こんばんは、あさまです。
春が来ているのか来ていないのかいまいちわからない気候が続いていますね。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
題して、
ニューヨーク市地下鉄徹底解説シリーズ
です。
今回の記事は第七部、その名も「シャトル」の解説です。
おそらくここまでアルファベットや数字で路線名(系統名)を区別していたのに、「なんでシャトルだ」って思われた方もいらっしゃると思いますが、これが地味に便利なんですわ…。
まあ突然シャトルって言ってわからない方のほうが多いと思いますので、そもそものシャトルの仕組みを最初に説明していこうと思います。
ということで今回もよろしくお願いします。
シャトルってなんだよ。
まずはシャトルそのものの仕組みを説明します。

w0746203-1 – 投稿者自身による著作物, CC 表示 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=9361520による
あ、このシャトルではないです。まあでも役割的には似ています。
冒頭で「アルファベットや数字から外れてなんでシャトルだ?」みたいなこと書きましたが、シャトルにもアルファベットはしっかり設定されています。
その名も、「S」です。ShuttleのS。バッチリですね。(?????)
とはいってもシャトル(S)は一つだけではなく、三つ種類があります。
路線名 | 管理名称 | 運行時間帯 |
42nd Street Shuttle | 0(ゼロ) | 深夜時間帯以外 |
Rockaway Park Shuttle | H | 24時間 |
Franklin Avenue Shuttle | S | 24時間 |
これらが三つのシャトルの一覧です。
旅客向けにはどれも区別なく「S」や「シャトル」などと案内されていますが、内部では二列目の通り、それぞれが区別されて管理されているそうです。
んでこのシャトルはいったいどういう役割を担っているのかということですが、
どのシャトルもちょっと離れた、もしくは短距離で走る列車があると便利な地点同士の輸送をしています。
42nd Street Shuttleは後者に、他二つは前者に該当すると考えています。
そう、まさに「シャトル」なのです。
そしてシャトルという性質上、ほかの路線との直通や、運行形態を解説するときによく出てくる「例外」などは基本的にはないそうです。
(フラグ)

これがシャトルの案内表示で使われるロゴマークになります。本シリーズのサムネイルには解説する系統のロゴマークを載せていますが、シャトルになるとこれになるわけです。
と、ここまで三種類のシャトルについて解説をしましたが、深夜だけ走る異端なシャトルがありました。
これまた三種類で以下のようになっています。
本来のルート | 路線名 | 始発駅 | 終点駅 |
5 | Dyre Avenue Shuttle | Eastchester-Dyre Avenue | East 180th Street |
A | Lefferts Boulevard Shuttle | Ozone Park-Lefferts Boulevard | Euclid Avenue |
M | Myrtle Avenue Shuttle | Middle Village-Metropolitan Avenue | Myrtle Avenue |
これらが深夜になると突然現れるシャトルです。
どういうことかというと、一番左の列に「本来のルート」とありますよね。
これが日中、シャトルが出てこないときに普通に走っているものです。
しかし!これが深夜になると一部がシャトルに化け、表の区間をシャトルとして運行します。
つまり、本来はそれぞれ5系統、A系統、M系統ですが、深夜は一部が「シャトル」と名前を変えて運行されるっていうことです。
ちなみに、これは先ほどあげた灰色に「S」と書かれたあのロゴマークは掲示せずに走るだけだと思いますので、もしシャトルをどうしても見たい、撮りたい、などといった方は灰色の「S」、ちゃんとした(?)シャトルをご利用されることをおすすめします。
なんだよ、結局また例外じゃないか…。
さて、盛大にフラグを回収したところで、シャトルごとの解説に入っていきましょう。
なお、深夜だけのシャトルは先ほどの表のとおりですので、ここでの詳細な解説は省略させていただきます。
42nd Street Shuttle
まずは42nd Street Shuttleの解説です。
路線名 | S(内部管理名称「0」) |
起点駅 | Times Square |
終点駅 | Grand Central |
駅数 | 2駅 |
経由路線一覧 | IRT 42nd Street Line |
使用車両一覧 | Livonia Yard所属 R62A |
さて、この2駅しかない、つまり起点駅と終点駅しか存在しないこのシャトル、
かの有名なタイムズスクエア、そしてニューヨーク州とコネチカット州(ニューヨークの隣)を中心に路線を展開するMTAの子会社であるメトロノース鉄道などの起点駅、グランドセントラルターミナルの二駅を結んでいます。
ぶっちゃけ、ここの距離なら徒歩でも歩けるぐらい近い(同じ42丁目だし)んですが、シャトルが走っています。
ただし、深夜はこのシャトルだけ唯一運行がされないことになっているので、お気をつけてください。
そんなこのシャトルでは、車両はR62Aが使用されています。Livonia Yardの所属で、たぶん1系統や6系統などと同じ車両です。

By Davidng913 – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=139605284
ここまでが42nd Street Shuttleの解説でした。
Rockaway Park Shuttle
次はRockaway Park Shuttleの解説です。
路線名 | S(内部管理名称「H」) |
起点駅 | Far Rockaway-Mott Avenue |
終点駅 | Rockaway Park-Beach 116th Street |
駅数 | 10駅 |
経由路線一覧 | IND Rockaway Line |
使用車両一覧 | Rockaway Park Yard所属 R46/R179/R211A |
このシャトル、他二つのシャトルと比べても距離としては割と長めのものになっています。
この路線はニューヨーク市内の「ロッカウェイ半島」と呼ばれる場所で運転されていて、その歴史をたどると1956年ごろからもうすでに「シャトル」として似たような区間を走行していたそうです。
なお、このシャトルは24時間運転されています。
車両はRockaway Park Yardという車両基地に所属するR46/R179/R211Aが使用されています。

By MTAEnthusiast10 – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=100082094
A系統の写真ですが、同じR46です。

By Nohackstransit – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=139731693
R179です。これはシャトルとして走っている写真がありました。

By EmperorOfNYC – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=134113155
R211Aです。これはA系統の写真しかありませんでした…。ニューヨーク市地下鉄の最新鋭車両で、日本の川崎重工が作っています。
以上、Rockaway Park Shuttleの解説でした。
Franklin Avenue Shuttle
最後はFranklin Avenue Shuttleの解説をします。
路線名 | S(内部管理名称「S」) |
起点駅 | Franklin Avenue |
終点駅 | Prospect Park |
駅数 | 4駅 |
経由路線一覧 | BMT Franklin Avenue Line |
使用車両一覧 | Coney Island Yard所属 R68 |
このような感じです。
このシャトル、面白いのが他とは違ってワンマン運転が実施されているそうです。つまり車掌は不在で運転士が車掌の業務も一緒に行い、折り返し駅では運転士が反対の車両に行って逆方向に出発していく…ということをやっているそうです。
そんなこのシャトルですが、全4駅中3駅で計8路線と接続(2/3/4/5/A/B/C/Q系統)しているそうです。
それらの路線同士の橋渡し的な役割を担っているのではないでしょうか。
そしてこのシャトルも24時間営業が実施されています。
車両はR68が使用されています。Coney Island Yardの所属だそうです。

By Photo taken by Andrew Johnson – Originally from en.wikipedia; description page is/washere., Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1571681
以上がFranklin Avenue Shuttleの解説でした!
以上。
今回の記事は以上となります!
あまり規模は大きくないながらも、陰でニューヨーク市地下鉄の輸送を支えているのではないかと考えました。
42nd Street Shuttleはマンハッタンにあるということから、皆さんも訪れた際に乗りやすいと思いますので、興味があればぜひ乗りに行ってみてはいかがでしょうか。
次回はいよいよこのシリーズも終盤、第八部として計画中/建設中/廃止済の系統の解説をしていきます。廃止済の系統などでは、現在は使用されていない「9系統」や「V系統」などの解説も行う予定です。こうご期待ください!
【注意】
現地で何か事件などに巻き込まれてしまったとしても、
筆者の僕や本サイトでは一切責任を取りません。
行かれる場合は自己責任で、
お気をつけて行ってらっしゃいませ。
なお、この記事の内容はあくまで一鉄道ファンとしての予測や考察にすぎません。
(将来的に)誤った内容である可能性などもあります。
正確性の保証や、閲覧による不利益等については責任を負いかねます。
ということで、今回の記事はここまでとなります。お読みいただきありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう!!
本記事の記述にあたって参考にさせていただいたサイト様
Wikipedia様
ニューヨーク州やニューヨーク市地下鉄について調査をしている中で参考にさせていただきました。
この記事は、<a href=”https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/“>クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 4.0 国際 パブリック・ライセンス</a>のもとで公表されたウィキペディアの項目<a href=”https://en.m.wikipedia.org/wiki/S_(New_York_City_Subway_service)“>「S (New York City Subway service)」</a>を素材として二次利用しています。
この記事は、<a href=”https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/“>クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 4.0 国際 パブリック・ライセンス</a>のもとで公表されたウィキペディアの項目<a href=”https://en.m.wikipedia.org/wiki/42nd_Street_Shuttle“>「42nd Street Shuttle」</a>を素材として二次利用しています。
この記事は、<a href=”https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/“>クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 4.0 国際 パブリック・ライセンス</a>のもとで公表されたウィキペディアの項目<a href=”https://en.wikipedia.org/wiki/Rockaway_Park_Shuttle“>「Rockaway Park Shuttle」</a>を素材として二次利用しています。
この記事は、<a href=”https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/“>クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 4.0 国際 パブリック・ライセンス</a>のもとで公表されたウィキペディアの項目<a href=”https://en.wikipedia.org/wiki/Franklin_Avenue_Shuttle“>「Franklin Avenue Shuttle」</a>を素材として二次利用しています。
MTA様 ホームページ
ニューヨーク市地下鉄の地図等の参考にさせていただきました。
この記事を書いた人

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鉄オタ歴約10年のあさまです!
「短く簡単に」をコンセプトに、 Youtubeでは鉄道に関する動画を投稿しています。
あさま、とは言っていますが基本的に取り扱う話題とかは日本全国やっていけたらと思っています。よろしくお願いします!
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