ニューヨーク市地下鉄徹底解説 第九部 乗ってみよう

こんばんは、あさまです。

えー大変お待たせいたしました。題して、

ニューヨーク市地下鉄徹底解説シリーズ

です。

本「ニューヨーク市地下鉄徹底解説」シリーズ最終回となる第九部は「乗ってみよう」という記事になっています。

これまでの記事でもちょくちょく「これはこうしたほうがいい」みたいなことは(きっと)書いていましたが、今回はそれらのまとめ的に、実際に地下鉄を乗るとなった時に気にするべきことなどをまとめていきます。

なお記事について、極力現地で僕が撮影した画像を使うようにしていますが、どうしても見当たらなかったものはWebからの引用、ないし自作したイラストで代替させていただきますのでご理解ください。

それでは今回もよろしくお願いいたします。

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基本の「き」

これまでの記事でもいろいろ書いてきましたが、MTAのことに関して軽くおさらいしましょう。
まず知っておきたい、基本ポイントは以下の通りです。

  • ニューヨーク市地下鉄は「MTA」という公営機関が運営
  • 世界的にも珍しい24時間運行の公共交通機関(一部路線)
  • 路線はアラビア数字もしくはアルファベットでの区別
    →現地では「1 Line」や「A Line」という表記(日本では「1系統」などと訳されがち)
  • 基本的な種別としては急行と各駅停車が存在する
    →現地では「Express」と「Local」としてそれぞれ表記。こちらは日本と似ていますね。
  • 運賃はなんと一律料金制
    →基本的にどの路線も、どこからどこまで乗っても距離に関係なく同じ料金です(詳細後述)!

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乗る前の準備

まず「支払方法」を決めることをおすすめします。
現状は代表的な方法が二つがあるので、さっそくですがご紹介します。

OMNY(オムニー)

近年登場した新しい非接触型の決済システムになっています。個人的にもこれを推奨します(詳細後述)。

注意点としては、利用前にネットから事前登録をする必要があります。
まあとはいえ、デバイスとクレジットカード情報があれば非常に簡単に登録できます。

https://omny.info
上記のサイトから登録できますので、画像では途中までとはなりますが解説していきます。

スクリーンショット: https://omny.info

おそらくこのようなページに飛ぶと思うので、右上のRegisterから登録しましょう。

スクリーンショット: https://omny.info/register

基本的にはメールアドレスとパスワードを入れれば登録できるようですが、GoogleアカウントかAppleアカウントとの連携もできそうですね。
ちなみにパスワードは八文字以上、アルファベットの大文字、小文字、数字、そして ! @ $ ^ * -のいずれかの記号を一つずつ使わないと登録できないのでお気を付けくださいね。

スクリーンショット: https://omny.info/register/contact-info

ということで次の画面に進むと、アカウントの情報を登録する場所があります。
First nameに名前、Last nameに苗字をローマ字で入力してください。
Phone numberは国旗の部分からお住まいの国をお選びの上電話番号を入力してください。
Countryでもお住まいの国をお選びいただければよいと思います。
Postal codeは郵便番号ですね。日本だと七桁の数字です。各自で入力してください。

入力が終わったら、
一つ目「私はOMNYの利用規約とOMNYのプライバシーポリシーを読み、同意しました。」
二つ目「私は18歳以上であることを証明します。」
それぞれに、各自で判断の上チェックを入れられる場合はチェックボックスを押してください

その後Finishを押すと、ご自身のメールアドレスに確認メール的なものが届くそうです。
よくあるやつですね。リンクを踏んで登録を完了してください。

登録が完了すると、支払いに使うためのクレジットカードを連携させる画面が出てきます。
基本的に「Bank Card」の選択肢で問題ないと思います。JCB、Master、VISAなどの登録ができます。
クレジットカードの情報を入力したら保存しましょう。
これでクレジットカードとの連携が完了です!お疲れさまでした。

んで肝心の乗り方ですが、いたって簡単です。
OMNYと連携させたクレジットカードを改札機にタッチするか、
クレジットカードをスマホのアプリに設定し、そのスマホを改札機にタッチするだけで乗車できます。

これが乗る時です。そして降りるとき、ニューヨークの地下鉄では改札にもう一度何かを通したりタッチさせたりする必要は一切ありません。改札をただ通るだけで問題ありません!

MetroCard

By Metropolitan Transportation Authority of New YorkVector file from Metrocard issue form, Fair use, https://en.wikipedia.org/w/index.php?curid=14490855

主流の地下鉄への乗車方法として、もう一つは「MetroCard」を使う手段です。
画像のような黄色いカードがあります(家にもあったんですが見当たらないので今後画像差し替え予定)。
これを改札に通してバーを押すと駅構内に入場できるというものです。

By Alistair McMillan – https://www.flickr.com/photos/alistairmcmillan/37659627/, CC BY-SA 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=54942109

これが券売機です。大体の駅にはこれがおいてあり、確か一部の駅では日本語表示もできた気がします。
カード、もしくは硬貨紙幣での支払いに対応しています。

改札のシステム

これは僕が撮影したどこかの駅の改札です。非常に見にくい点ご容赦ください。
まずOMNYはどこにタッチすればいいのかというと、改札の手前にある黒い端末みたいなやつです。
日本の改札にICカードをタッチするときと同じ感覚で使えるそうです。

一方でMetroCardですが、

左側の方の出っ張りです。

これですこれ。
ここに、カードに記載の矢印の方向で、ここにカードをスッと通すとゲートが動くようになります。それを押して入場できるという仕組みです。
結構ちゃんと通さないと動かないので気を付けてくださいね。

僕がOMNYを推奨する理由

結論から言うと、MetroCardは今年12月での廃止が決定しています。
この先どうなるかというと、将来的にはOMNYへの一本化が行われます。

コロナなどの影響もあり、実はこれでも延期された方なのですが、やはり長く定着していたMetroCardを廃止するというのは色々と難しい点があったようでずれ込んだのが今年の12月ということだそうです。
ですのでまあある意味MetroCardは貴重なものになっていくという点で、鉄道ファン的には集めたいという方が一定数いらっしゃいそうですが、普通に使うならOMNYを強くお勧めしたいと思います。

乗り方1 経路を調べる

僕のおすすめはMTA公式ホームページです。

スクリーンショット: https://www.mta.info/

左側のPlan a Tripというところで、普通に乗換案内アプリのように起点駅や目的地駅、日付などを入力すると、その日に合った列車のスケジュール・経路を調べることができます。
というのも、MTAは基本一ヶ月先まで、計画的な運休や本数削減の情報などを予め掲示しています。公式のものなのでその迂回経路を知ることができるというメリットもあります!

乗り方2 駅に行く

まず早速ですが駅の出入り口の例を出します。どこの駅の出入り口にも、大体こういう看板が出ています。
基本的にはそこに降りていけばその路線のホームには行けます。

では例外は何かというとこういうやつです↓。

何の変哲もない看板に見えるかもしれませんが、路線案内の下に「Uptown & Queens」とありますね。
これは「Uptown & Queens」に向かうホームに向かう階段ということです。

逆を返すと、「Uptown & Queens」に向かうホームにしかいけないということになります。
特に地下駅ではこういう、特定のホームにしか行けないという入口がよくあります。

ではどう対策すればいいかというと、ここで前述の「乗り方1」で解説した案内サービスが本領を発揮します。

スクリーンショット: https://www.mta.info/

少し見えにくいかもしれませんが、これはTimes Sq-42 StからQ系統の96 Stに行きたい場合のルートを検索したときの画像です。

路線の部分を見てください。

スクリーンショット: https://www.mta.info/

なんとこのサービス、路線と方向を完璧に提示してくれるのです。涙必至。

つまりこの神サービスと、適宜駅出入り口の看板を確認することで、ホームに降りることができるというわけなんです!!!!!

乗り方3 乗ろう!

さあ乗りましょう。ホームに降りてきました。

ホームに行くと、大体の場合は下に添付のこういう看板か、

下に添付の駅名標が存在します。

これは先ほどの例とは路線が全然違いますが、大体こういう表記です。路線名、行先、そして到着までの時間。
まあ行先とは言いましたがこの画像のとき行先が表示されているだけで、記憶が正しければ方向も表示されたはずです(間違っていたら本当にごめんなさい)。

なので先ほどの路線・方向と発車標やホームの看板を照らし合わせて、自分の乗るべき列車を見極めましょう。

と、ここまでいろいろ言ってきましたが、さっきの神サービスやGoogle Mapでも、その駅の時刻表的なものを見れたと思うので、それを活用されるのも良いと思います。自分に合った乗り方を探してみてください。

乗る上での知っておくといいこと

さて、一通り乗り方をご紹介したところで、僕が実際現地を訪れたときに思ったことをベースに、地下鉄に乗る上で知っておくといい(かもしれない)ことを書きたいと思います。

車両全般

  • 少なくとも地下鉄車両の座席にクッションはありません。多分座席はプラスチックです。硬いどころの騒ぎではないので日本の感覚で座ると違和感を覚えるかもしれないので気を付けてくださいね。
  • 吊り革もありません。でもその代わり手すりが車両のど真ん中にあります。
  • 古い車両だと自動放送とかはありません。代わりに車掌が放送かけてくれることがありますがめっちゃ早口なことが多いので、窓から見える外の駅名標とかを見ることをおすすめします。
  • 両開きのドアの片方しかドアが開かないことがあります。普通にトラップなので気を付けてください。(ネタとしてはおもろい)

人が写ってしまっていますが、これ実例です。合成じゃないですよ?

  • 地下区間で駅以外は基本通信は圏外になります。でもその代わり駅ならフリーWi-Fiがあります。
  • 普通に電車うるさいです。
    大きな音が苦手な方は耳をふさぐなど、対策をすることをおすすめします。

列車の運行面

  • 突然予告なしに駅を通過することがあります。もし目的の駅から行き過ぎてしまったら落ち着いて、反対方向の電車に乗り換えましょう。
  • ホームに上がったら規制線が貼られて数十人の警官がいることがあります。そういう時、大体の場合そのホームから電車に乗ることはできないので、コンコースか別のホームに行きましょう。
  • 終点の駅についても行先表示を変えずに普通に出発していくことがあります。まあすべてが折り返し列車なら回送列車とかに乗らない限り問題はないと思いますが、念のため気を付けてください。

安全面

  • 車内に荷物棚とかもありません。が、これはおそらく盗難の危険性とかを考えてでしょうね。
    地下鉄の駅構内にいる間などは特に、カバンを前に背負うなどして、何か物を盗まれないよう十分気を付けてくださいね。
  • 車内で寝ないほうがいいです。寝ている間に貴重品を取られる可能性があります。
    もし眠くなったら、いっそのこと目的の駅まで立ってみてはいかがでしょうか?
  • ホームに立っているとき、壁があれば壁側に、なかったらホームの真ん中に立っておくことをおすすめします。ホームドアは向こうにないので本当に気を付けてください。
  • 本当に冗談なしで、座席に謎の錠剤が転がっていることがあります。
    錠剤に限らず、変なものがおいてあっても触らないでください。
  • 深夜帯にも一部路線では列車が走っていることがありますが、酔っぱらいのお客さんやホームレスのお客さんなどが日中に比べて多く乗車されていることがあるので気を付けてください。

ファン目線

  • おかしなくらいカーブが急な場所に駅があることがあります。
    ただ変な体勢で撮影するなどは絶対にやめましょう。普通に電車の運行の妨げになりますし、ニューヨークの地下鉄は第三軌条から電気を供給して走っているので落下すると関電の危険性があります。
  • 坂道のど真ん中に駅を作っていたりすることがあります。
    これまた同様に撮影等は細心の注意を払ってください。それから荷物とかが転がってしまわないように気を付けてください。

こんなもんです。若干面白おかしく解説しましたが、安全面に関しては特に注意してください。
盗難や事件事故などを受ける可能性もあります。他のサイト様などでも対策などは解説されている方々がいらっしゃると思いますので、ぜひそのようなものも見ながら、お気をつけて過ごしてください。

運賃の話

結構大事な話を間違えて一番後ろに持ってきてしまいました。

2025年10月10日現在、原則として、地下鉄もバスも、ほとんどの交通機関の運賃が一律で2.90ドルです。

しかしこれだけではありません。なんとMTAさん、公式直々に「How to save money on New York transit fares」というページを公開されています。翻訳すると

「ニューヨークの交通機関運賃を節約する方法」

です。

ここにどんなことが書いてあるかというと、運賃が割引になる方の条件みたいなものです。

乗り放題のMetroCardのことだったり、身長44インチ未満の子供を連れていると、基本的に地下鉄やバスに無料に乗れることだったり…。いろいろ書いてあるので是非読んでみてください。
こちらからお読みいただけますので、ぜひ旅の参考にされてはいかがでしょうか?

以上。

今回の記事、そしてシリーズはこれで以上となります!

個人的には初のシリーズ系記事で、投稿期間がかなり開いてしまうこともありました。
長い間お読みいただいた皆様、ありがとうございました。

この記事たちを通して少しでもニューヨーク市地下鉄の面白さがわかっていただけたなら大変うれしいです。
これからも不定期ですが、ニューヨーク市地下鉄に関して小ネタ系の記事を投稿していきたいと思っていますので、こうご期待ください。

【注意】
現地で何か事件などに巻き込まれてしまったとしても、
筆者の僕や本サイトでは一切責任を取りません。
行かれる場合は自己責任で、
お気をつけて行ってらっしゃいませ。

なお、この記事の内容はあくまで一鉄道ファンとしての予測や考察にすぎません。
(将来的に)誤った内容である可能性などもあります。
正確性の保証や、閲覧による不利益等については責任を負いかねます。

ということで、今回の記事はここまでとなります。お読みいただきありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう!!

本記事の記述にあたって参考にさせていただいたサイト様

Wikipedia様
ニューヨーク州やニューヨーク市地下鉄について調査をしている中で参考にさせていただきました。

この記事は、<a href=”https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/“>クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 4.0 国際 パブリック・ライセンス</a>のもとで公表されたウィキペディアの項目<a href=”https://en.wikipedia.org/wiki/MetroCard“>「MetroCard」</a>を素材として二次利用しています。

MTA様 ホームページ
ニューヨーク市地下鉄の地図等の参考にさせていただきました。

この記事を書いた人
asama_tk85
asama_tk85
鉄オタ歴約10年のあさまです!
「短く簡単に」をコンセプトに、 Youtubeでは鉄道に関する動画を投稿しています。
あさま、とは言っていますが基本的に取り扱う話題とかは日本全国やっていけたらと思っています。よろしくお願いします!

コメント  ご意見やご感想等お気軽にどうぞ。

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