
こんにちは。こづるしんでんです。ついに仙石線にもE131系が到着しましたね。
仙台地区の1番の老朽車がこれで置き換えられていく……のですが、あれ? そういえば、仙台地区の老朽車ってこれだけだったっけ……?
あ、719系5000番台!
そうです。大回りでよく使う719系、実はかなり老朽化が進んでしまい、近く置き換えられるかもしれません。
その理由や、じゃあどんな車両が入ってくるかについて、考えていきましょう。
719系とは

まずは、719系について解説していきましょう。
719系は、JR東日本が運行する近郊型電車で、1990年代初頭に登場しました。主に東北地方のローカル線や快速列車で使用されて、主に仙台地区で使われました。
かつては多くの車両があったものの、大多数はE721系1000番台で置き換えられ、今は山形線にのみ残っています。
内装

この719系の特徴は、なんといっても集団見合い型という座席配置になっていることです。
つまりどのようなことかというと、

こういう感じで、中央に向かって座席が並んでいる配置です。なかなかない配置をしていますよね?
制御機器
今はもうほとんど残っていない、「サイリスタ位相制御」を採用しています。
昔は九州の811系(機器更新済み)、今は阿武急の8000系(大半が廃車済み)などで使われていますが、他形式からは消滅寸前です。
この制御方式が、後々大きな課題となってきてしまい……
運用区間

山形線の福島〜新庄間の全区間で運用されています。また、福島〜米沢間は719系の専属運用になっています。
なので、峠駅に峠の力もちを買いに行くには719系への乗車が必須です(車で行けるかもとは言わない)
置き換える必要がある理由
ではまず置き換える必要はあるのかについて、考えていきましょう。
そもそも経年30年を超え、老朽化も進んできているのですが……個人的に置き換える必要がある、というポイントは
サイリスタ制御
実はこの車両、サイリスタ位相制御、というなかなか珍しい制御方式を使っているのですが……
もはや最近では使っている車両がほとんどなく、現在は719系0番台の廃車発生品でなんとか部品を確保していますが、峠の多い区間を走ることもあり、劣化が早く進行しているのが実情です。
部品的な面からしても早めに置き換えたいところです。

一緒に置き換えたい車両

一緒に置き換えたい車両は、山形線で共に使われている701系5500番台でしょう。
現在、701系と719系の2形式が混在していますが、車種統一も行うことができますし。
しかし、機器更新を2013年〜2016年あたりに行っていたのですが、機器更新+20年の間701系を使うと仮定すると、あと10年も719系は持つのでしょうか?
山形線では車両が独自規格(ホーム高さや標準軌対応など)のものになってしまうので、一気に置き換えてあげたい所ですが……
どうする?

考慮すること
では、山形線に新車を投入するにあたって考慮しなければならない事を考えてみましょう。
東北の中では高いホーム
山形線は新幹線との兼ね合いで全駅が高床ホーム化済みなんです。
実はこれだとE721系の入線が不可能になってしまい……
E721系は東北地区の低床ホームに合うように車体ごと低くしているのですが、それだと山形線の高いホームに入線できません。これでは、車両選定のハードルがぐっと上がってしまいます。
輸送形態について
地方の路線なので全区間ワンマン運転を行っている、と思っていましたが、実はワンマン運転未整備区間が福島~米沢間に残っています。
また、現在山形線にはSuica未対応駅が残っていて、新車導入時Suica対応にされてもおかしくありません。
あ、あと従来通りのワンマン運転時の運賃収受の際に使う、運賃箱やモニターとかも必要です。
どの車両が来る?
では実際にどのような車両が来るのでしょうか?
E721系改善案

まずはE721系改善案です。メリットは、交流対応であることや、東北地方で主力車両であるところです。細かい部品を共通化できるため、保守コストも下がるかもしれません
その一方、課題点は低床構造であることです。前述の通り車体ごと低くなっているため、山形線の高床ホームには物理的には入れません。低床ではない番台を起こす可能性もありますが、台車から何から設計変更が必要になってしまい、少し難しそうです。
【結論】→ 無理そう
E131系改善案

次に、E131系改善案についてです。メリットは高床構造をクリアしていることや、現在も製造が続けられている最新設計であることです。
その一方、課題としては、交流非対応(直流専用)であるため、電気系等の設計の見直しが必要になってしまうことや、 4ドア通勤車であるため地方観光路線には不向きであることがあげられます。
【結論】→ 無理そう
E131系の構造・思想を参考にした新型車がありそうですが、どっちみち独自の車両になるのは避けられないでしょう。
完全新設計
では、新型車両はどんな設計思想になるのでしょうか?
考察したところ、下のような構成が一番ありえそうと考えました。
・3ドア・床面が通常の車両と同じ高さ
・セミクロスシートの内装
・E721系ベースの電装品
・ワンマン運転対応
イメージでいうと……これ、ほとんどE129系の交流版じゃないですか。
あとどれぐらい使う?

新型車両のイメージをつかめたところで、719系はあとどのぐらい使うか考えていきましょう。
211系と比べると


211系と719系5000番台はともに国鉄末期~JR初期の代表的な近郊型車両で、顔も似てますが、今後の扱いは大きく異なります。
211系は現在は関東・長野地区で運用されています。新型車両(東海地区では315系で置き換え済、長野地区でもE131系投入が確実視)への置き換えが進行しており、機器更新は行わず2030年頃までに大半が廃車される見通しです。
一方、719系5000番台は、山形線用の交流かつ標準軌・高床ホーム対応という(東北地方からすると)特殊仕様です。上で考えたように、置き換えには専用設計の新形式が必要になるため、具体的な動きはまだありません。
つまり、211系が先行して姿を消す一方、719系5000番台はまだ残存する可能性が高いということでしょう。
VVVFに機器更新は?

また仮に811系と同様、VVVFに機器更新を行った場合を考えてみましょう。そうすると、E721系系列と同一機器(VVVF+SIV+CPなど)に揃えることができ、保守コストは下がります。また、多少の延命にもなります。
が、そもそも車齢が30年超えておりE721系共通機器を入れても延命は10年程度にしかならないでしょう。
長期的に見れば新造車投入のほうがメリットが多いため、現状は811系のように機器更新を行わないのでしょう。
鉄道ファン視点では 719系VVVF化は面白すぎる話題ですが、新形式新造のほうが合理的でメリットが大きい、というのが今の結論です。
結論
客車列車を置き換えるべく登場した701系や急行型を置き換えるべく登場した719系。
平成期の東北地方を支えて来た車両達にも、置き換えの足音が迫ってきているような気がします。
701系や719系が今後いかにして置き換えられるのか、引き続き注目していきたいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。

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