、三軒茶屋から先は世田谷線に沿っています。

玉06系統

こちらも現在も残る玉電代行バスで、玉電代行バスとして新設された路線では最も多く運行されています。当時は駅まで乗り入れておらず、二子玉川までの運行でした。

黒03系統

こちらは現在の黒02系統と玉06系統をあわせたような路線でした。

玉電代行バスのその後

玉電の廃止によって大量に新設された玉電代行バスですが、そう長くは続かず、1977年(昭和53年)に渋谷~二子玉川間に新玉川線が開業すると、それまで運行していた路線バスの再編が行われ、最終的には渋01系統・渋02系統・渋03系統・渋04系統・渋13系統・黒03系統は廃止され、渋12系統・渋14系統の急行運転も廃止され、渋14系統は二子玉川駅発着になった上で向02系統になりました。

しかし、新玉川線とは関わりがない玉06系統は本数が多く、二子玉川発着だったのが駅まで乗り入れるようになりました。

また、国道246号線を通る新道線においても瀬田交差点での渋滞により定時性の確保が課題になり、アンダーパス経由になっていきました。

現在も残る玉電の遺構

廃止から半世紀以上経った玉電ですが、現在も随所に残っており、玉川線では渋谷駅前交差点(スクランブル交差点)付近~(道玄坂)~道玄坂上交差点~(国道246号線・玉川通り)~新町一丁目交差点~(都道427号線)~瀬田交差点~(国道246号線・玉川通り)~二子玉川駅付近を通っていたと思われます。
また、溝ノ口線は二子橋を通って大山街道を経由していたと思われます。砧線では現在の砧本村バスターミナルが当時の砧本村駅でした。
他にもあると思いますのでぜひ探してみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?現在も残る玉電の遺構と玉電代行バスに乗ってみてはいかがでしょうか?
いろいろありまして次回は9月22日になります。ご了承ください。

この記事を書いた人
方向幕量産者
方向幕量産者
LED方向幕を量産しています。最近はパーツ集を主に制作しています。

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