
こんにちは。こづるしんでんです。
「お、E8系いるじゃん!」──そんな反応も、最近ではだいぶ減ってきました。
仙台駅で撮影している人は相変わらず多いですが、それでも「異例」というより、「見慣れた光景」になってきた感じがあります。
とはいえこの光景、そもそもE8系の本来の使われ方とはまるで違うという点、意外と忘れられがちです。
山形新幹線が福島止まりになっているこの対応、けっこう長期化しているんですよね。
前回記事では主に当日の対応や当時わかっていた故障原因についてまとめました。
(サムネこの記事のやつの文字と画像だけ変えたやつだってばれないよな)
原因は?

JR東日本はその後の調査で、ある特定の製造年月日の「半導体」とそれを制御する「基板」を組み合わせて接続した場合などに、故障につながる誤作動が起きていたことを明らかにしました。
一方で根本的な原因の解明には至っていないということで、トラブルが相次いだ日の「暑さ」などの要素も含めて、さらに詳しく調べるとしています。
東北・山形新幹線の新型車両トラブル 「半導体と基板」一定の組み合わせで「故障につながる誤作動」確認もさらに根本的な原因解明へ JR東日本 | TBS NEWS DIG (1ページ)東北・山形新幹線の新型車両で電力を供給する装置が相次いで故障した問題で、JR東日本は装置の中にある半導体と基板を一定の組み合わせにした場合、故障につながる誤作動が起きていたことを明らかにしました。この… (1ページ)
壊れたのは、いわゆるSIV(静止形インバータ)の一部と思われる装置。これが故障すると、主変換装置の冷却装置が動作せず、回路保護装置が働いてモーターが停止してしまうそうです。
しかもこの故障、走行中の編成だけでなく、基地に留置していた編成でも発生しているという話も出ており、「走行中の負荷による破損」というより「部品そのものの不具合」という見方が強くなってきました。実際、プレスリリースには故障した素子の写真も掲載されていて、私も思わず「こんなに壊れる?」と二度見したほど。
そして7月15日の会見では、特定の製造年月の半導体と、それを制御する基板の“特定の組み合わせ”によって誤作動が起きるケースがあることが新たに明らかになっています(TBS NEWS DIG 2025年7月15日付)。ただし、JR東は「根本的な原因の解明にはまだ至っていない」としていて、相次いだ日の“暑さ”など外的な要素も含めて、現在も調査が続けられていようです。
特定編成のみ故障?
これに対しJRは15日、全部で11編成ある「E8系車両」のうち、故障が頻発しているのは2024年秋以降に導入した5編成に限られ、それ以前に導入した6編成には不具合が見つかっていないとして、現在「双方の違いを調査している」ことを明かした。 また、不具合のない6編成の安全性が確認でき次第、単独運転を再開させたい考えを示した。
【さくらんぼテレビ 2025年7月16日付】
さくらんぼテレビ|さくらんぼテレビ プライムニュース
そしてこのトラブル、どうやら編成によって発生傾向に差があるようです。
今回のトラブルが起きているのは、全部で11編成あるE8系のうち、2024年秋以降に製造・投入されたG7編成からG11編成だけに限られていて、それ以前に導入されたG1〜G6編成では今のところ不具合は確認されていないという。
さくらんぼテレビ(2025年7月16日付)も「現在やまびこ号の増結に使われているG1〜G6編成では故障が起きていない」と伝えており、どうやら後期型だけに絞ってなにか起きているらしい。JR東も「双方の違いを調査している」としています。
この2つの差は何なのか気になりますが、逆に言えば、問題が起きていないG1〜G6については安全性が確認でき次第、「つばさ」単独編成での運用を再開したいという考えも示されており、今後の調査と対策しだいでは「当たり」と「ハズレ」で編成の運用が分かれる、なんて事態も現実味を帯びています。
故障原因が判明
特定の時期以降に製造された半導体素子では、半導体素子を制御する電流が従来の補助電源装置より高くなることが確認されました。これにより、制御基板に想定よりも高い電流が流れたことに加え、周囲温度上昇も影響したことで、制御基板内の制御回路にある保護素子が誤動作し、半導体素子の損傷に至ることが確認されました。
(中略)
E8系の補助電源装置において、制御基板の制御回路が半導体素子を制御する電流の違いや回路の周囲温度の上昇に対しても誤動作しないよう、制御回路の保護素子の設定を見直します。本対策を講じた車両については、健全性を確認したうえで順次営業運転に投入します。
さらに、つい先日発表されたプレスリリースでは故障原因が判明したとのことです。
どうやら、特定時期以降に製造された、電力を変換する半導体素子では、以前のものより制御する電流が高くなってしまったようです。それにより制御基板に想定より高い電流が流れてしまい、また周辺の温度が高くなったことも重なって保護素子が誤動作し、故障に至ったそうです。
また、対策もプレスリリースの中で示されていて、営業運転にも順次投入するとあり、ようやく山形新幹線の分断は解消されそうですね。
E8増結やまびこをみてみる

この故障の影響で、山形新幹線は全列車福島で折り返し運転を行うことになりました。
その影響で、東京〜福島間で17両で運転する列車が減ってしまうため、その分の輸送力を確保するために、一部のやまびこ号にE8系を増結し、また福島駅でつばさ号に乗り換えできるように対応されています。
実際に増結されたE8系の車両は、10〜17号車の後部に連結され、通常のE5系の後ろにE8系がくっつく形となっています。この「E5+E8」の17両という構成は、福島以北では非常に珍しいです。(併結試運転か、山形新幹線運休時ぐらい)
もちろん内装もE5とE8で異なっており、乗り慣れている人には「あれ?」と気づくポイントがちらほらあります。

増結分のE8系はグリーン車以外は全て自由席の扱いになっていました。(グリーン車は車内発売で対応)
仙台駅で少し様子を観察してみましたが、始発駅である仙台駅からも、ある程度の乗客が乗車していました。
先日のプレスリリースによると、山形新幹線の車両基地に停泊しているE8系を夜間に回送し、17両で運転する列車を増やすとのことです。
1ヶ月以上続いているこの対応。ほぼ日常のような光景になっていますが、本来のようにE8系が使われる日が早く来るのを待つばかりです。
今後の運転計画は?
基本的に7月の間はこの対応が続きそうです。どの列車が東北新幹線と直通運転を行っているか、17両編成で運転されているかは、JR東日本の運行情報のページから確認してください。

福島駅では、つばさ号を基本的に14番線発着にし、下り列車の際は対面乗り換えが、上り列車の場合は一旦下の階に降りてからの乗り換えになっています。以前の連結分離の際は、つばさ号は地平ホーム発着になっていたので、その時と比べるとやまびこ号との乗り換えがしやすくなっていますね。
7月中はこの増結対応が継続される見込みで、さらに8月1日からE8系での運行を再開するようです。
(1)今後の運転計画
8月1日(金)よりE8系の単独運転を順次再開いたします。
① 8月1日(金)~8月8日(金)の運転計画
山形新幹線の定期列車(毎日運転する列車)は通常ダイヤで運転します。なお、8月1日 に限り、一部の定期列車に運休が発生します。 また、臨時列車はあらかじめお知らせしている列車から、本数を減らして運転します。
② 8月9日(土)以降の運転計画 山形新幹線の定期列車(毎日運転する列車)は通常ダイヤで運転します。臨時列車の運転計画は、7月28日(月)頃にお知らせします。
https://www.jreast.co.jp/press/2025/20250709_ho03.pdf
長く続いたこの対応、お盆期間前には解消するとのことで、とてもありがたいですね。
まとめ
山形新幹線の車両が「板谷峠を越えない」という今の状態、冷静に考えると相当な異常事態。
「新幹線らしくない新幹線」の象徴でもあるこの区間がE8系不在となれば、それだけで寂しさを覚える人も多いはずです。
E8系が再び、ミニ新幹線特有の急曲線と急勾配に挑む姿を一刻も早く見たいですね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
参考文献
JR東日本 プレスリリース
- https://www.jreast.co.jp/press/2025/20250709_ho03.pdf
- https://www.jreast.co.jp/press/2025/20250625_ho02.pdf
- https://www.jreast.co.jp/press/2025/20250618_ho01.pdf
- https://www.jreast.co.jp/press/2025/20250722_ho01.pdf


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中央特快相模湖行き()
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