
洛嶺電鉄。ぼんやり路線網は頭に浮かんでいましたが、どこを通るのかは具体的に決まっていません。架空鉄道はダイヤや駅情報など様々ありますが、少なくとも路線がないと成り立ちません。そこで、洛嶺電鉄の路線網を具体的なもの、確定したものにしていきます。この「路線網の確定」は、「京都エリア編」「丹波エリア編」「但馬エリア編」「丹後エリア編」「福井エリア編」の五部構成となる予定です。
路線網の策定
丹波方面への路線
問題①:起点駅の位置

この洛嶺は、丹波方面に路線を伸ばすつもりですから、まずはその起点駅を決める必要があります。どこにしようかな、と悩んた末、5つまで絞られました。上の写真には、それぞれの駅とその利点が記されています。では、問題点がとこなのかと言うと・・・
- 丹波口 :他方面からのアクセスが、恐らくとんでもなく大変なことになる
- 京都 :近鉄京都線の歴史から見て、京都電燈は参入していないから難しそう
- 烏丸五条:特に無いと考えられる
- 清水五条:少々コストがかかるように思われる。また、市電との交差がある
- 四条大宮:路線開業時期によっては、他方面からのアクセスが悪くなる
丹波口は、京都鉄道、今で言う嵯峨野山陰線の中間駅であり、あまりアクセスは良くないように考えられます。京都市電との接続駅でもなかったので、この案は却下です。また、京都案についても、恐らく自社だけで開業させるのは資金的に難しい(土地買収など。古地図を見る限り、駅周辺は比較的開発が進んでいた)うえ、近鉄京都駅と駅舎を共有するとしても、近鉄京都線の前身である奈良電気鉄道に出資する必要があると考えられ、さらに路線の開業目的から考えて、標準軌での敷設は難しいとの判断で却下となりました。四条大宮案についても、京都市電と接続しているのは良いのですが、路線開業時期によっては、やはり大阪方面からのアクセスに比較的難があるかもしれないので却下。
こうして残ったのが烏丸五条と清水五条です。この2駅にすれば、烏丸五条で京都市電に、清水五条(当時は五条と言ったが)で京阪電車に接続出来ます。そうして、この後も少々悩み、以下のような結果となりました。

路線としては、以下のような感じになりました。

もう少し阪急(新京阪)と離しておいた方が良かったかな、とは思いましたが、気にしないことにしましょう。(なお、歴史の原案的には新京阪の方が後発です)
問題②洛西の山越え
京都と丹波の間に待ち構えているのが山たち。嵯峨野山陰線の前身・京都鉄道は、この山越えを保津川に沿って線路を敷設するという形で突破(のちに新線に付け替え)していますが、洛嶺がそのルートに沿って敷設・・・という訳には行きません。では、洛西エリアの地図を見てみましょう。

もうこれ老ノ坂越えしかないだろ()
では、老ノ坂付近の断面図はと言うと・・・

左側が沓掛インターのすぐ北、右側が篠町の王子地区になります。普通の国道に沿ったものだとかなり標高がきつい感じがします。では、京都縦貫自動車道に沿った場合・・・

こっちのほうがキツイかも。しかも、路線開業時期を考えると、長大トンネルはかなり不自然です。よって、老ノ坂越えの区間では上案にしようと思います。

最終的に、丹波方面の路線における京都エリアの路線は、こんな感じになりました。

なお、亀岡から伸びている盲腸線は「千歳線」といい、出雲大神宮の参拝客輸送を目的に建設された路線となっています。
嵐山線系統

路線敷設の上で問題になった点は特に無いですが、改変点は多めです。
- 帷子ノ辻駅は「太秦垂箕山」という駅名である。
- 撮影所前駅は開業していない。
- 蚕ノ社駅は、2008年の京都市営地下鉄東西線 太秦天神川延伸に伴い、移設の上「蚕ノ社・天神川」に改称している。
- 梅津線という、西院から梅津・松尾エリアを経由し御陵まで至る路線がある。
- 京都市電梅津線は、当路線より遅く開業した設定であるため、存在していない。
- 沿線の都市化が戦前からある程度進んでいた。
叡山線系統

叡山線系統も、路線敷設上の問題は少なかったですが、改変点は多めです。
- 叡山本線は、清水五条から、河原町・銀閣付近・八瀬を経由し大原までを結んでいる。
- 出町柳までの路線は「出町柳線」という別の路線である。
- 三宅八幡駅は、明らかに三宅八幡から離れていたので、「上高野」に改称している。
おわりに
今回は、京都エリアの路線点描を行いました。京都は「古都」であるため寺社が多く、路線敷設がなかなか難しいです。そんな土地でも、何とか路線を敷けそうな場所を探し、調べ、敷設する(という設定にする)・・・。これこそが架空鉄道の醍醐味だと私は信じています。
To be continued…
参考資料など
- 地理院地図
- 「ひなたgis」
この記事を書いた人

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明石生まれ・奈良育ち・名古屋住みの学生架空鉄。東海エリアの記事を中心に書いています。心の中はいつも東海市。知多半島の萌えキャラ「知多娘。」のしゅうちゃん・メディちゃん・酔子ちゃん推し。
・・・Freedom TrainもBRAVE!
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- 2025年3月6日名古屋鉄道三河知立、つれづれ
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- 2025年2月22日記事新シリーズ・「洛嶺電鉄制作記」〜ガイダンス〜
コメント ご意見やご感想等お気軽にどうぞ。
「何とか路線を敷けそうな場所を探し、調べ、敷設する(という設定にする)・・・。これこそが架空鉄道の醍醐味」
まさに!
地理も史実も無視して、好き勝手に線路を敷くだけなら、子供のやってる「僕鉄家ノ前駅」になってしまう。
歴史上も、未成線どころか起案段階で消えた計画も多いですが、それでも実現性を考えて計画されたわけですし。
ウソ電もそうで、単に適当に車両をぶった切って接着すればいいわけでなく、技術的・営業的に存在し得た可能性が高いほど、リアル感が増します。